DampfSpektakel 2010 (6) [欧州鉄道]
しばらくぶりのDampfspektakel 2010の再開である。さすがにドイツ鉄道開業175周年記念行事だけのことはある。動態蒸気機関車の種類の豊富さは世界唯一ではないだろうか?
さて、今回紹介するのはBR 23 042である。この機関車は、現在元Bw Darmstadt-KranichsteinにあるDeutschen Museums-Eisenbahnで保存されている。
昨年のメルクリン新製品で、この23形モデルをお持ちの方も少なくないと思う。既にメルクリンでは、3種の23形を昨年世に送り出している。
23形はご存知の通り、戦後旅客用の10形と並んでドイツで最も新しい機関車として新規に設計製造された機関車である。旅客専用機であることから軸配置は1-C-1である。しかし、長距離優等列車というよりも近距離向けに運用されていたため、当時としては珍しいWendezug(プッシュプル)運用がこの機関車によって行われていた。
今回もUmbauwagenをプッシュする姿がI氏によって撮影されている。蒸気機関車のためプッシュを行う際は、先頭の制御客車から伝令され、機関士が制御を行うということのようである。確かに機関車を交換したり終着駅でターンテーブルで機回ししたりする仕事がなくなる反面、乗務員は多く配置させなければならなかったのではないだろうか。いずれにしても、早くから電車に慣れた日本人にしてみれば蒸気機関車によるプッシュプル運用は驚くべき事実である。そしてそれを模型で楽しめる私達は実に幸せであると思うのである。
この23形機関車は、01形や03形と比較すれば、ずんぐりとした形状で前照灯もヒラメ顔である。イケメンとは言い難い姿であるが、牽引するより客車をプッシュしている姿の方が良く似合って、ちょっとずんぐりしたプロポーションが、その仕業の姿に良く映えるのは、興味深い。そう思うと私の23 001号機も尾灯を付けたくなる..のである。
以下、23形の牽引の姿である。
最後は、夕闇の中を出発する23形列車である。I氏による沢山の素晴らしい写真の中でも以下の1枚は、私の最もお気に入りである。
Special Thanks: k.i.さん
参考サイト:BR 23 042 / DampfSpektakel 2010
http://www.dampfspektakel.info/fahrzeuge/personenzuglok-23-042/
Akiraさん こんばんは。
日本でも蒸気機関車によるプッシュプルは地方線でよく行われていた様です。今では転車台の設置されている真岡鉄道も国鉄時代にはそんなものは作ってもらえず、行ったままの編成でバックして帰ってくるしか無かったそうです。BR23は違って制御客車などは有りませんから蒸気機関車の付き方は逆になっていたんでしょうが。
by P-ZUG (2010-06-15 23:26)
おはようございます、P-Zugさん。
回送時では、例えば尾久と上野駅のようにプッシュするのは知っていましたが、地方線では営業運転でこのようなプッシュがあったのですね。知りませんでした。
転車台が無い場合は、機回しをすることで逆向きながら牽引という事例は沢山あったでしょうが...。
プッシュの場合は、どのようにして前方確認したんでしょうかねぇ。まさか作業(乗務?)員が客車前方に乗って旗ふりしながら機関車に合図を送っていたとは考えにくいですし....。
by Akira (2010-06-16 08:53)
ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください.
3両の客車をテンダーSLが牽引する場合を想定します.私の感覚では
行き
←進行方向と仮定
[機関車本体]-[テンダー]-[客車1号車]-[2号車]-[3号車]
帰り
→進行方向と仮定
[客車1号車]-[2号車]-[3号車]-[機関車本体]-[テンダー]
なら話はわかるのですが,23のプッシュプルは
←進行方向
[客車1号車]-[2号車]-[3号車]-[23本体]-[テンダー]
ですよね.ということは,逆方向に進むときは
→進行方向
[23本体]-[テンダー]-[客車1号車]-[2号車]-[3号車]
となり,どうしてわざわざこんなややこしい(;^^)ことをする必要があったのでしょう.
by 三太 (2010-06-16 09:47)
おはようございます、三太さん。
写真を見る限り...。
←進行方向
[客車1号車(制御車)]-[2号車]-[3号車]-[23本体]-[テンダー]
→進行方向
[客車1号車(制御車)]-[2号車]-[3号車]-[23本体]-[テンダー]
のパターンだと思うのですが....。
実車をご覧になっているKDBさんや、Klaviermusikさんならご存知かも?
by Akira (2010-06-16 10:44)
写真のBR23のプッシュ運転時は先頭2両がシルバーリンゲで後ろ2両がリビルト客車の4両編成でした。写真のとおり最後に機関車が連結されており最後尾はテンダーでした。もちろん先頭は制御車と思われます。プル運転時はそのままテンダーが先頭だったと思います。
by 飯田耕平 (2010-06-16 13:45)
こんにちは、飯田さん。
沢山の素晴らしい画像とコメントをありがとうございます。
今でも当時のような制御客車と連絡するシステムがまだあるんでしょうねぇ。そのやりとりを23形の中で聞いてみたかったです。
by Akira (2010-06-16 14:21)
今晩は、KDBです。
残念ながら、23型の実物で動いているところは見ていないのです。V200やE41型のプッシュプル運転は良く見ましたがーー。プッシュの場合、先頭は制御車で、信じられないような速度で走っていましたが、駅構内でカーブやポイントに掛ると貫通幌のゴムがズズズズと鳴って、脱線しやしないか?と気になりました。
それとーー日本国内のプッシュプル運転は、旧国鉄だと私が知っている範囲では、上野駅地平ホームから尾久客車区までの到着列車の回送、函館駅からやはり客車区までの到着列車回送(どちらもC62が押す事がありました)など、入替作業関係しか知らないんですがーー。無論、事故その他で臨時のプッシュプル運転はあったとは思いますが、少なくとも60年代後半以降の本線でーー本線と言っても特殊な例ですがーー定期的なプッシュプル運転があったのは、北海道の北炭美流渡炭鉱の専用線くらいだったと記憶しています。ここでは8100型か2700型(B6改造機関車)が2両の2軸客車をプッシュプルしており、8100型の場合、プルするときはテンダーが先頭で、プッシュの時は先頭になる客車にブレーキ手がいました。残念ながら、炭鉱専用線がベルトコンベヤーになって、プッシュプル運転は1967年に無くなりました。もうひとつ、これは入替に近いですが糸魚川の東洋活性白土の専用線(610mmゲージ)も、機廻り線が無いので、工場から国鉄駅までプッシュプル運転をやっていました。
by KDB (2010-06-16 20:38)
それでは
(パターンA1)
←進行方向
[機関車本体]-[テンダー]-[客車1号車]-[2号車]-[3号車]
(パターンA2)
→進行方向
[機関車本体]-[テンダー]-[客車1号車]-[2号車]-[3号車]
(パターンB1)
←進行方向
[客車1号車]-[2号車]-[3号車]-[機関車本体]-[テンダー]
(パターンB2)
→進行方向
[客車1号車]-[2号車]-[3号車]-[機関車本体]-[テンダー]
最も一般的なパターンであるA1を捨ててまでパターンBにした理由をご存じの方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください(;^^).
by 三太 (2010-06-16 21:28)
こんばんは、
> KDBさん
ドイツばかりか国内の蒸気事情もお詳しいですねぇ。私が撮り鉄をしていた頃は既に国内の蒸気は消滅しておりました。(動態保存は除く)
やはり、蒸気のプッシュプルというのは特異な事象と捉えて良さそうですね。西ドイツは、それを敢えて行ったのは行き止まり駅の多さ故でしょうか。
> 三太さん
(パターンA2)は、逆に見た事がないです。つまり(パターンA1)は、制御客車のない場合ではないでしょうか。
(パターンB1/B2)は客車1号車が制御車で、終着駅で機回しせずに往復運転をする通常パターンかと。
メルクリンの23形+SilberlingeセットもパターンB1/B2ですよね。
by Akira (2010-06-16 22:07)
> Akiraさん
最近の電気機関車が牽引する,制御客車の有る編成はパターンAですよね? (まあテンダーは考えないことにして)
お騒がせしてすみません.わからないことをそのままにできない性格でして(汗).
by 三太 (2010-06-16 23:59)
こんばんは、三太さん。
教育者は、そうでなくてはなりませんね。私は如何にいい加減か?
三太さんのお陰で、色々な方々からコメントも頂く事ができました。
さて、テンダーがない電気機関車やディーゼル機関車の場合、パターンAとBの違いは、制御客車が1号車(B)か3号車(A)ということなのでは?
by Akira (2010-06-17 00:15)
一般化しないで23に限定しますね.
なぜ23は
←進行方向
[機関車本体]-[テンダー]-[客車]-[客車]-[制御車]
→進行方向
[機関車本体]-[テンダー]-[客車]-[客車]-[制御車]
ではなく
←進行方向
[制御車]-[客車]-[客車]-[機関車本体]-[テンダー]
→進行方向
[制御車]-[客車]-[客車]-[機関車本体]-[テンダー]
になっているのでしょう?
by 三太 (2010-06-17 08:38)
おはようございます、三太さん。
「その問題は、良い質問ですね」...と、ちゃんとした答えをご存知の方なら、仰るでしょうが、私は憶測の範囲内でしか答えられません。
三太さんの書かれた前者(機関車本体+テンダ+客車)と後者(客車+機関車+テンダ)を比較すると、前進方向はもちろん前者の方が都合が良いでしょうが、後進時はテンダは機関車の前方に来るため、重量配分が後者よりも悪くなるのではないでしょうか?
つまり、重(駆動)+軽+重となり列車としてプッシュする時、脱線リスクが高くなるのでは?後者だと、重+重(駆動)+軽なので、プッシュの場合、より良いのでは?
あと、23形は前進時V-Max110Km/hで、後進時V-Max 85Km/hです。当然運用上では、同じ到達時刻が求められるわけですから、前進時にプッシュをして、後進時にプルをした方が、良いのかな...?と。
このあたりは憶測の中でのコメントなので、正しい情報をお持ちの方は是非ご教示を....。
by Akira (2010-06-17 09:06)
>三太さん
先頭に制御客車があるなら、
終着駅の頭端式(櫛形)ホームを考えると解るかも・・・です。
乗客の移動距離(利便性)、SLの排煙など。
by XYZ (2010-06-17 11:32)
ぱっと見、60~70年代の光景そのままを目の当たりにできるなんて、羨ましい限りです。
で、23型のWendezug仕様ですが、改造された25機(古い資料だと16機)中に、
今回の042号機は含まれていないので、今回は入替か単区間でのプッシュのようですね。
(HUHさんお持ちのメルの004号機はもちろん該当機です。)
23型のWendezug仕様は、向かって左側のバッファの外側から、バッファの下をジャンパ線を通り、
バッファ内側のランボード上に栓受けが追加されているのが該当機のようです。
あと、ボギーのUmbauwagenには、Wendezug(KWS)用の引き通しが無いのと、
Silberlingeに制御車が付いてないので、Wendezugではないと思われます。
(3軸のUmbauwagenは、yl系列(26.4mセンタードア)の制御車を付けて、
78や65で蒸気Wendezugしてます)
そういえば、タンク機もボイラー側で押してますね・・・。
by BOAC VC10 (2010-06-20 16:13)
こんばんは、BOAC VC10さん。
ドイツは機関車も客車も多くのプライベートな保存団体が活動をしているからこのようなイベントも可能なのでしょうね。これも鉄道の上下分離故でしょう。
23形のWendezug仕様は、外観からもわかるのですね。私の001号機は含まれているかしら?23形の他にも結構な機関車がWendezug仕様となっていますが、38形のバスタブテンダーもWendezugにさせたい1台です。
by Akira (2010-06-20 18:51)
001号機もWendezug改造該当ですが、
メルクリンのモデルは50年代末ですので、まだ改造前かもしれません。
現金型の38のバスタブテンダー、新製品でどうでしょう?
by BOAC VC10 (2010-06-22 00:10)
BOAC VC10さん。
ご回答ありがとうございます。001号機は改造されていて欲しいですねぇ。38形のバスタブテンダーにヴィッテ式デフ付きが良いですねぇ。
でも、待てば必ず出そうな...。その時は、Bylf 436 / Byl(b) 422(中央ドア付き客車)もあったら...。
by Akira (2010-06-22 00:55)