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[Vinyl 056] BGM / YMO [Vinyl]

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YMOの「BGM」です。8月14日のNHK-FMで放送された「今日は1日YMO三昧」で、デビューからの楽曲やその背景などを全てではありませんが、聴いていました。
そんなこともあって今回はこのレコードを改めて聴いてみたくなった次第です。

私は、YMOには2つのデビューがあって、このBGMは二度目のデビューアルバムだと思っています。
当初デビューした時点でのYMOの楽曲は極めて実験的でALFAレコードの担当は、彼らを売るために苦心した経緯を話されていました。何しろ誰も聴いたことない音楽かどうかもわからないような楽曲に一般の人は耳を傾けてくれるわけがない...しかし、それが偶然と幸運とスタッフの努力によってアメリカ公演から凱旋帰国に至る流れの中で受け入れられ大変なブームとなったのはこのラジオでも確認できました。
一方で、歌謡界はYMOの存在を恐れ、YMOの存在をなかったことにするなどというウワサも聞いています。しかし、逆に彼ら才能のある個々人は歌謡曲への楽曲提供も始めヒットも飛ばし、存在感は益々大きくなり、彼らの求める楽曲の方向性と売れるための楽曲というのは相反していたと思います。
そこでこのBGMです。正直私も(きっと頭のどこかでライディーンみたいなポップで刺激的な楽曲を求めていた者に対して)華麗なる裏切りを働いたことに驚きました。初めてBGM聴いた時のその音作りの違いに戸惑いましたが、私はそういう時何度も聴いてしまうのです。特に思い入れのあったYMOですから一生懸命理解しようとしたのもあったと思います。

すると、聴けば聴くほどその技巧的な素晴らしさ、初めて聴く世界観に完全にハマってしまいました。特にB面のCUE、UT、MASSが秀逸です。
このレコードがリリースされた1981年は、私にとって結構大変な時期でもありました。大学浪人中で美大予備校に通う身で高橋幸宏が卒業した武蔵美を第1志望にしていたというのもあります。このジャケットの着彩で描かれた絵にも刺激を受けました。レーベルには、新しいYMO温泉マークが彩られ、これに刺激を受けた私は平面構成やデッサン用パネルの裏にこのYMO温泉マークを手描きで模写し悦に浸っていたのも懐かしい思い出です。

彼らがこのBGM発売初日からTECHNODELICのレコーディングを開始し、それまでの細野さんから憑き物が落ちたようにレコーディングに向かっていたと昨日のラジオで語られていました。おそらく、このBGMの方向性がYMOの進むべき道だと彼らは確信できたのでしょう。
そういえば、私もこのBGMを聴いたあたりから、美大受験への向き合い方が変わってきたように思います。結局武蔵美はダメでしたけどw

YouTubeにあるこのアルバムを貼っておきます。
Yellow Magic Orchestra - BGM (1981)




タグ:YMO Alfa Records
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