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43209 / 43219 DB B4üe-38/52 / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]

ようやく「Loreley-Expreß セット」(43209、43219)モデルを紹介できる。今回のモデルは、2等区分室客車のB4üe-38/52を2両である。
この車両は、1956年の2等級制への変更までは(Ep.IIIa)3等車(C4üe-38/52)であった。当時長距離優等列車のF-Zugは、後のTEE列車のように1等(Ep.IIIa以前は1/2等)専用であったが、戦後間もなくの1950年代には同じ1等専用のF-Zug "Rheingold"と同じ路線をトレースするF-Zug "Loreley-Expreß"は、F-Zugにしては珍しく1/2等(Ep.IIIaでは1/2/3等)を連結して運用されていた。

当時の2等区分室車は、4人掛けシートがボックス形(1区分室8名定員)に配置されたもので、満席の場合は、1等の区分室と比較して長距離移動には相当窮屈であったと考えられる。当時同じ区間に2つのF-Zugが運用され、長編成で2等車も連結されているのは、需要も大きかったと考えられる。よって満席に近い状況も間々あったのかもしれない。
また、当時の1等の旅客数から考えて短編成が主流の時代に、珍しい長編成のF-Zugでもあった。それはもちろんドイツを経由しながらオランダとスイスを結ぶ長距離の国際列車であったことにもよるであろうし、今日ここで紹介する客車にもあるように、イギリスからの連絡列車としての役割も果たしている。スイスからはイタリア方面への連絡ももちろんあろう。よって、2等車でありながらのF-Zug塗装(Stahlblau)は車両数が意外に少ないのかも知れない。

[17 532 Kar / 43209]
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▲ 17 532(42209)の区分室側

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さて、この客車「17 532 Kar」の実車であるが、手元の資料によれば1940年にWestwaggon社で「19 412」として落成。Ep.IV時代のUICによる形式はBüe 366。1963年に廃車となっている。

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鉄青色の車体中央に大きく記されている「DEUTSCHE BUNDESBAHN」の文字は国際列車であることを主張している。通常は「DB」の文字がここにあるだけなので、この文字のある客車そのものが何か特別な列車の雰囲気を醸し出す効果は大きかったのかも知れない。モデルは印刷であるが、実車は切抜き文字を車体に留めている。

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サボには、この車両が運用される区間であるHock von Holland - Basel SBBと途中の主要停車駅が印刷されていて、"Loreley-Expreß”の基本編成に組み込まれた1両であることがわかる。(London-)と記されているのは、イギリスからの連絡列車の機能も果たしているためである。このサボの印刷位置が実際より高すぎるのが気になるところであるが、気になる程のことはない...と思う。後にリリースされた同色同形式モデルの「Rheingold」セットのモデルは正しい位置に記されている。

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モデルの表記や印刷は、リリースされた1997年当時のレベルである。特に問題がある訳ではないが、今のような極小文字の印刷はなされていない。RICラスターには10カ国以上の文字が記されている。元々国際列車仕様のためであろう。5電源?対応となっている。また号車表記は「65」の文字が赤色で印刷されている。

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REV表記(直近の検査日)には、1956年2月27日と印刷されている。その下に赤文字で記されている日付は翌年の同日である。

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▲ 妻部分 丸形バッファが印象的である

[17 573 Kar / 43219]
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▲ 17 573(42219)の廊下側

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さて、この客車「17 573 Kar」の実車は、手元の資料によれば、製造時の番号は「19 513」で、Ep.IV時代のUICによる形式はBüe 366。落成日、廃車日、製造メーカーは不明。「17 574」は鉄青色であることが記されているが、これにはその記述が無いため、もしかしたら印刷ミスの可能性もあるのはちょっと気になるところではあるものの、それは持ち主だけしか気にならないであろうから気にする必要もなかろう。(でも気にし始めると妙な気分になることは重々承知しているので、敢えてここは気にしないようにしましょう..と...)

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RICラスターは、「17 532 Kar」同様10カ国以上の乗り入れに対応しているが、電源は3電源のようである。このあたりの詳細は不明である。号車表記は赤文字で「62」である。

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サボの表記は、Amsterdam - Basel SBBとなっていてKurswagen編成の1両であることがわかる。

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REV表記は、直近検査日が1956年2月27日である。次回の検査日はその下の赤文字で記されている1年後なので、このモデルが運用されていた時代は、ここに記されている1年間の間である事が理解出来る。

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斜め上から妻部を見る。添付されている畳んだ状態の貫通幌に交換すると最後部の再現がリアルになる...ここで尾灯ランタンキットでもあればと思うのだが、メルクリンには用意されていないのでViessmanの尾灯ランタンを付けるしかなさそうである...。

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▲ 奥が17 532 Kar、手前が17 573 Kar

「17 532 Kar」(43209)と並べてみる。表記以外は全く同じである。貫通幌を交換することで違いがやや理解できるという程度である。このあたりは食堂車の方がバリエーションが多い。

このセットを手にした当時は、モデルの素晴らしい出来に毎日のように眺めていた。造形や印刷はもちろん走行性能も良く、新しいメルクリンの客車モデルの時代を感じたものである。なお、TRIXからリリースされた同名のセット(T21261/T21265)は、2線式車輪以外は表記までメルクリンモデルと同じとのことである。
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