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Spielwarenmesse 2009 (12) / Geschichte von Maerklin [Maerklin-Allgemein]

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今年のメッセは記念すべき年である。まずメルクリン社は創業150年を迎えたのは承知の通りである。TRIXのNゲージであるMINITRIXも発表してから50年が経つ。
メッセ会場のSpielwarenmesse Nuernbergも第2次大戦後発足して60周年を迎え、メッセ自体は連日イベントで盛り上がり、本来ならばそのメッセに最初からエントリーしている数少ない出展者の1つであるメルクリン社も同じように祝福に包まれるべきであったが、ご存知のような状況でいつも通りのメッセスタンドに甘んじなければならなかったのは、正直悔しい。

しかしながら上の画像のような記念プレートが置かれているのを私は見逃さなかった。これは、60周年を迎えたメッセが第1回から途切れることなく毎年出展した企業にのみ贈られるものである。他にもあるのかも知れないが、メルクリン以外はSteiffぐらいしか私は知らない。

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そして、私も良くこのブログで紹介するEM誌のAlba出版社が主催するモデルオブイヤーにCS2が選定された。

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さて、メッセ会場のある4Aホールの中で最も大きなスペースを取っているメルクリン社であるが、どうしても、壁面というものが1面は出来てしまうのは致し方ないところである。大抵は、そこに会社のロゴを大きく描いたり、良くてもガラスのショーケースを壁面として利用し、自社製品などを並べている。

しかし、今年のメルクリンは150周年ということも手伝って、この壁一面に創業以来製造してきた製品の数々を時代を追って展示したのである。さすがに新製品とは縁遠い存在なので、いつも人影は疎らであるが、中には興味深そうに眺めている人もいる。私も一通り見て、これら価値あるメルクリン製品を画像に収めたのである。
例によって、あまりコメントを沢山述べずに、なるべく画像を貼るだけに留めておきたい。画像からそれぞれが感じてほしい。

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▲ 飛行船「Hindenburg」と記されている。NYC近郊のレイクハーストの離着陸場上空で爆発炎上した飛行船のモデルが製品化されたのであろうか。

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▲ 戦前のメルクリンは鉄道模型以外のブリキの玩具を多数製造していたのは周知の通りだが、実物を見たのは初めてである。

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▲ この電話大きさが大きさだけにホンモノと間違えそうである。

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▲ MITROPAのRheingold客車である。昨年の同形新製品は何代目に当たるのだろう。

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以上である。とても沢山の画像になってしまったが、折角の150周年記念のブースである。これを見れば、今迄企業としてメルクリンが150年をかけておこなって来たことがリアルに伝わってくるのである。その中で、失敗したプロジェクトも数多くあるだろうし、それらを通して企業として学習してきた歴史は他社の真似の出来るものではない。

今回、ちょうどメッセ前日に起きた出来事は、今迄メルクリンが築き上げて来たブランドに大きな傷をつけたことには間違いないが、それでも市場がメルクリンを存続させたのは、今迄培って来た150年の背景があってのことに他ないのである。それは、もし同じ事態がメルクリンではなく他の会社であったら、結果は違う方向に向かっていた(かもしれない?)と考えられることからも理解できよう。

今後は、今回の事態を踏まえた企業経営が求められるであろうし、そうなるに違いなかろう。150周年の節目に起きたこの出来事は、メルクリン社にとって汚点というより良い転換期と捉え、2009年2月4日という日付を忘れることなく新たなスタートとなることを期待するのである。
タグ:Spielwarenmesse
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N

先週、ふと思い立ってコタツの上にCトラックを敷いてアナログのV200を走らせているのですが、これが思いの外楽しくて、ここ数日、お風呂から出てから寝るまでずっと走っています。レイアウトと違ってすぐ目の前にいて手で持って機関車を取り替える、その時の重さ、ダイカストの車体に塗られた塗料の艶、しばらく見とれてしまいます。後期印象派以降の絵が対象から離れてそれ自体の世界を主張し始めたように、元になった実物の車両の縮尺ということとから離れて、模型、おもちゃとしての存在感を感じます。今回ご紹介いただきました昔の製品群を見ていると、これらの味わいが現在の製品の中にはっきりと生きているということかな、と思いました。他のメーカーの機関車、いくらよくできていても幾晩も見とれたりしませんものね。ちょっと病気?
by N (2009-02-19 00:18) 

Akira

こんにちは、Nさん。

お風呂上がりにコタツの上でメルクリンなんて、癒しの極致でしょうね。コタツのない我が家では、ただただ羨ましい光景です。
仰るような玩具としてみるメルクリンは、本当に良く出来ています。ただ、玩具と言っても子供ダマしのような玩具ではなく、大人が充分に見て遊んで堪えられる優秀な玩具ということです。昔から口の悪い模型ファンは、「メルクリンは玩具っぽいから..」とネガティヴに言われていることも聞いていますが、その通りで玩具なんですね。ただ、彼らの言うことと違うのはその価値観であるだけなんです。いくら優れたディテールを持っていても、ちゃんと走って遊べなかったら楽しめなければ、私は飽きてしまうでしょう。人の五感に訴えかける何かがあるのがメルクリンで、具体的には、走りの気持ち良さだったり、重さだったり、感触だったり、色艶だったり、匂いだったりするわけですね。

先日とある会議でメルクリンのスタートセットの01.10形を数本繋げた直線レールの上に載せ、MSで操作して見せたところ、初めて見た人は、一様に驚きを隠せませんでした。それは単に煙が出るとかサウンドが奏でられるだけではなく、いかにもドイツらしい玩具であるという点だったようです。漠然と日本の模型と違う何かを彼らは感じ取っていたのでしょう。
ですから、Nさんが幾晩もメルクリンを走らせて見とれるのは、病気ではなく、普通なんじゃあないかなと思う訳です。要はするかしないかの違いだけ...。


by Akira (2009-02-19 09:09) 

exp_amanogawa

ドイツへの取材、御疲れ様です。
150年間もの間に、これらの製品で遊んだ人が、確かにいるんですね。
メルクリン創立時の製品で遊んだ人は、さすがに全員が鬼籍に入っているでしょうが、
世代を超えて受け継がれる「何か」が、この会社にはあるのでしょうね。
今回の事態だけでなく、この150年間、2度の世界大戦をはじめとした社会的な危機の
時代においても、会社の命脈が受け継がれてきた、という事実は、忘れてはならないのでしょう。
3月のオフ会で、今回の取材のお話を伺えればと思っています。
by exp_amanogawa (2009-02-21 23:28) 

Akira

こんばんは、exp_amanogawaさん。

メルクリンは玩具としては昔から高価でした。だからどれだけの子供達がメルクリンで遊ぶことが出来たのかはわかりません。ただ、メルクリン製品は、昔から一貫した製品哲学を持っているとは思います。その大切な一つが品質であり、耐久性でしょうか。
取材というほどでもないですが、もし出席が叶えば色々と楽しいおしゃべりができればと思っています。
by Akira (2009-02-21 23:40) 

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