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43859 TEE Bavaria Setと実車解説 [Maerklin-Reisezugwagen]

2008年の新製品の中で個人的に気になるモデルがTEE Bavariaセット(43859)である。実は以前に鉄道雑誌から引用した1971年の同列車編成表をこのブログPwMに掲出したが、ちょっと怪しくなってきたので新たに調べた結果を解説をしてみたい。

もともとTEE Bavariaは風光明媚なAllgaeu路線をドイツのMuenchenとスイスのZuerlichを結ぶ優等列車としてスイスのRAmによって運用されていたのであるが、1971年2月9日に脱線大破する大事故を起こし、それを機に客車列車に変更されたところからはじまる。幾つかのネット上の資料から、その後2月16日より再開された同列車の編成は、DBの62系列客車(TEE塗装)でAvmとApmが1両づつであった。食堂車は、取りあえずDBのARDmz106(バー車)を組成したようである。牽引機はZuerlich - St-MargaretenをRe4/4 II / SBB(11196-11201)、St. Margareten - LindauをRh1080 / OeBB、Lindau - MuenchenをBR210またはBR218 / DB。

しかし、(おそらく食堂車としてのサービスが充分でなかったため)供食車であるバー車が批判を浴び、同年バー車からRIC-WR 88-70 000 / SBB食堂車に変更となった。当初は原色である赤色、1972年からはTEEカラーに変更され、列車全体がTEEカラーの編成となった。因に全10両の同形食堂車のうち残り9両は後にユーロフィマ塗装(オレンジに白帯)に変更された。よってSBBの食堂車(客車)でTEEカラーはTEE Bavaria向けの1両のみであった。同年からは、機関車もZuerlich - LindauがTEEカラーのRe4/4 I / SBB(TEEカラーの10033及び10034)が直通で運転されている。
その後1977年までは、この組成が続き、その後は1987年までRIC客車/SBBの組成...という風に変遷を遂げてゆくが、今回のテーマは、新製品のメルクリンモデルであるので、割愛する。

結果として、分かったことは今回のTEE Bavariaセットの編成は、1971年に1年にも満たない極めて短い期間に組成されたもので、かつ3種の機関車によって牽引されたことが分かったのである。
つまり以下の通りである。

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TEE66/67 Bavaria 1971

Zuerlich HB - St.Margareten
Re4/4 II (11196-11201) + Avm111 + Apm121 + ARDmz106
St.Margareten - Lindau Hbf
Rh1080 + Avm111 + Apm121 + ARDmz106
Lindau Hbf - Muenchen Hbf
BR210/BR218 + ARDmz106 + Apm121 + Avm111
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結局、メルクリンの新製品は、Re4/4 I(TEE)とは組成されなかったということが分かって来た。逆に言えば、メルクリンからRe4/4IIは番号は分からないが、既にリリースされているので編成を組んで楽しめよう。OeBBの機関車Rh1080は、よくわからない。また、ドイツ国内も新製品のBR210以外に、BR218も牽引しているのであれば、原色赤から今年の新製品のタルキスカラー迄揃っている。意外にこのTEE Bavariaセットは楽しめそうである。

私がMuenchenのDBで実習をしていた1990年春、帰宅はいつも中央駅のホームを先端から歩いて帰っていたのだが、丁度そこにはEC Bavariaが出発を待っているのである。客車はSBBのTyp.ECであったが、食堂車はSBBのRIC車両であった。ちょっとモダンでクールな印象のTyp.ECに比べ、ユーロフィマ塗装の食堂車で既に営業を開始している車内を見ると暖かな光と車内の少しばかり優雅な雰囲気が伝わって来て車内の乗客が羨ましく思えた反面、こちらも何故かその雰囲気の心地よさに癒された気分であったことを思い出したのである。

しかし、既にアップしている編成表は、訂正しなければなるまい。

参考サイト:
http://www.heinrich-hanke.de/eisenbahn/reisezuege/bavaria.htm
http://de.wikipedia.org/wiki/Bavaria_(Zug)

[追記]
IC Suedwind-SetのAvmz/Apmzとそれに合わせたARDmz106のバー車を組み合わせ218形に牽引させた往年のTEE Bavariaを再現した画像をアップした。雰囲気はいかがであろうか?


タグ:DB Ep.IV TEE Bavaria
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kids

Akira様、いつも詳しい解説ありがとうございます。
と言う事は、このセットのスイス国内の牽引車はTEEカラーじゃなくグリーンのRe4/4IIと言う事ですね。
それに,リリプトのTEEカラーのSBBレストランカーと、HAGから出ておりますTEEカラーのRe4/4Iがあれば、72年以降のババリアンも再現できると言う事ですね。

あ,それと昨日の新製品の中の、132型ディーゼルはどの様な客車を引いていたのでしょうか?
西ドイツの客車も引いていたともいますが,東ドイツの客車やその他の東欧の客車も引いていたと思うのですが、メルクリンとしてはどの様な客車を想定しているのでしょうか?
by kids (2008-01-26 18:24) 

seidoh

Akiraさん、おかげでBavariaのことよく分かりました。ありがとうございます。
kidsさん、はじめまして。私も同じことを考えたのですが、Liliputは確かフルスケール、そして何よりHAGはお値段が・・・。

ところで、たった2両の1等車に対し本格的食堂車が無いと文句が出た!
というのは何だか別世界の話のようですが、TEEとはそれほど贅沢な列車だったという証拠ですね。今ならさしずめファーストクラスオンリーの飛行機を運行するようなものでしょうか。
by seidoh (2008-01-26 18:36) 

Akira

LiliputのTEE色食堂車がこれにあたるようですが、何でも随分昔の設計だとかで、あまり評判は芳しくないと聞いています。TEEカラーのRe4/4 IIはHAGでも、メルクリン/TRIXからもリリースされています。(メルクリンは絶版ですが)

BR132/DRは、確かにDR仕様ですからメルクリンには、それに見合う客車は見当たりません。どうなんでしょう?将来DRの客車が出るのでしょうか?

これも確認項目ですね。
by Akira (2008-01-26 18:37) 

NO NAME

Akiraさま
下記のサイトで見たのですが、

http://www2.odn.ne.jp/kisara/yukino/tee.htm

Re4/4IIの11196-11201は,TEEカラーではないようです。
ですから、今までに発売されておりました、グリーンのRe4/4IIで牽引できるのではないかなと思っています。

それと、このババリアのセット(43859)の、オープン客車の屋根は切り妻ではなく丸屋根ですから、ラインゴルトがTEEになった頃の端境期の編成にも使えるのでしょうか?

トリックスの23422と同等の物なのでしょうか?

いつも質問ばかりですみません。
by NO NAME (2008-01-26 21:05) 

kids

あ、すみません。
名前入れるの忘れました。

それと、43859と39189オーダー入れました。
by kids (2008-01-26 21:09) 

Akira

seidohさん

TEE BavariaはRAmを使っていたのですから、乗客は同じサービスを求めるでしょうね。そうなるとやはり食堂車ということでしょう。
RAmは、Tz - Av - WR - Apですから、バー車では物足りないのは理解できます。
by Akira (2008-01-26 21:11) 

Akira

kidsさん

メルクリンの43859とTRIXの23422の2つのセットはせいぜい番号違いかと思っていましたが、画像を見るとメルクリンのモデルはApmzが丸屋根で、TRIXは切り妻屋根です。しかし列車は1編成のような...。

みなさんオーダー入れるのが早いですねぇ。私はもう少し待ってから...。
by Akira (2008-01-26 22:15) 

NO NAME

Akiraさま

Trixの23422って去年の単品販売のTEE客車だと思うのですが?
ですから、去年発売になりましたTrixの丸屋根のTEE客車の代わりに、今回の43859のセットのオープン客車を使って、ラインゴルトがTEEななった頃の編成に使用できないかなと思いました。
もちろん、43880 ドームカー(AD4uem-62)やWR4uem-62 (101/102 DSG) / DSG Ep.IIIbは必要ですが。
by NO NAME (2008-01-26 22:52) 

Akira

すみません。TRIXは23427でした。
TEE RheingoldやRheinpfeilの混色編成のことですね。当時はEp.IIIbでしたから、いずれにしてもTEEカラーの表記はUIC表記ではありません。昨年のTEEモデルは1971年頃の仕様ですからUIC表記です(Ep.IV)。43859も同様にEp.IVです。
しかし、気にしなければ気にならないとも思います。

いずれ、ドームカーや食堂車も含めてEpIIIb仕様のTEEカラー客車を出して欲しいですね。(そう言えば、24cm鉄板客車のTEEカラーでは当初Ep.IIIbでした)
by Akira (2008-01-26 23:37) 

しげやん

2007年Neuheitenパンフには、
Ep.3紺/クリームとTEE塗装UIC表記のものが併結されている写真が
掲載されています。
EJ別冊のIC25周年特集本では
・E10.12紺/クリーム+TEE塗装UIC表記編成
・E10.12TEE塗装+紺/クリームEp.3編成
が載っています。
私は逆に、UIC表記でないTEE塗装ドームカーや2階建食堂車の写真を
まだ見たことがありません。個人的な考えですが
ラインゴルトがTEEに昇格する時には既にUIC番号化が決まっていて
TEE塗装に塗り替えたと同時にUIC番号にいち早く切り替えた、
ということはないでしょうかね?
by しげやん (2008-01-27 16:41) 

Akira

1965年に青/クリームからTEEカラーに変更された62系列客車ですが、しげやんさんのおっしゃるように既にUIC表記となる1966年以降もまだ青/クリーム客車が存在していた、または推測されているUIC規格か以前にUIC表記化したのですね。私も手元の資料を幾つか見てみましたが、DSGマークの入ったTEEカラーの食堂車は見つかりません。(後に動態保存となった131食堂車はTEEカラーにDSGマークの入った画像は確認しています)

一方、バー車については、1965年より運用を開始した"Helvetia"や"Blaue Enzian"など向けに出ているので、TEEカラーにEp.III表記を画像で確認しています。
by Akira (2008-01-27 17:52) 

Akira

131食堂車の資料を見ていたら、ちょっと面白いことが判明しました。131食堂車は1962年に最初の2両がDSG向けに製造され、「101 DSG」と「102 DSG」という表記になりました。翌年の1963年に3両の同形食堂車が、こんどはDB向けに製造され、同色ですが、「11 103」から「11 105」となっています。これは何を意味するかと言えば、後にリリースした3両はDB車籍にも関わらずサイドに「DSG」マークを掲げていたか?ということです。(サービスはDSGなので掲げていたかもです)
一方、食堂車のDSGマークは1966年に外され、「DB」マーク、または、TEEロゴに変わったとあります。
1965年に131食堂車がTEEカラーに変わったのなら「DSG」マークは翌66年まで掲げられたのであろうと推測できます。逆に青/クリーム塗装のままなら66年以降TEEカラー/UIC表記(DSGからTEEロゴ)化を一度に行ったのだろうと考えられますね。
by Akira (2008-01-27 18:34) 

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