MS2の操作(5)/ 電磁アクセサリの制御 [Maerklin-Zubehoer]
いよいよMS2の最大の機能である電磁アクセサリの制御について触れてみたい。
今迄のMS1は、機関車の制御については、入門用として非常にパフォーマンスの優れたコントローラーであったが、一方でデジタル化されたポイントや信号機などの制御ができず、特にポイントについてはアナログのまま手動で切替えたり、電動化するにしても別途アナログ用スイッチボックスを使わねばならないなど、6021(Central Unit)の時のような、機能別のモジュールタイプとしての電磁アクセサリ制御専用のキーボードの追加などで対応出来ず、拡張のためのコンセプトが異なる第3世代デジタルでは、Central Station(CS1)を導入するしか方法なかった。CS1が高価である以上、MS1では物足りず、CS1では多機能すぎて高価という中級者レベルのメルクリンファンには、物足りない部分もあったように思う。実際、ポイントはスタートセットに同梱されているし、それを電動化やデジタル化させるのは難しくないのだが、制御のためのシステムを整備するには、様々な部分でエネルギーを使うことにならざるを得なかったのである。
このために6021の第2世代デジタルから移行しなかったファンもいたのではなかろうか。
今回のMS2では、この電磁アクセサリの制御の問題を解決している。つまり、CS2の「Keyboard」機能が、MS2に(ほぼ)標準装備されているからである。
その制御の方法は簡単である。MS2の画面右側にあるポイントマークボタンを押せば良い。すると上画面の表示に変わる。画面上の「Keyboard1: 1/2」は、CS2の画面表示に準じた記述で..
- 「Keyboard1」内であること。
- 画面左のファンクションボタンが、ソレノイドデコーダーのアドレス「1」の制御、画面右のファンクションボタンのアドレスが「2」の制御を意味している。
つまり、ポイントの場合は、あらかじめ設定されたポイントデコーダーのアドレスをMS2で探してボタンを押せば、ポイントが切り替わるということである。信号の場合も同様である。
「Keyboard1: 1/2」と表示されている画面左右のファンクションボタンで、1アドレスづつ移動可能である。遠いアドレスへ素早く移動したいときは、「SHIFT」ボタンを押せば赤いコントロールノブを左右に廻す事で、移動が早くなる。ちなみに、MS2ではメルクリンモトローラ方式で全部で320アドレスの電磁アクセサリが制御出来る。
ここで、ポジティヴな面ばかり強調しては、単なる提灯記事になってしまうので、先程知人から届いたMS2の使用感なども参考にして、辛口な意見も少々...。
MS2では、表示画面が白黒(白青?)なのでCS2のようなフルカラーのタッチパネル式大画面という訳にはいかない。既にCS2を使っているため、操作感の印象が良くないと感じてしまうのは致し方ないにしても、MS2画面に2つの電磁アクセサリ表示というのは、5〜6個の電磁機器になった時点で、操作がやりにくいと感じるかも知れない。更には、画面表示自体がスイッチボックスを表現しているにすぎないため、白黒画面のスイッチ表現が、Rot(赤)とGrün(緑)という文字表現になっているのは、直感的ではない。
せめて、「ポイントのレール方向」、「 腕木式信号機」など電磁機器の「形」で表現するピクトグラムを用意してもらえれば、より認識されやすかっただろうと思う。(これはソフトウエアアップデートで可能か?)
[DCC制御の設定]
なお、MS2は、メルクリンデジタルの他にDCC信号の電磁アクセサリ制御も可能である。DCCの場合は...
- 「SHIFT」+ポイントマーク(レンチマーク)ボタンを押す。すると上画面になる。
- 画面メニューにある「Magnetartikelprotokoll」の左横のファンクションボタンを押す。
- 「Protokoll」画面(上画像)になるので、「MM」(メルクリンモトローラ)と「DCC」のうち、「DCC」を選択。(左横のファンクションボタンを押す)
- 「DCC」文字が反転する。
これで、DCC信号に変わり、DCC方式の電磁アクセサリ制御が可能となる。
-----------------------------------------------------------------------------------------
MS2は、電磁アクセサリ画面になっても画面中央下に機関車の名前と進行方向を示す左右の矢印、そして速度バーが表示され、かつコントロールノブは機関車制御になっているので、ポイントを制御しながら機関車の制御が出来るなど、扱いが簡単で便利といえよう。
今年の新製品に、「ICE2セット」などMS2が同梱されたスタートセットが幾つかあるが、それらセットにはポイント用のソレノイドとデコーダーも同梱されている。つまり、スタートセットを購入すれば、すぐにMS2で電動ポイントの制御まで出来るという訳である。メルクリンのポイントの電動化やデジタル化は、今や標準装備になりつつある...と言えなくもないかも知れない。
将来的に、より多くの電磁アクセサリを制御出来るデコーダーが出るとすればmfxタイプになるのかもしれないが、今のところこれらアクセサリ制御は非常に簡単に出来るので、よほどの大レイアウトでもない限りは、充分な機能だと思う。
今回はここまで。
*注意:上記の制御などは、個人で行ったものです。これら操作を行う場合は各自の自己責任においておこなってください。
[EDIT] 2010-07-10 10:14
今迄のMS1は、機関車の制御については、入門用として非常にパフォーマンスの優れたコントローラーであったが、一方でデジタル化されたポイントや信号機などの制御ができず、特にポイントについてはアナログのまま手動で切替えたり、電動化するにしても別途アナログ用スイッチボックスを使わねばならないなど、6021(Central Unit)の時のような、機能別のモジュールタイプとしての電磁アクセサリ制御専用のキーボードの追加などで対応出来ず、拡張のためのコンセプトが異なる第3世代デジタルでは、Central Station(CS1)を導入するしか方法なかった。CS1が高価である以上、MS1では物足りず、CS1では多機能すぎて高価という中級者レベルのメルクリンファンには、物足りない部分もあったように思う。実際、ポイントはスタートセットに同梱されているし、それを電動化やデジタル化させるのは難しくないのだが、制御のためのシステムを整備するには、様々な部分でエネルギーを使うことにならざるを得なかったのである。
このために6021の第2世代デジタルから移行しなかったファンもいたのではなかろうか。
今回のMS2では、この電磁アクセサリの制御の問題を解決している。つまり、CS2の「Keyboard」機能が、MS2に(ほぼ)標準装備されているからである。
その制御の方法は簡単である。MS2の画面右側にあるポイントマークボタンを押せば良い。すると上画面の表示に変わる。画面上の「Keyboard1: 1/2」は、CS2の画面表示に準じた記述で..
- 「Keyboard1」内であること。
- 画面左のファンクションボタンが、ソレノイドデコーダーのアドレス「1」の制御、画面右のファンクションボタンのアドレスが「2」の制御を意味している。
つまり、ポイントの場合は、あらかじめ設定されたポイントデコーダーのアドレスをMS2で探してボタンを押せば、ポイントが切り替わるということである。信号の場合も同様である。
「Keyboard1: 1/2」と表示されている画面左右のファンクションボタンで、1アドレスづつ移動可能である。遠いアドレスへ素早く移動したいときは、「SHIFT」ボタンを押せば赤いコントロールノブを左右に廻す事で、移動が早くなる。ちなみに、MS2ではメルクリンモトローラ方式で全部で320アドレスの電磁アクセサリが制御出来る。
ここで、ポジティヴな面ばかり強調しては、単なる提灯記事になってしまうので、先程知人から届いたMS2の使用感なども参考にして、辛口な意見も少々...。
MS2では、表示画面が白黒(白青?)なのでCS2のようなフルカラーのタッチパネル式大画面という訳にはいかない。既にCS2を使っているため、操作感の印象が良くないと感じてしまうのは致し方ないにしても、MS2画面に2つの電磁アクセサリ表示というのは、5〜6個の電磁機器になった時点で、操作がやりにくいと感じるかも知れない。更には、画面表示自体がスイッチボックスを表現しているにすぎないため、白黒画面のスイッチ表現が、Rot(赤)とGrün(緑)という文字表現になっているのは、直感的ではない。
せめて、「ポイントのレール方向」、「 腕木式信号機」など電磁機器の「形」で表現するピクトグラムを用意してもらえれば、より認識されやすかっただろうと思う。(これはソフトウエアアップデートで可能か?)
[DCC制御の設定]
なお、MS2は、メルクリンデジタルの他にDCC信号の電磁アクセサリ制御も可能である。DCCの場合は...
- 「SHIFT」+ポイントマーク(レンチマーク)ボタンを押す。すると上画面になる。
- 画面メニューにある「Magnetartikelprotokoll」の左横のファンクションボタンを押す。
- 「Protokoll」画面(上画像)になるので、「MM」(メルクリンモトローラ)と「DCC」のうち、「DCC」を選択。(左横のファンクションボタンを押す)
- 「DCC」文字が反転する。
これで、DCC信号に変わり、DCC方式の電磁アクセサリ制御が可能となる。
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MS2は、電磁アクセサリ画面になっても画面中央下に機関車の名前と進行方向を示す左右の矢印、そして速度バーが表示され、かつコントロールノブは機関車制御になっているので、ポイントを制御しながら機関車の制御が出来るなど、扱いが簡単で便利といえよう。
今年の新製品に、「ICE2セット」などMS2が同梱されたスタートセットが幾つかあるが、それらセットにはポイント用のソレノイドとデコーダーも同梱されている。つまり、スタートセットを購入すれば、すぐにMS2で電動ポイントの制御まで出来るという訳である。メルクリンのポイントの電動化やデジタル化は、今や標準装備になりつつある...と言えなくもないかも知れない。
将来的に、より多くの電磁アクセサリを制御出来るデコーダーが出るとすればmfxタイプになるのかもしれないが、今のところこれらアクセサリ制御は非常に簡単に出来るので、よほどの大レイアウトでもない限りは、充分な機能だと思う。
今回はここまで。
*注意:上記の制御などは、個人で行ったものです。これら操作を行う場合は各自の自己責任においておこなってください。
[EDIT] 2010-07-10 10:14
Akiraさん、こんばんは。
>このために6021の第2世代デジタルから移行しなかったファンもいたのではなかろうか
実は私もその一人なんです。メルクリンを再開したのが丁度MS1発売の頃だったので、いまさら6040を導入する気にもなれず、とはいえCS1やCS2は私にとっては大げさ過ぎる面もあって、6021+アナログアクセサリで頑張ってきました。このMS2は、コストパフォーマンスも大きさも、まさに待望のコントローラーだと思っています。
Akiraさんから分かり易い解説もいただいたことですし、そろそろ・・・ということかなぁ。
by seidoh (2010-07-09 21:57)
こんばんは、seidohさん。
seidohさんもそうでしたか?私はMS1が発表される直前に、メルクリンから6040+ポイントソレノイド+ポイントデコーダーセットの安売りを見つけてゲットしてしまいました。6021(Central Unit)+6040(Keyboard)の組み合わせも良いですが、それまでのデルタコントローラーと違い、MSがCSの子機として無駄なく使えるような拡張性にも惚れ込んでしまいました。
更にMS1の幾つもの弱点を改善したMS2は、今のところ機能的にはその弱点を見つけることが出来ません。手持ち機関車が20台以下ならば、全く問題ないはずです。Memory機能や、配線図表示などの高度な機能は、もうCS2の仕事領域になります。
そろそろ...MS2の出番ですね。あと、お買い得なのはスタートセットです。
by Akira (2010-07-10 00:11)
お早うございます。
手持ち機関車は軽く20台を超えてはいるのですが、当面は「お座敷」から脱却できないので実際に必要な機能と走らせる頻度を勘案すると、とりあえずMS2がマイベストチョイスかなと。それに、いざとなれば2~3台買って使い分けても、CSより相当安上がりに済みますし。
スターターセット、要検討ですね。
by seidoh (2010-07-10 11:08)
こんにちは、seidohさん。
お手持ちの機関車が20台を超えていると...もしかしたらストレスが溜まるかもです。実は、私もCS1導入前にMS1を使い始めたのですが、MS1だと10台の機関車登録が限界なので、常にMS1の登録は一杯で、遊ぶ度に何かの機関車を消去して、新しく登録する作業が必要でした。
そのために、結局当時は6021で遊ぶ事もしばしば...。
CS1を導入してからは、6021はタンスの肥やしと化しました...。
さて、20台の機関車登録は2台のMS2が必要で、MS2はそれ以上接続ボックスに繋げる事は出来ません。CS2なら3万台以上登録できますが...。常に運転する機関車の数との相談になるでしょうが...、ちょっと考えどころですね。
by Akira (2010-07-10 17:38)
Akiraさん、ご助言ありがとうございます。
私なりの考えは、所詮お座敷レイアウトでは同時に線路上に居る機関車は20台(あるいは10台)にもならんやろう。それなら、3台のMS2に30台を登録しておき、うち2台を走らせる機関車によって適宜ボックスにつなぎかえたらエエんやんか、という安易なものでして(汗)。
もちろん、この方法ではエポックとか国別とかで上手に分類登録する必要があるでしょうし、かつそういう分類にとらわれない模型ならではの自由な運転は難しくなってしまいますね。
MS2を2台買ったら、結局すぐにCS2が欲しくなってしまった!というのだけは何としても避けたいところです。
by seidoh (2010-07-10 18:25)
こんばんは、seidohさん。
もしかしたら...とは思っていました。3台以上のMS2を差し替えながら遊ぶ方法は、1つのアイデアと言えますね。もし後日CS2を導入しても無駄にはならないですし...。
ただ、特に電磁アクセサリ制御では、CS2が圧倒的に使い易いのも確かなので、CS2が欲しくなる..というのもあるかも知れませんね。
そう言えば、今年の新製品にCS2同梱のスタートセットもあったような...。
by Akira (2010-07-10 20:33)
本当に基本的な御相談です。
MS2でのソレノイドが動かないのですが考えられる原因はどうのようなものでしょうか。CS1では正常に動きます。
御教示下さい。
by 柴田 馨 (2014-03-24 08:25)
おはようございます、柴田さん。
MS2単体(親機として)で制御された場合、考えられるのは本体か接続ボックス(60113)に不具合が考えられますね。基本的にCS1の子機としてMS2は機能しないと聞いていますので、CS2の子機としてか、または60113を使っての親機であるかの確認でしょうか?(60113以外は使えないと聞いています)それらが正しければ、故障かも知れません。もしそれ以上の情報が欲しい場合は、名古屋メルぽっぽクラブで聞かれるのも宜しいかと思います。
by Akira (2014-03-24 09:59)