SSブログ

42529 DB Pw4ü-29 / Ep.IIIa(解説) [Maerklin-Reisezugwagen]

6両セット5種のGruppe-29系列客車セットの3種の座席車両は紹介が終わり、今回は荷物車(Pw4ü-29 )について触れてみたいと思います。

この荷物車は1929年製造のため形式は-29が付与されています。120両ほどが以下3社で製造されています。

・Waggonfabrik AG vorm. Herbrandt & Cie., Köln
・Gothaer Waggonfabrik AG, Gotha
・Hannoversche Waggonfabrik AG, Hannover

この車両の前の形式に前年から1929年に掛けて50両製造された Pw4ü-28/-28aや、1930/31年に250両製造され、メルクリンの4278モデルにもなったPw4ü-30があり、外観は屋根形状も同一でPw4ü-28は窓配置が違う程度ですが、非常に良く似た車両で区別がつきにくいかも知れません。
台車は、Görlitz II Schwerで他の座席車両と同様です。

この荷物車120両は、車両番号(105 161-280)が連番になっていますが、以下の車両番号については、特別な仕様となっているようです。

105 278-279:デンマーク航路のフェリー対応(航送許可仕様)
105 195, 198-200, 270-277:1932年から厨房設備付き(Pw4ük-29/32)に改造
105 270-277:特別塗装(Karwendel-Bauart)仕様
105 238:1935年に廃車、1938年より民鉄のLBEで1 002番として復活。

IMG_6564n.jpg
▲ 1932年に改造を受けてPw4ük-29となった厨房部分の図面

特に注目すべきはKarwendel仕様になった車両で、バイエルンの山岳地帯(Mittenwaldbahn)を走る観光用D-Zug(Karwendel-Expreß)向けに開発された軽量タイプの開放室仕様の2等、3等客車共にブルーのツートンカラーで登場し、この荷物車105 270-277の8両は1932年に同じツートンカラーの仕様(Pw4ük-29/32)に改造されています。上記データからはKarwendel塗装の8両の他、105 195, 198-200の4両の計12両には、これに合わせて厨房が設けられているので、ビールやコーヒーなどの飲み物や軽食(ソーセージ?)などの食事調理・提供機能が備わっていると想像できます。(客車側には大型テーブルなどの設備がないため、車内販売(ミニバー)形式で供食が行われていたか。)
この厨房は、非手ブレーキ側車端部の犬用ケージのあった空間(3,5m x 1,2mほど)に食品庫、冷蔵庫、製氷庫、石炭レンジ、水タンク、石炭庫、流し台が設備されています。石炭レンジを使うため、排気用の煙突が屋根上に設けられているために外観から厨房付きの車両は判断可能です。

1945年以降は、第2次大戦によって少なからずの車両が失われてしまいました。戦災に遭った車両の他、終戦時に他国にいたことで失われた車両もあります。それらは、SNCF、SNCB、ÖBB、PKP、そしてDRでした。
1966年からは、不要になった屋上の監視窓を外し、屋根がフラットに改造された車両が出てきました。

Karwendel仕様の客車は、メルクリンからリリースされていませんが、同じ金型の一部を使って製造可能でしょうから、MHIのKarwendel列車セットなど後にリリースされる期待があります。

[参考文献]
・Die Einheits-Personen- und Gepäckwagen der Deutschen Reichsbahn | Joachim Deppmeyer
・Pe4ü-28, -28a, -29 Einheits-D-Zug-Gepäckwagen (Ganzstahlbauart) WAGEN Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag München

[EDIT] 2022-12-15
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント