41321 BR 865 / (EM65 = Byg516) / DB Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]
先日届いたMM誌を眺めていた時のことである。裏表紙にあるEUROTRAINの広告のモデルを見て驚いた。通常は、EUROTRAINモデルは何らかの形で事前にわかるのに、初めて見たモデルがMM誌広告が出る迄知らなかったとは...。
http://www.modellbahnecke.de/bilder/maerklin/41321.jpg
で、このEM65モデル(41321)は、Umbauwagen(改造客車)Byg514 - 516として随分前から製品化されているのだが、通常はChromoxidgruen(濃緑)色で蒸気機関車からディーゼル、電気機関車牽引迄幅広く亜幹線を運用されていたのである。
ただ、このモデルに限ってはEp.IV仕様にも関わらずエンジ(Bordeauxrot)色に白帯が2本入った塗装で更にはドイツの知名度の高いリキュールの1つである、Jaegermeisterの広告入りである。この広告のベースカラーであるオレンジとボディのエンジ色が暑苦しい組み合わせなどというグラフィックのクリティックはさておいて、EUROTRAINらしいちょっと変わった仕様に興味が湧いたので調べてみたのである。
その前にこのモデルを紹介している広告の説明文を読むと、どうやら電車(と言っても集中動力方式)のET65形と関係があるようで、実は客車でありながらもこの車両はET65の付随車として運用されていたらしいのである。ET65は、Stuttgart近郊路線(S-Bahn Stuttgart Hbf - Bad Cannstadt Bf.)で主に通勤通学の足として運用されていたようである。更には、このByg514 - 516形は車両数も多く、ET65の付随車EM65形(Byg516からの改造)も1959年から61年に掛けて総勢27両という決して少なくない所帯となっていたのである。もちろん現在は、そのほとんどの車両が廃車解体処分されているのだが、1両(EM65 006 = BR 865 006-1)のみMuseumwagenとして保存されている。
しかしながら残念なのは、メルクリンからこのET65形のモデルがリリースされていないことである。にも関わらずEUROTRAINから付随車のみリリースされるのには何か理由がありそうだ。他社を調べてみると唯一BRAWAからこのET65形がリリースされていることが判明。更に同時期仕様の「Jägermeister」広告付きモデルが2線式と3線式(しかもサウンド付きデジタルも!)でリリースされているではないか。
http://www.brawa.de/Produkte/H0/Lokomotiven/Triebwagen/44084-et-65-db.html
これで明らかにこいつがBRAWAのET65のユーザー向けのモデルであることを理解したのである。BRAWAは、以前Koef IIなどでメルクリンモデルのOEM出荷も行っているので、メルクリンのこのUmbauwagenを連結させて走らせてもきっとしっくりと馴染むのであろう。
バリエーションの違いを次々にリリースするのがメルクリンの得意ワザ?であるが、さすがにこのモデルについては、動力車がない以上メルクリンからは製品化も出来ないモデルなのであろう。そこをEUROTRAINが企画してリリースするというメーカー横断的な手法は、ひとつの新しく、そして今後も歓迎すべきやり方ではないかと思うのである。
参考サイト:"Rote Heuler" / ET65保存団体
http://www.et65.de/index.html
参考文献:Byg 514 - 516 / 「WAGEN」/ GeraNova Verlag Muenchen
http://www.modellbahnecke.de/bilder/maerklin/41321.jpg
で、このEM65モデル(41321)は、Umbauwagen(改造客車)Byg514 - 516として随分前から製品化されているのだが、通常はChromoxidgruen(濃緑)色で蒸気機関車からディーゼル、電気機関車牽引迄幅広く亜幹線を運用されていたのである。
ただ、このモデルに限ってはEp.IV仕様にも関わらずエンジ(Bordeauxrot)色に白帯が2本入った塗装で更にはドイツの知名度の高いリキュールの1つである、Jaegermeisterの広告入りである。この広告のベースカラーであるオレンジとボディのエンジ色が暑苦しい組み合わせなどというグラフィックのクリティックはさておいて、EUROTRAINらしいちょっと変わった仕様に興味が湧いたので調べてみたのである。
その前にこのモデルを紹介している広告の説明文を読むと、どうやら電車(と言っても集中動力方式)のET65形と関係があるようで、実は客車でありながらもこの車両はET65の付随車として運用されていたらしいのである。ET65は、Stuttgart近郊路線(S-Bahn Stuttgart Hbf - Bad Cannstadt Bf.)で主に通勤通学の足として運用されていたようである。更には、このByg514 - 516形は車両数も多く、ET65の付随車EM65形(Byg516からの改造)も1959年から61年に掛けて総勢27両という決して少なくない所帯となっていたのである。もちろん現在は、そのほとんどの車両が廃車解体処分されているのだが、1両(EM65 006 = BR 865 006-1)のみMuseumwagenとして保存されている。
しかしながら残念なのは、メルクリンからこのET65形のモデルがリリースされていないことである。にも関わらずEUROTRAINから付随車のみリリースされるのには何か理由がありそうだ。他社を調べてみると唯一BRAWAからこのET65形がリリースされていることが判明。更に同時期仕様の「Jägermeister」広告付きモデルが2線式と3線式(しかもサウンド付きデジタルも!)でリリースされているではないか。
http://www.brawa.de/Produkte/H0/Lokomotiven/Triebwagen/44084-et-65-db.html
これで明らかにこいつがBRAWAのET65のユーザー向けのモデルであることを理解したのである。BRAWAは、以前Koef IIなどでメルクリンモデルのOEM出荷も行っているので、メルクリンのこのUmbauwagenを連結させて走らせてもきっとしっくりと馴染むのであろう。
バリエーションの違いを次々にリリースするのがメルクリンの得意ワザ?であるが、さすがにこのモデルについては、動力車がない以上メルクリンからは製品化も出来ないモデルなのであろう。そこをEUROTRAINが企画してリリースするというメーカー横断的な手法は、ひとつの新しく、そして今後も歓迎すべきやり方ではないかと思うのである。
参考サイト:"Rote Heuler" / ET65保存団体
http://www.et65.de/index.html
参考文献:Byg 514 - 516 / 「WAGEN」/ GeraNova Verlag Muenchen
Akira さん
どうも情報ありがとうございます。
Brawa ですか。デティールが売りですが、華奢なイメージがあるので、Liliput 他も含めて、粗雑なわたくしは手を出しかねております。だからな頑健なメルクリンやフライシュマンに興味があるのですが。
ところで、このような広告機・客車・貨車ですが、メルクリンが該当企業にパテントを払うのが一般的なのでしょうか?
by Bemo (2009-04-19 13:35)
こんにちは。
我が国で客車改造の中間T車というと、私などは大昔の東武にあったらしいという話と、(DCですが)晩年の夕張鉄道くらいしか思い出せません。その点欧州では、電車といえどもかつては動力集中が主でしたから、M車以外は何でもOKなのでしょうか?今でもSBBの旧型NPZなど、日本流に言うところのTcとTは客車扱いのようですし。
それはともかく、BRAWAのET65には密かに興味津々でした。多分吊り掛け駆動でしょうから、走行サウンドも非常に気になります。
でも、ここは我慢が大事!と自分に言い聞かせて・・・。
by seidoh (2009-04-19 13:50)
Bemoさん、こんにちは。
BRAWAは確かに後付けパーツが多く、ディテールが細かいですね。でも、製品そのものは割りと隙間を狙った魅力あるアイテムがあって面白い会社だなぁなんて思います。
広告付きモデルのパテント料ですか?
私も確認できるような立場ではないのでわかりませんが、おそらくないと思います。ただ、該当企業には確認するような気がします。(と同時に該当企業から図面などの資料を貰う交渉をすると思います)
昔、PFAがSchimmelピアノの展示客車を製造した後にメルクリンから資料請求の要請を受けたことがあります。そのモデルが出た時、箱の中からSchimmelのパンフレットが同梱されていたので、Schimmel社との合意事項だったことが容易に想像できますね。
基本的に鉄道模型の広告部分の印刷などは、そのモデルを通して宣伝となるので、わりあい好意的に話は進むのでしょう。
どこかの国の鉄道会社のような承認ビジネスなどは、一部のみでしょう。
by Akira (2009-04-19 13:50)
Seidohさん、こんにちは。
私もET65のサウンドには興味ありますねぇ。もしESU製のデコーダーであれば、試聴もできるでしょう。探してみましょうか。
でも、ET65のようなちょっとローカルな車両を調べるなんて、このようなモデルが告知されたからこそできたことで、中々勉強になったと同時に、保存車両も見たくなって来ました...。
ET65+EM65ゲットの際は、インプレよろしく...。
by Akira (2009-04-19 13:54)
自己レスになります。
ET65のサウンド。やはりESUのLokSound V.3.5/V.3.0 M4(mfx)にありましたね。
[LS V.3.5]
http://www.esu.eu/download/geraeuschdateien/generation-3/loksound-v35/e-lok/
[LS V.3.0 M4(mfx)]
http://www.esu.eu/download/geraeuschdateien/generation-3/loksound-v30-mfx/e-lok/
このページの製品番号52493/62493がそうで、▶をクリックするとサウンドが聴けます。
by Akira (2009-04-19 19:23)
Akiraさん、ご教示ありがとうございます。
さっそく聞いてみました。が、ET65のサウンドは、残念ながら私が勝手にイメージしていたのとは相当違いました。吊り掛け車特有のギア音を期待していたのですが、ブロワと汽笛はELさながらですねぇ。でも、これが実車の音なんでしょうか。
ついでに他車もカンニングしましたが、タウロスやICE3のインバーター音が魅力的。どちらも未入手なので、これはまさに「耳の毒」です。
by seidoh (2009-04-19 21:41)
seidohさん、こんばんは。
ESUのサウンドは、基本的に実車よりサンプリングしているものだと思います。ET65は動態保存されているようですからサンプリング可能でしょう。ELさながらなのは、まさに客室付きのELだからなのかも?
ICE3のインバーター(ドレミファ〜♪)サウンドは、既にLS化が申し合わせのようになっている販売店もある?
私は、敢えて聞かない...。
by Akira (2009-04-19 22:16)
ET65とか85は私も好きで、65はROCOのNゲージのがありますが、これにはUmbauwagenはなく2両編成です。85の方はHO、3線仕様でUmbauwagen付きのものです。やはりROCOです。DBも戦後物資のない時でしたから使えるものは何でも使う、という苦肉の策ではあったのでしょう。
私もどうしてこのたぐいのものをメルクリンが出してくれないのかと残念に思っている一人です。
これも私が留学当時ですら、すでにずいぶん時代がかった電車だなあ、と笑ってしまった記憶があります。同じ頃日本ではこんなリベットだらけの電車はもうほとんど見られませんでしたから。
by klaviermusik-koba (2009-04-20 21:45)
klaviermusik-kobaさん、コメントありがとうございます。
今年の新製品でようやくET420形のS-Bahn車両がリリースされるぐらいですから、ET65などマイナーな部類に入る車両は、まだまだという感じがします。ただ、BRAWAなどそのような隙間を狙って製品化するメーカーがあるのも確かで、中間車をメルクリンにするというのは1つの面白いアイデアだと思います。
そう言えば、バイエルン王国鉄道の機関車モデルなど蒸気機関車のみ作っているMicro-Metakitなどは、昨年からリリースされているメルクリン/TRIXのバイエルンEp.I貨車群が重宝されているようです。
by Akira (2009-04-20 22:43)
自己レスです。
以下に実車の画像を見つけたのでリンク先を記します。
http://www.eisenbahnstiftung.de/bg/pics/3832.jpg
by Akira (2009-08-19 20:29)