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WRbuümz 139 / DB Ep.IV [欧州鉄道]

b1001.jpg

片付けをしていたら昔の写真が出て来た。私が初めて欧州旅行をした1985年冬、オランダのEindhovenからドイツのHeidelberg迄の移動で初めて乗った欧州の列車は、全てを憶えている訳ではないが、乗車したのは国際線昼行D-Zugでタルキス色のDBのBm234か235であった。(当時は、昼行D-Zugでも国際列車では食堂車が連結されていた)この旅行は、大学の友人を13名集めて、オランダやドイツの企業のデザイン室を訪問することを主とした目的の「欧州デザイン研修旅行」と称した団体旅行である。この時は、オランダのEindhovenにあるフィリップス本社を訪れ、その後同地からの移動の時のもの。ドイツではRüsselsheimにあるオペル本社工場のデザイン室にも訪問し、当時唯一の同社日本人デザイナーであった児玉氏に案内され、思い出に残る初めての欧州旅行であった。

日本に居る限り、欧州鉄道車両の情報が極めて少なかった当時、初めて見る欧州の車両は日本のそれよりも大きく見え、メルクリンの実物という感想は、先にメルクリンモデルで欧州車両を知ったものなら誰でも思う感慨深さであったのは言うまでもない。

そして、編成に食堂車を見つけた私が思わずそれを体験しに車内を移動したのも記すまでもない事。しかし、当時の私にはそれがどんな食堂車であるのか知る由もなく、辿り着いたその車両が当時流行のオレンジ色と茶色の組み合わされたインテリアと、学生食堂のようなセルフサービスのシステムのチープなイメージに驚いたのを憶えている。(確か食器やカトラリーも樹脂製だったような...)
画像は、その食堂車の室内。今考えれば、それがなんとDBのWRbuümz 139 "Quick-Pick"であった。人件費削減と時代の要請から、当時はこのような簡便な供食車両が国際線のD-Zug列車では使われていたのである。(IC列車はもちろんサービス付きの食堂車)提供される食事もソーセージやレバーケーゼなど出来合いのものであった。

以下は、外観画像のアドレス..。

http://www.reisezugwagen.eu/wp-content/uploads/WRbumz-139-61-80-88-75-501-3-Hannover-15.9.87.jpg

私がその後ドイツに留学した1988年には、DB車両からQuick Pickは消滅し、IC/EC/FD列車には、それまでのサービス付き食堂車「Restaurant」と新たにこの139形食堂車から改造された厨房を中央に配し、その左右に食堂「Restaurant」エリアと手軽に軽食や飲み物をカウンター越しに注文出来る「Bord Bistro」エリアの2つのエリア機能のついた新しいタイプの食堂車「Bord Restaurant」の大まかに2種の食堂車となった。Bord Restaurantは、ゆっくりと食事を楽しみたい利用者と簡単な食事や飲み物だけで良い利用者の2種のニーズを満たす方法である。コーヒーやビール1杯で食堂車座席を長時間占有されるのを防ぐ狙いもあるのかも知れない。そして、現在のDBの食堂車では、この「Bord Restaurant」が主流となっている。

DBからQuick Pickが消滅した後も、暫くは西ドイツのアウトバーンのサービスエリアのレストランの多くには、まだ同様のセルフサービスタイプが少なからずあった。

画像のサービススタッフはDSGのシンボルカラーのオレンジ色の制服が何とも時代を感じさせてくれる。折しも、今年A.C.M.Eからフルスケールの同形食堂車「Quick Pick」が登場する。私はメルクリンH0からも、この食堂車の登場を期待してやまない1人ではある。今となっては、この画像も貴重な1枚である。
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Y.H

Akiraさん、おはようございます。

食堂車両の中身の一端に触れることができ、早くからいろいろなヴァリエーションがあったのだなーと感じられました。

メルクリンについて言えば、このQuick Pickのみでなく、食堂車や荷物車など特徴のある物をもう少し出してほしいと思っています。
走りのためにショートスケール化していると思われますが、編成する時にもある程度短くすることが多いでしょう。
そんなときに、特徴づけるこれらの車両があればなー、と思います。メルクリンだと、それは少し足りないかな…と。

それに、いろんな字体で書かれている文字も興味を惹かれるものです。
Quick Pickだと、見ていて楽しそうな感じの字だな~と思っていました。


by Y.H (2013-02-27 09:04) 

klaviermusik-koba

この頃からレストランから軽食堂へ,という転換があったことがわかる映像で興味深いです。私が経験したのではakiraさんが乗られたもうすこしあと、1990年代も終わり頃だと思うのですが、ロンドンのキングスクロスからヨークまで乗ったICにはまだ立派な食堂車がついていて、一緒に旅行した鉄道マニアとその格調の高いレストランの料理を楽しんだものです。(イギリスもすでに民営化はしていた)

シーズン中で列車はほぼ満席だったにもかかわらず,食堂車が割に空いていたのはその値段の高さにあると思いました。日本はバブルの最中でしたから、レストランの値段の高さなど気にする同行者はいなかったようです。でも採算が合わなくてもレストランの風格を残している、さすがやはり格式を重んじるイギリスだなあ、と感じたものです。

by klaviermusik-koba (2013-02-27 12:17) 

Akira

こんにちは、コメントをありがとうございます。

> Y.Hさん
DBでは、Quick Pick以前は、Caféteria車やメルクリンH0でも製品化されているUIC-XのBüffet車など食堂車より若干軽めの供食形態の車両もありましたが、大きな成功をおさめたのは、IRのBistro Café車でしょうか。

メルクリンからは、どうも食堂車や荷物車などのバリエーションは、確かにイマイチ消極的な気がしています。同じ28,2cmのDB TEE食堂車でも131形、132形リリース以降は、何も出ていないですし..。せめてパンタ付きの135形、半室食堂車の217形、211形は欲しいところです。これがリリースされるだけで、沢山のバリエーションを楽しめます。その1つとしてQuick Pickの139形や、これから改造されたBord Restaurantの137形があれば言う事なしですね。

> kobaさん
この画像の食堂車に乗車した時は、インテリアデザインに今ほどキョーレツな印象を受けてはいなかったのですが、それが僅か20数年前と思うと、にわかに信じ難いです。食堂車の料理の価格は、どこも安くはないのですが、あの車窓からの景色を眺めながらの食事は、少なくとも私にとっては代え難いものです。

先日初めて乗車したICE-Tの食堂車では午後のお茶の時間だったので、旧東独チューリンゲンの森の中を走る車窓を眺めながらケーキセットを頂きました。好きな飲み物(コーヒーか紅茶)と大きなケーキで6,- EURはお得だと思いました。(ケーキは洗練されたお味ではありませんでしたが..)

欧州の食堂車は、その国々で独特の文化を垣間見ることができます。(そう多くはありませんが)私が利用した中で個人的に今迄良かったのはSBBの食堂車と、同じくスイスのRhBのクラシカルな食堂車です。VSOEは、きっとその頂点をゆくものとは思いますが、今のところ憧れです。
by Akira (2013-02-27 12:48) 

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