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ドイツからの鉄道取材(13) [Maerklin-Allgemein]

10月30日

今日は、取材最後の日である。翌日には取材チームもドイツへ帰るのである。朝ホテルのロビーに集合し、政府の関係者と挨拶。その後早速最初の取材先に向かう。最初の取材は、常設のメルクリンH0レイアウトを持つ個人宅である。実は、この取材にいたる迄は大変であった。というのも、通常、取材チームが日本到着前にオーガナイズされていなければならないのであるが、取材申込先からキャンセルを貰い、更に新たに申込んだ取材先も不可能という返事であった。そのため、既に取材が進みつつある名古屋で、私が密かに最後の手段として残していた旧知のピアニストK氏取材をチームに提案してみた。するとチームもK氏に興味を持ち、私が取材承諾へのコンタクトを試みたのだがまったくそれができないのである。可能な限りあらゆる手段を使ってコンタクトを取れたのが10月25日。しかし、取材日と時間が限定されている我々の条件に受けてもらえるだろうかという私の心配をよそに、K氏からの快諾を頂いた。本当に幸運である。

約束の時刻の10時を回ったところで私達は到着。奥様の出迎えで私達は早速最上階のK氏のレイアウトルームへ。レイアウトは大きくはないが、メルクリンの長所を活かした線路配置で中々良く出来ている。最外周には、BEMOの線路が勾配を登り、登山列車のRhB車輌が昇り降りするように出来ており、コンパクトでありながら中々のものである。
早速、K氏のインタビューから取材開始である。実は彼は1960年代にドイツへ留学されており、その時からメルクリンのファンである。今でも当時購入したモデルを大切に保管されている。ゆえにドイツ語も流暢に話し、私の通訳が必要無く、カメラマン、モデレーター、K氏の3人で一杯のレイアウトルームの外のベランダで、秋の陽射しを浴びながら、奥様のいれて頂いたコーヒーやお茶、果物などを御馳走になりながらK氏の息子さんとメルクリンの話になる。そう、K氏は親子2代に渡るメルクリンファンで、このレイアウトも息子さんが製作されたものである。

インタビューから、レイアウトの撮影へと順調に進み、その後K氏のピアノルームへと移動。スタインウエイのグランドピアノの上に彼がドイツ留学中に購入したメルクリンモデルを置いて、ショパン、ベートーベンなど数曲を演奏しそれを撮影。実は、私は彼の演奏を中学生時代に1度コンサートホールで聞いて以来である。本来なら、このように御自宅の目前での演奏等聞く機会などないのだが、この取材を通して可能となった。ピアノの音色を聞きながら、この3週間のことが脳裏に浮かび、様々な方が私達の取材に対して協力していただけ、今もこうして素晴らしいピアノの音色を聞くことができている。そう考えると涙が出そうになってきた。最後に建物のファサードを撮影して、お昼を少し過ぎたころに全て取材は終了。

我々取材チームのクルマは、最後であり次の取材場所である、今メルクリンファンの間で最も注目を集めるカフェ・アンティークのある渋谷へと向かう。と、その時私の携帯にK氏から連絡があり、何とジャケットを忘れて来たことが発覚。しかも後で届けてくれるという。取材チームからは「恥ずかしいな〜」とからかわれるし、私も穴があったら入りたい気分であった。約束迄少し時間があるので、お土産の買い物やランチなどで時間の消化をし、少し遅れていよいよアンティークについた。既に私が声を掛けた3名のメルクリンファンがおり、早速メルクリンの新製品案内をこのカフェで行うという設定で撮影が開始された(わざわざ平日なのに時間を作って頂いて感謝!)。皆このような経験には慣れていないので緊張気味であったが、良い経験になったと思う。私もなんだか慣れてきている自分に気がついた。その後、アンティークのS氏へのインタビュー、店内の撮影などを順調にこなし、全ての撮影が終了。長かったような短かったような3週間が無事終了した。撮影終了の合図で、皆拍手喝采であった。

その後は、今回初めて御会いしたY氏が持ってきた新形01形モデルを早速箱から出して運転。美しいプロポーション、適度なディテールが施されたボディとシャシー、そして素晴らしい走りとサウンドを堪能し、今回のモデルのスターは01形となった。

今回、折角このような場所が最後の撮影となったので、アンティークさんで打ち上げを18時から行うこととなり、時刻を少し回って今迄同じスケジュールで別行動してきたアメリカ取材チーム(TracksAhead)や今回の取材のコーディネーターを行ったインタナショナル映画社のスタッフ、そして通訳の方などが三々五々集まり、そして私がお声がけしたメルクリンファンの方々や私のジャケットを届けてくれたK氏もいらっしゃった。結局、かなりの規模の打ち上げとなり、本当に驚いたし、皆さん駆け付けてくれてこれ程の沢山の方々がメルクリンというブランドの元に集まっていただけたことを心から感謝したい。

メルクリンファンの皆さんは、私の声がけにただ反応しただけではなく、協力的で献身的に助けていただいた。取材先でも私達の無理なお願いに、快く引き受けていただけた皆さんにもお礼したい。
今回の取材を通して取材チームと取材相手の狭間で色々とハラハラさせられる場面も少なくなかったが、取材チームからは、前にも述べたダメ元でもトライすることを始め、時間の使い方や切り替え、問題解決の適格な判断、礼節などなど様々なことを学ぶことができた。私もこれで少しは成長したのかもしれない。
取材チームのアシスタントのDクンは大学生で最も日本の言葉や文化の吸収に積極的であった。最も日本の言葉を憶えたのは彼かもしれない。駅ソバと刺身が大好きでワサビと醤油を持って海のある国へ旅行するとかしないとか?カメラマンのAさんは、職人肌の心優しい男だが、日本では大好きなビールと飲料水の自動販売機が気に入って、ビールの自動販売機をお土産に持って帰りたいと言う程であった。フレームを通して見る彼の日本の姿を早く見てみたいものである。そしてドイツの鉄道ファンでは知らない者はいないO氏であるが、だからと言って、決して威張ったりしている訳ではなく、自ら重い荷物を持ったり、撮影をしたりと何処にでもいる普通のドイツ人と変らない。いやむしろ紳士的な側面を感じることが多かった。(格好がラフなので内面から分かるのである)

残念ながら、私は自宅が遠く先に打ち上げ会場を後にしなければならなかったが、その後、アンティークではどうなっていたのか....最後迄残っていた方、是非是非コメントをお願いします。きっとドイツ人の二面性を見て驚かれた方もいたでしょう。
11時過ぎにようやく帰宅した玄関には、ドイツからの荷物が到着していた。そう、注文していた01形モデルが到着していたのである。今回のプロジェクト無事終了の御褒美を神様が与えてくれたもののような気がした。なるべく早くインプレッションをアップしたいと思う。

最後に、ここに書くのは少しおかしいかもしれないが、皆さんお疲れさまでした!

参考サイト:
パルソナス・アソシエーション http://blog.so-net.ne.jp/klaviermusik-eisenbahn-koba/
カフェ・アンティーク http://blogs.yahoo.co.jp/sasaki_charo
Eisenbahn-Romantik http://www.swr.de/eisenbahn-romantik/index.html
TracksAhead http://www.TracksAhead.net/
インタナショナル映画社 http://www.impc.jp/


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しげやん

私はAkiraさんのブログを読み続けながら、一緒に旅をしていたのかもしれません。少しでもこの輪の中に入れてうれしかったです。クルーの方々が無事に帰国されますように。また会える日がくるといいですね。Akiraさん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。これからもまた楽しい時間を共有しましょう。
by しげやん (2006-10-31 16:11) 

Akira

しげやんさん、コメントありがとうございます。

昨日は、流石にどっと疲れが出てきて今日の更新になってしまいました。でもしげやんさんも含め、様々な人と出会え、打ち解け合い、楽しいひとときを共有出来たことは、本当に良かったです。これからもよろしく。
by Akira (2006-10-31 17:36) 

HUH

こんにちは。
昨日は何もしていないのに、厚かましくも打ち上げだけ参加させていただきました。とても楽しくて、申し訳なく感じたくらいです。

Akiraさんが帰られた頃は、Google Earthで盛り上がっていました。それぞれの家を出して、この家が広い、このバルコニーと車は俺のだ、といった調子で自慢されました。私もEssen時代に住んでいた家を見せました。SWRのカメラマンさんにはローカル駅を表示した上で、お前はドイツ鉄道に詳しいなら、この駅名は分かるかと尋ねられたましたが、大爆笑しながらこの駅は20年前に廃止されているんだ!と種明かしされました。

また、ドイツ・アメリカ取材班から日本の歌を教えてくれと言われ、「線路は続くと、どこまでも」「汽車汽車シュッポシュッポ」と日本勢で歌いました。

冗談を大声で言い合い、心から大爆笑し、、、、本当に楽しい一時でした。うるさ過ぎてアンティークさんにはご迷惑だったかも。でも、オフ会もこういう雰囲気で開きたいですね。

私も22時過ぎには帰りましたが、思い出深い一夜になりました。有難うございました。
by HUH (2006-10-31 23:28) 

ちゃろ

こんばんは。アンティークオーナーのちゃろです。

昨日は、ありがとうございました。本当に楽しい一夜でした。あんなに盛り上がるとは思ってもみませんでした。やっぱりメルクリン好きというのはいいですね(^^) 改めて実感した一日でした。

お店としては至らぬ点が多々あったかと思います。とはいえ、新しいレイアウト上で順調に車両が走り続けてホッとした、というのが正直なところです。
KumaさんのFestival貨車を新しいレイアウトで走らせることが出来たのは、すごく良かったです。ついつい見とれてしまいました・・・・

また、こういうワイワイした雰囲気で集まりたいですね!!

ちなみに、昨夜の打ち上げでは皆さん合計でビールを70L飲まれました!お店の最高記録です! さすがドイツ人+アメリカ人ですね!!
by ちゃろ (2006-11-01 01:20) 

kuma

皆さん、お疲れさまでした。
いや、実に楽しかったですね〜。ファン勢では私が最後の一人で、取材スタッフの皆さんと一緒にお店を出て、渋谷駅でお別れをしました。
01を筆頭に、10、V200、282mm客車と目移りするばかりの2006年新製品大集合もさることながら、メルクリンという素晴らしい趣味を通してつながった皆さんの顔、顔…。この10月を締めくくるにふさわしい、最高に楽しい宴となりました。
ウケ狙いのFestzugも、好評で嬉しかったです。あの急坂の連続を2軸で、ともかくも周回を続けるとは、ちょっと繊細なグラスカステンもやはりメルクリンの機関車ですね。

Akiraさん、お疲れさまでした。これからもまた、メルクリンのことを楽しみつつ盛り上げていきましょうね。
by kuma (2006-11-01 04:02) 

Akira

皆さん、コメントをありがとうございます。

昨日は、まだ疲れが残っていて、昼食を食べれば眠くなるし、夕食後も眠くなるしで、よっぽど緊張の連続だったのだろうと思いました。

>HUHさん。
来て頂いた時は、嬉しかったです。Google Earthは、私も覗いたことがあります。Karlsruheの住まいもはっきりとクルマまで見えましたので、当時の35㎡の住まいや、田舎のWeidenの住まいも見せたかったですねー。
今度のオフ会会場はほぼ決まりですが、大きな利点は、今迄だとお店の中でこっそりと出して見てしまうというような感じだったのが、ここだと大っぴらに出せて、さらに運転迄できるというのが最高だと思います。

>ちゃろさん。
今回は、色々とお世話になりました。最後でしたので、ある程度の騒ぎは想像出来たのですが、どの程度になったのかと少し心配していました。
また、今度はオフ会で色々とお世話になるかと思います。今回の取材で、カフェ・アンティークがメルクリンファンのメッカになることを願っています。
たった今、荷物が届きました。ありがとうございます。

>kumaさん。
今回は、様々なお願いをしまして、それを全てクリア出来たこと。本当にkumaさんだからこそでした。ありがとうございます。
私は私一人ではないこと。それを心から実感出来た3週間でした。

皆さん、本当にありがとうございました。また、楽しみましょうね。(^o^)/
by Akira (2006-11-01 09:15) 

BOAC VC10

飛び込み参加にもかかわらずご歓待いただいて、ありがとうございました。
(写真もありがとうございます。インサイダーDVD見て再確認しました。)
あのような有名な方と、つたない英語でドイツの貨物列車の尾灯の話と、
新幹線500系の東海道区間撤退のお話ができ、
一生モノの時間が経験できました。感謝です。

また、01を始めとする大物揃いの2006年新製品どころか、
秋の新製品で、自分も発注したばかりの赤の290まで拝見でき、
更に、CS/MS世代の新しいメルクリンファンが育ってきていることを実感し、
いろいろな方とお会いでき、嬉しかったです。

帰りはHUHさんと山手線までご一緒させていただいたのですが、
次の3サイト合同オフ会の会場は、もう決まったような感じでした。
今回は仕事帰りだったため、手ぶらでの参加となってしまいましたが、
次は何を持って遊びに行こうか・・・・と妄想を膨らましております。
チーズと紫蘇の葉の乗ったお好み焼き美味しかったです。

何はともあれ、Akiraさんのご奮闘された3週間の成果が見られる日が楽しみです。
どうもありがとうございました。
by BOAC VC10 (2006-11-04 00:04) 

Akira

BOAC VC10さん、わざわざお越しいただいて久しぶりの再会が出来て嬉しかったです。あまり大した話もできませんでしたが、あのような私達にとってオアシスのような場所があれば、自然にまた引きつけられてしまうでしょう。
今回は、本当に大変で楽しかった3週間でしたが、何より皆さんとこうして会うことが出来たのが、1番嬉しい瞬間でした。

ではでは
by Akira (2006-11-04 16:35) 

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