SSブログ

Märklin - Museumswagen 2024 [Maerklin-Guterwagen]

先日このブログでMärklineumモデルを紹介しましたが、例年この時期に発表されるミュージアムモデルの代わりと思っていたら、例年通り今年もミュージアム貨車モデルが発表されました。メルクリン公式ページのリンクは以下の通り...

Märklin - Museumswagen 2024

今回のモチーフは、世界で最も有名なレンズメーカー、CARL ZEISSです。この会社は元々東独地域のJenaに本社工場を持つ企業でしたが、第2次大戦後、東西ドイツの分割による両国の移動制限直前に米軍の情報によって西側のOberkochenに少なからずの従業員が移動し、新たにCARL ZEISS社を立ち上げました。つまりその後は東西ドイツで2つの同名企業が存在することになり、Jenaの方は、CARL ZEISS JENAという名称になっていました。現在は、東西ドイツの再統一でこの会社も1つに戻ったと聞いています。

今回のモデルは、Ep.III時代のDB車籍の私有貨車なので、OberkochenのCARL ZEISS社のものです。メルクリンH0モデルは、Volkswagen T1 Bulli 幌付きトラックでCarl Zeissのロゴ入りです。更に特製の木箱の柄をプリントした金属製のケースに納められているのは、同社の顕微鏡などの木箱をリスペクトしているからかも知れません。モデルは1960年頃の仕様です。

メルクリンではH0の他、Zと1番が用意され、TRIXはH0、N。そしてLGBは狭軌鉄道Öchsle Bahnの125周年を記念してÖBのGGsm形緩急室付き有蓋貨車のモデルです。Ep.IV仕様。

LGBモデル以外は、全てCarl Zeissのロゴ入り貨車ですが、メルクリンH0モデルとTRIX H0モデルは、同形の緩急荷物車モデルですが、メルクリンは茶色でTRIXは濃緑色となっており、車両番号以外は同じプリントが施された同じ時代をモチーフにしたモデルです。ここは商売上手なメルクリンらしく、コレクターはメルクリン H0とTRIX H0の両方のモデルを買って帰りたくなります。

今まではメルクリン本社工場のあるゲッピンゲン近くの会社がミュージアムモデルのモチーフでしたが、今回は同じバーデン・ヴュルテンベルク州ながら、少し離れた場所にあり少しづつ範囲が広がってきているのかも知れませんね。

さて、今日はクリスマスイヴで第4アドヴェントになります。今年のクリスマスはかつてない悲劇的な戦争が世界で2カ所も起こっています。特にこの今現在も進行形でイエス生誕の地ベツレヘムのすぐ側のガザ地区では、人々が爆撃にさらされています。
今宵の祈りは、一刻も早くこの戦争が終結することを神に願い、彼らに捧げたいと思います。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Metropolitan Express Train (26931) [Maerklin-Allgemein]

つい先日、旧MET(Metropolitan)用の客車が廃車されるというニュースを耳にして、年月の経つスピードの速さを実感した矢先の昨日、メルクリンから突然のアナウンスで驚きました。オリジナル仕様のMET客車と機関車のセット(26931)が告知されたのです。
公式ページでも特設ページができていますし、フライヤーもPDFで配信されています。

Metropolitan Express Train (26931)

このMET(実車)は、少し残念な企画でした。先日訃報が届いたHeinz Duerr初代DBAG社長が主導したと思われる企画で、ICE 2.2/IC-T(D)(後のICE3/ICE-T(D))がNeumeister Designによる原寸大モックアップがミュンヘン郊外のSIEMENS工場内で、ミュンヘンのDMP社による新しいプラットホームデザインと共にお披露目された時、その室内の壁1枚隔てられた場所にDMPによるもう1つのICEインテリアデザインの提案が、後にMETのインテリアとして実現されたことを覚えています。

その後暫くして私が帰国後に登場したMETですが、そんなに昔の話と思っていなかったため、それが先日廃車となった報を受け、感慨深く感じたものです。
このMETの実車については、Railways in Germanyサイトでも紹介してますので、ご興味ある方は該当ページをご覧ください。

実車のMETは、航空機を競争相手と位置づけしたこともあって、当初は全車両1等車で登場し、等級カテゴリの代わりに、「Office」、「Silence」、「Club」の3つの利用者シーンで区分されていました。この3つのカテゴリのうち「Silence」は特に静かな環境を好む層に人気で、後にICEにも採用され現在に至っています。このカテゴリ(Silence)では、静粛車両としてスマホの通話もできないよう物理的に携帯電話の電波が遮断されていると聞いています。
しかしながら、1等車のみの列車では当然の結果として利用者の低迷に喘ぎ、最後は2等車も追加されたのですが、結果としてMET種別は廃止。車両はDBのICEとして、塗装もICEカラーに変更され、Hamburg - Berlinなどの路線で活躍していました。また、1/2等車の定員割合がMETとICEでは異なるため、一部1等車車両が2等車としての扱いとなり、座席数は限られていましたが、座席配置が1+2の1等車の設備でお得な運賃で運用されていました。

この客車モデルはどうやらPIKO社モデルのOEMのようで、かつてICE3モデルで法廷闘争までして争ったメルクリン社との関係は既に和解し、新たな良好な関係が築かれていることに嬉しく感じます。
今回のモデルについては、2500セット限定とのことです。
タグ:DBAG MET Ep.V ICE BR101
nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Replika-Krokodil [Maerklin-Lok]

DSC00337b.jpg
▲ かつてのメルクリンミュージアムで展示されていたハンドマスターモデルのCCS700

今日は、メルクリンからちょっとしたサプライズモデルが告知されました。
早速、メルクリンの公式サイトで特設ページが作られ、YouTube動画も配信されています。

Replika-Krokodil

このモデル、メルクリンの新しいミュージアム「メルクリネウム」で来年1月から購入可能となる、初めてのレプリカモデルです。今までミュージアムモデルは毎年メルクリン、TRIX、MINITRIX、Z、1番とありましたが、今回はH0のみのモデルとなります。

この「レプリカモデル」と銘打ったのは、実際に発売された昔のモデルのレプリカではなく、発売前にハンドマスターモデルとして手作りで製作されたモデルをモチーフにしたレプリカであることが興味深いです。

そのモチーフは、スイスのクロコダイル電気機関車で、メルクリンの代表的モデルの1つです。このモデルは、1936年にCCS700として企画が始まり、量産化のためのプロトタイプモデル故に公表はされていませんでした。(その後CCS800、3015としてモデルは進化してゆきます)

そして、このプロトタイプモデルは、その後は長い間メルクリン本社の最上階にある「塔の部屋」に保管されてきたモデルの1つでした。つまり、このプロトタイプモデルのオリジナルは1台のみ存在し、メルクリネウムで展示されています。
そして今回メルクリネウムのモデルとしてこのプロトタイプを製品化することになったものです。ただし、このモデルが当時のオリジナルモデルと異なるのは、mfxデコーダーが内蔵されていること。

梱包箱も当時と同じ材料とデザインで提供され、メルクリネウムのみで見ることができます。
フライヤーも各国語(日本はないです)でPDF化されて配信されていますのでダウンロード可能です。(以下はドイツ語版です)

Rarität: Leckerbissen aus dem Museum – Auflage des ersten Krokodil-Musters von Märklin für Spurweite H0

これから、こうしたレプリカモデルシリーズがメルクリネウムモデルとして出てくれば面白い展開になると思います。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Desiro HC als Neuheiten 2024 [Maerklin-Triebwagen]

昨日、Facebookのメルクリンアカウントから早くも2024年新製品のアナウンスがありました。先ほど公式ウエブページにも、このモデルの特設ページが既に配信されていることを以下確認できました。

Desiro HC / Märklin.de

さて、この実車ですが、SIEMENSが自社のプロダクトラインとして展開している、近距離向け電車Desiroシリーズの2階建仕様の名称で、数年前からドイツのルール地方を中心に走る民間事業者RRXによって初めて運行されました。その後DBもRegio塗装でこの車両を使った列車をドイツ国内で運用を開始し、現在はメルクリン本社のあるバーデン・ヴュルテンベルク州の運輸連合bwegtの塗装色でも運用されています。

そしてメルクリンから告知されたのは2種のカラーリングで、1つはDB Regio塗装、もう1つはbwegt塗装になります。
このシリーズは、現在様々な仕様があり、地域に合わせた仕様でドイツはもとより英国やイスラエル、ロシアにも展開しています。

また、手前味噌になりますが、このDesiro HCは私がドイツ時代に勤めていたデザイン事務所によりデザインが行われた車両です。同様にbwegt(バーデン・ヴュルテンベルク州運輸連合)のブランディング(外観塗装やサイン、インテリアデザインなど)も行われました。

まだメルクリンモデルの詳細を読めていないので未確認ですが、特別なギミックや制御・駆動系、構造、素材などで新しい試みが行われているのであれば、追記したいと思います。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Zugbildung TEE 73 "Helvetia" 1975 Sommerfahrplan [Zugbildung]

zb_TEE_73_Helvetia_75Sob.jpg
▲ クリックすると拡大します

前回のブログTEE 72 "Helvetia"の列車編成表をアップしましたが、この編成表を作成した当初は、スイスからハンブルク方面のTEE 72と逆方向の同名列車であるTEE 73を1枚の編成表で纏めるつもりで準備していました。しかし、元となる編成データを良く見ると微妙に編成が異なることに気付いたため、TEE 72のみで作成し記事としてアップしました。

折角TEE 73についても途中まで仕上げたこともあって、今回は北ドイツのハンブルクからスイス国境のバーゼル SBB、そしてチューリヒ中央駅へのルートについても、その編成表を改めてここに記事としてアップすることにしました。

[実車について]
さて、この北方面行きと南方面行きの2つのTEE Helvetiaの編成が微妙に違うのは、食堂車(WRümh 132)とバー車(ARDümh 105)を挟んで1等区分室車が組成される車両数が異なり、従ってこれら2つの車両の編成位置も違っています。列車の全体車両数も異なりますので、もしかしたらTEE 72とTEE 73は、同じ編成をシャトルさせている訳ではなく、3列車程度の別列車として独自の運用を組んでいるのかも知れません。

さて、このTEE 72 "Helvetia"は、Hamburg-Altona駅を午前11時半前に出発。ハンブルク中央駅で多くの乗客を拾って南下します。ここでルール地方経由であればBremen Hbf方面へ進むのですが、この列車はFrankfurt/Mへと向かうため、Hannover中央駅へと目指して走ります。このルートは、1992年にICEが最初に運用を開始したルートで、当時は高速新線はありませんが、ハンブルクとハノーファーは路線改良が出来ているのでICEと同じ線路を200Km/h走行可能です。
頭端駅のFrankfurt/M中央駅からは、機関車を交代し編成が逆向きでマンハイム中央駅を目指します。マンハイムで再び編成の向きを変え、スイスに向かってBasel SBBを目指します。Basel SBB駅で機関車を103.1形からRe 4/4 IIに変え、スイスの経済の中心地であるチューリヒ中央駅まで走り、同駅には21時前に到着するため、全線乗車すると昼食、カフェ・ティータイム、そして夕食を車内で取ることになりますが、そのための準備は2両の供食車両でしっかりと準備がされていたと思われます。

私がドイツにいてEC列車でフランクフルト中央駅からカールスルーエ中央駅に戻る時、1等開放室車(Apmz 121)に友人と乗車していましたが、DSGのチームが食堂車の予約を取りに座席を回っていました。この時はカールスルーエで下車しなければならなかったので、残念ながら食事を食堂車でとることが出来ませんでしたが、TEE列車では、アラカルト料理ではなくコース料理の提供になるため、必ず食事の御用聞きがあったのではと思われます。

[モデルについて]
メルクリンH0モデルでは、実際にモデルを見ていないので、車体番号や号車番号もわかりませんし、サボの印刷も見れていないので果たしてTEE 72かTEE 73かも分かりません。ただ、今まで数多くのEp.IV時代の28,2cm TEE客車モデルがリリースされているので、どちらの編成も組成可能です。TRIX H0からはTEE Helvetiaとしてのリリースはなかったようですが、私の見落としかも知れません。
もし43853/43854/43866の車体番号や号車番号などのデータをご存知の場合、お知らせくださるととてもありがたいです。その場合は、「28,2cm TEE客車のまとめ」ページに反映させていただきます。

*ご注意:この編成表は、あくまで基本的な編成データに基づいて作成しているため、実際には編成車両数の増減など、異なる場合があります。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Zugbildung TEE 72 "Helvetia" 1975 Sommerfahrplan [Zugbildung]

zb_TEE_72_Helvetia_75Sob.jpg
▲ 画像をクリックすると拡大します

昨日から、「28,2cm TEE-Wagen / DB Ep.IIIb-IV まとめ」を確認していたら、リンク漏れを見つけ修正を行っていました。まとめページ全体を眺めてみると、いくつかのTEE/IC列車の編成表がなく、これらはやっておかねば...という思いに駆られ、編成表データから調べていつものスタイルで表現しようと試みました。

[実車について]
さて、TEE Helvetiaといえば、北ドイツのメトロポールであるハンブルクとスイス経済の中心地チューリヒを結ぶビジネス国際特急という位置づけで、DBの看板列車であるTEE Rheingoldのような風光明媚なライン左岸線の景色を楽しめる観光列車としての役割はほとんど無く、乗客の多くはビジネスマンというターゲット設定をしているためか、ドームカーはもちろんなく、幾つかの駅では他のTEE列車と接続していました。

ルートは、スイスのチューリヒ中央駅からRe 4/4 II形機関車に牽引されてバーゼルSBB駅までスイス国鉄路線を走り、Baselで約半数の客車を増結して牽引機もDBの103.1形機関車に代わり、カールスルーエ、マンハイム、フランクフルト、ハノーファー、そしてハンブルクへと結ぶ昼行列車です。チューリヒ中央駅を朝7時過ぎに出発、夕方16時半過ぎにハンブルク・アルトナ駅に到着するダイヤで、多くの乗客はフランクフルト中央駅で乗降すると思われますが、全線乗車すると丸1日列車で過ごすような印象です。
1975年当時は、まだ旅客機での移動が一般的ではなく、1等車のみのTEE列車が9両編成の長編成で成り立っていたのは、それだけ需要もあったのだろうと想像します。
食事は、食堂車で北行きは朝食と昼食、南行きは昼食と夕食が用意されたはずで、当時のTEE列車の食堂は予約制のコースメニュー(一斉スタートで大皿から取り分けられる伝統的なスタイル)でした。

もちろんTEEは種別特別料金を必要とする列車なので、食堂車の他に荷物室のついたバー車も連結し、乗客はバー車のラウンジシートで寛いだり、カウンターでカクテルを注文したりできました。食事時間が決まっていたため、時間までバー車で食前酒、食後の余韻を食後酒やコーヒーなどで楽しむこともできたでしょう。
また、おそらく列車秘書もバー車に常駐して乗客のためにタイプライターで文書作成などの依頼も可能だったと思われます。1等開放室車両(Apümh 121)には公衆電話もあり、当時のビジネスシーンに不可欠な設備は揃っていたと思われます。

運行区間のほとんどを走るのはもちろんDBで、牽引機はフランクフルト機関区の103.1形と考えられます。マンハイム中央駅、フランクフルト中央駅の2カ所で機関車の付け替えが行われました。
当時、103.1形機関車は菱形タイプのDBS54形パンタグラフを装着していました。SBBのRe 4/4 IIはワンアームタイプのパンタグラフでした。

今と違って通信手段が電話やテレックス程度しかなかった時代ですから、列車に乗ってしまえば、乗車している間は自分自身の時間を自由に使えたでしょう。長い乗車時間を退屈しないよう、各国の鉄道会社は、TEE列車を最高のもてなしをする列車種別として誇りを持ってサービスに当たったと想像できます。

[モデルについて]
モデルは、2014年の秋の新製品として、メルクリンH0から「Schnellzugwagen-Set TEE "Helvetia".」として告知されたセットと単品で構成された3種の製品(43853/43854/43866)は1回限りの限定生産で、132形食堂車にmfxファンクションデジタルデコーダーが内蔵され、サウンド機能を使った車内でのアナウンスの他、ここから導電カプラー経由で全車両の車内照明のon/offが遠隔操作できます。これに合わせた機関車は、スイス国鉄(SBB)のTEEカラーのRe 4/4 II形(37349)でした。

高速新線が整備され、当時よりスピードアップが図られた現在、航空機は環境に悪いという意識も手伝って、今後は国際列車の充実も進むでしょう。そして、このような列車が再び走る時代が来るかも知れません。

*この編成表は、あくまで基本的に設定されたものであり、実際とは異なる場合がありますことをご承知おきください。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー