[Vinyl 101] The Meaning Of Love | Depeche Mode [Vinyl]
DEPECHE MODEの12'シングル「The Mean Of Love」です。今回もDMです。メンバーのM.L.Goreが作曲を担当するようになって2枚目のシングルです。
まずジャケットを見てちょっと驚きました。それまでのメッセージ性を持つモチーフを中心に整理されたグラフィックデザインが持ち味だった彼らのレコードジャケットグラフィックスが、極めて自由気ままなサイケデリックな色調の「絵」になったのですから。もし私が彼らの音楽を聴かずにジャケ買いで見つけたらまず買わないでしょう。
しかし、もちろん私は以前から彼らを知っていたので迷わず買ってすぐ家で聞いたのですが、もう如何にもヒットしそうな明るく楽しいポップなメロディーで、かつDMらしい紛れもない彼らの楽曲だとわかる曲です。彼らのライヴ映像でも、私が初めて彼らを聴きに行った原宿のピカテントロプス・エレクトスでもこの曲を演奏しているとき、聴衆の皆さん踊っていました。
ただ、私自身はこの楽曲を聴いて感じたのは、それまでのV.Clarkeの音作りを相当意識しながらDMらしさを試行錯誤しているMartinの姿を想像していました。一方B面の「Oberkorn (It's A Small Town) (Development Mix)」は、静寂で暗く重い音作りに挑戦していることが理解できます。決してアップテンポのポップなメロディーではないですが、どこか哀愁を漂う音作りに、私自身はより共感を覚え、DMにハマって行くのでした。
明るくポップなメロディーと哀愁漂う静かで暗くて重い音作りの両方があればこそのDEPECHE MODEになってゆく過程が垣間見れるレコードです。
Discogs: Depeche Mode – The Meaning Of Love
タグ:MUTE Depeche Mode
[Vinyl 100] See You | Depeche Mode [Vinyl]
レコードの紹介もようやく100枚目になりました。その100枚目は、12'シングル盤、Depeche Modeの「See You (Extended Version)」です。
Depeche Modeの作曲はそれまでVince Clarkeでしたが、このシングル盤以降Martin L. Goreに変わりました。しかし、作曲者が変わってもDepeche Modeらしさは失われるばかりか、ここからよりDMとしての個性が際立ってきます。Vince Clarkeが没個性といわけでは決してなく、彼自身の個性が強烈でDepeche Modeにチューニングしていたと言うのが後々YazooやErasureの楽曲を制作してゆくにつれ理解できます。
一方Martinは、当初Depeche Modeのイメージを崩さないようにVinceの曲を意識していたと聞きます。
See Youに関して言えば、やはり分かりやすくポップであり、かつ情緒的なメロディーです。どこか哀愁の漂う楽曲こそがDepeche Modeとしてのアイデンティティを確立してゆく大切な要素だったのでしょう。その後の活躍は前にも記した通り、多くの若者の支持を受け紆余曲折はあったものの彼らが歳を重ねた今に至ります。
また、今ではこの2人の作曲家はVCMGとしてユニットを組んで実験的な音作りに挑戦しています。
Depeche Modeのもう1つの原点がこの曲ではないかとも思えます。
Discogs: Depeche Mode – See You (Extended Version)
タグ:Depeche Mode MUTE
[Vinyl 099] Just can't get enough | Depeche Mode [Vinyl]
DEPECHE MODEの12' Singleレコードヒット曲の「Just can't get enough」です。作曲がVince Clarke時代の初期の作品でそこそこヒットしたようです。アップテンポのわかりやすいポップなメロディがいかにもVince Clarkeらしい曲調です。今なおコンサートでは、この曲が披露されるのではないでしょうか。
このレコードもそうですが、Side 1にはタイトルの売れそうな曲を選び、Side 2には作曲者が本当に良いと思っている曲を入れると言うのが、このレコードにも当てはまっているように感じました。
Side 2の曲名は「Any second now」です。DEPECHE MODEは、このレコードの両面にあるような、明るくポップな側面と暗く静かで落ち着いた側面の両方を持っているのが私には魅力でした。特にこの曲のような単調でありながら重さや暗さを表現した曲調は、まだ黎明期であった彼らの音楽の方向性を模索しているかのような意図が読み取れて将来を楽しみに感じていた記憶があります。
結果としてその後彼らは押しも押されぬスターミュージシャンの仲間入りをするわけですが、まだイギリスの片田舎の兄ちゃんグループのような良い意味での青臭さやダサさが残っているこの時期の彼らの音作りに私個人は魅力を感じてファンになってしまった..と言うのがあります。
Discogs: Depeche Mode – Just Can't Get Enough (Schizo Mix)
タグ:MUTE Depeche Mode
[Vinyl 098] X∞MULTIPLIES | YMO [Vinyl]
YMOの12' LP「X∞マルチプライズ」です。これより少し前にリリースされた同名同ジャケット写真の10'レコードは、「増殖X∞MULTIPLIES」であり少々ややこしいです。
このレコードは、YMO初期から中期にかけてのベスト盤という位置付けとも言えるかも知れません。Behind The Mask、RYDEEN、TECHNOPOLISなどのヒット曲が収録され、海外でもリリースされています。
今回取り上げているレコードは、US盤で発売元はALFAレコードではなく、A&M Recordsになります。収録曲などは日本盤と変わりませんが、レーベルが異なります。
収録曲は以下の通りです。
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収録曲
Side A
- Nice Age
- Behind The Mask
- Rydeen
- Day Tripper
Side B
- Technopolis
- Multiplies
- Citizens Of Science
- Solod State Survivor
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初期から中期のYMOは、よく知らないけど聴いてみたいという向きにはそれぞれのアルバムを買うより、このレコードを聴いた方が広く浅くではありますが、気軽に楽しめるのではないかと思います。
Discogs: Yellow Magic Orchestra – X∞Multiplies
アマゾンではCDのみ見つかりました。
[Vinyl 097] New Life | Depeche Mode [Vinyl]
久しぶりにアナロレコードの紹介です。今回は、1981年にリリースされたDepeche Modeの初期作品の1つ「New Life」の12'シングル盤です。
まだ、旧メンバーの時代で、田舎のお兄ちゃん然としていた4人の若者が、MUTEレコードのDaniel Mullerに見出されロンドンでレコーディングを始めた頃の作品です。彼らは、キーボードとオープンリールに収録されたリズムサウンドをバックにヴォーカルを重ねるというスタイルでステージに立っていました。ヴォーカルは今も変わらぬD. Gahnで、当時作曲担当だったVince Clarkeは、キーボードでした。
この頃は、シンセサイザーなどエレクトロニクスを駆使したポピュラー音楽は、当てはまるジャンルがなく、エレクトロなどと呼ばれていましたが、こうした新しい音源を駆使した音楽は次第にヒットチャートの上位を占めるようになる事で、人気も上がり一般的になってきた時代でした。
このNEW LIFEも、V. Clarkeらしい明るくポップなメロディーで分かりやすく、それでいて飽きのくるサウンドでもない、魅力があります。今のDepeche Modeに見られる複雑で重厚な音色とは一線を画すものですが、こうした明瞭なサウンドの時代があったからこそ今のサウンドもある..ということは言えると思います。
さて、このレコードですが、ドイツ盤のものでカラーレコードです。良く見かける単色のトランスルーセントなカラーレコードと違って、マーブル模様になっているため、フルオートのプレーヤーでもサイズ検出が可能です。回転数はシングル盤のため、45RPMです。
以下Discogsのページに動画がアップされています。
Discogs: Depeche Mode – New Life
タグ:MUTE Depeche Mode
[Vinyl 096] nightporter / Japan [Vinyl]
久しぶりにアナログレコードの紹介。これもJapanのミニアルバム「nightporter」です。このレコード、12'ですが、シングルではなく33 1/3RPMの回転数のレコードで、収録曲が少ない分中央のレーベルが大きいです。そのため、フルオートのテクニクス SL-10では終了しても針が上がらずいつまでも回転し続けます....。ということは、イレギュラーな形状の証なのでしょうね。
さて、このレコードは日本盤限定レコードなのだそうです。全ての楽曲が日本では未収録曲とライナーノーツに記してありました。サイド1のタイトル曲はアルバム、「孤独の影」に収録されている楽曲のリミックスだそうですが、このアルバムを持っていないのですが、いかにもJapanの曲という印象です。Japanのあの独特の雰囲気が好みの人には気に入られると思います。
良く聞く話に、A面にはウケの良い曲を、そしてB面には作曲者が良いと感じている曲を入れると聞いたことがありますが、このレコード、Side 2の1曲目にある「The Experience of Swiming」は、私の好みの音でした。このちょうど時代のDepeche Modeにもこれに近い印象の曲があったと記憶しています。なので暫くは、レコードをSide 2のままリピートさせて聴いていたほどです。(ひっくり返す手間も省ける)
それにしても、このレコードのデカイレーベル部分のメンバーの顔写真、どうしてこういう売り方になってしまうのだろうか...。国内マーケットがそれを望んでたのかも知れないけど、イメージの乖離を感じてしまう私でした。
収録されている数曲のPVが以下のDiscogsからリンクされています。まさかの「The Experience of Swiming」もありました。
Discogs: Japan – Nightporter
[Vinyl 095] HYDOROGY / RECOIL [Vinyl]
RECOILのHYDROGYです。
RECOILは、DEPECHE MODEのメンバーだったA.Wilderが参加しているグループです。DM脱退前から活動していて、このアルバムも1988年リリースなので、彼は在籍していた頃だと思います。
当時のDepeche Modeの楽曲はポップでメロディアスな曲調が多かったこともあって、その裏側のサウンドがRECOILのような感じもしています。
このアルバムでは、ミニマルミュージックのような単調な繰り返しの音作りが基調になっているような印象ですし、そこがちょっとハマってしまいそうな危険な香りも感じます。
もちろん、メジャーな立ち位置にはなれない音作りであることは間違いなく、玄人受けはするかも知れません。私個人は、ちょっと踏み入れると危険だな..と感じてしまい、ちょっと距離を置きたいと感じさせます。決して酷いとか気に入らないとかそういうレベルでは向き合えない音です。
興味のある方は、DiscogsにPVが貼ってありますのでそれを視聴するのも良いかもです。
Discogs: Recoil – Hydrology
[Vinyl 094] Visions of China / Japan [Vinyl]
Japanの「Visions of China」です。これは先に紹介したアルバムの12'シングルカットです。
これをリリースしたのは1981年。まだ中国は天安門事件の前です。つまり中国人民は、ほぼ中国から外の世界を見ることが出来なかった時代です。外国人も首都の北京はともかく、多くの地方都市がまだ立ち入ることが出来ませんでした。
そうした背景の中で英国人グループのJapanが中国をテーマに書いた曲です。旋律的には確かに中国的な印象もあって...というかやはりJapanらしい音作りの中での中国です。もし今のような外に開かれた中国であったら彼らの音作りも違ったものになっていたかも知れません。いや同じかも知れませんけど...。
Discogs: Japan – Visions Of China
[Vinyl 093] TIN DRUM(錻力の太鼓)/ Japan [Vinyl]
JapanのTIN DRUM(錻力の太鼓)です。今や過去の人たちになってしまったデビッド・シルビアンらのニューウエーヴユニットでしたが、そのグループ名や、YMOとの関わりもあって一時期日本でも有名になりました。夜の歌謡曲系音楽テレビ番組にも出演したことがあったと記憶しています。紹介者は結構トンチンカンなことを言っていたことも覚えていますが、それほど彼らの楽曲は少なくとも一般受けするものではない...のでしょう。
このアルバムのジャケット写真は、どう見ても中国です。彼らのグループ名がJAPANであことで、日本にいる者としては、どうしてもジャケット写真に違和感を持たざるを得ないのですが、彼らが特に中国を意識して作った楽曲やジャケット写真ならば、それは問題ないです。しかし、もし中国と日本を東アジアとして一括りにして同じなんだという意識の下で作ったのであれば、それは例えばドイツとフランスを一緒くたにヨーロッパとして表現している私たちと変わりないのかも知れません。(あくまでリリース当時の一般的な話です)
本当に数十年ぶりにこのレコードを聴いたのですが、彼らの音作りは個性が際立っています。そこにサウンドとしての違和感がないどころか、こうした音作りがある程度認められ、日本はともかく、世界でもそこそこ評価されていたのは、ちょっと嬉しいです。ただ、その後が続かなかったのも時代の流れなのかも知れません。
このレコードの楽曲PVは、以下Discogsで観れます。
Discogs: Japan – Tin Drum
[Vinyl 092] COMPUTERWELT / KRAFTWERK (LIVE) [Vinyl]
KRAFTWERKのCOMPUTERWELTです...が、これは正規のアルバムではなく、3枚組のライヴ録音レコードです。
以前にも、ここで紹介したライヴ盤のレコードがありますが、こちらの方が音質も良く、海賊版とは思えない品質です。
このレコードも西新宿の輸入レコード店街の1軒で求めたものですが、存在は分かっていても中々手が出ませんでした。と、言うのも素晴らしいプライスカードがついていたからです。私が確認した限りでは3〜4軒のお店にこのレコードが置いてあり異なるプライスがつけられていました。最も高額は¥8,880もの数字が。そして¥6,660、¥4,440となぜかどのお店もゾロ目っぽい数字でした。もちろん私は、一番お得なレコードをゲットしました。やはり通い詰める大切さを感じたものでした。
さて、先ほども記しましたが、このレコード、正規版ではないのですが、音質の良さは驚くもので、一般客に紛れて会場に録音機を持ち込んで収録したのではなく、オフィシャルな音源ではないかと想像するほどです。その証拠かどうかは定かではありませんが、レーベルに会場のODEONの文字と「NOT FOR SALE」の文字が印刷されています。ライヴは、ロンドンのHammersmith Odeonでの1981年7月3日公演の収録で、同年に何と日本でレコード盤としてプレスされたもののようです。音質が良いのは日本製というのが要因の1つかも知れません。
何れにしても、このレコードはKRAFTWERKファンにとって持っていて誇れる1枚であると感じます。
内容の詳細は以下リンク先にあります。
Discogs: Kraftwerk – Computerwelt
タグ:KRAFTWERK