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BR 01.10のまとめ [Maerklin-Lok]

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メルクリンH0からEp.IV仕様の012形モデルが初めて登場したのは1984年でした。当時、メルクリンH0モデルは伝統的な頑丈で良く走り、耐久性の高い鉄道模型として世界に確固たる地位を築いていましたが、一方で競合他社からはより精密でディテールフルなモデルが次々と登場し、メルクリンはそれまでのイメージを如何に保ちながら競合他社に負けないモデルを世に送り出すかが問われていました。

この012形(3310)を初めてカタログで見たときは、その時の1つの答えであったように感じたものです。同時に、それまでリリースされていた01形は既に販売終了で、003形よりもひと回り大型で重油焚きの炭水車に5軸の車輪が備わるほどのこの急客機関車に魅了され、どうしても欲しいと思わずにいられませんでしたが、当時の日本での販売価格は大学生だった私の小遣いではおいそれと購入できる金額ではなかった..というのも確かで、まさに高嶺の花のモデルでもありました。

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▲ メルクリン総合カタログ1984/85 Eで新発売の3310ページ

翌年の冬、大学時代の同級生を引き連れて欧州デザイン旅行を企画し、ドイツをはじめとして、オランダ、スイス、イタリア、フランスなどを駆け足で初めての海外旅行をした時に、ようやくドイツの模型店でこのモデルを購入できました。

さて、その「012 081-6」(3310)モデルは、1984年当時まだメルクリンからデジタルが発表される前で、アナログモデルのみでしたが、翌年の1985年にメルクリンから鉄道模型業界初のデジタルH0が発表され、それに合わせて車体番号を「012 066-7」(3610)に変更した同形のデジタルモデルが2年ほどリリースされました。その後1987年から3610は3310と同じ車体番号の「012 081-6」として6年ほどリリースされ、7年目の1993年には5極回転子の直流DCMモーターと4つのファンクション、更に漸次加減速機能を持った第2世代デジタルのc90デコーダーを搭載した車体番号(製品番号)を「012 063-4」(3710)に変更した上でデジタルモデルが1997年までリリースされた少々複雑な経緯があります。

1992年には石炭焚きの011形「011 056-9」(3390/3790)も登場しました。そしてようやくEp.III仕様の01.10形「01 1087」(33102/37102)がAdenauer首相列車のMHIモデルとして1998年に限定製品で発表。メルクリンH0モデルがEp.III時代のモデルに注目し始めたきっかけのモデルでもありました。(その前年の1997年に動態保存されていたUEF(Ulmer Eisenbahnfreunde)の「01 1066」が実車が事故を起こした同機の修理代の一部にとメルクリンモデルの売り上げの一部を寄付する形で同機のモデル(33101/37101)の限定製品化が実現したのもきっかけの1つかも知れません)

こうして少しづつリファインされながら、01.10形モデルはバリエーションも増やしつつリリースされ続けましたが、2006年に完全新開発の01形モデルが登場し、2008年からはスタートセット(29010)に初めて01.10形が同梱されるなど、やや格落ち感のある扱いとなっていますが、単品モデルとしての01.10形は、先行機として初号機の1001号機モデルが2010年に„Bellingrodt-Edition Teil 5“(37104)登場以降リリースがありません。それでもなお、メルクリンファンに愛され続けているモデルでもあります。
そして2022年末に2023年のインサイダーモデルとして、先頭部のボイラ上部の形状が特徴的な旧型ボイラを搭載した新設計の01 1088モデルが登場します。今後の新製品のバリエーションにも注目したいところです。

その背景にあるのは、実車が1939年に55機が製造されて以来、70年代のDBの蒸気機関車終焉まで西ドイツで走り続け、多くが動態・静態を問わず保存されていたことから、その人気のほどがうなづけます。

そこで手元にある3台の01.10形モデルを始め、メルクリンH0でリリースされている01.10形モデルをできる限りこのページに集約し、Ep.IIIa/IIIb/IV/Vと石炭/重油焚きに分類して「まとめ」ました。
今後、01.10形の旧型ボイラのリリースが増えることでこのページの更新に際して、分類が変化することがあるかも知れません。旧ボイラ仕様の様々なバリエーションにも期待したいですね。

[製品番号と機能の要約]

33XX(X): 3極DCMモーター+アナログ・デルタデコーダー搭載モデル
36XX: 3極DCMモーター+c80デジタルデコーダー搭載モデル(第1世代デジタル)
37XX(X): 5極直流DCMモーター+c90デジタルデコーダー搭載モデル(第2世代デジタル)
37104: 5極直流DCMモーター+mfxデコーダー搭載モデル(第3世代デジタル)
39XXX: Cサインモーター+fxデジタル搭載モデル(第2世代デジタル)
*39760: 缶モーター+mfx+デジタル搭載モデル
29XXX: スタートセット 5極直流DCMモーター+mfxデコーダー搭載モデル(第3世代デジタル)


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Ep.IIIa
BR 01.10 (Kohletender)
37104 DB 01 1001 (Neubaukessel) „Bellingrodt-Edition Teil 5“
39760 DB 01 1088 (Altbaukessel)

Ep.IIIb
BR 01.10 (Kohletender)
33102/37102 DB 01 1087 „Adenauerlok“
39104 DB 01 1053

BR 01.10 (Öltender)
37105 DB 01 1054
39103 DB 01 1057
29010 DB 01 1060
29011 DB 01 1103 (Produktionsabsage, wegen Insolvenz von Fa. Märklin)
29094 DB 01 1103

Ep.IV
BR 011 (Kohletender)
3390/3690/3790 DB 011 056-9
29740 DB 011 083-3

BR 012 (Öltender)
3310/3710 DB 012 063-4
3610 DB 012 066-7
29012 DB 012 077-4
3310/3610 DB 012 081-6

Ep.V
BR 01.10
33101/37101 UEF 01 1066

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[関連記事]
43919+43928 282mm DB UIC-X のPOPカラー / Ep.IV

[Zugbildung]
D 167 Riviera-Express 1959 Sommer (Karlsruhe Hbf - Hamburg-Altona)
F 38 "Hans Sachs" 1963 Sommer
D 373/376 um 1965


参考文献:01.10ものがたり / HUHさん
参考サイト:DR-Baureihe 01.10 / Modellbau Wiki

[EDIT] 2023-01-29
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