SSブログ

LRTデザインコンテスト2009 展示会と表彰式など [デザイン]

b11953.jpg

昨日は、東京大学本郷キャンパスで「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」とそれに付随した「LRTデザインコンテスト2009」の展示と表彰式が行われた。
展示の準備のため、始発の新幹線で会場に赴いても到着は8時。それから展示パネルに作品掲示作業を始め、何とか9時過ぎには準備を整えることができた。表彰式は11時からだが、このブログで告知してあったこともあってお友だちの幾人か来てくれた。感謝である。

今回我々が展示した工学部の2号館は、帝大時代に建てられた石造りの重厚な校舎を覆うように近代的な建物が一体的につくられたもの。石造りのファサードとモダンな内装が融合された校舎である。
このキャンパスに来ていつも思うのは、帝大時代に建てられたいくつもの校舎がおりなす連続的な景観は、緑の豊かさと相まって落ち着きにある小さなヨーロッパの都市を訪ねたような錯覚に陥るほどに素晴らしい空間を見せてくれることである。これら建物がいつまでも残ってくれることを願ってやまない。

話は逸れたが、準備も終わってぽつぽつと見学者も現れた頃には表彰式も展示会のあるホワイエ横の講堂で始まり、慣れない表彰手順にあたふたする場面もあり、見苦しい場面も...orz
今回は、受賞者にも最後迄ヒミツにしていたが副賞にスポンサーさまからの協賛品を用意して頂いた。最高賞であるグランプリには、賞金5万円とKATOから出来立てほやほやのユニトラムのスタートセットである。また、A部門の副賞にジェイアール東海エージェンシーさまより、鉄道関連小物。入選作品には、JIDA賞としてデザイン関係書籍、RM Models賞としてRMM1年分の購読とRMライブラリより路面電車関連書籍セットの2点、CarStylingからは、1年分の同書購読2点である。

各スポンサー代表者さまから目録や現物を受賞者に手渡され、一言作品やこのコンテストに対する感想などを頂いた。全て無償でこのような協力をしていただけたスポンサーさまには感謝以外の何ものでもない。受賞者の皆様にはお祝いと共に、副賞が気に入っていただければと思う。
受賞作品は、後日デザインコンテストのウエブサイトで掲載予定である。

その副賞協賛を頂いたKATOは、話題のユニトラムと富山ライトレールのデモンストレーションがあり、社長自らお客様に説明されていたのは印象深いものであった。表彰式でもこのユニトラムについては、今迄の鉄道模型の「過去の再現」ではなく、「未来のまちづくりの創造」して欲しいものであり、今回のデザインコンテストで制作されたような、まだ世に出ていない魅力あるLRTを製品化できれば...と感想を述べていた。その話を伺って、まだまだヨーロッパに比べて立ち遅れている日本のトラムをKATOのモデルを使って先取りするようなアイデアを次々に実現させれば、面白いものかも知れないと感じた次第である。

午後3時からは「市民フォーラム」が行われ、その話題の富山ライトレールを使ったまちづくりを進める富山市長、これからが正念場の宇都宮市長、豊島区長などをパネリストとしたフォーラムが行われた。基調講演で説明された富山ライトレールの取り組みは、メディアなどで報道されている以上の積極的な活動を説明され、ヨーロッパ的な考え方だと思ったのである。それは、単に1つのことを改善したりするのではなく、目的意識を明確に示した上で複合的に1度に行うことである。富山の場合は、富山港線の廃止でそれを活用したのではあるが、以前よりも運賃とダイヤと車両と利便性が変えたのである。地方都市で日中15分ヘッドのダイヤで夜22時半まで運行するのは、非常に有効な手段である。このような変革は、まさにカールスルーエがDBのBretten線に乗り入れたやり方と同じである。

更には、朝の通勤時に試験的に信用収受を行っているという。それも今迄目立ったトラブルがないそうで、このまま上手く推移すれば、全時間信用収受にするそうである。これは、にわかに信じられない取り組みである。そしてその決断をし、実行した富山市に今後全国のトラムを持つ都市に大いに刺激になるものとして応援したいと思うものである。
この時、初めて新しく駅の南側を走る3編成の車両の映像も見ることができた。黒、白、シルバーの3色のLRV車両は、シックな佇まいで好感が持てた。

さて、フォーラム終了後は交流会が行われ、そこでもKATOのスタッフの方々と歓談出来たのは楽しいひとときで、ユニトラムの将来像などについて色々と話すことができた。その後はJIDA乗り研のオフ会に参加、以前、乗り研の重鎮(ご長老?)からメルクリンに興味があると昔聞かれたので、色々教えたのは記憶に残っていたが、ナントいきなり「メルクリン買っちゃった...」と。新しいお仲間がまたお一人...。国鉄時代から日本の歴代の鉄道車両デザインに関わって来た方がメルクリンとは...。DBのスタートセットと機関車だそうで、低速の動きとサウンドが特に気に入ったそうな..。今後のメルクリンの影響力に期待したい??

私はと言えば、オフ会帰りの水道橋駅からの総武線が嵐のコンサート帰りの女子のラッシュで辟易として、ようやく乗った新幹線は、やはり最終....。充実した長い1日であった。

[ADVENTKALENDER am 06.12. bei Maerklin Online-Shop]
Startpackung "Circus Mondlino". 230V
Dampflokomotive mit 3 Wagen, Gleise, Trafo, kabellose Fernbedienung und Zubehoer.
*ご注意:日本向け仕様ではありません。

[EDIT] 2009-12-07 10:53
タグ:LRT
nice!(1)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 11

hikari

Akiraさん、どうもです。

昨日はお疲れ様でした。
Akiraさんの総括の決め言葉が格好良かったです。
折角午後のフォーラムも誘って頂きながら、
銀座からの引力が強く…失礼しました。
また今度じっくりとメルクリン談義でも。
by hikari (2009-12-06 12:48) 

Akira

hikariさん、こんばんは。

昨日は、ホーム?へお越しいただきありがとうございます。本郷校舎は私にとっては完全にアウェイですが、とても居心地の良い空間です。東大工学部ににIDの授業があったらな〜と、思う今日この頃です。

でも、銀座の誘惑には叶いませんね。またゆっくりとお話しましょう。
by Akira (2009-12-06 22:18) 

熊本センター

Akiraさん デザインコンテスト開催、お疲れ様でございました!
是非、来年は私も一緒に研究発表会に参加すべく準備致します。

今夜のBS「欧州鉄道の旅」はDBでライプツィヒ~アイゼナッハ~フランクフルトを旅する内容で、DBファンだけでなく、J.S.Bach大ファンの私には至福の時間でした。また後日DVD化してお送りします。

そうですか~。富山ライトレールでは顧客信用運賃収受制がスタートしているのですね!大変、参考になる話題で、ありがとうございます。

by 熊本センター (2009-12-06 22:43) 

abe

すいません。銀座ではないのですが、他の引力が強く行くことが出来ませんでした。次回は必ず参加させていただきますのでご容赦ください。

LRTについては先見の明がある自治体が参加されているとお見受けしました。これからいろいろな町が企画されるでしょうね。スカイツリー絡みの整備が循環バス程度の某区とは大違いです。w
by abe (2009-12-06 22:54) 

Akira

> 熊本センター
ありがとうございます。来年は岡山です。お近くになりますね。11月27日岡山大学だそうで....。

富山ライトレールは、驚きました。でも1番の要因は市長の判断力と行動力だと感じました。昨今の地価下落が著しいなか、ライトレール沿線の地価は上がっているのだそうです。また、単純収益のみを計算するのではなく、高齢者がライトレールをニコニコしながら使って、良く外出することで、健康維持に繋がり、それが医療費の負担軽減にも役立っているそうで...。

日本で本気でLRTをやるにはトップのモチベーションがその成否を決めるのではと感じました。

> abeさん
他の引力って..?
なんでも東京は各区がLRT導入の機会を伺っていると聞きました。しかし、そこに立ちはだかる壁は東京都や国への説得のようです。
by Akira (2009-12-06 23:09) 

abe

東京でも中心部は以前都電が走っていた関係で、2.3車線取れてそれほど渋滞しないので可能なのですが、郊外区は道が狭いうえ渋滞も多く、専用線だったところは用地を転用しているところが多いので、なかなか実現は難しいのではないのでしょうか。
私の住んでる江東区は直ぐにも出来そうですがw
by abe (2009-12-06 23:47) 

Akira

abeさん、こんにちは。

東京郊外は確かに難しいでしょう。ただ、東京の場合、中心から郊外に沢山の鉄道線が放射状に伸びているので、山手線と武蔵野線の間にそれらを繋ぐ結節点となる機能を持った路線が必要なのは確かです。
by Akira (2009-12-07 00:13) 

Bemo

 この催しは言ってみたかったです。

 専用軌道ですが、たまに東急世田谷線を利用しております。この線、混んでいないときに乗るのは非常にいい感じです。

 ところで、Akira さんは、iPhone/iPod 用の TouchCab は試されましたか?CS1対応とは非常にありがたい。これでCS2購入は遠のいてしまいそう。

by Bemo (2009-12-08 23:04) 

Akira

こんにちは、Bemoさん

この大会は年に1回行われますが、毎回場所が変わります。来年は岡山大学とのことです。世田谷線は、私も高校時代に塾通いで使っていました。夜なのでいつも空いていましたが、できれば玉川線時代のペコちゃんに乗りたかったなぁ...と。

iPhon/iPod TouchのTouchCabは、私も大きな期待を持っていますが、残念ながらデバイスを持っていませんので使えないです。(理由は私がiPodを持つと子供に取られるのが確実だからです)
CS2では出来ないことも聞いています。将来的にはアップデートしてCS2でも使えるようにして欲しいですね。
by Akira (2009-12-09 08:13) 

卍チョビ総統卍

こんにちは!皆様 初めまして!

ミクシィのメルクリンコミュで お世話になっております

私は現在、世田谷線の運転士をやっておりますが、当線といい、都電といい、どちらもホームを嵩上げし、電車とのステップレス化を行い、バリアフリーとしました
専用軌道(新設軌道)がほとんどだから出来た技だと思っております

先日、妻と旅行で、松山と広島に行ったのですが、やはり併用軌道だと、このホーム嵩上げは難しいですよね・・・


LRT 私も大賛成ですし、もっと各都市にあっても良いと思います



特に観光で有名な都市や、碁盤の目の都市は、かなり効果があるのではと思います。

こういったコンテスト等は、私のようなものでも、見学出来ますでしょうか?

民鉄協や運転協会誌等のものは、会社が通達したりして 開催日等が分かるのですが こういったものこそ 趣味的(w)にも参加したいので、次回開催の際には、是非参加してみたいです。
by 卍チョビ総統卍 (2009-12-10 13:55) 

Akira

卍チョビ総統卍さま、Spielkisteへようこそ。

mixiでは時々コメントを拝見いたしております。私個人も利用していたことがある他、大学のLRTデザインの授業で10年近く前ですが、学生と共に工場見学をさせていただいたことがあります。その時の学生の作品は、担当者さまに作品集としてお届けしました。

今回のコンテストの展示会は全く自由にご覧頂けました。今や4回目を数えた「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」もやや知れ渡りつつありますが、まだまだ専門のみなさまがほとんどです。デザインコンテストの開催は今回2回目でしたが、それは一般の市民の方々にも広く来て頂くための試みの1つという位置づけもあります。
来年は岡山なので遠いですが、また告知されるでしょうからご興味があれば是非お越し下さい。(確か岡山は11月27日開催予定と聞いています)
by Akira (2009-12-10 15:30) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0