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地震と1/10モデル [デザイン]

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昨晩遅く、福島沖を震源とした大きな地震がありました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
かく言う高崎の我が家も震度4とはいえ、(タワーではない)マンションの高層階にいたため、結構な揺れに襲われました。幸い怪我などはありませんでしたが、棚に飾っていたチョロQや机の上に不安定に置かれていた書類が落下したりして、怖い思いをしました。

ちょうど10年前の東日本大震災の時は、外出していたお陰で家の中の地震の最中の様子はわかりませんでしたが、帰宅時には足の踏み場もないほどモノが散乱していたので、あの時よりは遥かに揺れが小さかったのでしょう。ただ、今回揺れている時、ちょっと不安定な場所に置かれている画像の1/10の電車のモデルが落やしないかと心配でしたが、これも幸い大丈夫でした。ネコのミルヒは揺れに驚いてか固まって動きませんでしたw

実はこのモデル、1992年ですから今から29年も前に私がドイツの美術大学の卒業研究でデザインして作ったモデルです。確か大学の3学期目に4ヶ月ほどミュンヘンのDBデザインセンターでインターンシップしたのが縁で、卒業研究はDBにスポンサードしてもらって、当時のRSB(Regional Schnellbahn、今でいうRegio Express)向け電車のデザインを卒業研究テーマとしたものです。

まだ民営化前の時代だったので、塗装色はミントグリーンベースの近郊形色です。DBマークも国鉄時代のもの。3両編成で1等、2等、BordShopと名付けた軽食提供のできる供食設備を含めています。
モデルの客室部分は、モデル用の特殊な発泡材をベースに加工しています。顔の部分はインダストリアルクレイと言う粘土で造形してから石膏で雌型を取って、雌型の石膏を型にしてFRPを張り込んで作っています。後でFRPの顔の部分と車体の発泡材を接着して塗装をしています。

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画像のモデルは、軽食設備のインテリアモデルで同じく1/10スケールで白色で仕上げています。残念ながらこのモデルは帰国時に廃棄してしまいました。エクステリアモデルは悪くない出来と感じているので未だに廃棄するのをためらっています。ただ、写真ではわかりませんが色々なところに経年劣化が出てきていてクラックなどが入り始めています。

手作りのモデルが、30年も持っていたこと自体が奇跡的と感じていますが、ニュルンベルクのDBミュージアムで保管展示されている同じスケールのモデルのように、保存条件さえ良ければ100年以上持つものもあるでしょう。残念ながら私のこのモデルは、その前に朽ち果てると思いますが...。
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NICHIGEI & BAUHAUS (第2会場) [デザイン]

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少し前の当ブログでも紹介しましたバウハウス100周年で開催されている日大芸術学部キャンパスのBauhaus展ですが、今回紹介するのは第2会場(キャンパス内A&Dギャラリー)での展示が現在行われています。

第1会場は、バウハウスに留学した山脇巌氏の設計した日芸校舎の図面やドローイング、そしてドイツ時代の写真などが展示されていて、今回は遅れて始まった第2会場を観てきました。
ここでは、山脇巌氏が日芸で特に重要と位置付けた基礎デザイン授業の平面や立体作品の展示、そしてバウハウスにリスペクトした日芸関係者のポスターなどが展示されています。

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山脇氏が日芸で教鞭を執った際に特に力を入れたという基礎デザインは、まさにバウハウス教育で重要な位置付けであったからに他ならないと確認できるものでした。
と、言うのも私自身が母校、そしてドイツの大学での授業でも基礎デザインを同様に重要と位置付けられていたからでもあります。

それがあったからこそ、ドイツの大学での授業は言葉の問題はあったにせよカリキュラムの違和感はなく、思う通りに進めることができました。
現在までの日本での美大授業は、ドイツの美大同様バウハウスの理念と同じベクトルを向いていることが確認できた展示でした。それは山脇氏を始め、教壇に立つ先生方がその理念を引き継ぎ、次の世代に伝えてゆくことが成功していたことと繋がります。逆にドイツとは違ってしまったのが、我が国の一般社会の認識がデザインの持つ意味の解釈を少し違う方向に向かってしまっていることでしょうか。
タグ:Bauhaus
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NICHIGEI & BAUHAUS 展 [デザイン]

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1919年にワイマールで開校した国立建築工芸学校「BAUHAUS」は、今年で100周年を迎え、先日、ドイツのデッサウでバウハウスミュージアムが開館したのを始め、当ブログでもMUJI銀座店のArchives: Bauhaus展を紹介したように、現在世界で、また日本でも例外なくバウハウス関連行事が行われています。

日本のバウハウスの繋がりは深く、その開校理念の1つに日本の江戸時代の伝統建築にある簡素で合理的な建築がその目標の1つに掲げられているほどです。14年間しか授業を行うことが出来なかったこの学校の教育は、今や世界のライフスタイルに影響を与え、日本の美術大学での教育にも、バウハウスの教育理念がその礎となっています。

そして具体的には、バウハウスには4名の日本人留学生がいて、そのうちの2名は山脇夫妻です。山脇巌氏は、帰国後日本大学藝術学部でのデザイン基礎教育の確立に尽力し、長年同校の教授職を勤め上げました。
今回の展示は、日芸で彼が遺した足跡とバウハウスの教育について振り返る展示内容でした。

彼が設計した江古田キャンパスの建築は既にありませんが、その時の自筆設計図、ドローイング、パースなどが展示されています。また、彼がドイツ留学時代に撮影したモノクロ写真、バウハウスの代表的作品として有名なコラージュ作品も、そのオリジナルを観ることが出来ました。ナチスが隆盛を誇ったハーケンクロイツの旗がなびくベルリンの街並みスナップなど、当時の社会の世相を垣間見ることもできます。

立体の作品は、マルセル・ブロイヤーの有名なワシリー・チェアと食卓用のパイプ椅子が2脚づつ、山脇道子夫人の製作したタペストリもありました。
バウハウスを世界に知らしめたBauhaus Bücher(バウハウス業書)も手には取れませんが展示されています。

山脇巌がどのようにしてバウハウスへの留学を果たしたか、そして彼の留学中の作品、そして帰国後の建築家、そして日芸でのデザイン教育について、日本とドイツで大きく異なる文化環境でどのようにそのスピリッツを受け継ぎ次世代に渡していったか...そうした彼の思いをこの展示では垣間見ることが出来ました。それが私に容易に理解できたのは、日芸と同じようにバウハウスの意志を受け継いだドイツのウルム造形大学を模範にした私の母校で学んだ教育が、ドイツの美術大学に留学して言葉の壁に阻まれることはあっても、その作品を生み出す理念、過程や結果について、日本で学んだ流儀をそのまま活かすことが出来、そこに何の違和感もなくドイツの大学で学び、卒業出来たことがその証左だと思えるからです。

山脇巌は日芸で特に基礎教育を重視し、その礎を築いたからこそ、そこで日本の美術大学での教育で学んだ私達がしっかりと受け継ぐことが出来た..ということを再確認できた一方で、社会でのデザインに対する考え方が、バウハウスを生んだドイツとは違うのだ..ということも残念ながら理解できたのがこの展示会での感想です。

*現在は、江古田校舎の芸術資料館のみの展示ですが、10/7からは、A&D ギャラリーでも展示が行われます。会期はいずれも10/25まで。

参考サイト:
NICHIGEI & BAUHAUS
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Archives: Bauhaus展 [デザイン]

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今年は、1919年、ワイマール共和国となったドイツのワイマールに国立建築工芸学校バウハウスが創立して100周年を迎え、ドイツをはじめ世界中でバウハウス関連の展示が行われています。

日本でもゲーテ・インスティチュートなどによる催しが幾つかありますが、今回東京銀座にあるMUJI銀座で表題の「Archives: Bauhaus展」が開催中なので行ってきました。

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MUJIは今や欧州、ドイツでも評価され主要都市に店舗を展開するほどですが、銀座店はフラッグシップ店舗として建物すべてがMUJIです。東京青山に初めて店舗ができたときは話題になり、当時大学生だった私も良く出かけたものです。

この建物にはMUJIで扱うほとんどすべての商品のほか、レストランやイートインできるベーカリーなど食事もできます。お昼時だったので1階は大混雑でした。そして6階から上はMUJI HOTELと称するホテルになっています。Bauhaus展は、ここの6階ホテルフロントのフロアにATELIER MUJI GINZAなるちょっとした展示スペースを使っています。展示を目的に行きたい場合は、大混雑している表口ではなく画像のホテル専用裏側入口から入るのが良いです。

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PEN 4/1号 〜バウハウス創設100周年 [デザイン]

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今日は、久しぶりに書店へ行って鉄道趣味誌の最新号のチェックなどをしました。少し前にFBのタイムラインに雑誌PENの広告があって、それがバウハウス特集ということを思い出して探してみたら、既に書架にありました。手にとってページを捲ると紙面の前半から90ページぐらいがバウハウス関連記事で、内容的にも良く調べられていることを確認できたので購入してきました。

バウハウスは1919年、ワイマール共和国の首都、ワイマールにある建築工芸学校校舎(Henri van de Verde建築)でグロピウスによって設立されました。この時からナチスが政権を取った1933年の閉校まで13年間のみの国立建築学校です。ここでは建築のみならず、絵画、彫刻、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、写真、演劇、染織など現代のデザイン教育の基礎を築き上げた学校としてワイマール、デッサウ、ベルリンで授業が行われました。

ちょうど私がこのバウハウスと縁の深い日本の美大でインダストリアルデザイン史の授業を行っていることもあり、また戦後バウハウスの理念を受け継いだ西ドイツウルム造形大学の最後の学長に私自身が師事していたこともあって、モダンデザインを語る上で欠かすことのできないこの学校の設立100周年とこの紙面の資料はこれからの授業に少なからず役立つのではないかと思い購入しました。

雑誌PENは一般向け雑誌なので、読者にわかりやすく年表や人物相関図などが添付されているので、参考になります。ここに出てくる人物については概ね授業で紹介しているので私自身はホッとしていますが、ちょっと残念なのは日本から留学した4名の学生のうち3名のみ記されていて残りの1名が出ていないこと。この人の資料は少なく、私も一昨年にようやく1本の短い論文を見つけた程度。つまり帰国後の活躍についてはあまり華々しいものではなく、公になることも少なかったと推測できますが、東京造形大学を創設した桑沢洋子氏のインタビューを受けていることは調べています。ただ、PEN誌は記されていないようです。
また、バウハウス創設の際、初代校長のグロピウスとの創設準備に参画したvan de Verdeが彼に江戸時代日本の伝統建築の理念をバウハウスに取り入れるよう進言したこともここには記されていないようです。虚飾のない日本の伝統建築は、バウハウスの機能主義と同じ流れであることを確認すべきかもしれません。

デザインの源流を探ってゆくとバウハウスの教育は避けて通ることのできないエポックであることは間違いなく、ドイツはもちろんですが、日本の美術・デザイン教育でもバウハウスがその出発点であり、かつ現在も続く理念は世界のデザイン界の共通認識でもあります。
100周年を向かえたバウハウスを再び顧みることで何が見えてくるのでしょうか。今一度この混沌とした社会をバウハウス的視点で客観的に観てみると私たちが目指す目標が見えてくるのではないでしょうか。

話は少し横道に逸れますが、鉄道の分野でもバウハウスの影響は大いにあります。駅舎など建築物はもちろん、例えば既に解体されてしまいましたが旧万世橋駅に隣接していた交通博物館の建築。また最近話題の築地市場もそうです。動線を意識し、海路、鉄路からの集まってきた食品を効率よく仕分けし、市場から小売店へと結ぶ場所としての機能は単純明快にレイアウトされていました。
ドイツでは、Schuerzenwagenに代表される客車、SVTなどの高速気動車などバウハウスの理念に沿った車両デザインと捉えています。もちろん戦後は更に多くのドイツの鉄道車両がこの理念の元でデザインされていることがわかります。

ドイツとデザインを知る上で欠かせないバウハウスにご興味のある人はぜひ手にとって見て欲しい一冊です。


タグ:Bauhaus
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サインとシンボル [デザイン]

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昨日、表題の本が届きました。この本はスイスの著名なタイポグラファーのフルティガーが執筆したものです。この日本語版の監訳者である小泉氏は、私がドイツ留学時代、スイスの美術学校留学中知り合い、今も大切な友人の一人です。彼から時々ドイツ語の不明な単語などの質問を受けていたので、都度ほんの少しばかりお手伝いをさせていただいたことから完成したこの本を頂くことができました。

フルティガーという名前をご存知の方は、当ブログをご覧の方は多くはないと思います。もしかしたら以下ページをご覧になれば、「おっ!」と思う方もいるかも知れません。

http://www.linotype.com/469/frutiger-family.html

彼は、多くのタイポグラフィーのデザインを手がけてきましたが、私たちの身の回りにごく自然に溶け込んでいる彼のデザインした書体は、その存在の主張ではなく正しい理解への誘いに尽きるものです。
その証拠の一つは、彼の名前を冠したタイポグラフィーで上リンクにある「Frutiger」です。

この文字は、フランスのシャルル・ドゴール空港やスイスのアウトバーンのサイン計画はもとより、JR東日本の英数文字に使われています。私自身この文字を駅で初めて見た時、有名なヘルベチカとは少し異なる洗練された美しい書体と認識のしやすさにちょっとした感動をおぼえました。

その彼自身が記した文字と組み合わせることで大きな効果を発揮する「サインとシンボル」について体系的に纏めたのがこの本です。サインやシンボルは、それが発する「語りかけ」をどの言語を持つ人でも理解可能なことが「文字」とは違うことが大きな特徴です。この本では、彼が手描きで記した多くのサインとシンボルを日本語の他、ドイツ語と英語で併記し、かつ表現を分類、分析し日本語で解説したものです。

グラフィックデザイナー、タイポグラファーはもちろん、それを勉強している人にとっても最良の教科書だと思います。この本の完成に使命感を感じて長い時間を掛けて出版にこぎつけた小泉氏には心から敬意を表します。

以下、アマゾンへのリンクを記しておきます。



参考サイト:
Adrian Frutiger / Wikipedia:
http://www.wikiwand.com/de/Adrian_Frutiger
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ドイツの高速車両デザイン / 鉄道ダイヤ情報9月号 [デザイン]

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数日前から書店に並んでいる「鉄道ダイヤ情報」の最新刊である9月号の特集が「最新国内・世界の高速鉄道事情」というタイトルで、その特集の中の一つの記事を執筆しました。記事のテーマは「ドイツの高速車両デザイン」です。

交通新聞社の発行する「鉄道ダイヤ情報」誌は、その名の通り国内の鉄道運用情報記事が中心となる紙面構成で海外の鉄道について取り上げられることは珍しいと聞きました。そのような誌面に私の記事が取り上げられたことに対して嬉しく感じています。

技術的には世界で最先端をゆく日本の新幹線ですが、私がDBデザインセンターでインターンシップをしている時、「日本の新幹線技術は素晴らしいけど、ボクは3列シートには座れない」と職場の同僚から言われた経験がありました。この時は1991年春で、丁度ICE 1が運用を開始した時と重なります。既にDBは試作車ICE-Vが、技術的にも車内の空間デザインも内外から高い評価を受けています。
デビューしたICE 1は、ハンブルクからフランクフルトを経由してミュンヘンに至る南北を結ぶ1路線のみでしたが、開業前の3月に一度、また開業当日の列車にミュンヘンからアウグスブルク迄乗車し、DBの新しい時代を肌で感じたものです。残念ながらICE 1のインテリアデザインはICE-Vとは異なるものでしたが、その快適性に於いては日本の新幹線とは次元の違う感覚でもありました。

現在、再びICE-VのデザイナーであるノイマイスターデザインによるICE 3 / -T/ -TDの登場で、更に進化された車両が現在のDB車両の顔となっていることには記事を書きながら感慨深くなりました。と同時に、あの試作車のICE-Vに施された数々の新しいアイデアの多くがその後のICEに受け継がれたことは確かで、それらはリファインされドイツの高速車両らしさに繋がっているということもこの記事を執筆しながら改めて感じた次第です。

以下にアマゾンの同誌リンクを貼ります。

鉄道ダイヤ情報 2014年 09月号 [雑誌]

鉄道ダイヤ情報 2014年 09月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2014/08/12
  • メディア: 雑誌



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鉄道デザインEX 08 [デザイン]

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おそらく昨日から店頭に並んでいると思う。...と、言うのは、今日近所の本屋に出掛けたら在庫していなかったからである。いつもなら半年に1度刊行されるイカロス出版の「鉄道デザインEX」誌の08号が、誌面リニューアルを受けたため、2ヶ月程遅れて刊行された。

今号は、JR各社が相次いで登場の告知をするなど話題となっている表紙を飾るJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」の開発について対談形式で出ている。また、それにちなんで私が大学生の撮り鉄をしていた1980年代ジョイフルトレインなど、一般ではない列車移動を楽しむためのJRや私鉄各社車両について様々な角度からの取材と執筆が行われている。特に近畿車両のデザインスケッチには、初めて見るものもあり貴重である。

個人的に、世界の鉄道供食に興味があるので新幹線の供食事情についての記事は興味深い。これらを「個性派車両のもてなしデザイン」として4章に分けて特集として纏めてあるのが今号である。

もちろん特集以外にも興味深い記事は沢山ある。その一つは先頃登場した北陸新幹線用E7/W7系の試乗とデザイン解剖記事。更には初登場の自動車雑誌でも活躍されているイラストレーターの遠藤イヅル氏による「寝台車両(ハネ)寝床研究」という表題のスハネ30からサンライズ用285系迄の分かりやすく素敵なイラスト解説は、この誌面に相応しい出来映えと思う。彼の考察と知識に裏付けられた解説は、クルマ同様機知に富んでいる。

他にも日光駅やモノレール、鉄道サイン矢印考など、この誌面ならではの記事が満載と言って良いと思う。誌面リニューアルを受けて私の連載は無くなってしまったが、DBでインターンを行った時の様子を記した拙記事が巻末付近を汚しておりますので、ご興味ある方は是非(大きな)書店でお手に取っていただければと思います。


鉄道デザインEx08 (Rail Design Explorer)

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鉄道デザインEX 07 [デザイン]

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今日手元に上画像の新刊「鉄道デザインEX 07」が届いた。半年毎に発刊されるため、忘れた頃に発行される感じであるが、7号ともなれば創刊されて3年半が経ったのだ。時の経つのは早い。

さて、今号の特集は「鉄道車両の色彩」である。首都圏の通勤電車が茶色の73系から101/103系になってラインカラー化と共に鉄道車両に鮮やかな色彩が施されたのはご存知の通り。今号では3つの記事を通して鉄道の色彩を紐解いている。

毎号様々な鉄道デザインに斬り込んでくる同誌であるが、私個人はデザインとはちょっと距離を置いた記事が今号では目に留まった。それは「東京モノレール秘話」や九州の池島に今なお残る人車の記事、更には「鉄便!」(駅舎に隣接する独立したトイレ建築のこと)についての記事が印象に残った。これらを読んでみると、鉄道という世界は、とてつもなく裾野が広く奥の深い世界であることが再認識できる。もはや同誌はデザインの領域を越え、鉄道文化誌という趣になってきたようにも感じて来た。従来の鉄道誌とは異なる視点で鉄道を斬る誌面であることに更に磨きがかかって来た。そんな印象を持った07号である。

上画像表紙に出ているE03形は、特にここの読者には気になるところと思うが、今号から連載開始の「世界の鉄道博物館めぐり」から。栄えある第1回はニュルンベルクのDB Museumである。

拙奮闘記も連載7回目を迎え、社会的にはベルリンの壁崩壊、私はドイツの美大で最初の課題に取組み、当然のことながら、その結果も出たところ....。


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鉄道デザインEX Volume 06 [デザイン]

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昨日には既に書店店頭で見掛け、今日見本誌が手元に届いたのは「鉄道デザインEX」の最新刊06号である。毎回の説明になるが、年2回発刊されるこの雑誌は、鉄道をデザインという切り口で編集しているおそらく世界唯一の雑誌であると思う。

さて、表紙を捲ると、当ブログでも紹介した「鉄道復権」の著者である宇都宮浄人氏の「LRTの「魅惑」」という文章から始まる。経済学者である彼がデザインの意味の理解やデザインそのものに精通していることは、この文面から読取れる。それは個人的に彼を知る私としてもとても嬉しい。
今号の特集は、「国鉄デザイン」つまりJR化される前に設計製造された車両デザインについての記述である。当時の星氏や高林氏といった国鉄車両設計事務所の技術者達がデザインと真剣に向き合い、長く親しまれて来た車両達が次々と登場している。そこには欧州の車両達からのインスパイア..以上のものを国鉄車両達から感じられていることも私が感じて来たことと重なる。
そして、今号の目玉とも言えるのはN'EXからE231系電車までの車両デザインを手がけたGK インダストリアルデザインを擁するGK デザイングループの仕事についてインタビュー形式で記されていること。特に富山ライトレールの仕事は、車両のみに留まらず、電停やサイン計画などGKグループならではのトータルなデザインを実現可能にしたことであろう。その結果は、富山のLRTの大きな成功がデザインの力によって可能になったことは周知の通りである。

その他、今号は駅名のフォント、駅舎建築、看板見てある記、上質のデザインとは..などなど、鉄道車両だけではなく、公共交通全般、また、それを取り巻くあらゆるものに目を向けた考察は、いつもながら各筆者の特別な目というものを感じられずにはいられない。それら記事を読むと、思わず確認に出掛けたくなってしまう衝動に駆られるほど...である。

相変わらずこの誌面の末端を汚している拙著は、ようやくドイツの大学生として授業に参加し始めたところである。まだまだ山あり谷ありの日々の格闘....。

鉄道とデザインにご興味のある方は是非書店で手に取ってみて頂ければと...。



タグ:Zeitschriften
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