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臨時増刊 鉄道完全解明 / 週刊 東洋経済(2) [デザイン]

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今朝、表題のいつもと装丁の異なる分厚い保存版?が届いた。早速ページを捲ると、巻頭記事が「デザイン」である。先日の同タイトルの拙記事で、目次は記したものの..ここまで全面的にデザインをテーマにぶつけてくるとは..と、経済誌でも鉄道とデザインの関わりがここまで関心事項であるということのようである。

私の最も関心のあったノイマイスター氏のインタビュー記事は、見開き2ページに「500系のデザイナー鉄道を語る」と題してドイツでのICE3/-T(D)のデザインプロセスなどを例にとって、日本のそれを比較+批判している。これについては、私は日本での鉄道デザインの実務経験はないが、ドイツでのデザインプロセスはノイマイスター氏の述べている通りである。
私の場合は車両メーカーのインハウスデザイナーという立場であったが、クライアントである鉄道事業者から仕様書面を受け取ると、プロジェクトチームが組織され、設計ももちろんその一員であるが、最初の提案はデザインに任されるのである。それを設計者が実現可能かどうか検証し、デザイナーからクライアントにプレゼンされるということである。それだけデザイナーの責任は重いが、自由な裁量は増える。時に設計者とやり合うのは、日本でも同様であるが、そのスタンスは全く違うと言って良い。設計者は、デザイナーの意志を読み取り、かつ、その実現のために努力を惜しまないということを、ドイツの現場で身を持って体験したのである。つまりデザイナーは「スタイリングやカラーリングをやってもらえれば良い」という認識ではなく、コンセプトから参画して様々なアイデアを出しながら、また設計者の力も借りてその目的に近づけることが可能であるということ。

DBでは、60年代にデザインセンターが出来、そこで車両などのプロダクトのみならず、グラフィックや建築など鉄道の様々な分野のデザインアプローチを行って来ている。しかし、我が国のJRはデザイン部署がない(JR北海道を除く)ため、デザインを総合的にコーディネートすることが出来ないのである。最近は、JR各社とも色々な分野で魅力的なデザインを提供しているので、欧州の鉄道のようなデザインのコントロールが出来るようになれば、その効果は、利用者と事業者双方にとって非常に高いものとなると確信するのである。

さて、最後に拙記事であるが、前回のものと同じ内容である。ただ、レイアウトが変更されたため、見開き1ページにアメリカの事情と共に記されていて、目立つ。また、その対比として見るのも面白いかもしれない。
いずれにしても、鉄道とデザイン、また経済について幅広く取扱った保存版の本誌は、広くお薦めできるものである。価格の980円は、その内容を見ればお値打ちと思う。

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週刊 東洋経済 増刊 鉄道完全解明 2010年 7/9号 [雑誌]
タグ:Zeitschriften
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