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47447 Märklin Magazin Jahreswagen 2003 [Maerklin-Guterwagen]

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我が国の高速道路の通行料金が政策で大幅値下げされたこともあってか、一時話題になった「モーダルシフト」について最近話題を聞かない。一方国が陸続きのヨーロッパ(特にトランジット目的の通行の多い山岳地帯であるスイスやオーストリアなど)では、高速道路の渋滞緩和やエコロジーの観点からトラックを移動させる鉄道輸送が既に一般的になってから久しい。

今回紹介するモデルは、そのモーダルシフトに一役買う一種のトレーラー積載貨車のMM-Wagen仕様(47447)である。これは、トラックのトレーラーやコンテナを運ぶためのUKV(Der unbegleitete kombinierte Verkehr)と呼ばれるシステムの車両で、運転台付きトラックをそのまま運ぶRola(Rollende Landstrasse)とは異なる。UKVの大きな特徴は、コンテナとトレーラーのどちらも積載可能なので汎用性が高いことと、トラックの運転台を運ばないため運転手の移動の必要がなく、Rolaでは必ず必要な運転手用の客車を組成することが不要である。これらUKVやRolaを運営するHUPAC社では、どちらのシステムも用意されているので、荷主は状況に合わせて選択が可能である。

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このモデルを手にして驚いたのは、一般のメルクリン貨車モデル(特にMM貨車)の外箱と大きく異なる点で、金属製の貨車モデルとトレーラーが発砲製の箱に収められていることである。

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まず、貨車モデルであるが、前回紹介したMM-Wagenと同様、「台枠=ボディ」という構造であるため、ダイカスト製である。故にずっしりとした重量感と低重心が約束されている。

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セットには、2種類の部品が添付されている。上のパーツはトレーラーのトラック運転台部分との結合部を貨車側が保持する3種類のパーツである。トレーラーの種類によってそのうちの1つを貨車側に取付ける。(パーツの位置調節が可能)

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もう1つの小さなパーツ群は、積載物がトレーラーでなくコンテナの時のパーツである。17ftと20ftの両方のコンテナが積載可能なように位置調節が出来る。(手元にコンテナがないので残念ながら載せて試すことができず...)

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▲ トレーラーの車輪を収めるためのくぼみと車止めが準備されている。

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さて、いつもながら最近の貨車モデル、特にダイカスト製品のモールド技術の進歩には驚かされる。このモデル自体は、2003年のリリースであり、2002年にリリースされたのコンテナを積載したSBB / HUPACの同形モデル47441が最初であろうか。
台枠でもありボディでもある車体の表記はいわずもがなで、素晴らしい印刷技術が確認できる。MM-Wagenのためファンタジーモデル故のMBは、いつもと同様。しかし、DB AGの形式(Sdgkms707)はしっかりと印刷されている。仕様はEp.V。MMブルー地に白いMM誌と2003年文字の入ったラベルは良く映える。その他、表記や筆入れもしっかり行われているのは嬉しいかぎり。

一方で、MM誌仕様のトレーラーモデルはHerpa製で定評のある高い表現力を持ったモデルであることには違いないとは思うものの、樹脂製であることが一目でわかってしまうのは残念である。特に樹脂の練り込みの色だけで表現されているのは、車両の質感とすぐ比較されてしまうので塗装して欲しかったと思うのである。設定では印刷されたMM誌がこのトレーラーでスイスやイタリアへ輸送されるところ...という感じだろうか。設定は中々面白いだけにこのトレーラーモデルは残念と言わざるを得ない。

とは言え、MM-Wagenであったからこそ、この素晴らしい貨車モデルを実際に手にすることが出来た訳で、ここに紹介することも可能になった訳である。
下記に示す動画などを見つつ、ちょっとMM-Wagen以外のモデルで編成を組んで走らせたくなってしまったのである。

参考動画:スイスを走るRe485/SBB Cargo牽引のUKV列車
http://www.youtube.com/watch?v=LwPeCUBPsto

参考サイト:HUPAC
http://www.hupac.com/en/index.php
タグ:Ep.V MM-Wagen Herpa
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コメント 6

まほろ

Akiraさん こんにちは

>MM誌仕様のトレーラーモデルはHerpa製で定評のある高い表現力
>を持ったモデルであることには違いないとは思うものの、樹脂製
>であることが一目でわかってしまうのは残念である。

Herpa社製のモデルで、ダイカスト製は一部の乗用車ぐらいしか
見た事がありませんね。(中国製のもので見ましたよ)
Herpa社製のモデルは、逆に樹脂製の方が安心します。
by まほろ (2009-08-10 15:46) 

Akira

まほろさん、こんにちは。

Herpaのモデルが樹脂製であることは一向に構わない(むしろ重心が高くならずに良い)のですが、塗装がされていないので、車両との品質感にギャップを感じてしまうのが残念だと...。
by Akira (2009-08-10 15:54) 

まほろ

Akiraさん こんばんは

>車両との品質感にギャップを感じてしまうのが残念だと...。

なるほど、そう言うことですね。
わかりました。
by まほろ (2009-08-10 22:44) 

Akira

こんばんは、まほろさん。

Herpaの場合、無塗装でも品質感のあるのがウリと先日放映した「欧州もけい探訪」のHerpa社訪問時の映像で見ましたが、光沢の出ない今回のモデルのボディ部分ではさすがに難しいですね。
by Akira (2009-08-10 23:55) 

まほろ

Akiraさん こんばんは

>光沢の出ない今回のモデルのボディ部分ではさすがに難しいです
そうですね。
難しいのでしょうね。

私の経験ですが、
貨車の箱からの出し入れは注意された方がいいですよ。
バッファを折ってしましました。
(いま、部品を探してもらっています)




by まほろ (2009-08-11 23:26) 

Akira

こんにちは、まほろさん。

バッファ破損ですか。金属製車体モデルであれば別パーツで部品交換可能でしょうが、樹脂製ボディの一体型だと接着しかなさそうですね。部品が見つかるといいですね。
by Akira (2009-08-12 08:40) 

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