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Taschenbuch Deutsche Reisezugwagen [欧州鉄道]

以前このブログで、私が客車の実車資料として定期購読してる"WAGEN"という資料集を紹介したが、これはかなり大きなファイルで纏められているので、詳細ではあるのだが実に重く取扱いにくい。今回紹介するこの本は、Taschenbuch...とあるようにポケット版の客車資料集である。私がドイツに在住していた時、Muenchenのドイツ博物館の売店で見つけたものだ。よって、この本は第3版で1986年発行、かなり古い。

それを承知で、この本は私にとってドイツ客車のバイブル的なものでもある。当時は客車資料集等この本か、alba社から出していた厚い2分冊の本ぐらいしかなく、値段も手頃でいつでも持ち歩けるので非常に重宝している。(今は持ち歩くこともないが...)

この本の特徴は、客車の形式番号順に出ていることである。例えば、最初のページは「ADm101」(ドームカー)であり、最後は「D(Ausst.)997」である。この整理方法は単純であるが故に引き易く素早い対応が可能。また、Ep.III以前の車輌であれば、形式も違うのでその番号も順を追って記されている。本文の説明は、さすがにポケット判なので記述は少ないが、諸元については、表になっており、必要なデータは網羅されている。もちろん車輌の画像は、白黒ながらページの上1/3を使ってあり、非常に見易い。

私が、ドイツの車輌メーカーで仕事をしていた頃、この本はいつも机の中に忍ばせておいて、必要な時に活躍した。そして今の私の車輌知識も、実はこの本によるところが大きいのではないかと思う。

この本の欠点と言えば、先も記したが1986年版であるということである。それ以降様々な客車が登場しているが、もちろんこの本には記述がない。
現在、この本に代わるポケット判の資料集を知らないが、あれば大変便利であると思う。ドイツの鉄道雑誌の出版社は増えているのに、このような有益な本がないのは誠に残念である。

なお、この本の姉妹版に蒸気機関車、電気機関車、電車/気動車、狭軌蒸気機関車、貨車、路面電車、機関車工場..など、あるらしい。私はこの本の他には電気機関車を持っているが、これも悪くない。

Taschenbuch Deutsche Reisezugwagen. Deutsche Bundesbahn

Taschenbuch Deutsche Reisezugwagen. Deutsche Bundesbahn

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Kosmos Verlags-GmbH
  • 発売日: 1990/12
  • メディア: Perfect


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コメント 6

KDB

今晩は。KDBです。
私はこのシリーズで「Dampflokomotiven Regelspur」、つまり標準軌蒸気機関車編を持っています。確か1974年の購入で、出版元がFRANCKH社になっています。あと狭軌機関車編、電気機関車編、ディーゼル編、動車編などいくつかありました。順番に購入するつもりで、結局買い逃しました(天賞堂の向かいの「イエナ」で扱ってました)。大変参考になる資料で、ライヒスバーン発足当時及び以後の殆ど全形式が網羅されています。掲載されていないのは、フランスから移籍の07、08(元SNCFの231Eと241A)、ごく一時期しか在籍しなかった69(元プロイセン?のB1タンク)、それに戦後東側で私鉄から移籍された若干の機関車ーーくらいでしょうか。Akiraさんのは1986年発行とのことですから、何回か再版されているんですね。チャンスがあったら、シリーズを揃えたいところです。
by KDB (2006-11-22 21:43) 

Akira

さすが、KDBさん。やはりお持ちでしたか。私の本もFRANCKH社です。Amazonでは、1990年版で違う出版社ですので、この会社が何らかの事情で無くなってしまったかしたのでしょうね。昔はドイツの大きな駅の書店では必ずあった本なんですが、今はさすがに見かけませんね。残念です。
by Akira (2006-11-22 21:50) 

exp_amanogawa

最近になって、GeraMondの「WAGEN」(Michael Dostal)という単行本が出たので、アマゾンで買いました。恐らく、現行の主要な客車・貨車だけをまとめた本と思われるのですが。日本で容易に入手可能なドイツの客車資料としては、他に何かあるのでしょうか?
TransPress社が出版している、電気機関車・ディーゼル機関車・電車・気動車をまとめた本は、どのくらいのレベルなんでしょうか(電車編と気動車編だけ持っている)?
by exp_amanogawa (2006-11-24 02:47) 

Akira

情報をありがとうございます。この本(単行本「WAGEN」)を早速注文しました。私が持っている同出版者刊の「WAGEN」と同じ執筆者なので、おそらくその中の情報は重なっているでしょうが、現在DBAGで活躍している客車/貨車を全て網羅しているので、私にとっては貴重な資料となると思います。
御質問のTrasPress社の本は、残念ながらわかりません。(見たことはあるかもですが、持っていないので...)
お役に立てず申し訳ない..。
by Akira (2006-11-24 09:50) 

BOAC VC10

ドイツ語は読めませんが、写真と表と単語で雰囲気は・・・という前提でお話します。

TransPressの客車の本は二種類持ってます。
正方形のハードカバーの「Deutsches Wagen-Archive」の「Reisezugwagen」は、
3分冊で、戦前型は1、戦後型は2、食堂車・寝台車は3となっています。
系列ごとにまとめられている訳ではないので、基礎知識がないとわかりづらいのと、
ボリュームの割には、載っていない形式があるのと、今ではちょっと古いかな・・・です。
(サイズや形式の近いalba社の「Eisenbahn-Fahrzeug-Archive」とは、
どういう関係なのでしょうか?電機・ディーゼル・電車編を持ってますが、
最近出たオーストリアの客車編はすごく勉強になりました。)

Taschenbuchの形式に近いのは、
新書サイズの「Kleine Typenkunde deutscher Reisezugwagen」でしょう。
こちらは'99年の本なので、さすがにADm101はありませんが、
Avmz111からD(Ausst)997まで、現有形式が形式番号順に並んでます。
こちらも省略されている形式は多いですが、普通の方(?)には充分でしょう。

列車種別やおおまかなグループごとに分けられているのは、
EK‐Special44の「Die Wagen der DB」で、
'97年時点の現有形式は全て解説されてます。
(でも、10年経ってしまってます。)
他にグループ別に解説されているのは、
Bahn-Extra別冊の「Fahrzeug-Katalog」の3ですが、
こちらもちょっと時間が経ってますね。
by BOAC VC10 (2006-11-27 00:05) 

Akira

BOAC-VC10さんのお話はいつも的確かつ詳細でためになります。Taschenbuchサイズの別の本が出ていたのですね。1999年刊ならば、私が帰国後なので、知らない訳です。帰国後もドイツに行く度に駅の書店でチェックを入れるのですが、やはり旅の途中、腰を落ち着けて見ないとダメですね。あ〜またドイツに行きたいです。
by Akira (2006-11-27 22:19) 

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