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祝 芳賀・宇都宮 LRT 開業! [Tram]

昨日、無事栃木県芳賀町、宇都宮市を走るトラムが開業しました。私も宇都宮にトラムを走らせたいと議論がされている頃から知るものとして感慨深く心よりお祝いを贈りたいと思います。

昨日は、NHKをはじめ、様々なメディアで報道されていたので、大変な賑わいだったようです。私もお祝いに駆けつけたかったのですが、家で現地からSNSで投稿される様々な画像や映像を観ながら心だけ現地に行っていました。その後、宇都宮でLRT開業に尽力されていた方にお祝いを送ったところ、以下のとちテレの2時間余りの現地ライヴ映像のアドレスをお知らせくださいました。それが以下アドレス。

LIGHTLINE START!!! 芳賀・宇都宮LRT いよいよ開業!

このLRTの実現に向けてのハードルはかなり高いものだったことを今更ながらに思います。特に財政上の問題が大きかったと思いますが、宇都宮市職員は身銭を切っての実現と風の便りに聞いています。反対意見も多かったことと思います。そうしたやや無理をして実現したのはLRTではありませんが、私の住む高崎市でも過去ありました。

高崎は、群響で馴染みある群馬交響楽団がありますが、当時は高崎市民オーケストラという地方楽団の草分け的存在であったようです。そのホームでもある高崎の音楽センターは、日本の地方として本格的な音楽専用ホールは珍しく、当時の市民の浄財で作られたとあります。建設したのは地元企業の井上工業、設計はアメリカ人建築家アントニン・レーモンド(あの旧帝国ホテルを設計した世界3大建築家の1人であるフランク・ロイド・ライトの事務所から現場監督として来日し、戦前戦後と日本で活躍した人物)でした。その建築は(音響を除いて)彼の代表作となるほどの建築でしたが、建設費用が嵩み、当時井上工業で仕事をしていた私の伯父は、建設費用の補填でボーナスがなかったと、後に伯母から聞きました。
今は、そうしたことはないとは思いますが、そこまでしても実現させたいという強いモチベーションがあったことはこのLRT開業にも通じるでしょう。開業の遅れや物資の高騰で建設費用が予定を上回ったことも報道されています。おそらくこの華やかな開業の背景には、様々な有形無形の努力があっただろうと想像ができます。

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▲ 高崎の音楽センター(アントニン・レーモンド設計)

しかし、それだけの価値があるからこそ、このLRT開業を成し遂げたことは、これからの街の変化を大きく促すことになるでしょう。おそらく既に沿線の電停付近の不動産価格は上昇していると考えられますし、途中の巨大ショッピングモール「ベルモール」は、他の地方都市のモール同様クルマで訪れるのが当たり前の場所から、トラムで気軽に来れる場所に変貌するかも知れません。
この開業で、これから宇都宮市と芳賀町は大きく変わる。これはかつてカールスルーエやストラスブール、富山、福井と同様です。そのスタートにようやく立ったのが昨日の開業だと思います。

私は少し落ち着いて、このLRTが市民の日常の足になった頃にでもゆっくりと訪れてみたいと思います。
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Zugbildung FD 264 "Mozart" 1986 [Zugbildung]

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▲ クリックすると拡大されます

今年のメルクリンH0インサイダーモデルは、交直流電気機関車 BR 181.2形とWien - Parisを結ぶFD "Mozart"客車セットです。時代は1987年のため、Ep.IVです。
このモデルが告知されて以来、編成を調べて纏めようと考えていましたが、忙しさにかまけて中々先に進めませんでしたが、先ほどようやく完成しました。残念ながら1987年の編成表を見つけられず1986年の編成表を作成したのですが、もしかしたら1986年と1987年が同じなのかも知れません。

さて、今回のメルクリンH0の客車セットは4両セット(42893)と3両(42894)の2種で構成されていますが、この表でも理解できるように7両編成ではないため、まだ足らないモデルがあります。
今回は、181.2形機関車牽引が前提ということなので、この編成表であればStuttgart - Strasbourgが当たります。この編成表は、DBの217形半室食堂車を中心にStrasbourg方がÖBB客車で組成され、Stuttgart方はSNCF客車で組成されているところが興味深い部分です。モデルを線路に載せて編成を組むときは、これを覚えて置くと分かりやすいかも知れません。いずれも食堂車に近い方から1等車、そして2等車へと続いています。
ÖBB側に連結されているDBのABm 225やBDms 273はセットに含まれず、BDms 273はEp.IV青裾仕様タルキスカラーが製品化されておらず、特にSNCFのコラーユ客車などについては新開発となるので、なかなか難しいかも知れませんが、更なる増結セットの製品化に期待したいです。

また、ストラスブール - パリ東駅ではSNCF客車のみの編成がBB 15000に牽引されていますが、メルクリンH0では、3321とスタートセット(29529)のみ製品化、フルサウンドやmfxデコーダーも積載されていません。客車もEurofima A9u 1等車が今回のモデルと合わせて3種製品化されていていますが、2等車がメルクリンでは製品化されていないCorail客車(A10tu、B10/11tu)や2等荷物合造車、食堂車などがないため、メルクリンモデルのみで編成を完成させることができません。

一方でWien Westbf. - München Hbfでは、上記の客車が揃えば組成可能ですが、1番の問題は牽引機関車で、Ep.IV時代の代表的なÖBBの顔ともいえるRh 1044形は、オーストリアモデルのファンは待ち焦がれていることでしょう。

とは言え、今回の新製品で画期的なのは何と言ってもDBのARmh 217が新設計で登場したことです。これは、後期タイプのTEEカラー(赤裾)塗装ですが、登場当初はD-Zug向けのKakadu(食堂車エリアが紫赤色、客室エリアがコバルトブルーの縦割った2色塗装)で異彩を放っています。これは早々にメルクリンから登場することを期待しています。また、この217形にパンタグラフを装着させたのがARmz 211形で、これも217形との外観上の違いはパンタグラフの有無程度で、132形と135形の両方の食堂車があるのと同様のため、211形半室食堂車の登場も期待したいと思います。

さて、このFD-Zug(Fernschnellzug)は、位置付けとしては長距離急行列車なのですが、ECやTEEのような種別特別料金が不要のため、庶民の急行列車という感じでしょうか。それでも車両の最高制限速度こそ160Km/h程度ですが、当時のEC列車としてもさほど遜色はないアコモデーションの車両が使われています。しかし1989年からEC列車化されています。

編成表を見ると、Strasbourgでほとんどが切り離され、SNCFの車両3両のみが終着パリ東駅まで直通運転されていました。Strasbourgで到着後11両のコラーユ客車を中心とした座席客車のほか、食堂車や半室荷物車などが新たに組成され、堂々の14両編成の列車がBB 15000に牽引されていました。また夏季のみ2両のDB UIC-X区分室車がStrasbourgからKurswagenとしてフランス/スペイン国境で地中海沿岸のPort-bouまで運転されていました。(このPort-bouまでの列車についても興味あります)

そして編成全体の中心は朱赤色に黒帯のシックなÖBB塗装車両なので、Wien Westbf - München Hbfを結ぶ編成を実現するのは、先にも記しましたが、牽引機の電気機関車Rh 1044をそろそろリリースすべき時期なのかも知れません。

色々な意味でFD Mozartは、列車名の大作曲家W. Amadeus Mozartが父と共に演奏旅行でウィーンからパリに向かった旅と同様、興味深い国際長距離列車だということが今回の編成表をまとめたことでわかってきたのは大きな収穫でした。

*この編成表はあくまで基本的な組成を示しているものです。実際は車両の増減などがあることもあり得ます。

[追記] 2024年新製品にパンタグラフ付きのARmz 211形1等開放室/食堂合造車が製品化告知されました。

Special Thanks: BOAC VC-10さん、Claus Smolkaさん

[参考サイト]
F/D Mozart / Die DB in Bildern 1966-1991

[EDIT] 2024-01-13
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2023夏LRTフォーラム [まちづくり]

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事後報告になってしまいました。
表題の講演会が横浜の大桟橋のたもとにある波止場会館で昨日行われ、ここでも1度紹介した自律型スマートバス停を新たにLRTなどトラムにも活用できる汎用性を持った「自律型スマート停留所」についてレクチャーをさせていただきました。

今年の夏の猛暑は引き続き昨日も同様でしたが、高崎に比べて若干気温は低いのかな?とも思えましたが暑いは暑い。わざわざお越しいただいた皆さまには本当にお疲れ様でした。

さて、この日のフォーラムは午後から横浜ということで、娘の大学卒業以来久しぶりに横浜に出向きました。午後2時からなのでゆっくり行くこともできましたが、色々準備不足も気になっていたので9時すぎには自宅を出発、横浜駅でみなとみらい線に乗り換えて波止場会館最寄り駅の日本大通り駅に着いたのは、お昼すぎでした。駅から地上に出ると目の前の光景に驚きました。

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開港記念会館ですが、1917年竣工の辰野式フリークラシック様式なのだそうです。レンガと石の組み合わせから辰野の設計かと思いましたが、それは1つのスタイルとして確立されていたのでした。関東大震災で全焼したそうですが、1927年に耐震の上で再建されたそうですが、当時から復原が行われたということは、貴重な建物の1つだったと想像できます。

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その周辺にも1930年代ぐらいまでの階高の高い建物が林立し良い雰囲気になっています。高崎では見ることができない洋式建築に久しぶりに触れられれて暑い中でも景色が良いと気分は良いです。ここの中心は、神奈川県庁舎でしょうが、ここもアール・デコ様式を踏襲していて美しいです。さすが明治に入って世界に扉を開いた港街です。当時の世界に肩を並べたいと願う人々の気持ちがここのまちづくりに凝縮されているように感じました。

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実は自宅のコピー機のインクが足らずに前の晩からどうすべきか悩んでいたところ、セブンイレブンのデータによるプリントサービスを思い出して、途中でプリントアウトしたいというのもありました。
スマホにその文書データを入れて来たので、コピー機と通信すればできると思っていたので、県庁前にこじんまりとしてセブンが一軒あってそこに入って試したところ、うまく機能しません。しかしスマホ以外にもUSBメモリからデータを取ることも可能であることを知り、パソコンから手持ちのUSBメモリにコピーしようと思いましたが、さすがにセブンの中でお店を広げるわけにも..と思っていたらこのお店の脇に隠れるように小さなテラスがあって、そこに数客のテーブルセットがあります。お店の人に、テラス席を使えるかどうか尋ねると、「もちろん」との答えで、その場でアイスコーヒーとサンドイッチを購入し、日陰のテラス席でパソコン広げてUSBメモリーにコピー、ちょうどお昼時ということもあって静かな土曜日のランチは図らずもセブンのテラスランチとなりました。

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コピー機はちゃんと機能して、プリントアウトされた文書を持参し、大桟橋方面に向かうと、大きくはないけれども歴史を刻んだ良質の建物が並んでいます。ついおのぼりさんのように建物の上を眺めながら歩くと、ドイツ語店名「BLAUBERG an der Küste」(海辺の青い山?)が目に入って来て、目的地を見失って少々彷徨ってしまいました。実はこの建物の手前を左に入ったところが波止場会館という会議場のある会場でした。

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会場は4階で、目の前には大桟橋に停泊中の飛鳥IIが大きな船体を見せていて、左手にはおなじみオクトバーフェストが開催される赤煉瓦倉庫が見えます。久しぶりに海が見えて気持ちが良かったです。ドイツでもハンブルクの港は、同じように外に開かれた美しい街ですが、そこは河口から100Km以上エルベ川を上ったところで港の風景は横浜に勝てないでしょう。(しかし、ハンブルクにはアルスター湖と私には何よりもMiWuLaのあるSpeicherstadtが最大の魅力ですけど...)

前置きが長くなりましたが、散歩気分で歩いた横浜の一部ですが、やはり魅力一杯の街で、市民はこのまちに誇りが持てると思います。逆に多くの地方都市は東京にコンプレックスがあるのかないのか、どこもせっかくの個性を引き出させていないような感じもしたのでした。

さて、そんなこんなで14:00から LRTフォーラムは開催され、久しぶりの対面での講演会の場にお招きいただいて、十分な話ができるようスライドショーの画像も絞って用意したつもりでしたが、前段で余談に時間を使いすぎて、後半急いでしまうことになり十分言いたいことが伝わったのか?と感じざるを得ないレクチャーになってしまい、時間配分の悪さが露呈してしまいました。反省しています...。

私の他には、富山大学から富山のライトレールの成果や、日欧の制度や当事者の意識の違いなど、重要なきっかけに値するお話を数字を使って説得力のあるお話、地元交通局のバス事情について、また世界のトラムを知り尽くした西田氏からは来週26日に開業を迎える宇都宮ライトラインの最新情報を含めた苦難の歴史など、今後のトラム(LRT)の普及のきっかけになるであろう重要な第1歩の実情の話を聴くことができました。

私のレクチャーは前述の通り言いたいことが全て言えたかといえば???状態でもあり、そうした想定をしたわけではないのですが、事前に今日のレクチャーで語りたいことをnoteにまとめておき、当日レクチャー直前に公開しました。

もし、ご興味のある方は、以下のアドレスにありますので、ご高覧いただければ嬉しいです。

自律型スマート停留所システム@2023 Summer LRT Forum in Yokohama | note

今回のフォーラム向けには、このスマート停留所に関わる3つの立場の人々を分けて解説すべきと考え、停留所の「利用者」、「設置・管理運営」、「広告主」に切り分けています。設置・管理運営事業者に興味のあるのは収益であり、広告主にとっては、広告の掲出条件やかかる費用になります。さらに広告主は「一般企業」、「地域事業者」、「行政・運営事業者・一般市民」の3つのカテゴリがあり、なかなか複雑になります。このスマート停留所と一体となるスマートフォンアプリは、「利用者向けアプリ」、「広告主向けの申請アプリ」で、広告主のうち、敷居の低い広告を実現するため「地域事業者」と「一般市民」用意し、この2つは受付窓口が異なることもあってセパレートに合計3つのアプリを用意します。そうした道筋もしっかり説明できなかったのは、今回の反省材料です。

LRTフォーラムの後、二次会にも出席させていただき、横浜の夜の宴を楽しみました。

御登壇の皆さま、暑い中、会場に足を運んで聞きに来てくださった皆さま、そして献身的にフォーラムの進行に携わっていただいた「横浜にLRTを走らせる会」スタッフの皆さまには、この場を借りて心より感謝申し上げます。
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