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晩秋のドイツ旅行(1) [Reise]

ずいぶんと長く更新が滞ってしまった。実は10/29から1週間程ドイツを旅していたこともあって、中々ブログも更新出来なかったのであるが、これから何回かに分けてブログに旅行記を記してゆきたいと思う。

10月29日からの旅行と言っても、今回の旅は羽田空港を午前1時過ぎに出発する深夜便なので実質28日から旅行は始まったと言っても良いかも知れない。
いつもはルフトハンザを使う私も今回ANAにした理由は、その約3週間程前にANAのマイレージクラブから届いたメールマガジンに記された「マイル残高のお知らせ」に今年末でほぼ私のマイル全てが消失してしまう予告を見たところから始まる。そのマイル残高は、ほぼエコノミークラスのヨーロッパ往復分である。

2週間近く色々と考えた末に予約をしたのが21日のこと。出発約1週間前である。マイルを消失してしまうのは悔しいし、10月から11月に掛けて、ちょっと寒いかも知れないが、晴れてくれればまだ黄金の秋を楽しめる季節である。大変お世話になって挨拶したい知人もいることなので、そこへの訪問も含めることで決めたのである。もちろんこのような機会がなければ行かなかったであろう。
また、今回はメルクリンは一切関わることがなく、全くの自由の旅でもある。

今回は、今迄何度も訪れたドイツではあるものの、そのプロセスについては初めてのことが多く、ワクワクさせるものでもある。ドイツに滞在していた時はクルマ移動が多かったが、今回は全て鉄道を始めとする公共交通機関であることも楽しみである。それは一人旅であるからでもある。家族での旅行だとどうしてもレンタカーを使う方が色々な意味で便利であるが、鉄道の旅は私にとって発見が多いはずである。

いつもなら午前4時台に起き(つまりほぼ寝ない)て成田空港へバスで行くのであるが、今回は深夜便なので前日の午後8時前に自宅を出発し新幹線で東京迄、そして品川迄東海道線、品川から京急で羽田空港へと行くルートにした。国内線を使って羽田空港を利用するときは、いつも浜松町からモノレールを使うが、今回これも初めてである。こういう風に一人旅は自分自身の都合でルート選択出来る自由があるのも嬉しいのである。

日曜日の夜の上り新幹線とは言え、流石に午後8時を過ぎた列車は空席が目立つ。東京駅で乗換えた東海道線電車も混んでいない。JRから品川駅乗換えは、コンコースがほぼ同じレヴェルなのでラクチンである。空港線直通列車も頻繁にやってくる。京急電車内には、空港行きだけあって少なからずの旅行用スーツケースを持った乗客も見掛ける。途中京急蒲田駅も既に高架化され、電車は真新しいホームを横目に空港線に向かう。この辺りの車窓風景は、私の知っている時代とは随分変わった。程なく地下に潜り羽田空港国際線ターミナル駅に到着。

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まるでお上りさんのように初めての羽田空港国際線のターミナルビルを眺めながら、両替や旅行保険の手続きをし、ANAカウンターに荷物を預ける。意外にも出発ロビーには、多くの人が居るのには驚いた。
真新しい空港の出発ロビーは、広大ではないが、天井は高くコンパクトに纏められていて悪くない。(上画像)出発ロビーの中2階にある江戸情緒を模した店舗が連なる街並(江戸小路)は、セットとは言え中々面白い。ただ、午後10時を廻った時刻では、数軒の飲食店が開店しているだけで、残念ながら深夜便の利用者には縁の薄い施設と感じた。欧州線では深夜便だけなので、利用者数を鑑みれば致し方ないのかも知れない。

チェックインはネットで済ませていたが、結局ここでパスポートを見せ、チケットを貰ったので手続き的にはあまり変わらないと感じた。但し、チェックイン機での手続きがなく、荷物預かりカウンターも空いていたので今迄のチェックインに比べて非常にスムースに手続き出来たのは良かった。更に座席確認の際、中央4列中程の座席から非常口横の座席に変更してくれたのはラッキーであった。何しろトイレなどで席を立つとき横の座席の人に迷惑を掛けずに済む上、シートピッチは前の座席がないので広々である。

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出国審査を通り、高級店が並ぶ免税店街を過ぎて搭乗待合ロビーへと進む。ここには、至る所に電源のついたパソコン台が並んでいる。更に登録さえすれば無料で利用できる無線LANインターネット回線を使うことが出来るのは嬉しい。
既に搭乗口横の窓の外には、これから乗るB787が荷物を載せながら待機している。(上画像)

暫くここで最後のメール確認やネットをしつつ時間を潰していると搭乗時刻になる。今夜の便は予定より少し遅れて出発とのアナウンスがある。理由は、風向きが良いためフランクフルト空港に早着してしまうため、到着時刻に合わせての遅らせるとのこと。フランクフルト空港には早朝5時25分着とのことで、これより早くは到着出来ないようである。羽田発が午前1時過ぎになってしまうのは、欧州着の時刻を早すぎてはまずいからだが、出発時刻としてはビミョーだと思う。

先に上級カード会員、ビジネスクラス乗客からの搭乗はいつもの通りであるが、B787-8の搭乗旅客数が少ないためか、エコノミークラスであってもさほど並ばずに搭乗できた。機内のインテリアは新しいだけあってLEDによる照明のエフェクトや各種サイン類のピクトグラムなど悪くない。一方で非常口横に座ったとき目前に広がる真四角のトイレキャビンと柔らかな円弧で構成される天井やハットラックの造形の整合性が取られておらず、場所によって視覚的には特に上出来ではないとも感じた。

搭乗して暫くすると、静かに機体が押されている感覚があり、斜め後ろに少しだけ見える窓がら外を眺めると既に出発している。その後エンジン回転音が高くなり滑走路迄のタキシングが始まる。最新鋭機材だから静かであるかどうかなど気にも留めなかったが、実際の差異は特に感じられなかった。程なく離陸となりどんどん高度は上がるものの、非常口横は窓がないので東京の夜景など眺めることもできなかった。この時何故か高度が上がる際のいつもの耳ツンが無かった。これは個人的な感覚なので何とも言えないがB787故なのかも知れない。

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シートベルトサインが消え、暫くするとおつまみが出て来てミールサービスが始まる...と思っていたら、CAから配られたのは、コンビニでお馴染みの3角サンドイッチとTORAYの広告付きペットボトルに入ったミネラルウォーター1本。確かこの機体の素材は東レ製炭素繊維だからだろうか。その後飲み物サービスで白ワインと食後にコーヒーを貰うが、どうも調子が狂う。(上画像)深夜便なのでこれが離陸後のミールサービスの全てである。復路のCAに尋ねたら、やはり深夜なので軽い食事が良いとの判断からことであるとのこと。軽いのは私も異存はないが、このパッケージは、ちょっと...と感じたのである。せめてもう少し値段の分からないような工夫などが欲しい。これだと内容的にも味の方もコンビニのそれと全く変わりがないからだ。復路のミールサービスが努力しているだけに残念であった。

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何しろ夜中に発って早朝に到着する便である。機内はすぐに就寝モードとなる。最新機材なので、映画も個人用モニターを使うので大型スクリーンなどはなく、非常口の照明と天井のLEDがほのかに光るだけである。
今回の深夜便フライトは、久しぶりの旅行で私自身のテンションが高かったことと、午前2時を廻ってからの就寝ということで、かえって目がさえてしまってほとんど寝ることができず、B787はシベリア上空を安定した飛行でヨーロッパに入り着陸2時間半前ぐらいに提供される着陸前のミールサービスは、オレンジジュースを配られ和食と洋食を選択。写真入りの食事メニューを事前に見せられ決めることが出来る。洋食を選ぶと、届いたのはポーチドエッグ(半熟たまご2つとソーセージ、豆のトマト煮込み)、サラダ、パン、フルーツである。量的には良いが味が今一歩。まぁ、エコノミークラスなのだから仕方あるまい。食後のコーヒーが飲み終わる頃、ベルリン上空を通過し、程なくフランクフルト空港に着陸となる。高度を下げている時は耳ツンがあったので、機体の耐圧性能の違いかどうかは分からない。
着陸は、安定したもの。外もまだ夜明け前なので着陸は体感で確認するだけである。フライトそのものは全く問題なく眠ることさえ出来れば快適だったろう。

タキシング時、CAに到着スポットを尋ねるとBエリアとのこと。ANAはスターアライアンスでLHと共同運行しているので、DB乗換えにも最も便利なエリアである。ドイツ滞在時にANAで日本に帰国した時は、遠くにあるターミナル2のEエリアだったことを思うとスターアライアンスに加盟した恩恵を感じるのである。考えてみれば日本航空は現在ターミナル2のDエリア発着だったように思う。

続く

[EDIT] 2012-11-08
タグ:ANA B787-8
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「修行奮闘記 第3回」の番外編 [Reise]

先日から書店に並んでいる「鉄道デザインEx Vol.03」の拙著「デザイナー修行奮闘記」も3回目を数えた。ドイツにやって来た目的である大学入学まではまだまだ道半ばであるが、そこに辿り着く迄の約1年間は、初めて体験する事ばかりだったので、とても長く感じられたのも確か。何もかもが上手くゆく訳ではないが、周りの多くの知人に助けられたことは確かである。ドイツでは「Danke !」という言葉が日常どれほど使うであろうか?それに対して今自分自身が「ありがとう」という言葉を発する事はあまりない。メンタルの差があるのは確かだが、もっと沢山の感謝の言葉を日常発するように自戒を込めて努力したい。

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今回もこの記事に連動して当時の写真を何枚かお見せ出来ればと思う。まずベルリンには語学学校時代に何度か泊まりがけ旅行で出掛けたが、当時はまだ東西ベルリンの壁はしっかりあり、簡単に行き来が出来なかった。その象徴が画像の壁である。壁は東ドイツが一方的に作ったため、西側との境は国境(というより統治国境?)である。この壁から東側は緩衝地帯で、地雷が埋められていたり、ここに人が勝手に入り込むと自動小銃で撃たれたりしたようである。実際は、静かに壁がそびえ立っているだけだが、そういうことを知っているとやはり怖いのである。西ベルリンにいてすら、何かいつも心の中に恐怖があったのを憶えている。

撮影時は12月ということもあって、毎日このような分厚い雲に覆われていて、寒いし、日中でも暗い。心もどことなく寂しい気分になる。壁のかなたにはぼんやりとアレキサンダープラッツのテレビ塔が見える。それにしても当時のS-BahnやU-Bahn車両を撮影しなかったのは悔やまれる。

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上の2枚は、西ベルリンのメインストリートであるクーダムからほど近いU-Bahn(地下鉄)Wittenbergplatz駅のコンコースである。この駅舎自体が素晴らしいもので、広告も昔のまま保存されている。以下は、Wittenbergplatz駅の外観である。

http://www.b030-das-berlin-verzeichnis.de/schoeneberg/foto/u-bahnhof_wittenbergplatz.jpg

東西ドイツが統一されて壁もなくなった現在、巨大な工事現場も落ち着いてきているとは思うが、ドイツらしからぬドイツの都会であるベルリンは、様々な意味で人を惹き付ける魅力溢れる場所である。(但し冬はめっぽう寒いので、訪れるなら春から秋に掛けてをお薦めしたい)

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次は、Bremenからほど近い保存鉄道である。ドイツはご存知のように蒸気機関車による保存鉄道が少なくない。それらはちゃんと時刻表にも出ているし立派に運営されている。...が、残念ながらこの保存鉄道、Bremen近郊ではあると思うが、どこを走っているのか、何と言う名前なのかわからない。ここまでの行き帰りはホストファミリーのご夫妻が自家用車で連れて行ってくれたので、当時の私には全く見当もつかなかったのである。もしこの画像から、この保存鉄道についておわかりになる方がいらっしゃったら教えて頂ければ嬉しい。
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München Hbf - Frankfurt Fh - Narita [Reise]

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翌朝早くにミュンヘン中央駅に...。フランクフルト空港駅へ行く前に中央駅に居るスイスのEC客車やCisalpino塗装のECを見掛ける。先頭に218形機関車が連結されているので、これはチューリヒ行きであろう。

再び、ICE3のラウンジ席(中間連結部分)に乗車して一路フランクフルト空港へと走る。途中最初に訪れたゲッピンゲンを通過し、Stuttgart Hbfで方向変換。そしてNBS経由でフランクフルト空港駅へ到着。今回は遅延なしである。

空港駅からターミナル1の国際線用のBホールへと進み、自動チェックインを試みるが、何回やっても上手くゆかず、仕方ないので長蛇の列の最後部へ並ぶ。フォーク並びなので意外に早く順番が来て事情を話してチェックインする。自動チェックインをしてもしなくても同じ...という印象。
そして、貰ったボーディングパスは、何と出発ゲートはCである。Cは通常チャーター機用なのだが、考えてみればA380はブリッヂが特殊なのでCからの出発なのであろう。

今迄何度もフランクフルト空港を利用したが、初めてのCである。最後のお土産品などの買い物に時間を取られて、気がついたら搭乗時間間近である。そんな訳で出発前のA380の外観写真も撮れず、すぐに搭乗開始である。ファーストクラスとビジネスクラスは、搭乗待合いエリアから分離されている。LHのA380は、2階がファーストクラスとビジネスクラスで1階がエコノミークラスである。

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搭乗すると、真新しい機内ということがすぐにわかる。外からこの機材の名称が「München」と記されてあったのを確認したので、客室乗務員の方に8/3から就航を始めた2機目のA380かと確認したら、その通りという。...と言うことは、初就航から3回目のフライトということである。道理で真新しい訳である。

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機内のインテリアも、もちろんB747ともA340とも違う、大きなボディで緩やかな曲線で造形されていて明るく落ち着いた雰囲気である。機内に居ると総2階建ての下階とは全く感じさせない天井高である。

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もちろんシートモニタも付いていて、プログラムも充実している。機外カメラは3台装着されていて、コックピットからのカメラの他、真下に向けたカメラ、そして垂直尾翼にもカメラがある。その3つのカメラを任意に切替えてモニタリング可能である。上画像は、垂直尾翼からの映像をモニタで映したもの。正面に出発前の搭乗口待合室が見える。

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A380の離陸は静かである。機内ノイズはB747と比較してさほど差は感じない。離陸して暫くすると飲み物サービスが始まる。まずは、アペリティフとおつまみ。いつものようにカンパリオレンジとミネラルウオーターをお願いする。

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B747の時は紙製のメニューが入っていたが、A380では、モニターで確認する。これもエコかも知れないが、お年寄りなどには操作が難しいかも...。ランチは鶏の甘酢炒めである。結構美味。

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再び垂直尾翼からのカメラ映像を見る。正面は機体を上から眺めた雲海である。

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通常画面は、地図などスクロールしながら様々な情報を教えてくれるが、飛行機の画像がA380になっているなど、凝った画像である。LHのA380に対する意気込みを感じるのである。

モニターでは様々な映像プログラムが楽しめるが、映画もかなりの数が用意されている。私も約11時間のフライトでディズニーの「アリス」など3本の映画を見た。途中の機内の揺れはほとんど感じず安定した飛行のうちに朝食となり、日本上空に入る。
着陸も安定していて成田空港は、約30分の早着となった。自宅近く迄直通のバスの時間に間に合い、お昼には無事に帰宅となった。私にとってのA380初搭乗は、長い時間にも関わらず、エコノミークラスとしては極めて快適で、退屈することもなくドイツと日本の距離を益々短く感じさせるものであった。

ようやくこのドイツ・オーストリア旅行の記事も終了となるが、拙い旅行記にお付き合い頂いた皆様には感謝申し上げたい。
タグ:Lufthansa A380
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München [Reise]

RailJetでウィーンから到着したミュンヘンは、学生時代にインターンシップで4ヶ月ほど住んだ場所である。ミュンヘン中央駅自体が通勤路だったので、いつ来ても懐かしい。

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翌朝の出発が早いので、駅のホテルにチェックインして、すぐに街中へ散策へ行く。中央駅からS-Bahn二つ目の駅がMarienplatzである。住んでいる時には、あまりに観光客が多くてわざわざ避けていた新市庁舎前広場も、今回は一応通ってコーヒーで有名なダルマイヤーの本店を通ってミュンヘンで最も高級店が立ち並ぶ界隈に足を運ぶと、なんと新しいガルウイングドアのメルセデスSLSが居るではないか。初めて見たが、これはため息が漏れる程のクルマである。

ここから少し行った場所にメルセデスのショールームがある。ここでミニカーなど関連商品を聞いてみると、新しく巨大な販売店があるのでそこに行けという。その住所を見ると見覚えがあったので、そのまま街中を散策しつつ行くことにした。ミュンヘンの中心市街地も私が居た頃とは随分変わった。建物の構造上、中庭のある歴史的建物が多いためか、そこをリニューアルした時に中庭にショッピングゾーンを設けることが多いのがヨーロッパで良くある形だが、そんなタイプの新しい建物の通路に入ったら「無印良品」があったのには驚いた。品物もほぼ同じで、店内イメージも日本と変わらない。違うのは、2倍ほどの価格ぐらいであろうか。そう言えば、一昨年のクリスマスにミュンヘンの知人にMUJIで買った贈り物をしたような....。

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その販売店は、思っていた場所からはS-Bahnの駅一つ分遠い場所で、そこを歩いて行ったものだから閉店時間ギリギリになってしまったのである。その販売店は想像以上であった。すばらしく広い店内に新車や中古車、F1のペースカーやタクシー仕様まで展示されている。マイバッハの展示コーナーは、分厚いガラスで仕切られた隔離された部屋になっている。

BMWのお膝元だけあってライバルのメルセデスもここまで挑戦的になっているのかも知れない。

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ここからトラムで再びホテルに戻って、出直す。今回の旅行最後の晩餐は...もちろん夏のミュンヘンと来れば、ビアガーデンしかないであろう。バイエルン地方はミュンヘンに限らず、どこの街でもビアガーデンだらけである。しかし、私がミュンヘンに住んでいたのは冬から春に掛けてだったので、ビアガーデンを知らない。ホテルのフロントで近くの良いビアガーデンを尋ねたら、教えてくれたのがミュンヘン最古のビール醸造会社であるAugstinerのビアガーデンである。歩いても10分程度とのことで、その方向へ行ってみるが、BR(Bayerische Rundfunk/バイエルン放送局)の本社ビル横を通る。そこは上画像の建物の手前である。実はこの建物が、私の通っていたBZA(Bundesbahn Zentralamt / 連邦鉄道中央局)ミュンヘンである。ミンデンのBZAと並ぶ当時のDBの開発部署のある建物である。現在は民営化でどうやら建物自体を売り払ったようである。すっかりリニューアルされ建物の正面上にはAppleコンピュータのリンゴマークが掲げてある。上画像の建物手前の1階部分が、私が仕事をしていたデザインセンターの工房のあった場所である。懐かしい限り。

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お目当てのAugstiner Bräuのビアガーデン(Augstiner-Keller)は、何とBZAの向かいであった....。とてつもなく広い屋外に数えきれなくらいのテーブルと椅子。そして飲みにきた人である。見たところ東洋人や観光客らしき人はいない。地元の人たちばかりである。

マリエンプラッツの近くになるホーフブロイハウスも悪くはないが、観光客ばかりだし室内なので夏のミュンヘンを味わうにはこちらの方が良い。ただ、食べ物もビールもセルフサービスであることと、相席なるほどの混み方であったが、日本では味わえない美味しいビールとソーセージでドイツ最後の夜を楽しんだのである。

参考サイト:Augstiner-Keller
http://www.augustinerkeller.de/
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Wien Westbf - München Hbf [Reise]

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翌朝、再びRailJetでミュンヘン迄の復路であるが、今度はプレミアムクラスでのリベンジを果たす事ができた。上画像は、停車中のRailJetにÖBB他、DBとMAVのロゴも記載されている。このロゴが付いていないのもあるので信託車両だろうか?

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列車が来る迄ホームで色々と物色して廻る。気がついたのが素敵な編成表である。どうもH0モデルの製品画像を編成表に作ったもののようである...と右下を見るとROCOのマークが...。さすがである。オーストリアの客車モデルは全て網羅しているのであろう。中々良い宣伝である。

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既に旧塗装の客車は無くなって久しいのか、車窓からも全て新塗装になっている。これを撮影しながら神戸のh氏のことを思い浮かべる。(ここに彼が居たらアドレナリンが上がるんだろーなーと余計な心配をしてみる。)

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さて、いよいよリベンジのプレミアムクラスである。シートは真っ赤な大型枕とフットレストを備えた本革シートで、白色ステッチが入っている。(1等は、赤色ステッチ)
ただ、どうも今回は予約した座席がことごとく裏目に出るようである。私の予約されたシートは、シベリアンシートとも言えようか。ギャレーとの仕切りの部分で私の座席のみ1人掛けで廊下側である。
窓を見てもRailJetの文字が窓に踊っているので外が見づらい。外から見ればカッコいいかも知れないが、乗客の視界を犠牲にしてまでするべき事ではないと思う。このあたりは要改善である。

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隣、つまり1等車部分との間にギャレーが設けられている。ここでプレミアム乗客用の飲み物や食事を用意するのである。

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出発すると、新聞や雑誌の配布(数種類が無料で配られる)。そして飲み物のオーダーを取りにくる。画像上のようなスパークリングワインも無料でオーダー可能である。
1等車で配布されるオレンジジュースとおつまみセットは、プレミアムクラスではない。

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つぎに出て来たのは、昨日1等車で注文したグラッシュスープの小サイズである。ただし、中に入っていたお肉は、昨日のより大きかった。
このあと、メインディッシュでも来るのかな...と期待していたら、何も来なかった。

ただ、飲み物は欲しければいつでも注文出来る。折角なので昨日Cafe Sacherで頼んだKaiser Merangeを頼んでみたら...出来るが有料になるとのこと。つまりギャレーで出来ないものはBistroで担当するのだが、それは管轄外なので有料になるのであろう。

昨日の往路は、途中雨模様になっていたが、復路はよいお天気で夏のオーストリアらしい起伏の富んだ美しい車窓を堪能できた。オーストリアの鉄道旅行は、この車窓風景が1番のごちそうである。

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ザルツブルクを過ぎると、再び軽めの食事が提供された。これはシャシュリックと呼ばれる肉の串焼きにサワークリームを添えたもの。ちょっとクセのある味だが、知った料理なのですぐに平らげる。でも、空腹を満たすには量が少ない。

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途中で、乗客も少なくなって来たので半個室タイプのシートに移動する。こちらの方が落ち着く。シート自体も広々として、居心地は良い。

但し、私の個人的な意見では、プレミアムのインテリアの質感よりも1等車のそれの方が高級感があると感じたのである。それはプレミアムの仕切などにある木目は画像だと美しく見えるが、実際はもっとくすんだ色合いで高級感がそれほど感じない。オフィシャル画像では色みを操作しているのではないかと感じるほどである。もしそうなら、ÖBB自身がそれに気づいていると言えよう。
また、木目以外の部分では鉄に銀色の塗装仕上げである。落ち着いた感じはするものの、1等車がステンレスの磨き出しを多用しているのに比較して、ややチープな感じを受ける。ステンレスはコントラストが出るので堅いイメージになるのだが、ビジネスライクな列車だからこそ、その堅さも美しさに繋がるのではと思う。プレミアムは、より落ち着いた雰囲気を出そうと努力は見られるが、最後の詰めが甘いのかも知れない。素材の使い方は大切である。

そこで次にRailJetの乗るとしたらどちらにするかと聞かれれば、私自身は1等車に追加料金をプラスして迄プレミアムに乗るのだろうか...と思ってしまった。以前、P-ZugさんのRailJet乗車報告では、かなり立派な食事が提供されていたのを見ていたので、私の時には最初「前菜か?」と思うほどであった。今の状態だと、お腹の空かした乗客にはかえって評判を落とす結果になりかねないと心配になる。プレミアムはサービスを維持するのは難しいのかも知れないが、折角の試みである。もう少し乗客のニーズを掴む努力もあって良いと思うのである。

ウィーンからミュンヘン迄約4時間の旅だが、いずれにしても退屈することなど全くなく美しい車窓の景色を眺めながらシートサービスされる各種飲み物や食事を楽しめるのは、旅の醍醐味を豊かにするのは確かである。

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ミュンヘン中央駅に到着したRailJet。願わくばこのサービスを今後も維持し続けて欲しいと願うのである。

最後にÖBB製作のRailJetのCFがYouTubeにあるので、それを紹介したい。

http://www.youtube.com/watch?v=yD1Zu_JEFL0
タグ:OeBB RailJet YouTube
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Wien [Reise]

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Wien Westbfから直接宿へと荷物を置きに出掛け、すぐさま街に繰り出すが、最初に足を運んだ場所はクリムトの「接吻」が展示されている、Belvdere宮殿である。
ホテルで行き方を教わってU-Bahn(地下鉄)と路面電車で行く。(上画像はトラムの電停)

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やって来たのが、お目当てのULFであるが、残念ながら反対方向行きである。私が乗ったのは旧型。ULFは世界で最も低い低床路面電車で、床上高がレール上面から180mmである。(通常階段1段あたり200mm程度)また、このモダンなトラムのデザインは、オーストリアに事務所を持つポルシェデザインである。ただ、高価だったためか、ULFはウィーン以外では採用されなかったようである。残念!

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時間もあまりなかったので足早に上宮のみを見学し、お目当ての「接吻」だけは時間を掛けてゆっくりと見る。その側には、マネやモネやルノワールやその他クリムトの他の優れた作品もあるのだが、見学者は「接吻」の絵ばかりに集まっている。確かに有名で素晴らしい絵であるが、ガラスで保護された「接吻」以上に、日本にやってくれば絵の前に厳重にロープが掛けられるような他の名画も、ここでは手で触れるくらい普通に展示されている。急ぎ足であったが来て良かった。これもGyörがキャンセルになったお陰?である。

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再び路面電車に乗って(またもや旧型!)市街地に戻る。中心部にあるオペラ座には、昔1度だけクルマで来た事がある。あまりに長いオペラで思わずフネを漕いでしまい妻からヒンシュクを買った苦い思い出だけが残っている。あれは、確かトスカだったか....。

そのオペラ座裏にあるのがウィーンで最も有名なHotel Sacherである。折角ここまで来たらここでカフェをしない手はない。画像は、そのSacher Torteである。どこで食べても大した差はないとは思うものの、ここのカフェでオペラ座裏にいる気分を満喫しつつオリジナルのトルテを食べると味も若干変わってくるような気がしないでもない。一緒に頼んだ飲み物はもちろんウインナコーヒーであるが、ここではウインナコーヒーと言っても通じない。Kaiser Merangeである。コーヒーに生クリームが乗っかっている。コップに入った水と一緒にサーブされるのがウィーン風である。上画像下は、CAFE SACHERのメニューであるが、表紙にザッハトルテが生まれて175周年と記されている。つまり、このトルテは、ドイツに初めて鉄道が走った同じ年に誕生したようである。

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そのCAFE SACHERの玄関である。隣はホテルの入口。ここに泊ることは一生ないだろう...。

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カフェの後は、中心商店街を散策するが、模型店は閉店間際で入店出来なかった。とにかくハプスブルグ家の栄華が偲ばれる街並である。圧倒されて上ばかり見ている自分に気づくのである。
上画像は、公共トイレの入口である。柵のデザインもアールヌーボー(こちらではユーゲントシュティール)の素晴らしい造形である。

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フィアカー(馬車)乗り場のある中心部であるが、商店街はここまでのようである。とにかくウィーンは大都市であることと、観光地である事、そして、これでもかっと言わんばかりの歴史的建造物に囲まれた場所である。あまりに多くの文化的遺産が多く目に飛び込んで来るので消化不良を起こしそうである...という印象。住むには落ち着かないだろうなぁ。

今回は「鉄」が少なめ...。
タグ:ULF
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München Hbf - Wien West Bf [Reise]

ミュンヘン中央駅から乗り込んだウィーン行きの列車は、今最もトレンディな列車RailJetである。

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予約した1等車の座席は座席テーブルのロックが壊れていたため、Bistroの隣にあるテーブル付き向かい合い席に変えて貰った。上画像は、そのビストロ部分。緩い円弧状のバーカウンターはゆったりとした雰囲気を醸し出し、美しい。

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1等車は、最初に紙パックのオレンジジュースとスナック菓子の小袋が配られる。(無料)途中お腹も空いて来たので、座席に備え付けのメニューからハンガリー名物料理のグラッシュスープとサラダを注文する。こちらは有料であるが、ボリュームもそこそこあって美味しい。

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天井から吊り下げられている液晶画面は、各種車内情報を掲示している。航空機のような位置情報も3種類のスケールで表示される。(画像上)列車速度も表示され、ザルツブルグを過ぎてから路線最高速度の200Km/hを何度かマークした。

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4時間余りのRailJetの旅は快適そのものである。まだ新しい本革シートは、革の匂いもほのかに香り、静粛で乗り心地よい移動が可能である。特に気に入ったのは、到着アナウンス時のチャイム?であるが、どう聞いてもKraftwerkのサウンドである。帰国後、このチャイムのサウンドをYouTubeで探したが残念ながら見つける事ができなかった。上画像は、Wien Westbfに到着したRailJet。

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その隣には、フランクフルトからのICE-Tである。

参考サイト:RailJet / ÖBB
http://railjet.oebb.at/
タグ:RailJet OeBB
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München Hbf [Reise]

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ミュンヘン中央駅に到着したら、CNLの車掌に言われた通り、DB Servicepointにまず並ぶ。チケットを見せて「乗り継ぎ列車の手配を何とかして欲しい..」と言うが、ここではどうやら乗車した列車の遅延確認が行われるだけ。乗継ぎ列車の手配は旅行センターで行えとのこと...ヤレヤレ。
で、旅行センターへ行くとようやく乗継ぎ列車の手配が出来たのだが....、ここで大きな問題が。何と私の乗る列車の次の列車は2時間後なのだが、プレミアムも1等も2等も満席。その次の列車ならプレミアムは満席だが1等ならあるという。と言う事は4時間後となる。次の目的地はハンガリーのGyörなのである。メルクリンのGyör工場にある最新のメルクリンショップを見たかったのだが..。しかし、予定より4時間遅れるともう目的は果たせない。特にGyörでは誰とも約束はしていなかったので良かったのだが、結局43分の遅延で4時間の遅れ...。急遽Györ行きを諦め、行き先をウィーンに変更したのである。トホホ..。この日の宿をウィーンで取ったのが幸いした。

その時私の頭の中は失望感と怒りで煮えたぎっていたのだが、旅行センターのお姉ちゃんは私の気持ちを察してか...チケットを私に差し出す時に、「これを持ってDBラウンジへ行って係に見せてください。朝食のご用意とゆっくりと休めますから...」と、気遣ってくれた。

ハンブルグのDBラウンジでは、つれなくされたのでやや不安はあったが、ラウンジでウィーン行きのチケットを見せると「どうぞ..」と、中へ入れてくれた。今回はジャーマンレイルパスではなく、1等の座席指定券を見せたのだが、それが良かったのか...。

ホームが一望出来る2階にラウンジはある。「鉄」にとってはたまらない眺望の場所で、スイスのルツェルン駅構内2階のレストランを思い出す。

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なるべく眺望の良い場所に陣取るやいなや、「お飲物とお食事は如何ですか?」とのことで、「朝食を適当に..あとMilchkaffee...」と、お願いしたらサーヴィスしてくれたのが画像の食事である。ミルクコーヒーも陶器のコップに入っているし、オープンサンドも美味しい。CNLでは出されなかったシリアル入りヨーグルトまである。ヨーグルトは正直嬉しかった。欲しければビールも無料で頼める。アイスクリームもセルフで食べることが出来る。DBのポイントは上がった...<- 単純..。

しばらくすると、杖をついたおばあさんと、付き添いらしきおばさん、そしてケージに入れられた1匹のネコがDB職員と一緒にやってきた。彼女達はどうもラウンジは初めてらしい。全て無料のサーヴィスに驚いて感謝していた。私はケージの中のネコに興味があって覗いたら中々立派な灰色毛のオスネコだった。とてもおとなしく鳴き声1つ出さず、じっとしているままである。早速そのおばさんと我が家でもネコを飼っていると声を掛け、しばらくネコ談義に興じる。ついでに持っているパソコンで我が家のミルヒの写真を見せたりして...とても喜んでくれた。話を聞くと彼女達は休暇旅行の帰りで、これからトリアーの自宅に向かうのだそうだが、ミュンヘンで乗換えとのこと。事前にDBに旅行計画を連絡しておけば職員が出迎えと列車までの見送りの付き添いを電動カートを使ってサーヴィスしてくれるのだそうである。乗換えに時間が掛かる場合は、今回のようにラウンジでの休憩もできるようである。彼女達が1等のチケットを持っているかどうかはわからないが、DBの高齢者の旅行のヘルプサーヴィスは素晴らしいと感じた。ここでもDBのポイントは上昇。彼女達と話をしていて典型的な善良なドイツ人像を見た思いがしたのである。

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しばらくするとDBの職員が彼女達を迎えにきた。私もそろそろ写真も撮りたいし...と、思って窓の外を見ると...。ARRIVA社Alexの機関車がドイツの鉄道175周年記念塗装で止まっているではないか。これは、ドイツ到着後本屋で見た鉄道雑誌に掲載されていたADLER号塗装のタウルスである。

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早速ホームに降りて写真撮影である。近くでは良くわからないのだが、確かにADLER号の形をした塗装である。しかし...「ROCO」のマークが一緒に印刷されている。どうやらROCOの支援を受けているようである。つまりメルクリンではなく、製品化が期待出来るのはROCOからであろう。

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▲ 低床連接台車電車の440形も良く見られるようになってきた。

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▲ ICE3到着と乗客の移動は、ミュンヘン中央駅の日常の一コマとなっている。

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▲ ICE3の撮影はお約束

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まだ少し時間があるので、11番線最先端部にある模型店「Gleis 11」へと行く。ここは、メルクリンを始め、多くの鉄道模型メーカーを扱う鉄道模型専門店として有名である。何しろ駅直結というかホームの延長上のお店だからだ。特に強く欲しいと思うモデルはなかったのが幸い?であった。

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▲ お店を出ると、ICE-Tが出発した。

ここでは、腹が立ったCNLなどの対応と、DBラウンジ滞在からの対応の良さの両方を体験したのであるが、この時点では既にGyörに行けなくなった事はまぁヨシとしようという気持ちになっていたのだから、DBはサーヴィスの何たるかが175年の歴史の中で培われているのかも知れないと感じたのである。でも2等のチケットだったら怒りはおさまらない...とは思うが。
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Hamburg Hbf - München Hbf [Reise]

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宿への帰り道(宿に荷物を預けてあったため)Binnenalster(内アルスター湖)のほとりから突然やって来たICを狙って撮影するが....後で画像を確認したら旧METのICEである。

旅行というのは、いつも順調とは限らない。昨年の2月のメッセの時は往路の飛行機の遅れから始まって乗り継ぎ列車の遅延など散々な目に遭った...。

今回の旅行でもそれが起こったのも、今のDBの運行状況から見れば起こって当然...なのかも知れない。
この日は、次の目的地へ夜行列車を使って行くことにしたのである。列車はCNLである。ドイツに到着した空港駅でこの列車を予約したが、残念ながらシャワー/トイレ付きの部屋(いわゆるカテゴリA)は既に満室(この列車には4室しかない...)で、洗面所付きの部屋(カテゴリB)となった。CNLの食堂車のデザインに関わった私としては是非1度CNLに乗りたかったのだが、今回ようやくそれが叶うので、B室であっても良いだろうと思ったのである。(CNLとはいえ、当初のCNL"CityNightLine"と現在のCNL"City Night Line"は運営もサービスも異なる)

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ハンブルク中央駅では、デンマークのIC3がコペンハーゲン行きECとして出発準備を待っていた。やはり登場時の白地に赤いドアが私の好みだが、元々優れたデザインのこの車両は、インテリアも含めて何時見ても魅力的である。このIC3の素晴らしさの1つに、その製造精度が挙げられよう。車体と窓はゴムのシーリングで止めてあるのだが、この窓面と車体面の段差は「0」である。これは定規を当ててみればわかること。初めてこれを確認したときは驚いた。

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事前情報として聞いてはいたのだが...ドイツの大きな駅にある1等車乗客専用ラウンジには、場所によってGerman Railpass(1等)は、利用不可と聞いていたが、ハンブルク中央駅のラウンジでその話は真実である事を確認した。仕方がないのでホームで列車を待つ事に...。

入線時刻の少し前、入線ホームで列車を待っていると「列車編成が予定の逆順になる」とのアナウンスが流れた。DBでは良くある事だが、列車の端の車両に予約をしているモノとしてはたまったものではない。荷物を引きずってホームの反対端まで走らなければならないからだ。そのアナウンスのタイミングも悪い..入線直前なのだから。こうして荷物を引きずってホームを走っていると101形に牽引されたCNL 1287 München Ost行きが入線してきた。
落胆に追い打ちを掛けたのは、このCNLは食堂車を連結していなかったこと...。残念の極みである。

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早速、乗車したのはWLBm。つまりカテゴリBのみで構成された車両である。外装色は白地にV.Rotの窓帯であるDB Nachtzug色に変更されたが、インテリアはオリジナルのまま、つまりノイマイスターデザインによるモダンで清潔感溢れるもの。

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幸い?階上の部屋で2つの窓から眺望の眺められる部屋である。上画像は階段室。以下は室内画像。スーツケースは、室内に置けるスペースがないので階段室階段下のスペースに置く。

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正直な話。以前DBで標準的な寝台車であったUIC-Typ U(WLABmh174/175形)と比較すれば、かなり狭い。天井も2階建てなので低い。全体的に圧迫感のある部屋であることは疑いもない。ただ、鏡や窓を多用した室内インテリアデザインに救われている部分も多いのである。また、ベットを畳んだ状態では快適と言えよう。ベットをセットした時点で、布団に潜るのが良いことがわかった。

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カテゴリB車両は、各部屋に洗面台しか付いていないが、車両端に共同のシャワー室が設けられている。このシャワー室は、家庭用サイズなので、共同とは言え最初に使うのであれば、カテゴリAよりも広々としたシャワールームで汗を流す事ができよう。またシャワー室にはガラステーブルの付いた洗面台と椅子が備わっている。以前のU形寝台車にも共同シャワー室があったが、トイレを通った奥に設備されているため使うのに抵抗があった。この点ではこのシャワー室は高評価である。敢えて指摘するならば、このシャワー室の扉はどこにでもありそうな普通のドアである。折角ここまでデザインされているのであるのだから、ノイマイスターらしいデザインを試みて欲しかったのである。(コストの関係かも知れないが...)

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初めてのCNL乗車ということもあって、若干の興奮もあってあまり寝付けなかったが、ベットの長さと幅は問題ない。寝る分には問題がないと言えよう。

6時過ぎには朝食を運んで来た。紙袋に入ったランチ(ブレックファースト)ボックスである。それに紙コップ入りのコーヒーが付く。以前のCNLより遥かにサービスの質は落ちたと言えよう。理由は明確である。CNL社だった時代は必ず食堂車が連結されており、朝食付きのサービスでは、食堂車の基地に航空機と同じタイプのトロリ(アトラスコンテナ)を積載していた。そこから各寝台車へ朝食をサービス出来たのだが、現在は、運営が変わったため、10両しかないトロリ積載可能な食堂車は、全てのCNLに連結出来なくなったのである。よって、朝食サービスのコンセプトそのものが機能しなくなり、結局紙袋入りボックスの朝食となった...と想像出来る。コーヒーにしてもICEですら陶器のマグカップなのに、紙コップは頂けない。今やスタバが欧州でも全盛なこの時代、紙コップ入りのコーヒーでも気にならないのかも知れないが、ファストフードではないのだから、このあたりのサービスの質の向上を期待するものである。陶器のポット入りでサービスされるコーヒーを懐かしむ私は、すでに昔の人なのかも知れない。

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ようやくミュンヘン中央駅に到着したCNLだが...。この列車43分の遅延で到着した。そのため、乗り継ぎの予約した列車には乗車出来ず、かなりの時間の待ちぼうけを食った。ミュンヘン中央駅の待ちぼうけなら退屈する事はないが、予定を大幅に変更しなければならないのは、そのDBの対応も含めて腹が立って来たのは確かである..。

それは、遅延のアナウンスはCNL車内で既に告知されていた。そのため専務車掌に乗り継ぎの問題解決をお願いしたのだが、「ミュンヘンでサービスポイントに行ってくれ」というのがその返事である。遅れの当事者である列車の専務車掌がこの態度というのはあきれた。言い方もあるのだろうが、このしくみはまずい。今の世の中、遅延が出たのなら最大限の努力を持ってその問題解決に当るべきなのが専務車掌の努めと思うが、DBの方針としてその仕組みを構築していないようである。

参考サイト:CityNightLine / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-cnl.htm
タグ:CNL DB Nachtzug
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Hamburg (4) [Reise]

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ハンブルグの2日目は、まず市街地中心商店街の高級バサージュの中程にあるメルクリンストアを訪ねる。上の画像がその入口である。このパサージュは高級ホテルのエントランスに続くため、パサージュ内の店舗は、高級品を扱う店ばかりである。そこに鉄道模型のお店があるのは、まず日本では考えられまい。

撮影許可を得たので、以下に店内の画像を...

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▲ 店舗入口

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▲ ショーウインドウ

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▲ 小さいながらもレイアウトがある

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▲ どの什器にも少しのモデルしか陳列されていない...が、これは敢えて意図したものだろう

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▲ 昨年のメルクリン創業150周年を記念して60〜70年代のメルクリンモデルを陳列

ここのお店は、おそらく世界で最も美しいメルクリンストアと思う。少なくとも今迄私が見た中で最も洗練された空間を持つメルクリンのお店である。とにかくセレブがお買い物に来ても何ら違和感がない...だろう。

しかしながら、それが良いかどうかは別の話である。少なくとも什器に飾られているモデルの数を見れば、Oberhausenのストアの方が遥かに品揃えは良い。更に言えば、顧客によっては、このような雰囲気はかえって来にくい(敷居が高い)ようにも見えなくもない。

ただ、このようなお店は初めて見たので、試金石としては面白いし、メルクリンの品質ならこのような雰囲気でも充分に堪えられるのは確かである。

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同じアーケード内にはSteiff Galerieもあった。こちらはメルクリンストアよりも店舗面積が倍ぐらいある。どちらも良い雰囲気のお店であった。

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その後は歩いてMiWuLaもある倉庫街(Speicherstadt)へ散歩に出掛けた。運河沿いに連なる倉庫は、現在ではほとんど使われていないが、中東の絨毯屋やコーヒー倉庫などとして今でも一部使われている。

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その中にあったコーヒー専門のカフェに入ったが、焙煎器などがそのままの状態でインテリアとして置かれている。おそらくここで飲むコーヒーも輸入後この倉庫内で焙煎され作られたものであろう。確かに美味しいコーヒーであった。

参考サイト:Maerklin-Store Levantehaus Hamburg
http://www.maerklinstorehamburg.de/home.html
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