4445 ÖBB Wasserwagen / Ep.IV

このタンク貨車モデル（4445）は、実にインパクトのあるモデルである。漆黒のタンクに「Wasserwagen」の文字。他は、表記があるだけのシンプルな姿である。それ故に他の美しいロゴマークなどで美しく飾られた貨車に比べて地味であるにも関わらず、その訴求力はとてつもなく大きい。その原因を私なりに探ってみると、地の色と文字の色のコントラストの大きさは勿論であるが、文字の大きさ、レイアウト、そしてフォントによるところが大きいと思う。得てしてコントラストの激しい場合は、目に対して煩く感じることも良くあること。しかし、この貨車については、細身の角のない、そして縦長の文字、特に特徴的なのは「g」の文字である。このフォントは、貨車全体を上手く纏める役割をしながらも、フォント自体の美しさを黒地に白文字で表現することで成功しているのではないか。



さて、このタンク貨車は未確認ではあるが、実在しているように思う。モデルの表記を見ると、所属駅（Heimatbf.)が記されているので、そこへ赴けば確認できようが、現実的ではない。ただ、実在の可能性は高いと言えよう。
しかし、この貨車自体が何を目的に存在しているのかはっきりとした予測すらできないのは残念である。想像の域を出ないことを承知で記すならば、散水目的か、蒸気機関車の給水目的、はたまた非常時の給水車両として、他には．．．中々思いつかないのである。
どなたか、このモデルの実車の使用目的をご存知の方は教えて頂きたい。

いずれにしても、美しい貨車の１台だと思う。

タグ：OeBB Ep.IV Kesselwagen

コメント 6

今晩は。ＫＤＢです。
これ、ＯｅＢＢの貨車ですよね。ＯｅＢＢには確かにＷａｓｓｅｒｗａｇｅｎと称する車がありました。実見したのはアプト式路線で有名だった、ＯｅＢＢ・Erzberg線のVordernberg機関区です。機関車用ボイラ水の非常用ストックだったみたいです。ただ、形態はもう少し古めかしい？タイプだったような記憶があります。残念ながらーーーそのときは「なんだこんな物」と思って、写真がありません。
by KDB (2008-09-09 19:57) 

KDBさん、情報ありがとうございます。
やはり、形式は違えども存在はあったのですね。この貨車の目的は、だいたい想像の範囲内？目的からして、繋げて走らせるより、レイアウトのアクセサリ向きでしょうね。
by Akira (2008-09-09 20:27) 

こんばんは。

毎日チェックしているThe European Railway Serverで探してみたら、こんな画像が見付かりました。

http://www.railfaneurope.net/pix/at/work/car/40_81_948_8_419-8_Sdg.jpg

ちなみに日本では、かつて蒸機への水補給用に形式「ミ」の水運車があったそうです。このうち形式ミキ20は、超特急燕の東京～名古屋ノンストップ運転をサポートするため、テンダの次位に連結したとか。もちろん、私はそんな時代には生まれていませんので、念のため。


by seidoh (2008-09-09 21:56) 

seidohさん、いつも色々教えていただきまして．．．。ご紹介頂きましたタンク貨車は、Wasserwagenとありますから、もしかしたらモデルの貨車を塗り替えたものかも知れませんね。（Ep.V仕様）
C51だったかの水運車は、時間短縮の目的で途中駅での給水を省くために給水車を連結されていたようですが、こちらではそのような過激な目的ではないでしょう。私も聞いたか読んだだけの話です。
by Akira (2008-09-09 22:27) 

いつかのリクエストのWASSERWAGENをご紹介いただき、ありがとうございます。専門的に解説してくださると、この貨車のすっきり感に納得がいきました。毎日、勉強になります。昔のエンドウの鉄板製の貨車にミ１０というのがありましたね。こっちの方は、二軸車で小さいので、特急用ではないのでしょうが、水の便利の悪い駅の給水タンクに水を運ぶためのものなのでしょうか。今のようにお金を出して水を買うような時代でもなし。
by N (2008-09-10 00:18) 

そうでしたね。誰かからこのモデルの要望があったと頭の片隅にありました。やはり「給水」が目的の貨車のようですね。貨車だと移動が手軽．．というのもありましょう。
by Akira (2008-09-10 00:50)