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3000 DB 089 006 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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メルクリンのモデルは、息が長いです。最近はそれでもモデルチェンジが早くなりつつありますが、模型業界でこれほど長く1つの機種が生産され続ける会社も多くはないでしょう。
今回御紹介するメルクリンモデルは、私の最初のメルクリン機関車3000番です。メルクリンのモデルでは最もポピュラーで説明するまでもないでしょうが、このタンク機関車は、1953年から生産が始まり、2003年まで長く生産され続けた機関車です。2002年にようやく後継機である30000が同形式モデルとしてリリースされましたが、ほぼ50年間もの間同じモデルが生産され続けるのは、奇跡とも言えるかも知れません。

[実車について]
この89形機関車は、1934年に2つの機関車メーカー(BMAGとHenschel & Sohn)でBR 89.0として001 - 006までの6両、更に1938年に007 - 010までの10両落成しました。車体番号とメーカーは以下の通りです。

89 001 - 003 BMAG(Berliner Maschinenbau AG)
89 004 - 010 Henschel & Sohn

落成当初は、Bw Gesundbrunnen(ゲズンドブルンネン機関区)に所属し、主にベルリンのAnhalter Bf(アンハルター駅)で仕業を行なっていたようです。1944年に、 89 001、004、006、007、010の5両がシュレジエンのDeutsch-Lissa(現在のポーランド領Wrocław-Leśnica)に移籍。これら5両は戦後も同地にとどまりPKP(ポーランド国鉄)のTKh5と形式変更されています。
89 002、003、009については、1940年代の終わりに当時のソ連軍からの命を受けてポーランドに行っているようです。89 005については、最終的にBw Leipzig West(ライプツィヒ西機関区)、008は、Bw Dresden-Altstadt(ドレスデン・アルトシュタット機関区)に所属していました。
ポーランドに渡った89.0形機関車は全て廃車となったとされています。

旧東独に残った89 008は、1968年にBw Dresden-Altstadtで現役を退き、Verkehrsmuseum Dresden(ドレスデン交通博物館)で静態保存されました。1992年からは、シュベリーンにあるMecklenburgischen Eisenbahnfreunde (メックレンブルグ鉄道愛好会)にて置かれています。

メルクリンの代表的な機関車モデルの1つであるBR 89.0 については、製造後西側には1度も来ておらず、よって車体のDBマークもEp.IVの089という形式番号も実在はしていなかった..ということになります。私自身も、この機関車の実車を見たいと思ったことはありますが、006号機は見ることは叶いませんでした。008号機を観るためにシュベリーンに出掛けるのは目標の1つになっています。

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私のモデルは、母が1971年に欧州旅行へ行った際のお土産として買って来てもらったメルクリンセット(2500)のものです。非常に頑丈でタフな機関車でしたが、さすがに走らせ過ぎて動輪車軸が車輪から外れやむなくオシャカにする処を、ネットで知り合った奇特な方のお申し出によりシャシーを交換して同じボディで復活しました。1度はデルタデコーダーをつけてデジタル化したものの上記の理由で、再びアナログになり現在に至っています。子供時代からの粗い扱いでも、40年近く持つその耐久性はメルクリンならではと言えましょう。これからもこの機関車は色々な意味で最も愛着のある1台として活躍してくれることを願っています。

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そう、オシャカになったシャシーにつけたデルタデコーダーは、もう1度外し息子の218形ディーゼル機関車に取り付け、デジタル化させました。このような汎用性があるのもメルクリンならではです。長く扱えるものは懐が深い...という例ですね。

参考サイト:DR-Baureihe 89.0 (1934) / Wikipedia(ドイツ語)

[EDIT] 2020-09-03


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klaviermusik

ブログの立ち上げおめでとうございます。私は数字音痴でなかなか番号が覚えられないのですが、3000というタンクロコ、確かに2002年のカタログ(ホビーシリーズに格下げされたとはいえ)にありました。そんなに長く製造されていたのですね。うちにも下回りが錆だらけになっていますが、存在しています。記憶に間違いなければ、1962年頃にミュンヘンで購入したものです。
1960年には24型を同じ店で買っていますが、これはまだいまでも同じ型で金属製に変わることなく販売され続けているのではないのでしょうか。時折似合わない大型テンダーをつけたのもあったようですが、考えてみるとすごい。全く同じ商品を50年も売り続けていること自体驚異です。
by klaviermusik (2006-08-29 19:44) 

Akira

ありがとうございます。このモデルはメルクリン史上生産数も最大なのできっとドル箱機関車だと思います。元々スタートセット向けの機関車と言えるかも知れません。
24形機関車は、小振りなテンダー機関車で、かつ89形と違って実車と同じ複雑なシリンダロッド付きだったので、当時は欲しくてたまらなかった機関車の一つです。(結局縁がありませんでした)
最近では、81形がこの24形の代わりとなっているようですが、この機関車も、最近ではロッド部分が省略され残念です。
いずれにしても、50年も生産されることとそれでも見劣りしない所は、尊敬に値するのではと思います。
by Akira (2006-08-29 23:49) 

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