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37049 DB 50 4005 / Ep.III (ohne Lackierung) [Maerklin-Lok]

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久しぶりに蒸気機関車の紹介をしたいと思う。今回は、先日届いたBR 50.40(37049)のモデルである。まず、画像を見て気づくのは無塗装であることであろうか。無塗装なのはダイカスト部分のみで、樹脂製パーツは全て色がついている。もう1つ、この機関車は50形ではあるものの4000番台のFranco-Crosti給水加熱装置を持つ機関車をプロトタイプにしている。以前メルクリンからは42.90形でFranco-Crostiモデルがリリースされたが、特徴的なフロントマスクに対して、この50.40形は、31両も改造されていることもあり、量産とも言えようか。機関車形状も正面は通常の機関車とさほど変わらず、サイドの煙突でFranco-Crostiタイプであることが理解出来る程度である。

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52形から改造された2機の42.90形のFranco-Crosti機は良好な成績を収めたらしい。そこでDBは1954年に1機、更に1958年から59年に掛けて30機の50形機関車をFranco-Crosti方式に改造した。この改造は、走り装置やキャブなどを除いて、ボイラを含め全て新しいものに取り替えたので新製機関車に近かったそうである。モデルの4005号機は、1958年から59年に掛けてヘンシェル社で改造されたうちの1両である。42.90形と異なる点は、ボイラ左右にあった扁平な煙突が、50.40形では片側のみになったことである。この燃焼方式は、高効率ではあったものの、構造が複雑なため保守・修理がやや難しい上に経済性も劣っていたらしい。時代もディーゼル機が蒸気機関車に取って代わられ、電化も進捗していたため、1967年迄には31両全機廃車となっている。つまり10年程度しか持たなかったということである。
上画像は、フロント部分のサイドビュー。新型の細身のボイラであることが理解出来る。

ところで実車であるBR 50 4005の画像を探したのだが中々見つからない。ようやくメルクリンファンでもあるドイツのHGH氏のウエブページで1枚だけ実車画像をみつけることが出来た。(以下リンク画像参照)



すると、他の車番の同形機関車は前従輪がスポーク車輪で、このメルクリンモデルも同様なのだが、この4005番だけはスポークのないボックスタイプであることがわかる。何故4005番にしたのだろう...。

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上画像は左サイドにある特徴的な煙突である。
モデルは、BR 50 4005である。2011年にインサイダーモデルとしてリリースされた37040と基本的には同じである。これは、先にも記したように金属部分の塗装を省いた限定モデルで999台のみの生産らしい。サウンド付きmfxデコーダー内蔵で他の蒸気機関車モデル同様リアリティ溢れるサウンドが楽しめるが、Franco-Crostiらしいサウンドなのかどうかは私が聴く限り全くわからない。

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Franco-Crosti機のもう1つの特徴である上下に存在するボイラ。フロント画像では下ボイラ(給水加熱器)に点検・清掃用の蓋が見える。上はダイカスト製なので無塗装であるが、下ボイラは樹脂製パーツのため黒色。

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通常の煙突は樹脂製の蓋がしてあるが、これは外すことが可能な上、発煙装置を取り付ければ発煙も可能。ファンクションにも発煙ピクトグラムがある。(f1)

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テンダーは石炭式で03.10形同様の蓋付である。31機のBR50.40のうち、4011号機のみ重油焚きである。

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キャブの表記類は、相変わらずの精細さを保っている。配属表記は、「BD Münster」(ミュンスター連邦鉄道管理局)、「Bw Osnabrück」(オスナブリュック機関区)とある。「WM 80」は不明。

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正面と背面である。ダイカスト部分は無塗装であるものの、ナンバープレートの他、若干の印刷表記がなされているのがわかる。

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好みの角度から撮影した画像。蒸気機関車らしいダイナミックなプロポーションである。50形は戦時量産された機関車で、後には物資不足から簡略化されたカマも見られたが、この50.40形は戦後03.10形のように新しいボイラを纏って復活した機関車と言うこともあって蒸気機関車本来の美しさも光るカマである。

参考文献:全盛時代のドイツ蒸気機関車 篠原正瑛著
参考サイト:
Güterzug-Dampflokomotive mit Schlepptender. H0 - Art.Nr. 37040 / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=37040&search=1&era=4&gaugechoice=2&groupchoice=1&subgroupchoice=1&catalogue=0&features=2&searchtext=BR+50.40&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html

Bilder-Galerie der Franco-Crosti Baureihen der DB / HGH
http://www.web-hgh.de/fc/fc_pic.htm#50_4005

[EDIT] 2014-04-27
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KDB

ご無沙汰してました。KDBです。
この機関車、2011年のインサイダー版を購入しました。材料の使い分けが良く分かりませんでしたが、これでよく判りますね。私の購入品はゴムタイヤが浮き加減で牽引力が無く、タイヤの2重巻き(KATOのNゲージ用を下に巻く)で対処しましたが、名古屋の掲示板で指摘があったように、他の動輪に入っているバネが強すぎるためのようで、その後バネの交換で2重巻きは無用になりました。
フランコクロスティー式はオリジナルのイタリアの他、スペイン、英国でも採用され、日本にも売りこみがあったそうですが、良かったのか悪かったのか不採用でした。イタリアを除くとあまり評判は良くなかったようで、英国では9Fクラスに採用されましたが、すぐ外されています。英国は元々車両限界が狭小なところへ取りつけたので、低い煙突が運転室のすぐ前に居座る結果になり、煙で運転困難になってしまった様子が、残されている写真から伺えます。DBでも1968年の形式変更で054型が予定されましたが(重油焚きの1両は059型を予定したようです)、結局、改番前に廃車になりました。
よいモデルですが、本来の煙突から煙が出ないのが残念です。でも何とかならないか、時々考えています。
by KDB (2014-04-14 08:20) 

Akira

こんにちは、KDBさん。

いつもながら詳しい説明をありがとうございます。このモデルはまだ単機で試運転を1度行っただけですが、牽引力については今度試してみます。発煙については、この機関車の特徴だけに何とかして欲しいと私も思います。ただ、あの形状では汎用形発煙装置は使えません。何とか出来れば魅力は増すと思うだけに残念ですね。
by Akira (2014-04-14 22:24) 

DB103

 こんばんは。

 DB BR 50.40うらやましいです!
 これ、購入したいと思っているうちに、品切れになってしまいました。
 2線、3線合わせて量産型模型のドイツ蒸機を制覇したいと思っていますので、買い逃しが残念です。

 BR 50.40は2輌しか作られなかったBR 42.90と比べますと、汎用性がありますし、何とも言えないスタイルが魅力ですね。
 元となったBR 50は良い出来ですし。
 あとWikiによると廃車の理由として、第2ボイラー煙管の腐食とありました。(間違っていたらごめんなさい)
by DB103 (2014-04-15 20:36) 

Akira

DB103さん、おはようございます。

Wikiのドイツ語版で先程確認しました。1961年には、給水加熱装置の腐食損傷で全機外されてしまったというような記述を見つけました。これの改善策として腐食しない金属に交換されたようですが、修理コストとの兼ね合いで結局長くは続かなかった...という状況だったそうです。それにしても1機ぐらいは残しておいて欲しかった機関車です。
by Akira (2014-04-16 09:43) 

DB103

 おはようございます。

 念願かなって37040を入手しました。
 改めて見ますと大変良くできておりますね。
 
 それと4005号機はディスク先輪なのですね。
 ここまでよくできているのですから、再現して欲しかった気もします。
by DB103 (2015-06-20 08:02) 

Akira

おはようございます、DB103さん。

37040のゲットおめでとうございます。
この機関車は、貨物機なので貨車を揃えるのも楽しみとは言えましょうか。
先輪は確かに残念なところ。もしかしたらパーツで車輪だけ購入すれば交換可能かも知れませんね。(他の機関車の先輪パーツなので径など同一かどうかわかりませんが...)
by Akira (2015-06-21 06:59) 

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