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42529 DB AB4ü-28 / Ep.IIIa (解説) [Maerklin-Reisezugwagen]

前回に引き続き、来年のインサイダーモデル客車セットからGruppe-29の1/2等合造車 AB4ü-28を取り上げて解説を試みたいと思います。

今回の1928年製造の3つの車種(ABC4ü、AB4ü、C4ü)は、全て全長21,72m、車幅2,96m(厳密にはABC4üは2,964m)とほぼ共通の車体構造になっています。
台車から遠い中央部分の2室が1等区分室、そこから左右に3室が2等区分室にレイアウトされていて左右デッキ部分に出入口とWCが設備されています。
1等区分室は、窓幅が1200mm、2等区分室は1000mmのため、外観でもすぐに理解できます。1等区分室は、向かい合わせシートが2名用と1名用に肘掛で分けられていて、向かい合わせで肘掛の位置がオフセットされています。2等区分室は3人用シートが向かい合わせです。区分室の長さも1等室は2100mm、2等室が1970mmと室内空間の広さにも差別化が図られています。2等区分室が1室6名定員に対して、1等区分室は当初6名でしたが、後に4名と変更されたようです。(当時の乗車運賃は2等が3等の2倍で1等は3倍だったことからも、1等区分室が定員6名になるのは苦情の元になったことが推察できます。)

よって全体の定員は、1等12名(後に8名)2等36名で合計48名(後に44名)は、定員80名の3等区分室車に対して妥当な寸法と言えます。シートはモケットで、3等車の木製ベンチより遥かに快適なはずで、長時間の旅には3等車のシートは辛いものであったと想像できます。

台車は、Görlitz II SchwerでC4üと同じ仕様となります。車内の静粛性や揺れなどは、どの等級でも違いはなかったのではないかと想像できます。

車体番号は、以下の通り2つのグループに分けられます。

11 333 - 11 362: 29両
11 363 - 11 568: 205両

合計:234両

この234両のうち「11 508」は試験的にScharfenbergkupplung(密着連結器)を取り付けていたようです。
現在の1等車(+プレミアムクラス)車両と考えれば、1形式所帯としては、多い方ではないかと思います。

製造メーカーは、LHB、Crede、Wegmannの3社です。
現在ALSTOMに吸収されたLHBのSalzgitter工場ではなく、当時ドイツ領であったポーランドのBresrauにあり、KasselのCrédeは、現在はありません。

これだけの所帯を持つ制式客車シリーズなので、DRGとしても戦後のDB/DRでも、多くのD-Zugとして東西ドイツ全体で標準的長距離用客車として運用されていたと推察できます。

[参考文献]
Die Einheits-Personen- und Gepäckwagen der Deutschen Reichsbahn | Joachim Deppmeyer
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