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UIC-Typ UH Schlafwagen von DB [欧州鉄道]

昨日に引き続き、形式のないDB寝台車についてです。前回はDBロゴの付いた青TEN塗装のMU形寝台車について記しましたが、もう1つ青TEN塗装でDBロゴの付いたUH形寝台車があるようで、その実車画像を探したら意外にも簡単にヒットしました。

UIC-Typ UH / DB エクステリア
UIC-Typ UH / DB 車体表記

この画像の説明では、上の画像は、UH 4597(おそらくCIWL番号)/ 71 80 71-80 764で、Dk 9103列車(Genova-Brignole)とのことです。(1982.7.29 撮影)
下の画像は、UH 4602 / 71 86 71-80 769で、Dk 9214列車とのこと。(1987.6.21 撮影)

これらも画像で確認できるようにDBロゴがありながら形式表記がありません。おそらくですが、UH形寝台車についても所有者であったCIWL社からDBへリースされたと考えるのが自然でしょう。
UH形寝台車は、別名U-Hansaと言われる車両で、BremenのHansa Waggonbau GmbHで製造されたのが由来だと思います。ただ、この寝台車はDSGからの発注はなくCIWL向けに製造されたようです。車体形状は切妻屋根ながら片開き扉のWLABmh173(UIC-U形寝台車)に似ています。

因みにCIWL社は運用のあった西欧各国に現地法人を持っていて、ドイツにはCIWL社が創業した直後の1873年(当時はドイツはなく王国時代でした)からISG(Internationale (Eisenbahn-)Schlafwagen-Gesellschaft)という名称の会社が2000年まであり、ミュンヘンには郊外のNeuaubingに「Atéliers de WL」なる車両工場がありました。(1956年からはDSG車両と共有)現地法人は、CIWL本社のあったベルギーでも2003年まで、最後まで残ったイタリアでは2011年まであったようです。

1971年から始まったTENプールによる各国寝台車の共通塗装化でCIWLの塗装の寝台車は消滅することになりますが、車両保有はその後も続いたようです。それが今回DBロゴの付いたUH寝台車であり、MU寝台車であったとということだと考えられます。DSGについては元々DBの子会社であったことからU形寝台車は当初から形式も与えられていました。

ドイツでのISG(CIWL)の位置付けは、あくまでドイツの民間車両保有と列車サービス会社であり、資本関係は別にしてもDSGとは並列にあったように思います。1971年の寝台車のTENプール化で車両保有が鉄道事業者に移管してしまうような状況下では、ISGはDBにリースという形で(少なくとも書類上は)車両を預ける形を取ったのでしょう。もしかしたら私がミュンヘンからボローニャまで利用したDB表記の寝台車は、サービスがCIWLだったことが記憶にあるので、寝台車も元CIWLの寝台車だったのかも知れません。

[参考文献]
Compagnie Internationale des Wagons-Lits / Wikipedia ドイツ
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