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Wendezuege / Eisenbahn Journal [欧州鉄道]

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既に半年も前に発刊された月刊雑誌なので、お手元にあるかたもいらっしゃるとは思うが、先日「回想の旅客車」上下巻と共にBOAC VC10さんからお借りしたのが、画像のEisenbahn Journal誌である。

この号の特集は、Wendezuege、つまりプッシュプル列車である。表紙の画像にある客車はその初期の制御客車で戦前の車両である。当然機関車は蒸気機関車である。
メルクリンから23形のプッシュプル列車セットがリリースされたことで、にわかに蒸気機関車牽引のプッシュプル列車が脚光?を浴びて来たのだが、ドイツでのプッシュプル列車は23形だけではなく、78形や38形などローカル列車を中心に早くから様々な場所で運用されて来た。
現在では、ローカル運用だけでは無く最高速度200Km/hで走るICも280Km/hで走るICE2もプッシュプル運転である。ドイツでは、既にそれだけ歴史も実績もあるのであるが、日本では珍しいので私個人はプル運転がいつも根拠の無い不安にかられてしまうのである。

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この雑誌をめくると、戦前のプッシュプル運転の列車から、ディーゼル機関車、そして電気機関車による現在のものまでテキストと写真で詳細に記されているのであるが、新しい発見として、ハンブルグとビュッヘン、リューベックを結んでいた私鉄のLBEによる流線型機関車と2階建て客車による列車運行がやはりプッシュプルであったということを知ったことである。そしてこれがプッシュプル列車のオリジナルであったとのこと。この列車は1932年にデビューとあるので、現在のドイツの列車運用の実態を考えれば、如何に先進的な試みであったということが容易に理解出来るものである。

私がブレーメンの語学学校に通っていた頃、ハンブルクからリューベック迄小旅行をしたことがあるが、その時は2両編成の気動車の運用で非電化区間のローカルな旅を楽しんだのであるが、LBE時代では、そのような高速列車が走っていたとは..と思えるほど、今のリューベックは観光地のイメージの方が私には強い。しかし、リューベック中央駅は確かに建屋とドームが立派な駅だったと記憶している。

そんなことを書いていたら、LBEのプッシュプル2階建て高速列車のモデルが欲しくなって来たのである。

Special Thanks: BOAC VC10さん

参考サイト:Eisenbahn-Journal 4/2010
http://www.eisenbahn-journal.de/art/511004.html

Lübeck-Büchener Eisenbahn / Wikipedia (Deutsch)
http://de.wikipedia.org/wiki/Lübeck-Büchener_Eisenbahn#Hamburg-L.C3.BCbeck-Schnellverkehr
タグ:LBE Zeitschriften
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コメント 9

しげやん

Akiraさん、こんばんは。
LBEのプッシュプル2階建て高速列車、私も
メルクリンから出てほしいな~と思っておりました。
あの小さな蒸気機関車(ミッキーマウスでしたっけ?)が
メタルボディで、煙と音が出てくれたら
とってもうれしいですね。
2階建て客車の保存車は150周年記念イベントでも大活躍したようですから、いろんな機関車に牽かせてもよさそうです。
by しげやん (2010-09-13 19:58) 

Akira

こんばんは、しげやんさん。お久しぶり♪

あの客車、現在はオリジナルに復元されていますし...。濃緑色に黄色のコントラストは素敵です。戦後はV200なんかに牽引されていますし、中々興味深いです。

60形機関車は、61形より更にコンパクトになるので、デコーダーや発煙装置が納まるかちょっと心配ですね〜。
by Akira (2010-09-13 20:32) 

KDB

今晩は、KDBです。
表紙の2軸客車に運転制御装置を付けたプッシュプル列車は見たことがありませんが、実際にあったんですね。ずいぶん前のメルクリンマガジンに、品番4000の客車2両と品番3000の機関車、つまり89型を組み合わせたプッシュプル列車と、専用レイアウトが掲載されていた記憶があります。客車の1両は表紙の写真のように、デッキの壁面に窓を設けてありましたが、実際に窓を開けるのは大変なので、何かのストラクチャーの窓枠を外に貼り付け、ガラスがあるはずの部分を白く塗って窓にみせていました。LBEのプッシュプル2階建て高速列車がメルクリンで実現したらいいですね。確か製品がリマから出ていましたが、機関車の60型は上質とは言い難いプラ製ボディーでした。でも、なぜか一緒に出ていた2階建て客車は、リマらしからぬ良い出来で、ちょっと欲しくなった覚えがあります。
by KDB (2010-09-14 20:16) 

東西急行

Akira様、東西急行です。
彼の地の制御客車による推進運転が今次大戦前より続くもの
とは恐れ入りました。
然も開放式運転台とは…文字通り海軍艦艇の露天羅針艦橋の
趣です。当然編成末端の蒸気機関車は機関区画となる訳でし
て、どの様な号令が飛び交ったのかと夢想するだに戦慄しま

(水上艦宜しく速度発信の度に甲高い音も出ていそうです)。
附記:二層建て客車(三輛編成で概ね五輛編成分)の歴史も亦
古いと存じます。

by 東西急行 (2010-09-14 20:17) 

Akira

こんばんは、コメントをありがとうございます。

> KDBさん
古いMM誌にそのような記事があったのですね。(4000番2軸客車は、キットを作ったことがあります。)
89形は流石にプッシュプル対応ではなかったでしょうが、それほど身近な存在としてプッシュプル列車があったのでしょう。

LBEの2階建て列車は、世界初の試みだったわけで、かの島秀雄氏が欧州視察に出掛けた時もこのLBEに乗車したスナップがあったと記憶しています。

当時のLBEの2階建て客車の映像(PV?)が残っているのでそのアドレスを以下に記します。

http://www.lbe-freunde.de/joomla/index.php/lbe-galrie/filme/79-7-april-1936-eroeffnung-des-h-l-schnellverkehrs-mit-den-dosto-zuegen

> 東西急行さん

私も蒸気機関車による推進運転の詳細は分かりませんが、機関車にはプッシュプル専用の制御客車からの指令表示器があって、それに従って運転すると思います。戦前ですからかなりアバウトだとは思うのですが、そういう積み重ねがあって今日の200Km/h推進運転も可能になったのかなと思う訳です。積み重ねによる洗練が欧州鉄道の魅力なんでしょうね。
by Akira (2010-09-14 21:17) 

しげやん

Akiraさん、こんばんは。
復元された仕様はLBE時代と同じカラーリングの
グレーと黄色の組み合わせであったと思います。
EP.3仕様が濃緑に1等黄帯だったかと。
いずれのバージョンも出て欲しいですね。
by しげやん (2010-09-17 19:24) 

Akira

こんばんは、しげやんさん。

復元された2階建て客車は確かにグレーと黄色でしたね。失礼しました。戦後は濃緑色が正しいですね。その時はもうDB所属?

Ep.III時代は、60形がカウルを外されたか無くなったでしょうから、V200やV160あたりが牽引してたのでしょうか?
by Akira (2010-09-18 18:02) 

しげやん

Akiraさん

LBE時代と同じカラーリングで
DRG表記のものがあったと思います。
戦後、60の写真は見たことないですが
その手の機関車が似合うでしょうね。
おもしろいのは制御車を先頭としたリンゲ等+V160+
2階建てと、機関車を挟んで両端が制御車という編成が
あったことで、ぜひ模型でも再現したくなります。
by しげやん (2010-09-18 19:25) 

Akira

こんばんは、しげやんさん。

この雑誌にも小さな画像ながら、LBEの2階建て客車にV200.0を中間に挟んでシルバーリンゲらしき客車も連結している写真が掲載されていました。 1952年撮影とあります。
ちょっとそそられますねぇ...。
by Akira (2010-09-18 21:12) 

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