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4286 DB Apmz 121.2 Orientrot / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 手ブレーキ側

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▲ 非手ブレーキ側

昨日迄紹介して来たモデルの流れでは、今日紹介するモデルは前もってわかっている方も少なくないと思いますが、敢えて期待を裏切らずにApmz121モデル(4286)を紹介したいと思います。

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実はこれ、ドイツのKarlsruheに住んでいた時、ここのKARSTADT百貨店の模型売場のショーケースに安売り札の付いているメルクリンモデルが数種類置かれていました。(さして古くもないモデルがこのように時々安価で在庫整理するのは、ドイツの販売店の良いところでもあります)その中の1台がこのモデルで、確かDM 30,- 程度だったか。他にもBR 221のタルキス色などもありましたが、流石に買えませんでした...。箱無しだったので安価になったと思うのですが、良い買い物をしたと嬉しかったのを憶えています。
当時は、模型店の他にKARSTADT百貨店でも必ず模型売場があったのですが、最近はドイツでさえ百貨店から模型売場は姿を消しているのは残念な限り。鉄道模型人口自体が減少傾向にあるのは、少子化が主な原因であると思うのですが、鉄道模型自体の魅力が薄れていっていることを結果とするのは、ドイツでは成熟期を過ぎてしまっている現われであるのかも知れません。

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このApmz 121は、当時のIC/EC列車の標準的組成の中では編成中央の食堂車を挟んで1等車側の列車編成の最前(あるいは最後尾)部に1両のみ組成され、唯一公衆電話が備えられた車両でした。よって編成に1両だけ必要で、区分室車の方が車両数は多いです。登場時の1962年当時からDBでは区分室車両がより好まれていたことによります。(私も1等はゆったりとした区分室車両が好みです)

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▲ 台車は実車同様MD36でしょうか。27cmモデルの台車は細かな差異はなく、ヨーダンパの有無もなく同じものを使っています。

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▲ 車体番号と形式表記です。「61 80 18-95 013-8 Apmz 121.2 (120)」です。

この車両番号は、1966年以降のUIC表記となってから落成しています。1971年8月20日にニュルンベルクのMAN社にて「61 80 18-70 013-7」として登場し、その後は、「61 80 18-90 013-3」を経て、1983年6月29日にこのモデルに表記された番号に変更されています。更に2002年には、「61 80 18-90 413-0」に変更され、形式もApmz 125.4に変更になっています。現在は廃車など未確認です。
丁度この車両群が落成した1971年から量産型の103.1形機関車が次々と落成、運用に就いているので、同年に落成しているこの客車は103.1形機関車とともにTEEやICとして運用を始めたのではないかと推察できます。

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▲ RICラスターです。最高制限速度200Km/hで入線可能な国は全部で全て同じ電源規格の4カ国で単電源仕様の表記です。

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▲ REV表記です。1988年12月5日と記されています。

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貫通路を正面から見たところです。1985年から始まったOrientrot塗装に変更された当時は、まだICEは営業運転開始前で、試作車のICE-Vが完成したNBS(高速新線)を中心に試運転を行なっていました。ドイツやフランスなどの新幹線車両は、日本の新幹線と異なり在来線と高速新線を跨って運行し、また電気機関車牽引の一般IC/EC/FDやInterRegioもNBSを経由して運行していたため、IC/EC/FD列車はトンネル微気圧の影響(耳ツン)を避けるため、貫通路や出入り口ドアを気密化改造された車両を使っていましたが、一方でNBSを通らないIC/EC列車は従来の客車を塗装変更したのみで運用されていました。
このモデルは、未改造車両をモチーフにした車両です。そのため、従来通りのゴム幌であることが確認できます。

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27センチ樹脂製モデルの1つであるこの1等開放室車輌(Apmz 121)は、昨日紹介した区分室客車(Avmz 111)同様、Gruppe 62系列の2次車以降の切妻屋根の仕様をモデル化しています。これについても初期製造の実車にある丸屋根仕様が切り妻屋根仕様と共に今年の新製品で282mmでリリース予定です。欲を言えば、これの増備車であるApmz122もリリースされれば更なるバリエーションが可能となり、多くのIC/EC編成が可能となります。また、このOrientrot色で新製デビューを飾った準区分室車輌とも言えるBvmz 185は、以前から欲しいモデルの1つです。このBvmz 185のOrientrot色を是非...リリースして欲しいモデルです。

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折角なのでIC列車の最後尾を想定した画像をお示ししましょう。今はなき国鉄DB時代最後のOrientrot色のIC列車の魅力が表現できるのは模型だからこそですね。

参考文献:TEE- und IC-Großraumwagen 1.Klasse, Apmz 121 / WAGEN Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Zeitschriftverlag GmbH München


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ナベ

去年末、フランクフルトとシュツットガルトのカールシュタットに寄りましたが、鉄道模型コーナーは全然ありませんでした。大人が楽しめるモノはヴィーキングとsikuのミニカー位でした。フランクフルトでは大型おもちゃ店のヴェーレに寄るのが楽しみだったのですが、どうやら閉店してしまったようです。3年前に訪れた際、鉄道模型関連のすごい品揃えに感動していたのですが、その時も鉄道模型コーナーはひと気がなかったような気がします。少子化問題もあるかもしれませんが、現地でも「高い」と感じるあの値段設定では、子供達がお小遣いで買える代物ではないし、必然的にこの世界の趣味人口が少なくなってしまっているのでは?とも思いました。
by ナベ (2007-07-01 00:36) 

Akira

確かに模型店も少なくなってきているのかも知れません。模型店の場合は店主が仕事を続けられなくなった場合、その子供が跡を継いだりすれば良いのでしょうが、必ずしもそう出来るとは限らず、私の住んでいたWeidenにあった決して小さくはない唯一のメルクリン販売店も店主が亡くなって閉店してしまいました。
一方、巨大レイアウトを展示する施設は、ハンブルクを始めとして、ここ10年ぐらいで飛躍的に増えました。また、Maerklin Storeと呼ばれるメルクリン/TRIX専門店や、Shop in Shopなどメルクリン/TRIXコーナーのある模型店も増え、新旧混在の過渡期にあるのではと思います。
価格については、スタートセットや廉価版機関車などは低く抑えられています。私が子供の頃は相対的にもっと高かったですね〜。
by Akira (2007-07-01 09:43) 

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