SSブログ

Ihr Zug-Begleiter "D262 Orient-Express" [欧州鉄道]

b6430.JPG

ちょっと変なクセのある自分のコレクションから1つ。私がドイツへ行くと、今はともかく若かりし頃は見るもの全てが珍しく、デザインの参考になるものも多かったので、持って帰れるものは記念にもなると思って持ってかえってきたものが少なくない。画像の小冊子もその一つである。
これはDB発行のIZB(Ihr Zug-Begleiter[貴方の列車のお伴])である。ドイツで鉄道旅行した方には、IZBをご存知の方が少なくないと思う。これは、ドイツを通るD-Zug以上の列車には必ず座席に備えてある3ツ折の小冊子で、その列車の出発駅から停車駅、到着駅までを記した案内である。到着/出発時刻はもとより、接続列車の行き先とその時刻、駅間距離も記してあり、列車の遅延がなければ非常に役立つ案内である。また、列車名の由来や、編成に供食車がどの区間に連結されているかなども記されている。

で、画像のIZBは、1988年1月発行とあるので、おそらく私が日本で会社勤めをしていた時、正月休みを利用して悪友と2人で西ドイツ旅行をした時のものであろう。当時は、ドイツでTEEがなくなり、IC/ECが長距離の看板列車として西ドイツ全土でネットワークを完成させていたころである。しかし、D-Zugもまだまだ国際列車や夜行列車では少なくなく、画像のIZBは名前だけ妙に有名な「D262 Orient-Express」のもの。運行区間はその名前には似つかわしいとは言い難いParis Est - Budapest K.p.間であり、組成されている車両もCIWLではなく、DBやらOeBBやらSNCFやらMAVやらの混成の編成だったと記憶している。当時社会主義国であったハンガリーのBudapestが起点になっていることから、出稼ぎ列車と揶揄もされていた列車である。

b6431.JPG
b6432.JPG

この時は実際にOrient-Expressに乗った記憶がない。特に西ドイツは夜中になるのでまず無理であろう。おそらく別の列車に乗った時、どこかに挟まっていたのを頂戴してきたものだと思う。この案内も今となっては結構貴重かも知れないし、列車組成のちょっとした資料になることも期待出来そう?である。当時この列車の食堂車は、Budapest - WienとWien - Stuttgartであるので、おそらくMAVの食堂車とOeBB、DBの食堂車のどちらかの2種類がそれぞれの区間で連結されていたことが想像出来る。それにしてもいくら出稼ぎ列車とはいえ、朝食と昼食時間に掛かるBudapest - Wien間、そして午後のティータイムと夕食時間に掛かるWien - Stuttgart間に食堂車を連結するというのは、欧州の長距離列車ならではのサービスが保証されているのが感心するのである。

ペラペラ紙で出来たDBの案内冊子でも、ここまで想像出来るのだから中々楽しい。
nice!(1)  コメント(12)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 12

kuma

いまは "Ihr Reiseplan" ですね。先日乗車した EC170(Budapest 〜 Praha 〜 Berlin Hbf)を例に取ると横120×縦230mmの6折12ページで、表面4色刷/中面2色刷。薄い再生紙に印刷されています。時刻表と接続列車の詳細な情報(計6ページ)はもちろん、食堂車をはじめ編成と駅施設の情報、冊子の凡例(計3ページ弱)についてはチェコ語併記で記載されています。DB と CD による運行のためでしょうが(表1に CD のロゴあり)、乗った編成は MAV の車両でした。残りのページは表紙の下半分が一般の広告、裏表紙と中面のうち1ページは BahnCard の広告で合計12ページになっています。実際、役に立ちますし、趣味的にも後々まで楽しい冊子です。

ところでメルクリンの 42724 Wagenset "Paris-Budapest" は件の "Orient Express" ですが(末期の Ep.5 です。OeBB×2,SNCF×1,MAV×1の客車4両セット)、これには OeBB 仕様の "Ihr Reiseplan" が付いていたと記憶しています。ちゃんと、あの白と紺のツートンで本物と変わりなく見えました。なかなか心憎いおまけですね。
by kuma (2008-05-28 02:58) 

Akira

kumaさん、あの42724セットをお持ちだったのですね。羨ましいです。あのセットには、メルクリン唯一?のMAV客車が同梱されていたと思います。TaurusのMAV仕様もあのセットに合わせてリリースされ、いずれも人気で即完売だったような..。

IZB(Ihr Reiseplan)は、旅行の時の退屈しのぎにもなるし、便利なので日本でも在来線特急や新幹線でも用意があればと思います。(時間的に配布することは不可能かも..?)
by Akira (2008-05-28 07:48) 

kuma

日本でもあると良いですよね。でも、駅に置いてある小さな発着時刻表は外国では見たことがないような…独特のものでしょうか。DBにも、REの方面別など「路線の」小さな時刻表はありますが…。
42724ですが、持ってはいないのですよ。あるとき銀座の某4階で見かけ、う〜ん、と考えて、次の日に来たら案の定、ない…。メルクリンでは唯一のMAVはもちろんOK、OeBBもよし、でもSNCFの客車だけはどうしても実車の印象と違いすぎるのが気になって(SNCFのロゴはちゃんと新しいものに変えてあったりするのですが…)躊躇したのが失敗でした。いまでも残念です。
by kuma (2008-05-28 11:44) 

Akira

駅にある小さな時刻表はドイツにもあるのですが、ちょっと体裁が違います。というか編集の仕方が違って、その駅からドイツ国内の全ての駅の時刻が掲載されているので、当然分厚いです。日本の様に路線別なんて意識がないので、あくまで目的地別になっているからです。このあたりは国民性の違いが良くわかる部分ですね。
42274お持ちではなかったのですね。失礼しました。ご指摘の通り、SNCF客車はディテールに実車との違いが少なくなく、私も残念に思っています。それが購入しなかった原因の1つと言えば、私もそうであったと思います。今後少しづつ282mm化されれば、SNCFの客車も変わってくるのかな..と密かな期待は持っています。
by Akira (2008-05-31 08:38) 

Kaji

こんにちは。このブログでは初めて書き込みさせていただきます。

Orient-Express を名乗る列車は今でも走ってますよね。(CIWLの車両を復元した、有名な観光列車のほうではなく、一般の国際列車として)

現在ではEN 264 Orient-Express としてWien Westbahnhof - Strasbourg の運行のようです。残念ながら僕も乗ったことはないのですが、以前旅行の計画を立てているときに、乗車を考えたことがありました。

当時(確か3、4年前?)は、Parisまで走っており、もっと以前にはBudapestまで行っていたようですので、これがこのD282であったとすれば、今でも短縮されながら走り続けているのでしょうか。

実見したのか、写真で見ただけか定かではないのですが、Oebbの青と白の簡易寝台車が主力だったように思います。この列車自体は食堂車の連結はなく、Wien-Salzburgで併結らしいのCNLのほうにBistroの連結があるようです。

ところで、MaerklinからOebbの簡易寝台車が出ていたのですか。それは魅力的ですね。いまなら282mmで出してもらえると、うーん買ってしまいそうです。
by Kaji (2008-05-31 21:02) 

Akira

Kajiさん、はじめまして。

今でもENとして同名列車が走っているのであれば、私の認識不足です。失礼いたしました。
OeBBの青/白簡易寝台車のメルクリンモデル?ちょっとわかりませんが、以前は、OeBBのT2S寝台車モデル(TEN)はあったと思います。282mmは、まだまだ時間がかかりそうですが、毎年数モデルの新しい客車が出るので、じっくりと待つしかなさそうですね。
by Akira (2008-06-01 00:14) 

Kaji

Akiraさん、こんばんは。

いえいえ、こちらこそ読み直してみると粗探ししたみたいですみませんでした。乗車はできなかったものの、知っている列車に触れていただき、嬉しく思ってコメントさせていただいただけのつもりでした。

まず最初に、いつも楽しく拝見していること、いろいろ興味深い情報を載せていただき、とても参考にさせていただいていることのお礼を申し上げなければいけませんでしたね。

メルクリンからはOeBB車はあまりリリースされないように思っていたのですが、過去にはこんなセットもあったのを初めて知りました。しかし、新製品の情報では財布が悩ましく、旧製品では入手できないものも多くて悩ましいと、僕にとっては楽しく、かつ悩ましいブログです。


by Kaji (2008-06-01 03:12) 

kuma

>その駅からドイツ国内の全ての駅の時刻が掲載されているので、当然分厚いです。
新書版くらいの冊子になっているものですね。あれは、滞在中に近郊のここに行こうかな、あそこも見てみようかななどと検討する際に非常に役に立ちます。

Kajiさんの仰るOeBB客車の件については、私の書き方が悪くて誤解を招いたかもしれません。D262/D263はいまのEN262/EN263で、列車番号でわかるように同じ列車です。ウィーン止まりになる前、という意味で「末期」と書いたのがいけませんでした。42274客車セットは、SNCFはコラーユのオリジナル色(ただしロゴは現行のひとつ前のカスクロゴ)、OeBBは赤とダークグレーの旧色、MAVは青白(これは今も同じ)ですべてコンパートメントの座席車。OeBBの1両のみ一等でほかは二等という構成でした。ですから、あの白と青にLiegewagenと書かれた簡易寝台車ではありません。

ウィーン止まりになった時点で到底「オリエント」ではないのですが、パリ発ですらなくなった今では…。それでも、この列車名が定期列車から消えることになったなら、それはそれで寂しい気はします。
by kuma (2008-06-01 04:08) 

Akira

>Kajiさん
とんでもないです。ご指摘ご意見大いに歓迎いたします。私も自らの誤りの修正ができますし、知識も増えます。
あと、鉄道模型は長い時間を掛けて楽しむ趣味です。絶版モデルも最近ではオークションで見つけれるようにもなりましたし、ゆっくり焦らず自分の世界を充実させてゆくのがよかろうと思います。

>kumaさん
Orient-Express名が残っているだけでも良しとしたいですね。DB AGでは列車名をなくす方向ですから、少なくなった国際夜行列車などが列車名の残るものになりました。寂しい限りですが、これも時代の趨勢とでも言えましょう。
by Akira (2008-06-01 10:39) 

Kaji

kumaさん、詳しいお話ありがとうございます。そうすると、青と白の簡易寝台車の記憶(実見したのか、写真で見たのかもちょっと怪しい・・)と、Orient-Expressとを、僕の頭の中で混同してしまったようですね。

OeBBの旧色、赤とグレーの座席車は、以前に何度か乗車したことのある懐かしい車両です。メルクリンのモデルも持っていますが、食堂車がないのは残念なところです。

Akiraさん、素敵なお返事いただきありがとうございます。ほんとうに細々と楽しんでいるに過ぎないレベルですが、自分のペースで無理せずに続けていけたらと思います。無理をしようにもできるものではありませんので・・
by Kaji (2008-06-02 00:06) 

kuma

>Kajiさん
このセットがモデルとした時期に例の簡易寝台車の連結があったかどうかは私にはわかりませんが、ウィーンで打ち切りになった後の時期にこの車両が連結されている写真は私も見ているので、Kajiさんの記憶に間違いはないと思います。上のコメントはメルクリンの客車セットの内容についての話で、メルクリンからこの車両が発売されていないのは確かと思います。OeBBの食堂車は、あの丸い電気スタンドをはじめ優雅な雰囲気の内装が私も気に入っています。模型はフルスケールではロコとRailTopModels(プラグドア仕様車)がフルスケールを、ロコからはメルクリンに対応した全長のみ1/100のものも発売されていました。

by kuma (2008-06-02 02:06) 

Kaji

Kumaさん、解説ありがとうございます。疑問氷解しました。(どこでその列車またはその写真を見たのか、は思い出せませんが・・・)

OeBBの丸いスタンド、シックなテーブルクロスなど、確かに優雅な食堂車でした。Wien-Innsbuckの幹線では何度もお世話になりました。(というか、連結されていればとりあえず行ってみて、何か注文してたような・・)

ROCO(1/100)の食堂車、実は現在の色のものは持っているのですが、かつて出ていた旧色がやはり懐かしく感じます。(フルスケールは僕の持っている線路環境ではちょっと無理・・)

混色であることはそれほど気にならない(実車も相当な混色ぶりでしたから・・)のですが、あの重厚な色の、黄色味がかった窓から見える丸いスタンドは魅力的でした。モデルで実際に点灯させるような大改造は、ちょっとできそうもありませんけど。

by Kaji (2008-06-02 22:08) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0