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TEE IKONE DER LUXUS ZÜGE [欧州鉄道]

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先日のドイツフェスティバルで、知人の1人がわざわざ私のためにお持ち頂いた本である。この本、発刊された時から気になっていたのだが、まだ表紙しか見たことがなかったのである。立派なハードカバーのこの本のタイトルは「IKONE DER LUXUS ZÜGE」..訳せば「豪華列車の象徴」となろうか。編集は、SBB Historic(スイス国鉄歴史部門)で、SBBのTEE列車の第2弾であるTEE II 、RAeについて記されたもの。

まだ詳しく読んだ訳ではないのだが、RAeの開発から設計、製造、運用そして終焉と復活に至る現在迄の歴史が詳しく記されているのである。SBBの公式部署が編纂しただけのことはあり、そこに掲載されている資料や写真も公式のものが多く、特に写真は美しく見事である。
1950年代後半から開発が着手されたRAeの初期段階のバリエーションにはFSのETR300(Settebero)に大きく影響を受けたものもあり、とても興味深い。

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▲ 見開きに大きく載った写真はRAe食堂車の様子。ホール係が3名+チーフ1名が見える。広報写真とは言え、食堂車のサービスにこれだけの人件費を掛けられたのはTEE時代ならでは

私がこれらの写真を見て特に心惹かれたのは、バー車の内装デザインである。スイスらしい真っ赤な壁面に黄色い椅子。バーカウンターは赤とダークグレーの石目のデコラで装飾されている。黒色の天井と床、テーブルと窓やバーカウンターの手摺などステンレス(アルミ?)の無塗装がこれら派手な色使いを引き締めている。そして、それらの色の調和が何とも今に通じるスイス的なモダンとも言えるのだ。

同じTEEとして各国がそれぞれ創り上げた車両であるが、やはりドイツはドイツらしいし、スイスはスイス的なデザインである。これらの違いは優劣以上の国民性を感じる嗜好の違いと言えよう。

さて、この本を見てしまった私は、先日初めて本格的に走らせたメルクリンのRAeの内装に色を加えたくなってしまったのは言うまでもない。
RAeやスイス鉄道ファンには薦めたい一冊であるのは間違いなく、欧州鉄道ファンや、鉄道車両デザインに関わる方々にも一読を薦めるものである。

参考サイト:IKONE DER LUXUSZÜGE / Amazon ジャパン


タグ:Buecher TEE SBB RAe
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ミッキー

連投で申し訳ありません。
>~間違いなく薦めたい一冊であるのは間違いなく、~
(↑)何度も読み直ししましたが、引っ掛る日本語(文)です。
by ミッキー (2009-08-03 05:31) 

Akira

こんにちは、ミッキーさん
いつも添削していただきありがとうございます。
本当に引っかかりますねぇ。失礼しました。私はもう少し国語の勉強が必要ですね。本文は訂正しておきました。
by Akira (2009-08-03 08:37) 

熊本センター

Akira様、ご無沙汰しております。やはりTEE素敵ですね。
ドイツフェスティバルでの運行もお疲れ様でした。運行の様子が動画で見ることが出来て楽しいです!

by 熊本センター (2009-08-03 09:28) 

Akira

熊本センターさん、ご無沙汰しています。

いつも拙ブログをご覧になっていただきありがとうございます。
ドイツフェスティバルは、無事何とか終わりましたが、反省するところ多々あります。本当に見に来て頂けた方々に満足してもらえたか、私自身に問いを投げかければ、決してそうではなかったかな..と。

しかし、今回の反省も踏まえて次回に繋げられればとは思っています。
by Akira (2009-08-03 10:00) 

ミッキー

Akira さん 挨拶が遅れました。
国語を糧にして教職の末席におります。
様々なブログを旅し、日本語の用例を節録しております。
今回、2例頂きました。教材とする事をお許し下さい。
by ミッキー (2009-08-03 12:50) 

Akira

ミッキーさん、レスありがとうございます。

「日本語文の用例」教材となるのは、拙ブログの本来の主旨とは異なるものの、特に構いませんが、今後は教材にならぬように気をつけたいです。
by Akira (2009-08-03 13:55) 

東西急行

Akira様、東西急行です。
RAe食堂車の写真拝見致しました。
戦間期の重厚長大なる様式に慣れた私は、今次大戦後の
最新様式には目を瞠ります。
現用最新の内装に全く引けを取りません(換言すれば1960
年以降の進化が機材のデジタル化以外其程急でなかったの
でしょうが)。
併せて今次大戦後の立ち直りが早かった国と、そうは行かな
かった国の差も痛感します。
by 東西急行 (2009-08-03 20:01) 

Akira

ヨーロッパでのモダンデザインは今も戦前のバウハウスの影響が強く残っています。バウハウス自体はドイツの建築学校でしたが、その中には、テキスタイルやグラフィック、プロダクトデザインも含まれており、車両をを1つの建築物と見れば、その内装も同様です。
スイスの車両やホテルの内装など、一貫したデザインの「らしさ」を私は感じるのですが、このRAeは見事なまでにそれを貫いています。

同じ時代の日本の車両と比較するなら、例えばブルトレ20系の食堂車の内装でしょうが、当時としては20系の食堂車も充分以上に豪華な食堂車であったに違いありません。
ここから先は、和と洋の文化的歴史の違いがそうさせたと思うより他ないと思います。
by Akira (2009-08-03 20:18) 

カゲノ

こんにちわ。
YoutubeでTEE第1世代とINOXのカラーHQ映像があったので紹介します(RAeも一瞬登場)。

http://www.youtube.com/watch?v=D9jwYmuKBtE&feature=channel

http://www.youtube.com/watch?v=CXiaZ28HtVM&feature=channel
by カゲノ (2009-08-03 21:27) 

ktochan

こんにちは。
TEE全盛時代の食堂車はこのような華やかな雰囲気だったのですね。
私が欧州旅行でこの車両に乗車した頃はすでにグレーのRABe型に改造されておりました。
「真っ赤な壁面」はそのままでしたが、出入り口横の壁に写真が飾られていました。それも日本の写真が。
写真は各車両ごとに異なり、お召し列車で駅に到着した昭和天皇、長距離列車から降りてホームで体操をする乗客、楽屋でくつろぐストリップ嬢?
など、終戦直後と思われる写真です。
どうしてこの様な写真が飾られていたのか未だにわかりません(写真にはドイツ語の説明がありましたが)。ずっと疑問のままです。

by ktochan (2009-08-03 21:33) 

abe

昭和30年代~作られた豪華な車両
0系、ビスタカー、デラックスズームカー、ロマンスカー、DRC。コピーといってしまえばそれまでだけれど、ヨーロッパテイストがふんだんに使われてましたね。
by abe (2009-08-03 22:00) 

東西急行

Akira様、東西急行です。御返信誠に有難う御座います。
私が申す迄も無いことですが、20系の食堂車(ナシ20)の内装は
日本車輌(誤りでしたら御容赦願います)と日立製作所の二社競
合によるものでした。
前者の様式(直線平板主体、壁他は着色合成樹脂貼り付け)は
爾後登場し、一部除く夜行寝台の供食廃止と共に散ったオシ14
或いは24に引き継がれました。
四半世紀以上前一度利用したのですが、消毒液の匂いが漂う上
田舎デパートの軽食コーナー並の腰掛け(合成樹脂成形、スポン
ジ入りビニール座布団付き)に失望したことは今も鮮明です
(誠に相済みません、思い出してしまいました)。
日立製作所の其れは調理室と食堂の仕切りが正面より見ると馬
蹄形で、縞模様の入った樹脂板?と間接照明(日車製との最大の
相違点)が何処か当時空想されていた宇宙船内風でした。
此方が引き継がれなかったことは些か残念ですが、オシ16同様
当時の乗客の意識が数歩追いつけなかった感が有ります
(何せ箱座席の三等車ですら「座れば極楽」でした故)。
蛇足乍ら私は車輌がマシ35(内装はオシ17、日車製ナシ20の原
型)で、内装が敗戦前の様式(絨毯敷き、抹茶色モケット座布団付
き木製腰掛けであれば文句無しのEpⅢ食堂車と今も思うことしきり
です。

abe様、お初にお目に掛かります。
>昭和30年代~作られた豪華な車両
>0系、ビスタカー、デラックスズームカー、ロマンスカー、DRC
>ヨーロッパテイスト
同感です。EF-58とてSNCF-CC7100にあやかりたかった様な濃淡
緑色でした。
敗戦前のペンシルヴァニア(ペンシー)鉄道丸ごと真似マネがそっくり
欧州新系列車輌(EW-Ⅰ、DEV-AOにUIC-X或いはY)に入れ替わ
ったとも言えます。
by 東西急行 (2009-08-03 22:41) 

Akira

たくさんのコメントありがとうございます。

> カゲノさん
SNCF映画社の広報映像を堪能しました。素晴らしかったです。
第1世代の各国TEEの映像を1度に見れるのはこれぐらいでしょうか。
VT11.5の車内サービスが見れないのは残念でしたが、カラー映像で快走するシーンを見られたのは嬉しい限り。これもYOUTUBEのお陰?

> ktochanさん
RABeに実際乗車されたのですね。それが例えGraue MausであろうとRABeには変わりありません。確かあの塗装になったEC仕様ではインテリアのシート生地がダークグレーになり、よりシックな印象だったと思います。車内に飾られた日本写真は私も良くわかりませんが興味深いですね。
で、今年の新製品のRABeは既に注文されたとか...?

> abeさん。
そうですね。どちらかと言えば私鉄の方が華やかで夢のある車両が多かったように思います。名鉄のパノラマカーもそうですし...。個人的には小田急のSEが、今でも最も優れたエキステリアデザインを持つ車両だと思います。

> 東西急行さん
あの樹脂製一体成形の椅子は、当時のモダンデザインの象徴のようなものでした。今にしてみれば、妙に明るく派手な色合いも当時としては新しさの象徴でした。
東西急行さんの文章を読んで思い出しましたが、私が幼かった頃、鉄道旅行するのに特急や急行で移動するのに座席指定が取れなかった時は何時間も前からホームに陣取って待たなければならなかった時代でしたねぇ。一度座席指定券がトリプルブッキングということも体験しましたが、あまりの混雑で車掌に文句を告げることすら出来なかった思い出もあります。それに比べれば今は本当にラクですね。(昔が酷過ぎたのですが...)
by Akira (2009-08-03 23:45) 

Ktochan

Akira様、
お見込みのとおり、RABeは発注済みです。ただ、私はDCなのでTrixですが。

カゲノ様、
大変興味深い動画を紹介いただきありがとうございます。SBB/NSのRAmやSNCFのRGPなど写真でしか見たことのない車両の走行シーンは感動モノです。
by Ktochan (2009-08-05 23:40) 

Akira

Ktochanさま
やはり発注ずみでしたか。Graue Mausも先頭車のアクセントとなる真っ赤な連結器カバーやTEEマークを敢えて外さなかったところなど、流石にスイスのデザインと思わせる粋な計らいが見えます。到着が楽しみですね。
by Akira (2009-08-06 02:10) 

カゲノ

Ktochanさま
この映像みてしまうとROCO製品も・・・となってしまいそうです。
by カゲノ (2009-08-06 21:57) 

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