SSブログ

BR05 003とF-Zug "Merkur"セット [Maerklin-Allgemein]

今年のインサイダーモデルのBR05は、戦前の流線形カバーを取り払った姿でその巨大な動輪とボイラーが剥き出しとなり多くのメルクリンファンを魅了したに違いない。残念ながら、私自身は経済的な理由でやむなく?購入を断念した。しかしながらこの05形が牽引する客車として昨日と一昨日に紹介したF-Zug "Merkur"セットが用意され、こちらは手に入れることとなった。
ところが、当初から当時のF-Zug "Merkur"は、電化区間を走っていたようでE18形がこの任にあたっていたとのことである。...それでは05形は、当時何を牽引していたのであろうか?素朴な疑問がメルクリンファンフォーラム掲示板で私が記したのであるが、それをサイトで少しばかり調べてみたら、やはりドイツのファンも同じ疑問を持っていたようで、やはりその話題がテーマの一つになっていたのである。

すると意外なことがわかってきた。元来F-Zugでは1/2等(3等制)のみの優等列車のため2〜3両+食堂車という編成が多かったのであるが、巨大な05形のイメージからは、それら短編成牽引は想像がつきにくい。
しかし興味深いことに実際もそのような短編成の列車牽引をしてきたらしいことがわかって来たのである。
実は、この05形は戦前の流線形のカウルを戦後外した時、ボイラー自体はそのまま流用されたようである。しかし、このボイラーの鉄素材(St47K)?が問題らしく耐圧を20barから16barに下げたとのことである。そうなると牽引力にも影響があり、結果として我々のイメージにある長大編成を牽引する大型機関車とは程遠い最大でも4両編成の客車牽引が限界ということである。

よって、このF-Zug "Merkur"セット牽引は、名前は違うにせよ正しいようである。当時このセットのGruppe 35系列客車は、F-Zugではポピュラーであったようで、"Merkur"に限らず多くの他の列車にも運用されていたに違いない。ドイツの掲示板からの引用すれば、以下のF-Zug列車が05形の牽引で運用されていたそうである。

"Hanseat" (Hamburg-Altona - Koeln)
"Dompfeil"、"Sachsenross"(Hannover - Koeln)

どうやらKoelnを中心に北ドイツ方面への運用が主だったようである。よって名前は"Merkur"ではないにせよ、このセットの客車3両と05形の組み合わせは、当時の列車に存在したと考えて良いと思う。
おそらくこれを読んでいる05形を購入した(する)方の中には納得が行かない方もいるかも知れないが、所詮模型の世界である。心置きなく自分の世界観で長大編成の列車を楽しむのが良いと思う。ただ、小さなレイアウトを持つ方には、この短編成という事実は朗報かもしれない。


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 4

KDB

今晩は、KDBです
05は高速機関車として有名ですが、意外に非力なのです!元々シリンダーで発生する牽引力は01に劣り、軽量列車を高速で牽引することに特化した機関車でした。ですから低速域での加速は03にも劣る傾向があったようです。しかも、戦後はボイラーの故障が目立つため、使用圧力20キロを引き下げて16キロにした結果(圧力引き下げは01や03、44も同じですが)、信じられないかもしれませんが、シリンダー発生牽引力はC62にも劣る(!)数値になってしまいました。ですから3~4両程度の軽量列車を高速で牽引する用途にしか使えず、早々に廃車になってしまいました(ただし、ボイラーは大きいので、高速時に必要となるボイラー発生牽引力は、C62はむろん、01をはるかに上回ります)。
by KDB (2007-08-07 20:18) 

Akira

KDBさん、詳しい解説をありがとうございます。本当にそのようですね。当時世界最高の技術を誇っていたドイツの鉄道技術も意外なところでお粗末なことになっていたようですね。
動輪直径2,7m、最高速度175Km/hという数値は、BR61(HWZ)同様標準軌の蒸気機関車としてはほぼ限界値だったようです。それをドイツでは戦前に営業運用で実用化したのは素晴らしいと思います。ただ、いくら俊足でも客車3〜4両しか牽引できないのは、メルクリンモデルの方が実機より遥かに優れている?かも知れませんね。
by Akira (2007-08-07 20:32) 

KDB

今晩は、KDBです。
すみません、ちょっと勘違いしてました。ボイラーの圧力降下は05のほか、06、45について実施されており、01、03などは元々16キロでしたね。参考までにーー01のシリンダー牽引力は15.2トン、03は13.7トン、05は圧力降下前で14.0トンでしたが、降下後は11.2トンになってしまいました。これはC57やC61程度の値なのです。ただし、これが問題なのは走り始めのときで、スピードがでてくるとボイラーの蒸発力や容量が効果をあげて話が変わります。01は平坦線で時速130キロの場合、牽引重量375トンと算定されていますが、圧力降下前の05は同条件で595トンとなっています。圧力降下後の牽引重量は手元にデータがありませんが、客車4両なら最大でも200トン位でしょう。これをどのくらいの速度で牽引していたのか?途中の勾配はどうだったのか?当時の運転条件に大変興味があります。まあ、いずれにせよ、メルクリンモデルは実物よりも汎用性に優れた機関車になった?ようですね。----しかし、私にはいつ届くのか----。
by KDB (2007-08-08 22:26) 

Akira

改めて詳しく説明頂きましてありがとうございます。あの大きさで牽引力がC57やC61程度...とは。牽引力はいくらスピードが出ている時にあっても、実際は低速域あっての高速ですから、低速時に心もとない牽引力では無意味とも言える状況ですね。カウルを外す時にボイラーも交換すればこのようなこともなかったのかも知れませんね。
by Akira (2007-08-08 23:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0