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ECx / DBAG [欧州鉄道]

ドイツ鉄道から平屋のIC/EC列車置き換え向けの新しい長距離列車の発注のアナウンスが公式サイトでありました。

Der neue Fernverkehrszug „ECx“

これによれば、新しい長距離列車はスペインのTalgo社で製造されるいわゆるタルゴ型車両となります。1軸連接台車による固定編成の客車列車で、制御客車と客車、そして専用の電気機関車で構成されるようです。CG画像では機関車のフロントマスクの造形は、制御客車と同じイメージです。
インテリアは、居住性がICEと同レベルとなり、BordRestaurantや自転車スペースなども設備されているようです。タルゴ客車は、車体全長が短く連接台車で内外輪差が小さくなるため、車体幅が現状より広くなると考えられます。座席配置は1等車が1+2、2等車が2+2と現状と同じですからゆったりとした作りになるでしょう。(シートピッチは未確認です)

最高速度は230Km/hとなり、より多くの座席数で、より速く、快適にサービスが行われるようです。ただ、区分室車はなさそうなので、寂しい気もします。
2023年から運用が開始され、当面は試験的にベルリン-アムステルダムで2時間ヘッドで運行されるようです。最高速度の向上と国境駅での機関車交換が不要となるため、現状より30分程度短縮される斗のことです。翌年からは、以下の4路線でも運用が開始されるとのこと。

- Westerland–Köln
- Westerland–Frankfurt–Karlsruhe
- Westerland–Berlin
- Oberstdorf–Köln

この路線を見ると4路線のうち3路線は北ドイツの保養地Westerlandで、残りの1路線は南ドイツの保養地でありスキーリゾートを抱えるOberstdorfです。以前であればFD列車が投入されるであろう路線とも重なりますので、ターゲットはビジネス以上に観光需要を期待しているのかも知れません。また、これら5路線だけでは、平屋のIC/EC列車はまだ生き延びる列車があるでしょう。
ÖBBは看板列車のRailJetが好評ですが、このECxも基本的にはRailJetと同様の固定編成客車列車であることは同じです。ただ、Talgoは軌間可変機能もありますから将来に向けての可能性(と言ってもスペインやロシアまで行く必要があるので昼行列車は難しい?)もあり、様々な可能性を考えてタルゴ客車への決定に繋がったのでしょう。

連邦鉄道時代から、DBではタルゴ客車への関心は持っており、ICNの種別で夜行列車用タルゴがベルリン-ミュンヘンを結んでいましたが、今は廃止され客車もありません。再びDBがタルゴを登場させる意味は、何か将来に向けて深い意図が隠されているやも知れません。
タグ:Talgo ECx DBAG
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