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2023夏LRTフォーラム [まちづくり]

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事後報告になってしまいました。
表題の講演会が横浜の大桟橋のたもとにある波止場会館で昨日行われ、ここでも1度紹介した自律型スマートバス停を新たにLRTなどトラムにも活用できる汎用性を持った「自律型スマート停留所」についてレクチャーをさせていただきました。

今年の夏の猛暑は引き続き昨日も同様でしたが、高崎に比べて若干気温は低いのかな?とも思えましたが暑いは暑い。わざわざお越しいただいた皆さまには本当にお疲れ様でした。

さて、この日のフォーラムは午後から横浜ということで、娘の大学卒業以来久しぶりに横浜に出向きました。午後2時からなのでゆっくり行くこともできましたが、色々準備不足も気になっていたので9時すぎには自宅を出発、横浜駅でみなとみらい線に乗り換えて波止場会館最寄り駅の日本大通り駅に着いたのは、お昼すぎでした。駅から地上に出ると目の前の光景に驚きました。

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開港記念会館ですが、1917年竣工の辰野式フリークラシック様式なのだそうです。レンガと石の組み合わせから辰野の設計かと思いましたが、それは1つのスタイルとして確立されていたのでした。関東大震災で全焼したそうですが、1927年に耐震の上で再建されたそうですが、当時から復原が行われたということは、貴重な建物の1つだったと想像できます。

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その周辺にも1930年代ぐらいまでの階高の高い建物が林立し良い雰囲気になっています。高崎では見ることができない洋式建築に久しぶりに触れられれて暑い中でも景色が良いと気分は良いです。ここの中心は、神奈川県庁舎でしょうが、ここもアール・デコ様式を踏襲していて美しいです。さすが明治に入って世界に扉を開いた港街です。当時の世界に肩を並べたいと願う人々の気持ちがここのまちづくりに凝縮されているように感じました。

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実は自宅のコピー機のインクが足らずに前の晩からどうすべきか悩んでいたところ、セブンイレブンのデータによるプリントサービスを思い出して、途中でプリントアウトしたいというのもありました。
スマホにその文書データを入れて来たので、コピー機と通信すればできると思っていたので、県庁前にこじんまりとしてセブンが一軒あってそこに入って試したところ、うまく機能しません。しかしスマホ以外にもUSBメモリからデータを取ることも可能であることを知り、パソコンから手持ちのUSBメモリにコピーしようと思いましたが、さすがにセブンの中でお店を広げるわけにも..と思っていたらこのお店の脇に隠れるように小さなテラスがあって、そこに数客のテーブルセットがあります。お店の人に、テラス席を使えるかどうか尋ねると、「もちろん」との答えで、その場でアイスコーヒーとサンドイッチを購入し、日陰のテラス席でパソコン広げてUSBメモリーにコピー、ちょうどお昼時ということもあって静かな土曜日のランチは図らずもセブンのテラスランチとなりました。

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コピー機はちゃんと機能して、プリントアウトされた文書を持参し、大桟橋方面に向かうと、大きくはないけれども歴史を刻んだ良質の建物が並んでいます。ついおのぼりさんのように建物の上を眺めながら歩くと、ドイツ語店名「BLAUBERG an der Küste」(海辺の青い山?)が目に入って来て、目的地を見失って少々彷徨ってしまいました。実はこの建物の手前を左に入ったところが波止場会館という会議場のある会場でした。

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会場は4階で、目の前には大桟橋に停泊中の飛鳥IIが大きな船体を見せていて、左手にはおなじみオクトバーフェストが開催される赤煉瓦倉庫が見えます。久しぶりに海が見えて気持ちが良かったです。ドイツでもハンブルクの港は、同じように外に開かれた美しい街ですが、そこは河口から100Km以上エルベ川を上ったところで港の風景は横浜に勝てないでしょう。(しかし、ハンブルクにはアルスター湖と私には何よりもMiWuLaのあるSpeicherstadtが最大の魅力ですけど...)

前置きが長くなりましたが、散歩気分で歩いた横浜の一部ですが、やはり魅力一杯の街で、市民はこのまちに誇りが持てると思います。逆に多くの地方都市は東京にコンプレックスがあるのかないのか、どこもせっかくの個性を引き出させていないような感じもしたのでした。

さて、そんなこんなで14:00から LRTフォーラムは開催され、久しぶりの対面での講演会の場にお招きいただいて、十分な話ができるようスライドショーの画像も絞って用意したつもりでしたが、前段で余談に時間を使いすぎて、後半急いでしまうことになり十分言いたいことが伝わったのか?と感じざるを得ないレクチャーになってしまい、時間配分の悪さが露呈してしまいました。反省しています...。

私の他には、富山大学から富山のライトレールの成果や、日欧の制度や当事者の意識の違いなど、重要なきっかけに値するお話を数字を使って説得力のあるお話、地元交通局のバス事情について、また世界のトラムを知り尽くした西田氏からは来週26日に開業を迎える宇都宮ライトラインの最新情報を含めた苦難の歴史など、今後のトラム(LRT)の普及のきっかけになるであろう重要な第1歩の実情の話を聴くことができました。

私のレクチャーは前述の通り言いたいことが全て言えたかといえば???状態でもあり、そうした想定をしたわけではないのですが、事前に今日のレクチャーで語りたいことをnoteにまとめておき、当日レクチャー直前に公開しました。

もし、ご興味のある方は、以下のアドレスにありますので、ご高覧いただければ嬉しいです。

自律型スマート停留所システム@2023 Summer LRT Forum in Yokohama | note

今回のフォーラム向けには、このスマート停留所に関わる3つの立場の人々を分けて解説すべきと考え、停留所の「利用者」、「設置・管理運営」、「広告主」に切り分けています。設置・管理運営事業者に興味のあるのは収益であり、広告主にとっては、広告の掲出条件やかかる費用になります。さらに広告主は「一般企業」、「地域事業者」、「行政・運営事業者・一般市民」の3つのカテゴリがあり、なかなか複雑になります。このスマート停留所と一体となるスマートフォンアプリは、「利用者向けアプリ」、「広告主向けの申請アプリ」で、広告主のうち、敷居の低い広告を実現するため「地域事業者」と「一般市民」用意し、この2つは受付窓口が異なることもあってセパレートに合計3つのアプリを用意します。そうした道筋もしっかり説明できなかったのは、今回の反省材料です。

LRTフォーラムの後、二次会にも出席させていただき、横浜の夜の宴を楽しみました。

御登壇の皆さま、暑い中、会場に足を運んで聞きに来てくださった皆さま、そして献身的にフォーラムの進行に携わっていただいた「横浜にLRTを走らせる会」スタッフの皆さまには、この場を借りて心より感謝申し上げます。
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自律型スマートバス停システム [まちづくり]

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かねてから私が長年研究していた自律型スマートバス停の記事をようやく配信できることになり、先ほどnoteにて配信いたしました。

昭和の時代からほとんど変わることのないバス停は、今後益々少子高齢化が進む中、公共交通の脆弱な地方の「移動」は深刻な状況になりつつあります。
そこで既存の移動インフラであるバスに着目し、その結節点であるバス停を「最も身近な移動の玄関口」と位置づけ、ITと連携した運行情報を表示するスマートバス停のデザインを提案しました。しかしながら設備費用や維持費用などが高額にならざるを得ないことから、それを解決する手段を含めての自律型スマートバス停がその答えになります。具体的には、少々長い記事ではありますが、ご興味をお持ちの方は以下アドレスをご覧ください。

自律型スマートバスストップシステム|note

ご感想などいただけましたらありがたいです。
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MaaS入門 〜まちづくりのためのスマートモビリティ戦略 [まちづくり]

先日ようやくタイトルの本を手に取ることができました。
昨年秋頃からテレビなどメディアでも取り上げられるようになり、現在、交通分野では関心を集めているキーワードです。

このMaaS(Mobility as a Service)という聞きなれない単語を初めて耳にすると、なんのことか全くわからないのですが、これまでの「移動」の概念が大きく変わることは、メディアを通して流れてきた解説からは伝わってきました。

これまでも鉄道をはじめとした公共交通機関は、私が長く住まいを持ったドイツと日本では、地域の公共交通を一体的に管理運営しているところから仕組みが大きく違い、このような概念は日本で生まれにくいものだということは理解できます。逆に言えば、欧州では既存の公共交通による移動システムにICTが組み合わさることで、MaaSの根幹であるシームレスな移動が可能になるという考えに至るのはごく自然な発想であり、できるべくしてできた概念と言えるのではないでしょうか。

本書は、そうした日本特有の仕組みの中で、今後否応無く迫られるであろうMaaS化される公共交通の変化をどうすれば構築できるか考える上でのヒントを、欧州や北米の事例を挙げながら詳しく、そして丁寧に説明しています。特に日本の仕組みにどっぷり浸かっている場合は、このMaaSを導入したくてもそこに立ちはだかる高い壁を越える必要があり、そこを変革させるアイデアを導くためのデータが満載されていると私は感じました。

このMaaSを進めるのは公共交通事業者だけではなく、行政、アプリ開発者、研究者、そしてトランスポーテーションデザイナーも関わることになります。この移動改革とも言えるMaaSの出現は、もしかしたら公共交通システムが一番変革されたのが日本であると言われる日が来るかも知れません。
それは、今後数年での出来事になる可能性すらあります。

そういう意味でも、本書はMaaSの概念の基礎を押さえたわかりやすい内容であるので、職務以外でもご興味のある方はご一読をお勧めいたします。


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お店ぐるりんタクシー@高崎 [まちづくり]

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少し前から高崎市で始まった「お店ぐるりんタクシー」。当初からこの試みに関心があって眺めていたのですが、今日初めて利用してみました。

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▲ ぐるりんタクシーのルートマップ

この試みは、高崎市がタクシー用の2台のクルマを使って高崎駅と中心市街地を巡回運転するライドシェア型タクシーです。ライドシェアといえば、私が最も注目しているのが、ドイツのハンブルクやハノーファーで展開しているVW運営のMOIAですが、MOIAはスマホアプリと連携していて課金もされます。また運行範囲は市内全域でルートはなく、アプリで呼び出す仕組みです。

一方、高崎市のぐるりんタクシーは単純そのもので、ルート上で走っているのを見かけたら手を挙げて停め、行き先を告げれば良いだけです。
しかも誰が利用しても無料という太っ腹なサービス。距離としては駅から徒歩15分圏内程度の範囲の運行ですが、高齢者やハンディキャップを持った人、大きな荷物を持った人には重宝する移動手段だと思いました。

運行時間も午前10時から午後6時まで15分間隔で毎日運行しています。流石に我が家の前はルートになっていませんが,ルートに近いので歩いてノボリの立っているあたり(ルート上)まで行けば拾うことができます。

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タクシーという位置付けもあって、バス停のような停留所はなく、走っているのを見つければ手を挙げて拾えば良い仕組みです。そして相乗りなので先客が居ても4人まで乗車可能です。今回は、誰も乗っていなかったので乗客は私一人。運転手さんに質問をしてみると、毎日60〜70名の利用者があるとか。
多いのは、女性と高齢者。私のような高齢者でもない男性は、ほぼ居ないようです。

と..言うか、この移動手段はまだ広く認知されていないので、まさか誰でもタダで利用できるとは思わないのでしょう。私も当初、このタダという謳い文句にやや抵抗があり、車に近づいてみるとドアに「初乗り¥780」のシールが貼ってあるのです。これに怯んでしまいました。このシールは無料に対する抵抗以外の何物でもありません。

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しかし今日は、好奇心には勝てずに乗ってしまいました。この2台はトヨタのミニバンで車椅子用リフトが後部に備わっています。どうやら新車のようです。運転手は地元大手タクシー会社が委託を受けているようです。

つまり、税金で運営されているわけですから納税者としては利用しない手はないです。しかし、やはりというか行政のやることは問題だらけと感じています。つまり、告知の方法、その準備が全く未熟です。パンフレットにはツイッターとフェイスブックと高崎市のHPがQRコードで印刷されています。そこでFacebookを開いてみると、アカウントがあるだけの状態でした。投稿といえばプロフィール写真がアップされたというものだけです。つまり仕組みは作って走れせたけれども、宣伝はほとんどせず、認知されずに利用者は増えないというパターンです。

本来なら、ここをしっかりしないと、いくら良いものでもうまく機能しません。行政は敢えて大ごとにはしたくないのだろうか..と疑いたくなるレベルです。

それでも女性の口コミなのか、私が降りた場所ではしっかり1人の女性客が待っていて入れ違いに乗り込みました。

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このサービス、宣伝すればきっと大化けするでしょう。なにせタダ(税金支払い)なのですから。利用者が少ないと、この試みも失敗の烙印を押されて廃止になるやも知れません。なので、ここでは宣伝の意味も含めて応援すべく少々辛口のブログとなりました。


参考サイト:お店ぐるりんタクシー / 高崎市
タグ:高崎市
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のりものしごとフォーラム [まちづくり]

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昨日、群馬の公共交通とまちづくりを考える「のりのり学会」主催による「のりものしごとフォーラム」が赤城山の麓にある古民家IRORI場で行われました。

このフォーラムに私もデザイナーという立場でお話をする機会が与えられたので、スライドショーとドイツの大学で制作したDBの車両モデル(1/10)を持って出かけました。

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高チャリ [まちづくり]

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先頃、ついに我が街にもCall-a-Bike、もといVerib、いや高チャリという名の貸し自転車システムが導入された。ドイツDBが運営管理するCall-a-Bikeやパリを始めフランスに普及しているVeribとは、やや導入動機や運営方法が異なるようであるが、高チャリは日本の地方都市特有の問題である中心市街地空洞化に対する施策(いわゆるまちづくり)であるようである。

まぁ、導入背景はどうでも良い。これが実現されたことに大いに意義を感じるのである。高チャリは中心市街地の12カ所に専用ステーションが設けられている。ポートと呼ばれる専用駐輪ステーションは、駅前はもちろん、百貨店前や銀行、市役所、その他さほど広くはない中心市街地にあり、我が家の至近にもポートがあるので昨日、今日と早速利用してみた。ちなみに自宅は駅や市役所から徒歩10~15分の距離で自転車移動には最適の距離である。(もっとも私のような街ナカ在住の者ではなく、外から来訪する人が高チャリのターゲットであるようだが...)

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ポートには、上画像のような表示板と5〜15台分の施錠が出来る駐輪設備がある。表示板には、使い方やポート位置を記した市街地地図が掲示されている。

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貸出し自転車は、ヨーロッパのそれらとは異なり、GPSのタグもなければ、電子機器を利用した登録や施錠のシステムもない。高チャリは極めてシンプル、そして無料である。ハンドルには、施錠機器が取り付けられており、100円硬貨を入れれば、ポートから解錠できるしくみである。再びポートで施錠すれば、100円硬貨は返却される。

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自転車の前カゴには高チャリの説明書きの他、ポート以外で駐輪した時のためのカギが取り付けられている。

このようなシステムになったのは、おそらくコストを最小限に切り詰めたためであろう。良さとしては、欧州のそれが有料であるのに対し、デポジット制ではあるものの無料で提供されていること。使用時間などの制限はなく、基本的に利用者のモラルにまかされていることである。ただ、それだけに心配も少なからずある。誰かがこの自転車を個人用に持ち去っても、どこかに放置しても、また、何日使っても各自転車の遠隔管理が出来ない上にGPSタグも付いていないので見つけ出すことは困難であろう。このあたりは、少し時間を掛けて様子をみるしかない。

そして先ほど駅から自宅近くのポートまで利用したが、本当に便利に感じる一方で、困ったことがおこった。5台ほど駐輪可能なポートが満車なのだ。満車の場合デポジットのお金が戻ってこないので放置できない。仕方がないのでそこから最も近いポートまで走ることになった。そこのポートも満車だったら...という不安も持ちつつ。しかしである、そこには8台程度駐輪可能なポートなのだが、1台も駐輪されていない。駐輪できたのは良かったのだが、どうもしっくりこない。もしポートに施錠センサーや自転車にGPSタグでも付いていれば、システム全体として使用実績の分析ができ、今後の改善に生かされるのであるが、現状ではそれが出来ない。結局そこから歩いて帰宅することになった。

高チャリは、今までこの街が行ったまちづくりの施策の中でも最もインパクトのあるものと感じるだけに、これら問題がすぐに露呈してしまうのは、やはりツメが甘いと感じてしまう。今後改善できれば良いのだが、このままだと自転車が少なくなって自然消滅..になるような一抹の不安を感じてしまうのである。せっかくの良い試みなだけに、長く続き定着し、運用範囲やポート数も拡大して欲しいのだ。

参考サイト:
「高ちゃり」でまちなかを走ろう / 高崎新聞
http://www.takasakiweb.jp/news/article/2013/04/3001.html
ヴェリブ / Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヴェリブ
Call a Bike / Wikipedia
http://de.wikipedia.org/wiki/Call_a_Bike
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