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100Km弱の移動に3時間 [日本の鉄道]

今日から八王子市にある美術大学での授業が始まった。私はこれでも大学生を教えているのである。授業は週1日午後の3〜4時限の授業である。たった3時間ばかりの授業なのであるが、私にとってはほぼ丸1日を使わなければならないのである。
と言うのは、単に私の住まいと大学の所在地が離れているだけの理由なのだが、朝9時過ぎにわが町の駅を出発して途中鉄道を2度乗り換え、最後はスクールバスに乗って大学に辿り着く迄3時間以上が必要なのである。つまり到着は12時過ぎである。特に問題なのが八高線である。単線非電化もさることながら、途中の高麗川駅での乗り換えが一層の時間の浪費である。
ここでドイツと比較するのは酷かも知れないが、私がドイツで最後に住んでいたバイエルン州Oberpfalz地方のWeiden市はニュルンベルクから東に100Km弱の距離である。Weidenは幹線から外れた場所なので非電化、ニュルンベルク迄の路線は単線である。条件としては、わが町と八王子迄の路線と良く似ているのである。ところが、八高線の所要時間と比較するとWeiden-NuernbergのRE列車の所要時間はぴったり1時間である。ちなみにWeiden市の人口は4万人、わが町の人口は合併前でも24万人はあるのである。
さて、この所要時間の差はどこから来るのであろうか。ドイツでは、ちょうど私がWeidenに住まいを移した当時VT610形と呼ばれる振子付き新形気動車が登場し、この路線に投入された。この気動車は最高速度160Km/hで、振子機能を活かしてカントの付いた曲線さえフルスピードで走るのである。更に途中駅で別方向から来た同形車輌と連結し、ニュルンベルクへと向かうのである。ダイヤは2時間ヘッドと本数は限られているが、同一分発車で分かりやすい時刻設計である。
一方八高線は....もう言うまい。とは言え、せめて快速列車の設定と高麗川駅で川越方面からの列車と併結運転してもらえれば、1時間は無理だがせめて1時間半ぐらいでの所要時間が可能ではないのだろうか。ドイツはもちろん新幹線と同じ標準軌なので最高速度は高く設定できるのは充分に理解できるのだが、JR東日本にもダイヤ改良とちょっとした技術改良(例えば気動車は電気式のモーター駆動にし、電車との併結運転を可能にするなど)へのモチベーションがあれば不可能なことはないであろう。更に欲を言えば1両の1/3程度グリーン室を設けても良いかも知れない。
そんなことを、毎週頭に思い巡らせながら車窓の美しいのどかな風景をぼんやり眺めつつ片道3時間の旅をするのである。
そして今日の帰りは、「快速むさしの号」に間に合ったお陰で、距離的にはかなり遠回りの中央線、武蔵野線経由で大宮へ行き、高崎線の普通列車に乗り換えて終着駅へ向かったのである。これを八高線経由と比較すると目的地であるわが町の駅に10分程度早く到着するのである。


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klaviermusik-koba

これは鉄道に限ったことではないのですが、道路も、飛行機も含めた交通行政の姿勢が根本にあると思います。東京中心でものごとが動いていますから、東京への移動は日本のほとんどの都市からは便利になりました。ところが地方都市間の移動の不便さは私も北海道で常日頃実感しています。東京ー札幌間の飛行機の発着回数は世界一の頻度なのですが、100キロの距離が3時間もかかる、というのは北海道の中小都市間でもでもざらにあることです。そのために日本では人口の大都市集中が極端な形で進行していると思います。
ドイツで比較的この問題が少ないのは、州単位の行政とも関わりがあると思っていますが、長くなるのでこの辺でやめます。
by klaviermusik-koba (2007-09-14 10:54) 

Akira

仰る通りですね。しかし、八王子から高麗川に掛けては東京への通勤圏でもあり、沿線には外資のIT系大手企業もあるほどの路線です。また高麗川駅ではほとんどの乗客が乗り換えるので、以前のような直通列車の運行があって欲しいです。日本も道州制に変れば、このあたりも改善されるのでしょうか、私はちょっと懐疑的です。
by Akira (2007-09-14 17:26) 

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