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37915 DB 03 1001 / Ep.III [Maerklin-Lok]

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先日のJAMクリニックでサプライズ披露した03.10形のインサイダーモデルであるが、昨日(私の!)モデルが届いた。既にクリニックで披露したので、そのサウンドなどギミックについては、クリニックに参加された方にはご記憶にあるであろうが、改めてここで紹介したい。

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03.10形は、1939年から41年に掛けて01.10形同様に流線型カバーを纏った姿で登場した。戦後、暫くはオリジナルのままで使われたが、DB側では1950年頃から流線型カバーを外されてヴィッテ式デフの仕様となった。また1957年からは、これらDB側全ての03.10形に高性能ボイラに載せ変えられる大改造が行われた。今回のモデルは、この最終仕様である。

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外観で特徴的なのは、ランボードが前面に廻り込む構造となり、ランボードから吊り下げられた下部2灯の前照灯であろう。このため、23形同様少しいかめしい顔つきになっているが、緻密な設計によりオリジナルの姿を良く再現出来ていると思う。
全体的には、細身のボイラやスポーク動輪が忠実に再現されていることで、スマートな外観のイメージが良く出ていると思う。新しいテンダーのボリューム感との組み合わせで、大型機としての重厚感とエレガントなスタイルが一体的になった03.10形らしい魅力が溢れている。

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後ろ姿は、テンダーに石炭カバーが取付けられていて、カバーを閉めた状態では一見すると重油焚き仕様に見えるが、このカバーは、おそらく石炭が飛び散らないような工夫ではないかと思う。しかしながら、当時の走行写真などでは、このカバーが開放状態で走っている姿ばかりであるところをみると、おそらく現場では、この機能は不要(または気休め程度?)と考えられていたのではないだろうか?

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このカバーは、モデルでも可動式で手動により開閉可能である。ただ、折角開閉可能ならばデジタルギミックの1つとしてピエゾモーターを使ってファンクションで開閉出来れば、更なる魅力が増したであろう。(ただ、これはコストとの兼ね合いになるので難しい判断であるが...)

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足回りは、最近のメルクリンらしい精緻で美しい仕上がりである。先台車は、スポーク車輪ではなく皿形なのが特徴的。
車輪は全てリム部分まで朱色で塗装されているのは、最近のメルクリンモデルの実物指向の表れで好感の持てるところ。動輪も同様で、昔のボテッとした頑丈さを強調するイメージは薄れたが、繊細なスポーク車輪が見事に再現され、リアルな外観を維持するのに大いに役立っている。また、動輪のスキマから先が見通せるのは細身のボイラーも手伝ってとても実感的である。

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レタリングは、精細そのもの。(特に老眼の!)肉眼では見えづらい小さな文字もカメラで撮れば、それが滲みもなく印刷されているのがわかる。表記では、BD Wuppartal(Wuppartal連邦鉄道管理局)/ Bw Hagen-Eck(Hagen-Eck機関区)所属と記されている。
テンダーの表記も見事である。最新のタンポ印刷技術の進化には感心させられる。

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車体を裏側から見ると、テンダーと本機側との連結部分が長短切替が可能になっていることがわかる。これは、展示目的や、大きな曲線半径の場合に連結部分のスキマを短くすることで、よりリアルに見せることが出来る工夫である。しかし、R1(R=360)では、スキマを短くすると曲線通過が出来なくなる。

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モーターは、缶モーターであるが、SDSモーターではない。寸法の問題なのか、Cサインモーター自体の問題なのかはわからないが、今回使用しているモーターは細身のモーターであり、外観からだけを見れば、牽引力などが気になるところだが、JAMで試運転したのを見る限りでは全く問題なく快調に動作し、かつ客車数両の牽引でも他のモデルと遜色の無い走りであったのは確認できた。牽引力については、動輪6つのうち4輪にゴムタイヤを履かせていることもあろう。また低速運転も非常に良く、モーター自体の性能も優秀なのではと思う。

サウンドは、初期mfxサウンド機の41形と比較してボリュームが倍ぐらい大きくなっている。そして音質の向上も実感できるのである。音のキレがより良いということであろうか。サウンドの進化は新型モデルが出る度に感じるのだが、それは旧モデルの色褪せた感覚を呼び覚ますものであり、一概に嬉しいものとは言えないのかも知れないが、進化を否定するわけではなく「自分自身の感覚の進化もモデルとともにあるのだなぁ..」と実感するのである。一方、動輪灯やキャブ内の炎のメラメラなどのギミックはこのモデルにはない。

実機の最後はあっけないものであったようである。DB幹線では01.10形がその余りある牽引力と車両数で圧倒し、亜幹線では電化や無煙化が進んだこともあって、折角の高性能ボイラに載せかえた03.10形も経済性の優れたV100形などに押されて、1965年には保存用の2機を残して廃車となった。その残されたうちの1機が今回のモデルである1001号機である。一方DRでは、独自の進化を遂げたようで、運用は後年まで生き残ったようである。

ここまでが、今回手元にある新しい03.10形モデルのファーストインプレッションであるが、外観、走り、サウンドとも一段と洗練された感がある。このモデルにある高性能ボイラは、実機では統一規格であるため、今後41形モデルや、その派生形である041形/042形などに応用される可能性も出て来よう。今後が楽しみな03.10形の登場である。

参考資料:全盛時代のドイツ蒸気機関車 / 篠原正暎 / 誠文堂新光社

参考サイト:Schlepptender-Schnellzuglokomotive. / メルクリン・ドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&newprod=1&art_nr=37915&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
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hioka

Akiraさん、まいどです。

脱線しているのが非常に気になるのですが、03.10の入手おめでとうございます。私も注文しており実は私にとって生まれて初めてのインサイダーモデルがこの03.10になります。

早くModelを入手するのが楽しみなのですが…
客車がない…。・゚・(ノД`)・゚・。

ショートスケール単品のスカート付き客車を5両揃えればサマになるかな?
by hioka (2010-08-25 12:09) 

Akira

こんにちは、hiokaさん。

脱線しているのは画像を見て気づいたくらいで、私自身もアチャーという気分です。
客車は、Ep.IIIのボギー台車ならなんでも良いという感じです。実車画像を見ても雑多な編成を牽引している姿ばかりですし...。

画像は、以前の拙記事からリンクしてます。参考になるかもです。

http://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2009-12-09
by Akira (2010-08-25 12:15) 

hikari

ご自身の分が届いたのですね。
では、某M社から借りた車輌に付いている発煙ユニットは、
Akiraさんの車体へ移植しては如何でしょうか?
by hikari (2010-08-25 12:43) 

abc

>H:脱線しているのが非常に気になるのですが~
>A:私自身もアチャーという気分です。

ここは、笑って誤魔化すしかないね。 (哄笑)
by abc (2010-08-25 13:02) 

Akira

hikariさん、こんにちは。

そう、その発煙装置は家に戻ってから取り外せました。
それをお返ししなければと思っていたとこです。移植してしまってよろしいのでしょうか?

by Akira (2010-08-25 14:24) 

Akira

こんにちは、abcさん。

abcさんはabeさんではないですよね?Spielkisteへようこそ。

脱線は後で気づいて恥ずかしい思いをしております...でも、撮り直すのは...ということで笑って誤魔化すしかありません。
by Akira (2010-08-25 15:05) 

hikari

Akiraさん、どうもです。

某M社にそのまま戻っても良いかなって思ってたくらいなので、
移植しちゃって良いんじゃないでしょうか?
by hikari (2010-08-25 17:31) 

Akira

こんばんは、hikariさん。

移植しちゃったら、煙突だけ信託車両になったりしません?
では、ありがたく装着させていただきます♪
by Akira (2010-08-25 18:00) 

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