Das neue Design im ICE [欧州鉄道]
DBは、最高時速300Km/hを超えるスピードを誇るICE3の新しいシリーズ、ICE3 neoのインテリアデザインのモックアップを以下DBサイトで公開しました。
Das neue Design im ICE
このモックアップでは、エクステリアのデザインはなく、インテリアの一部のみに留まっていて、かつてNeumeister Designによって手がけられたICE2.2/ICT(D)のフルデザインのモックアップには遠く及ばないものの、新しいシートのデザインや客室の素材とカラーコーディネーションなどは、見応えがあります。
この新しいインテリアのICE3 neoですが、運行開始2023年中を目指しているとのことです。
Das neue Design im ICE
このモックアップでは、エクステリアのデザインはなく、インテリアの一部のみに留まっていて、かつてNeumeister Designによって手がけられたICE2.2/ICT(D)のフルデザインのモックアップには遠く及ばないものの、新しいシートのデザインや客室の素材とカラーコーディネーションなどは、見応えがあります。
この新しいインテリアのICE3 neoですが、運行開始2023年中を目指しているとのことです。
Das 9-Euro-Ticket Kommt! [欧州鉄道]
来月6月1日から8月末までの3ヶ月間、ドイツの地域公共交通全てが利用可能になる1ヶ月定期券(9-Euro-Ticket)が9ユーロで発売されます。
このパスで利用出来ない列車は、ECE/ICE/EC/IC、FlixTrainなど長距離列車です。逆に言えば、それら長距離列車以外の全ての列車、バス、地下鉄、トラムなど、あらゆる公共交通がこのパス1枚で利用可能です。
Das 9-Euro-Ticket
このパスは何より有効範囲の広さと価格の安さが魅力で、ドイツとしては初めての意欲的な試みとなるパスの発行が決まったことで、今後の3ヶ月間は、夏のバカンスシーズンとも重なることで、保養地などの列車が混み合うのではないかとの予想も出ているほどです。
このパスの発行の背景は、ロシアのウクライナ侵攻による急激なガソリン価格の高騰があるのですが、自動車から公共交通へのシフトを促す政策があるように思います。
現在、環境問題から脱炭素社会へ進まざるを得ないことに加え、ロシアとの戦争によるエネルギー問題が急浮上し、ここにきて急速な社会変革がドラスティックにおきていることが理解できます。
「移動」の概念が大きく変貌する今回のドイツの政策は世界にも大きく影響するのではと期待と不安が交錯する月末になりそうです。
なお、フランクフルト在住の友人がこのチケットについての詳細を日本語で記しています。以下がリンクです。
NITS
このパスで利用出来ない列車は、ECE/ICE/EC/IC、FlixTrainなど長距離列車です。逆に言えば、それら長距離列車以外の全ての列車、バス、地下鉄、トラムなど、あらゆる公共交通がこのパス1枚で利用可能です。
Das 9-Euro-Ticket
このパスは何より有効範囲の広さと価格の安さが魅力で、ドイツとしては初めての意欲的な試みとなるパスの発行が決まったことで、今後の3ヶ月間は、夏のバカンスシーズンとも重なることで、保養地などの列車が混み合うのではないかとの予想も出ているほどです。
このパスの発行の背景は、ロシアのウクライナ侵攻による急激なガソリン価格の高騰があるのですが、自動車から公共交通へのシフトを促す政策があるように思います。
現在、環境問題から脱炭素社会へ進まざるを得ないことに加え、ロシアとの戦争によるエネルギー問題が急浮上し、ここにきて急速な社会変革がドラスティックにおきていることが理解できます。
「移動」の概念が大きく変貌する今回のドイツの政策は世界にも大きく影響するのではと期待と不安が交錯する月末になりそうです。
なお、フランクフルト在住の友人がこのチケットについての詳細を日本語で記しています。以下がリンクです。
NITS
NightJet, Wien - München - Paris [欧州鉄道]
12/12の欧州ダイヤ改正は、先日取り上げたカールスルーエのトラムだけではなく、夜行列車にも大きな動きがありました。フランスSNCFは着実にTGV高速路線網が築き上げられ、それと並行する形で、夜行列車が縮小され、かの(ハンガリー発でストラスブール止まりでしたが)オリエント急行が終焉を迎えたことは当ブログでも取り上げました。
そのSNCFもÖBBのNightJetの商業的成功や脱炭素社会のうねりの昨今での航空機による欧州内移動の忌避行動など、夜行列車の見直しが進められたことを背景に、昨年のSBBのNightJet参入に続き、このダイヤ改正でNightJetによるWien - München - Parisが復活、その1番列車が運行されました。
以下関連記事をリンクしました。
Nachtzug nach Paris – welche Möglichkeiten gibt es?
今回のパリ路線のNJ列車はNJ塗装のTaurus機関車に牽引されウィーンを午後19:40に出発。ミュンヘン南駅経由で無事定刻にパリ東駅に到着したようです。
今回のNightJet車両は乗降口ドアにSNCFのロゴが掲出されていますが、SNCF所有の車両ではなく、ÖBBの車両を使ったもののようで車端部側面屋根近くに記されているのはオーストリア国旗になっていました。すでに運用されているスイスのチューリヒまでのNJ路線には、同じNJ塗装ながらSBBのロゴが掲出されているほか車端部側面屋根近くに記されているのはスイス国旗を確認しているので、車籍がCH-SBBになっているのかも知れません。
今後、更なる路線拡大に弾みをつけて夜行列車の移動が更に気軽にできるようになればと思います。
そのSNCFもÖBBのNightJetの商業的成功や脱炭素社会のうねりの昨今での航空機による欧州内移動の忌避行動など、夜行列車の見直しが進められたことを背景に、昨年のSBBのNightJet参入に続き、このダイヤ改正でNightJetによるWien - München - Parisが復活、その1番列車が運行されました。
以下関連記事をリンクしました。
Nachtzug nach Paris – welche Möglichkeiten gibt es?
今回のパリ路線のNJ列車はNJ塗装のTaurus機関車に牽引されウィーンを午後19:40に出発。ミュンヘン南駅経由で無事定刻にパリ東駅に到着したようです。
今回のNightJet車両は乗降口ドアにSNCFのロゴが掲出されていますが、SNCF所有の車両ではなく、ÖBBの車両を使ったもののようで車端部側面屋根近くに記されているのはオーストリア国旗になっていました。すでに運用されているスイスのチューリヒまでのNJ路線には、同じNJ塗装ながらSBBのロゴが掲出されているほか車端部側面屋根近くに記されているのはスイス国旗を確認しているので、車籍がCH-SBBになっているのかも知れません。
今後、更なる路線拡大に弾みをつけて夜行列車の移動が更に気軽にできるようになればと思います。
european sleeper 創業秘話 [欧州鉄道]
コロナ禍が始まって2年になります。現在進行形で世界中で起こっているパンデミックはまだまだ予断を許さない深刻な状況ですが、そのような中欧州の長距離移動は明らかに航空機から鉄道へのシフトが進みつつあると言えます。
欧州の鉄道では、NightJetに代表されるÖBBの運行がSBBにも拡がり、今後は更に拡大基調にあります。
一方で、オープンアクセスを活用して民間事業者による夜行列車運用の事業者も出現しています。例えば、オーストリアのザルツブルク北ドイツのSylt島を結ぶ夜行列車や、チェコのRegioJetもプラハからクロアチアまでの夜行列車を運転しました。事業資金の関係でなかなか新車調達できないものの、車内を上手にリニューアルするなど、民間事業者ならではのアイデアもあってその勢いは衰えていません。そのような中で、ブリュッセルとプラハを結ぶオランダの"European Sleeper"ブランドを立ち上げた民間事業者も当ブログで紹介しました。
その創設者の創業時の様子や背景について朝日新聞Globeが掲載していたの以下シェアします。
「選ばれるのは、速さでなくスマートさ」 たった2人で立ち上げた夜行列車ベンチャー
これを読むと、資金調達の目処も決まっていないアイデア勝負の若者がこうしたコンセプトを持って立ち上げたスタートアップとしては異色でフロンティア精神あふれた試みと感じました。
かつて、アメリカのプルマン寝台を体験したベルギーの若者がヨーロッパで快適な寝台と食堂車の会社CIWLを立ち上げた時のようなエネルギーとモチベートをこの記事から感じました。
最初はチェコのRegioJetの力を借りて始めるサービスですが、この新しい会社の躍進に大いに期待したいと思います。
欧州の鉄道では、NightJetに代表されるÖBBの運行がSBBにも拡がり、今後は更に拡大基調にあります。
一方で、オープンアクセスを活用して民間事業者による夜行列車運用の事業者も出現しています。例えば、オーストリアのザルツブルク北ドイツのSylt島を結ぶ夜行列車や、チェコのRegioJetもプラハからクロアチアまでの夜行列車を運転しました。事業資金の関係でなかなか新車調達できないものの、車内を上手にリニューアルするなど、民間事業者ならではのアイデアもあってその勢いは衰えていません。そのような中で、ブリュッセルとプラハを結ぶオランダの"European Sleeper"ブランドを立ち上げた民間事業者も当ブログで紹介しました。
その創設者の創業時の様子や背景について朝日新聞Globeが掲載していたの以下シェアします。
「選ばれるのは、速さでなくスマートさ」 たった2人で立ち上げた夜行列車ベンチャー
これを読むと、資金調達の目処も決まっていないアイデア勝負の若者がこうしたコンセプトを持って立ち上げたスタートアップとしては異色でフロンティア精神あふれた試みと感じました。
かつて、アメリカのプルマン寝台を体験したベルギーの若者がヨーロッパで快適な寝台と食堂車の会社CIWLを立ち上げた時のようなエネルギーとモチベートをこの記事から感じました。
最初はチェコのRegioJetの力を借りて始めるサービスですが、この新しい会社の躍進に大いに期待したいと思います。
Connecting Europe Express [欧州鉄道]
▲ Connecting Europe Expressの運行路線と停車駅
9月から10月初旬に掛けて欧州26カ国100以上の都市を約1ヶ月掛けて巡る列車「Connecting Europe Express」(以下CEEと記します)が走りました。これについての詳細はチェコ在住の鉄道ライターである橋爪氏による記事が詳しいのでリンクを貼ります。
36日間で欧州26カ国を走破した「特別列車」の使命 環境意識が高まる中で「ヨーロッパ鉄道年」をPR / 東洋経済ONLINE
このCEEをベルリン在住の友人が現地で撮影してこのブログで紹介することを許されたので、その画像の一部を交えて紹介したいと思います。
▲ Connecting Europe Expressの編成案内
このCEEは、6カ国の鉄道事業者が1両づつCEE専用塗装の出で立ちで組成されています。上の画像は、その組成表。左からÖBBのNightJet寝台車、SBBのTyp.EC1等パノラマ客車、FSの食堂車、SNCFの会議室付き1等座席車、DBの2等座席客車、MAVの展示車両(荷物車からの改造)の6両編成です。興味深いのは、各国の車両はそれぞれ特徴を持っている車両が選ばれていること。例えば、ÖBBは、何と言っても夜行列車の成功例であるNightJetが知られていますし、SBBは世界に誇るスイスの絶景を楽しめるパノラマ客車、食通の国として有名なイタリアらしい食堂車担当がFSであることなど、適材適所的なチョイスであるように思います。一方でDBは.....特徴がないのかも知れません。
▲ ÖBBから組成されたNightJet用寝台車
▲ SBBからCEEのために組成されたTyp.ECパノラマ1等車
▲ FSからは食堂車
▲ SNCFの1等座席と会議室。シートを見るとコラーユ客車に見えるのですが
牽引機関車は国によって変わるようですが、DBではVectronと101形が牽引に当たったようです。
ベルリンでは、ちょうど同日にCEEとベルリン技術博物館にDB MuseumからやってきたVT11.5が到着しました。邂逅の場面はなかったようですが、この日のベルリンは鉄道ファンには堪らない1日だったのではないかと思います。また終点のパリではVSOEと時刻が重なり、並びの写真は難しかったでしょうが、CIWL客車と一緒に写真に収められた画像も観ることができました。
このCEEですが、今後の欧州全体の鉄道網を1つのネットワークとして再確認し、同時に様々なバリアを発見することもできた旅になったのではないかと思われます。ゲージが異なる問題を始め、車両限界、電気設備、信号の違いなど国が異なることで克服すべき課題は少なくないですが、まずはそれを共通認識することと、年々深刻化する環境課題を移動の面から「鉄道」が大きな期待を持たれていることがこのCEE運行で確認できたのでした。
さて、このCEE編成ですが、模型化されるのかどうかはわかりません。残念ながらメルクリンH0では、ÖBB寝台車、SNCF1等コラーユ座席客車、FS食堂車、MAV荷物車がないので製品化は難しいでしょう。できるとすればROCOからでしょうか。(ROCOで製品が揃っているかどうかは未確認です)
Special Thanks: 画像提供 T.Hさん
[EDIT] 2021-10-17
Sonderausstellung "Design & Bahn" | DB Museum [欧州鉄道]
10月1日からドイツ、ニュルンベルクのDB Museumで特別展「Design & Bahn」が開催されています。
Design & Bahn / DB Museum Nürnberg
今回の展示、鉄道の場合、どうしても技術に焦点を絞ることが多かったせいか、鉄道のデザインをテーマにした展示会は初めてのようです。
ニュルンベルクのDB Museumの保存されているモデルや実車、その他鉄道とデザインに関わるアイテムを120ほど厳選して展示が行われているようです。
地元バイエルン放送局がこの展示を収録した映像が以下配信されています。
Design & Bahn / Bayerische Rundfunk
この展示では鉄道の黎明期からベルエポック時代のラインゴルトや1930年代のFliegender Hamburger、アメリカのストリームラインの流行とその影響、更には1960年代のウルム造形大学のデザイン、1980年代半ばのDB最後のCI(コーポレート・アイデンティティ)とVI(ヴィジュアルコミュニケーション)、そしてPI(プロダクトアイデンティティ)、更には民営化後の現代のICE4に至る歴史が、この展示で確認、そして新しい発見ができるでしょう。
残念ながら今現在はなかなか日本からドイツに行ける状況ではないですが、今後状況が好転して機会があれば是非訪れたい展示です。
また、この展示に合わせて101形の広告機関車が登場しています。メルクリン/TRIXからもH0(39379)、N、Zのモデルがリリース予定になっています。
39379 BR 101 Werbelok "Design & Bahn"
会期は2022年6月12日まで。
Design & Bahn / DB Museum Nürnberg
今回の展示、鉄道の場合、どうしても技術に焦点を絞ることが多かったせいか、鉄道のデザインをテーマにした展示会は初めてのようです。
ニュルンベルクのDB Museumの保存されているモデルや実車、その他鉄道とデザインに関わるアイテムを120ほど厳選して展示が行われているようです。
地元バイエルン放送局がこの展示を収録した映像が以下配信されています。
Design & Bahn / Bayerische Rundfunk
この展示では鉄道の黎明期からベルエポック時代のラインゴルトや1930年代のFliegender Hamburger、アメリカのストリームラインの流行とその影響、更には1960年代のウルム造形大学のデザイン、1980年代半ばのDB最後のCI(コーポレート・アイデンティティ)とVI(ヴィジュアルコミュニケーション)、そしてPI(プロダクトアイデンティティ)、更には民営化後の現代のICE4に至る歴史が、この展示で確認、そして新しい発見ができるでしょう。
残念ながら今現在はなかなか日本からドイツに行ける状況ではないですが、今後状況が好転して機会があれば是非訪れたい展示です。
また、この展示に合わせて101形の広告機関車が登場しています。メルクリン/TRIXからもH0(39379)、N、Zのモデルがリリース予定になっています。
39379 BR 101 Werbelok "Design & Bahn"
会期は2022年6月12日まで。
Neue Nachtzuglinien starten im Dezember – Bahn nennt genaue Termine [欧州鉄道]
CNLからの撤退以来、長らく夜行列車の運営から離れていたDBからようやく復活のアナウンスがあったようです。
以下にそのリンクを貼ります。
Neue Nachtzuglinien starten im Dezember – Bahn nennt genaue Termine
区間は、チューリヒ- ケルン-アムステルダム(12月11日発12日着〜)とウィーン-ミュンヘン-パリ(12月13日発14日着〜)の2路線がそれに当たります。
特にウィーンーミュンヘンーパリの復活は、2009年に廃止されたオリエント急行(ウィーンーストラスブール)の路線をトレースするもので、むしろストラスブールーパリの再延長という位置付けが利用者ニーズにかなって嬉しいです。(名称はオリエント急行にならないような気がしますけど...)
今回、DBの夜行列車復活とはいえ、純粋なDBのみの夜行列車ではなく、DBの他、ÖBB、SNCF、SBB、NSの共同事業という形となり、車両についてはÖBB、乗務員はDBというような形になるようです。
詳細な車内サービスなどは未定とされていますが、恐らくNightJetに準じたものになると思われます。
その後、チューリヒ-ローマ(2022年末〜)やベルリン/ウィーン-パリ/ブリュッセル(2023年末〜)、チューリヒ-バルセロナ(2024年末〜)なども計画されています。
欧州ドイツ語圏中心の夜行列車ネットワークもようやく形が整ってきた印象になりました。
昨今は高速新線も整備が進み、ICEやTGVなど電車タイプの列車が増える中で機関車+客車による列車編成が再び新しい形でネットワークとして整備が進むことは趣味的にも嬉しいですし、何より夜行列車がドイツの地をネットワークとして充実されてゆくのは、欧州での夜行列車復活を意味するもので、ワクワクしてきます。
参考サイト:Orient Express廃止と誤解/Spielkiste
以下にそのリンクを貼ります。
Neue Nachtzuglinien starten im Dezember – Bahn nennt genaue Termine
区間は、チューリヒ- ケルン-アムステルダム(12月11日発12日着〜)とウィーン-ミュンヘン-パリ(12月13日発14日着〜)の2路線がそれに当たります。
特にウィーンーミュンヘンーパリの復活は、2009年に廃止されたオリエント急行(ウィーンーストラスブール)の路線をトレースするもので、むしろストラスブールーパリの再延長という位置付けが利用者ニーズにかなって嬉しいです。(名称はオリエント急行にならないような気がしますけど...)
今回、DBの夜行列車復活とはいえ、純粋なDBのみの夜行列車ではなく、DBの他、ÖBB、SNCF、SBB、NSの共同事業という形となり、車両についてはÖBB、乗務員はDBというような形になるようです。
詳細な車内サービスなどは未定とされていますが、恐らくNightJetに準じたものになると思われます。
その後、チューリヒ-ローマ(2022年末〜)やベルリン/ウィーン-パリ/ブリュッセル(2023年末〜)、チューリヒ-バルセロナ(2024年末〜)なども計画されています。
欧州ドイツ語圏中心の夜行列車ネットワークもようやく形が整ってきた印象になりました。
昨今は高速新線も整備が進み、ICEやTGVなど電車タイプの列車が増える中で機関車+客車による列車編成が再び新しい形でネットワークとして整備が進むことは趣味的にも嬉しいですし、何より夜行列車がドイツの地をネットワークとして充実されてゆくのは、欧州での夜行列車復活を意味するもので、ワクワクしてきます。
参考サイト:Orient Express廃止と誤解/Spielkiste
La passion des trains - Les grands express (n°38) [欧州鉄道]
YouTubeで観ることのできる動画は、日本国内のみならず、世界の興味深い鉄道の歴史を同地のドキュメンタリー映像などで観れるのは、車両のみならず、そこで行われていたサービスや食事風景など、私などにとって文字や写真のみの資料からしか得られなかった時代と比較するとその恩恵に浴することができたことを心の底から嬉しく感じています。
さて、そのようなたくさんの動画の中でも、昨日観たSNCF制作のDVD ?ドキュメンタリーシリーズの「La passion des trains」は、期待以上の情報が満載で一人感動して観ていました。
その中で、「La passion des trains - Les grands express (n°38)」は、このタイトルは「列車への情熱 - 特急列車(38回)」とでも訳すのが良いのでしょうか?
「Le Mistral 1969」の旅をテーマにしたパリから南仏保養地までの旅程を細かに記録した映像で感動モノ(私だけ?)です。以下にそのリンクを記します。
La passion des trains - Les grands express (n°38) / YouTube
最初は、レストア待ちのCIWL食堂車や寝台車を紹介し、その後これら車両が現役最後の1970年代の看板列車「Le Mistral」の機関車次位に荷物車、CIWLプルマン、CIWL食堂車、そしてInox客車の編成の車両が時速150Km/hで疾走するシーンや、その車内でのゆったりした時間を過ごす人々やサービスを南下する列車を車内外から紹介する当時のドキュメンタリーが挿入され、これが1時間弱の動画全体の中心を占めています。
特に食堂車でのサービスは、大皿から取り分けるコース料理で見た目も豪華、車内調理ですからきっと美味しかったでしょう。
私など1970年代は子供でしたし、映像での情報などほぼ全くない欧州の鉄道は夢でしかなかったですが、こうしてこの時代の様子がカラー映像で観れることで、当時の車両やサービスの素晴らしさを再確認できました。
さて、そのようなたくさんの動画の中でも、昨日観たSNCF制作のDVD ?ドキュメンタリーシリーズの「La passion des trains」は、期待以上の情報が満載で一人感動して観ていました。
その中で、「La passion des trains - Les grands express (n°38)」は、このタイトルは「列車への情熱 - 特急列車(38回)」とでも訳すのが良いのでしょうか?
「Le Mistral 1969」の旅をテーマにしたパリから南仏保養地までの旅程を細かに記録した映像で感動モノ(私だけ?)です。以下にそのリンクを記します。
La passion des trains - Les grands express (n°38) / YouTube
最初は、レストア待ちのCIWL食堂車や寝台車を紹介し、その後これら車両が現役最後の1970年代の看板列車「Le Mistral」の機関車次位に荷物車、CIWLプルマン、CIWL食堂車、そしてInox客車の編成の車両が時速150Km/hで疾走するシーンや、その車内でのゆったりした時間を過ごす人々やサービスを南下する列車を車内外から紹介する当時のドキュメンタリーが挿入され、これが1時間弱の動画全体の中心を占めています。
特に食堂車でのサービスは、大皿から取り分けるコース料理で見た目も豪華、車内調理ですからきっと美味しかったでしょう。
私など1970年代は子供でしたし、映像での情報などほぼ全くない欧州の鉄道は夢でしかなかったですが、こうしてこの時代の様子がカラー映像で観れることで、当時の車両やサービスの素晴らしさを再確認できました。
30 Jahre InterCityExpress [欧州鉄道]
▲ ICE1が手元にないため、代役でICE-Vに登場してもらいました。
30年前の今日、6月2日にドイツの新幹線InterCityExpress(ICE)が営業運転を開始しました。
営業区間はHamburg=Altona - Frankfurt/M Hbf - Stuttgart Hbf - München Hbfの南北ドイツを結ぶ1路線のみ。このために準備された最高制限速度を出せる高速新線は、Hannover - WürzburgとMannheim - Stuttgartの2区間路線です。
DBより一足早く営業を開始したフランスのTGVが高い評価を受け、ドイツもそれに続いて開業を果たしました。日本が1964年に営業を開始した新幹線が高度経済成長に欠かせない重要な役割を果たした実績もあり、欧州での鉄道復権の切り札にもなる大きなプロジェクトでした。
営業開始の2日前、Hannover - Würzburgの高速新線上に新しく完成したKassel=Wilhelmshöhe駅でドイツのワイゼッカー大統領を始め、コール首相など政府要人も招待された式典で開業を祝いました。ちょうどその時、私自身はミュンヘンのDB DesignCenterでインターンシップをしていて、ハンブルクのS-Bahnや、121形機関車のデザインをしていた頃です。この式典にはデザインセンターからICE担当で長距離列車部門のボスであったP氏が呼ばれて出張していたことを記憶しています。
▲ ICE開業にあたっての一般向けのパンフレット表紙。文字だけというのはDBの自信の表れ?
この時営業運転を開始したのがICE1と呼ばれる初代の量産型ICE車両で、ハード面では高速新線で最高速度280Km/hの許可がなされた機関車と客車の意欲的なインテリアデザインが特徴でした。(ダイヤは余裕を持って組まれていたので最高制限速度になることはほとんどなく、250Km/h程度と後にキャブライドで話した運転士から聞きました。)
当時、開放室と区分室の利用が拮抗していた時代もあって、客車は1等、2等共に1両の半分が開放室、半分が区分室というちょっと変わったレイアウトでした。また天井の高い食堂車の隣にはサービスカーとも呼べる車両があり、そこには電話やファックスなども備わった会議室も設けられていました。色調は彩度の抑えられたブルーや赤系の組み合わせで落ち着いた雰囲気を持たせていた一方で、このために設計したシートが重量感のあるマッシヴな形状で重々しい印象もありました。また、WCが各車両男女別に2つ並んでレイアウトされていて、男女専用のWCでは片方が待ち時間が多くなるなど問題もあり、現在は男女別ではないはずです。その他、InterRegioで好評だったデッキ部分のデポジット式ロッカーや開放室中央にレイアウトされたワードローブ、一部車両のシート後ろに航空機同様のオンボードビデオモニターなど、新しいアイデアや試みが数多く設えられた車両でした。
ICE1のインテリアデザインはStuttgartのBPR Designが担い、エクステリアデザインと全体のコーディネーションはDB Design Centerが行なっています。
上画像の雑誌「Die Neue Bahn」(新しい鉄道)は、当時のDBがキャッチフレーズとしてDBロゴの横に記していたサブタイトルと同じ文言です。この雑誌はICE開業に合わせて別冊として発刊されたもので、ICEを様々な角度から取材し記事化したものです。ICE車両デザインについても記しています。
今やこのICE1も、13両編成のICE4 XXLの登場で、リニューアルはされたものの、そろそろ引退時期が近づいていると考えられますが、ドイツの初めての営業用新幹線車両として、登場当時は高揚感を感じたものでした。
今日1日は、30年前に思いを馳せて過ごしたいと思います。
参考文献:Die Neue Bahn / BAHN-SPECIAL 1/91 | GeraNova Zeitschriftenverlag GmbH München
Gotthard Pullman Express [欧州鉄道]
▲ CFF(SBB)とCIWLによる1927年の"Gothard Express Pullman"ポスター Quelle: Wikipedia
前回の記事でオリエント急行の名前で1992年に運行されたCIWLプルマンと食堂車によるクルーズトレインについて記しましたが、その時のチラシのオリジナルが上画像のポスターです。
これは、1927年に制作されたSBBとCIWL共同制作のポスターで、列車名称は「Orient Express」ではもちろんなく、「GOTHARD EXPRESS PULLMAN」と記されています。敢えて関係のない「Orient Express」の名称が使われていたのは、やはりCIWL客車をイメージさせるのには、Gotthard Pullman Expressよりも手取り早いから..でしょう。
運行は1927年からドイツ・フランスとの国境のスイス・バーゼルからイタリアのミラノを結ぶ列車で、CIWLのプルマンによって運行される以前は1909年以前からゴッタルド鉄道(GB)、また1909年以降はSBBによってGotthard Expressとして運転されてきた欧州南北を結ぶ路線を走る重要な列車でした。
運行されていたのは、バーゼル - ルツェルン - アルト・ゴルダウがCIWLの1、2等プルマン客車は「Côte D'Azurプルマン」による厨房なし1等、厨房つき2等各1両とSBBの荷物車の3両編成だったのではと考えられます。チューリヒ - アルト・ゴルダウも同様でアルト・ゴルダウ駅にて2つの列車が連結して6両編成でゴッタルド峠経由でミラノに向かうのでしょう。1930年には夏季に限ってですが、バーゼル始発ではなくパリ始発になりました。またパリからの編成は、途中BLSのベルフォート - デレ - ベルン経由でインターラーケンまでのFlugelzugとして、列車名も「Gotthard-Oberland-Pullman-Express」として運転されました。インターラーケンからレマン湖畔のモントルーまでの路線は今も多くの観光客が訪れるゴールデンパスルートで、当時から狭軌路線のMOBにCIWLのプルマン客車が"Goldenpass Pullman Express"として運行されていました。(今もプルマン車両はレストアされて動態保存車両としてMOBで運用されています)
機関車は、バーゼル - ルツェルン、チューリヒ - アルト・ゴルダウがAe 3/6 I形 と Ae 3/6 II形 が牽引し、ルツェルンからはBe 4/6形が牽引、1930年からはAe 4/7形がイタリア国境駅のチアッソまで連結されました。チアッソからは終着ミラノまでFSの680形蒸気機関車が牽引していました。
当初は、3月から6月までと9月から11月までの期間限定での運行でしたが、その後通年運転になりました。夏季の観光需要だけでなくイタリア・ミラノとスイスのバーゼル接続でパリやドイツ、オランダの諸都市からのビジネス利用も少なからずあったのではないかと考えられます。
しかし、この豪華プルマン列車も世界恐慌のあおりを受けて1931年に終焉を迎えてしまいました。