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37860 DRG 86 004 / Ep.II [Maerklin-Lok]

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最新の赤い車両を2回続けて紹介したので、今回は戦前の蒸気機関車モデル、DRG仕様のBR86(37860)を紹介してみたい。この機関車も実はBR146.1形スタートセットと同じ持ち主のモデルで、一緒にメンテナンスをして最後に撮影したものである。よって既にこの機関車は手元にない。
146.1形モデルと違い、あまり走らせてなかったためか、大きな破損欠損などはなく、片側シリンダ上部のポンプ?が外れていたのみが問題であったが、そのパーツもすぐに見つかり取付けたので問題は全て解決された。5極回転子のついた直流DCMモーター部分も特に問題は見当たらず、少々注油しただけで、メンテナンスと言われるほどのことは施さなかった。もちろん調子良く走るが、やはりDCMらしい少し重たい感じのする動きを見せるこのモデルは、146.1形などの軽快な走りとは違う伝統的なメルクリンらしい走りと感じた次第。

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BR86の実車についてだが、ドイツ鉄道公社が開発した亜幹線向け貨客両用機関車の一つで、1928年から43年迄774両も製造されたのである。同じ亜幹線向けに製造され良好な性能を誇った64形機関車の姉妹機的な機関車である。64形が平坦地向けに対して、この86形機関車は起伏の多い路線での貨客列車向けに開発されたもので、戦時中は東欧諸地域までこの機関車の勢力範囲があったそうであるが、戦後それらは、旧占領地域に残されたままそれぞれの鉄道に編入されてしまったのも多い。東独にも随分残っていたようで、西ドイツには50両程の86形が086形として70年代迄は活躍したようである。

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さて、この機関車モデルは、2軸ボギー台車を履いたLangenschwalbacher客車のリリースに合わせて一回限りの限定生産モデルとして2007年に登場した。2007/2008年のYearbookには、鉄道写真家Bellinglodt氏撮影による86形+Langenschwalbacher客車列車の画像が掲載されている。

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この機関車は3096として1971年からリリースされて来たモデルだが、直近でも新しい仕様でリリースされるなど息の長いモデルである。昨年の新製品で64形もリリースされたので、そろそろ無くなるかもしれないのだが、その重量と存在感は、メルクリンモデルらしいと言えよう。
DRG仕様の特徴として挙げられるのは、真鍮色のキャブのにある表記で、Deutsche Reichsbahnの文字と形式表記であろう。また特徴的な前後の前照灯が2灯であることである。

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残念なことの一つは、これだけの大きさがありながら発煙装置の準備がされていないことである。またmfxデコーダーが付いていはいるものの、サウンドはない。

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ファンクションは前照灯(f0)、そして漸次加減速(f4)、そして大切なのはTELEXカプラーが前後に装備されていることである。6021(CU)やMS、CSではもちろん前後のTELEXカプラーの制御を別々に操作可能で、牽引車両モデルの連解結作業を手元のコントローラーで遠隔操作して楽しめるのである。
この作業は楽しいもので、ヤードでの入換え作業なども、この機関車があれば色々な車両を組み合わせながら楽しむことができよう。

参考文献:全盛時代のドイツ蒸気機関車 / 誠文堂新光社
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コメント 4

KDB

お早う御座います。
ああ、86か?と思ったら、2灯のライヒスバーン版ですね。この機関車、古くからありますが気に入っています(発売当時はライトに手すりがありませんでした)。入れ替えに便利ですが、先・従台車が横を向いて連結困難になる事があるのが少々ーーー。復元機構があればいいんですが。この機関車のデジタル版2両をセット物で購入しましたが(品番29530と29533)、これらの付属機関車は手抜き外観で、キャブ出入り口の手すり・ステップが無く、サイドタンク下のパイプ類も車体と同じ黒一色。どうも見劣りするので部品を取り寄せて取り付け、パイプ類は自分で塗り分けました。それと、だいぶ以前に名古屋の掲示板に書きましたが、K式レールのポイントで集電不良になることがあり、ゴムタイヤの一方を金属リングにして解決です。なお、実物はHofで2両を見ましたが、もう休車で走るところは駄目でした。
by KDB (2009-05-02 08:39) 

Akira

こんにちは、KDBさん。

色々と興味深いお話をありがとうございます。実体験に基づくお話は私にとっていつも貴重です。
86形はメルクリンの定番機関車の1台といえるでしょうが、ちょっと地味な存在なのは、入換機としては大き過ぎ、発煙もしないというところだからでしょうか。ただ、実車の両数が多く、かつ戦後70年代迄現役だったことからドイツではファンも多かったのでしょう。
走行性能に関しては、単にCレールのオバール+カーブポイント通過のみでしたから特に問題はなかったですが、ゴムタイヤを交換しなければならない程の問題があったのですね。ところで金属リングとは...?純正ではなさそうですが..。

by Akira (2009-05-02 09:02) 

KDB

そうなんです。私製パーツです。C式レールなら問題ありませんが、K式ではポイントのフログがプラスチックですね。ここへ車輪が差し掛かるとほんの少しですが持ち上がります。例えば、左分岐のポイントへ機関車が前から進入したとします。すると、右第一動輪がフログにかかった時、僅かに持ち上がります。機関車の重心はやや後ろよりなので、左の第一動輪もレールから僅かに離れます。この状態で機関車は、右第一動輪と左右の第四動輪の3箇所で支えられますが、第四動輪はゴムタイヤなので通電不良になります。この解決方法を色々考えましたが、ゴムタイヤを片方だけにすれば良いので、右ゴムタイヤを外し、金属リングにしました。このリングは手元にあった1mm幅、0.3mm厚の洋白帯板を丸めて作りました。従って、完全なリングでなく、一箇所切れ目があります。ゴムタイヤは1方だけになりましたが、牽引力はさほど問題ありません。まあ、第一動輪の部品を取り寄せ、そっくり交換するほうがいいですが、工作が大変なのでーーー。繰り返しますが、C式レールのポイントは金属フログなので問題ありません。
by KDB (2009-05-02 18:16) 

Akira

KDBさん、丁寧なお答えをありがとうございます。
KレールからCレールに変わって更にフログについても進化しているのですね。今後K式レールが更新された時は、この問題もなくなっているのかも。
やはり、こういった改善作業は長い歴史があって熟成されるものなのでしょう。
by Akira (2009-05-02 18:55) 

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