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39662 DRG 06 001 / Ep.II Insidermodell 2022 [Maerklin-Allgemein]

Kolls_BR06b.jpg

上画像の絵は、Koll's Preis Katalogの表紙です。毎年同じ表紙絵で飾られているメルクリン00/H0の価格本ですが、最初はこの絵のモチーフがDRGの06形とは知らず、メルクリンH0でも製品化されていない機関車の絵がなぜ描かれているのだろう?と思い違いをしていました。実は戦前の1939年からSK800として1970年代まで長く生産されていた急客機だったのでした。

さて、本日、メルクリンから2022年インサイダーモデルが発表となりました。以下リンクが公式ページです。

39662 Dampflokomotive 06 001

BR 06 001がモデルの車体番号ですが、これは元々2機のみ先行車両としてクルップ社によって製造されたトップナンバーです。この001号機、1939年からメルクリン00/H0でSK800としてリリースされたモデルと同じ形式と車体番号です。このSK800はリリース当時、ドイツはナチ(NSDAP)が台頭していた頃のこと。戦後もSK800は作られ続け、最後のモデルは1973年までリリースされたので、それだけメルクリンH0では、この機関車の役割の大きさは際立っていたのかも知れません。

戦前のナチ政権はジブラルタル海峡からソ連のウラジオストックまで3mゲージを施設した巨大鉄道事業を夢想していました。
06形はアメリカの巨大機には遠く及ばないものの、45形のボイラーと41形の部品を多く使用した2D'2という軸配置のドイツ最大のマンモス機関車でクルップ社先行試作させたものでした。05形の成功で気をよくした政権の更なるプロパガンダに利用したかったのか、先に述べた3mゲージのプロジェクトの序章のようなイメージにしたかったのかはわかりませんが、何れにしても製造直後に戦争が開始されたこともあって、06形は2機のみに留まりました。戦後は2機ともDB所属となりましたが、他の流線型機関車はカウルを外され新型ボイラに載せ換えられてゆきましたが、その巨大さゆえの使い勝手の悪さゆえ、06形はその対象とはならず休車扱いとなりました。しかし、この機関車は技術以上に政治的な意味合いを色濃く残していることもあり保存への動きもあったのですが、結果として廃車・解体を免れませんでした。

さて、この新しい06形モデルはSK800同様、その印象を良く掴んだ特徴的な前面フォルムでSK800の動輪3軸から、実車に即した2D'2の軸配置に変わっています。更に速度に合わせた間欠発煙やテンダーの石炭が実物を使っていたり..と、インサイダーモデルらしいマニアックな仕様となっています。

これに合わせた客車セットもインサイダー向けにリリースが予定されています。SK800のような伝説のモデルになり得るかはわかりませんが、リリースが楽しみなモデルですね。1つ心配事は新しいターンテーブルに収まるのかどうか? でしょうか。

06形モデルとは関係ありませんが、先日チェコに留置されていた元NIOEのCIWLやMITROPA/DRGプルマン客車群と共にカウル付きの01 1102機関車がドイツに向けて移送されたニュースが飛び込んできました。そろそろカウル付き01.10形機関車もメルクリンから製品化を期待したいところです。

[EDIT] 2021-11-18
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コメント 3

KDB

これは素晴らしいですね。ただ、実物同様大きすぎて扱いに困りそうです。実物はボイラーの煙管が長くなりすぎ、通風が悪く所定の力が出なかったのですが、日本の「弾丸列車」計画の機関車は05や06に習った構造で、同じことになったと懸念されます。米国の大型マレー機関車等では長いボイラーに合わせた長い煙管を使わず、煙管の後方を短縮して燃焼室とし、燃焼効率を上げていました。戦後になってDBの新製機関車のボイラーでも燃焼室を採用しているので、06も何とかならなかったか残念です。
by KDB (2021-11-19 07:53) 

Akira

KDBさん、コメントをありがとうございます。この機関車の実車を語るとき、当時の社会背景を知るべきだと感じる次第です。当時は戦争直前、ナチが最も勢いづいていた時でしょう。多くの民衆もそれに倣っていたように思います。あらゆるプロパガンダを用いて世界最高の民族であることを誇張するためにはどんな些細なことでも大きく見せることが政権にとって最重要課題の1つだったように思えます。05形も06形もその一部と考えると、バカでかくて使いものにならない機関車も宣伝材料として見るならば、大きな効果があった..というのが私の見立てですが、とはいうものの、2機で生産が終了したこの機関車の設計と実機の性能は、後の機関車設計に少なからず役立ったようにも思います。

私が最も興味を抱くのは、この機関車の技術的側面以上にプロポーションとこの機関車の顔の造形です。どことなく愛嬌の感じるフロントのデザインに、私は昨日思いついたのは、「ナマズ顔」であるということ。似てませんかね?
by Akira (2021-11-19 09:11) 

Akira

技術的なことではもう1つ、本来なら軸重18t以上のAクラス路線のみしか走れない機関車に見えるのですが、2D'2の動輪4軸にした軸配置にした構造からか、18t以下のBクラス路線でも走れたようです。....もっとも、Bクラス路線沿線のほとんどのターンテーブルは全長23m以下の機関車のみの対応しかなく、06形が載れる転車台がなく、結局走ることはほぼなかったそうな...。大は小を兼ねることが出来ないのが鉄道の世界なのですよね...。
by Akira (2021-11-19 09:20) 

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