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4644 DB(P) Mineralöl-Kesselwagen "BP" / Ep.III [Maerklin-Guterwagen]

久しぶりにメルクリンH0貨車モデルの紹介です。

先日のこと、ドイツの友人からModellbahn-Börse(鉄道模型中古市)があるから行く..と言うメッセージをもらいました。私も20年以上前ドイツに住んでいた頃、ドイツ各地で行われていたBörseにハマって、何度もメルクリンモデルを物色しに行きました。当時はインターネットの普及する前であったので、買い逃していた中古モデルを手に入れるのはBörseが一番だったからです。ドイツなのでそうした中古市も規模の大小に関わらず各地でありましたのでまだ良かったですが、日本ではそれもありませんでした。

Börseは、体育館のような公共の施設や、ホテルのホールなど色々な形で開催されます。そして必ず入場料(当時、DM5,-程度)を支払わなければなりません。これはBörse開催のための資金源ですし、実はここを訪れる人にとっても入場料を支払うことで、手ぶらでは帰れないと言う心理的状況にもなって必ず何らかのモデルを購入するのは売り手にとっても良いことでしょう。インターネットが普及し、eBayなどオークションサイトも多々ある今の状況でも、Börseは開催されているので、ドイツはその価値があるとみなされているのでしょうね。

さて、前置きが長くなりましたが、その彼、Börseで私のためにメルクリンH0モデルを買ってくれたとの連絡があり、早速小包で送ってくれました。私はもちろんありがたく頂戴することに。 届いたのは3種のH0モデルで貨車2両と郵便車1両の3両でした。その内の1両が今日紹介する2軸タンク貨車(4644)です。

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このモデルは、水色の外箱に入っているモデルなので1970年代初期までのものと推察できます。Koll'sカタログでは、1967年から2度のリニューアルを経て2002年まで生産された記載があり、息の長いモデルの1つであることがわかります。私の手元にあるモデルは初期の1967年〜76年にかけて生産されたグループのようです。 過去モデルがデータベース化されているメルクリン公式サイトでは、最終バージョンのモデルが掲載されています。

メルクリン公式ページ:4644 Mineralöl-Kesselwagen

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モデルは、鮮やかなグリーン。日本でも一時期ガソリンスタンドが展開されたイギリスのメジャーBP社のブランドが印刷された2軸タンク貨車です。タンク貨車独特の片側に手ブレーキ設備のついたバルコニーが設けられています。

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▲ 手ブレーキ側正面

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▲ 非手ブレーキ側正面

車体正面から見たところです。手ブレーキ側のバルコニーにはタンク上部に登るための梯子が設備されています。

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▲ 上面俯瞰

上からこの貨車を見ると中央にタンク注入用蓋が見えます。そこから梯子までのステップが見えます。

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形式等の表示板です。流石にこの時代の印刷制度は今とは比較のしようもありませんが、当時として精細な印象もあったと思われます。一方で表示板にはARAL石油の表示が印刷されています。この辺りは、今では考えられませんが、当時は案外適当なものなのですね。 因みに、Koll'sカタログでは、この表示が「BP BENZIN UND PETROLEUM AG ... DB 581 694」と印刷されていると記されています。と言うことは、手元のモデルは生産過程でのミスのまま出荷されたモデルなのかも知れません。

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お恥ずかしながら最後に、1971年の4644モデルの日本語版カタログを...。小学生だった私は、黒マジックで各モデルの(当時の)価格をカタログに記していました。これら全てをいずれ手に入れてやる..と気持ちだけは先走っていたのでしょう。 ちなみに、当時はタンク貨車は2種あって廉価版の45XXと台枠が樹脂製の46XXがあり、600円の価格差がありました。46XX貨車は、当時の私には高嶺の花でもあり、憧れのモデルでもありました。 そんな、私がメルクリンを始めた頃のモデルをドイツの友人から贈られて、ちょっと懐かしく、50年近く前のメルクリンカタログを穴のあくほど眺めていた自分自身を思い出してしまいました。

[追記] 実は2009年の拙ブログ記事にShonan-Boyさんから頂いた画像を使用して、この貨車モデルと同じ製品番号のモデルについてアップしていました。

2009年6月26日記事

[EDIT] 2019-03-26
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