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43241 MITROPA WR4ü 1215P / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

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先日紹介した保存用にレストアした「MITROPA 1189P」(43249)モデルに続いて、今回はオリジナル (Ep.II) 仕様の「MITROPA 1215P」(43241)を紹介したい。
このモデルは、Schürzenwagenシリーズの座席車と食堂車(43240)、そして寝台車(43250)のEp.IV仕様が1996年に初めてリリースされた2年後の1998年に今度はDRG仕様のモデルが同様にリリースされた。
戦前から戦時中に掛けての濃緑色(Flaschengrün)の座席車両に対して、ワインレッド(Weinrot)の食堂車は特別に目立つ存在であったに違いない。
ただ、Ep.II仕様のSchürzenwagen座席車両は、ナチのシンボルが印刷されていることもあって、ゲットするには気が引け購入には至らなかったが、画像の食堂車は、やはりオリジナルには独特の魅力があり今手元にあるのである。

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▲ オリジナル「MITROPA」のロゴとシンボルマーク。東独DR時代の「MITROPA」マークとは若干異なる。

さて、モデルであるが、前述したようにWeinrot色のボディに黄色で「MITOROPA」のロゴとマークが大きく描かれている。また車体の左右の「SPEISEWAGEN」文字は、Ep.IV時代迄食堂車の表記として残るほど普遍的なレイアウトである。

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▲ 屋根の金属製換気口?は給湯器用?

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▲ Görlitz III Schwer形台車。厨房の窓上部にはガラス製空気取入れ口が透明樹脂で再現されている。

屋根は、ベージュで中央部分には、煤の跡がウエザリングされている。屋上のベンチレーターの他、厨房側屋上にはT字形煙突、反対側には金属製の換気口?が取付けられている。(これは給湯器用?) 
台車は、「Görlitz III Schwer」、貫通幌は蛇腹式、エアコン等無縁な時代であったため、厨房の窓には空気取り入れ用の小窓が窓上部に設備されている。厨房の機器は当時石炭レンジが使われていたため、車内換気と熱対策であろうことは想像できる。

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▲ 運行区間のみ記された地味なサボ

車体横のサボは食堂車独特の横長タイプでCIWL車両などでも使われているタイプ。「Berlin - München - Berlin」と印刷され、当時最も重要な幹線であった路線である。東西ドイツが統一された今は、まだ非電化区間が残り、振り子式気動車の走る亜幹線であるが、当時は南ドイツのメトロポールとドイツの中心を結ぶ最重要幹線でもあった。

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▲ 貫通路は窓の無い片開き扉。実車は木目(マホガニー?)のため、塗装すべきかも。

このモデルは、残念ながら購入してからほとんど走らせた記憶が無い。というのもこのモデルに合わせる座席客車のモデルがないため...である。ただ、手持ちの「MITROPA75周年記念」の雑誌に新製したばかりのピカピカの同形客車が数両連なっている白黒写真を見てからは、このようなシーンの再現もしてみたかったという気持ちもあって、箱に入ったまま保管状態が続いているのである。

[追記]
なお、この1215は、DSG 1215として1963年に62系列客車で運用に就いた「F-Zug Rheingold」で予備車として131形食堂車に代わって連結され運用に就いたという。そのため、台車はMD33に履き替えられ、電磁吸着ブレーキも装備された。室内も131形に合わせたシート生地を使用するなどの改造が行われたと言う。ただ、このモデルはEp.II仕様なので残念ながら62系列客車とは合わないであろう。

参考サイト:
DSG-Speisewagen
http://www.speisewagen.net/

Zuge für Rheingold - E10
http://www.railforum.de/modellbahn/zuege/i_e10_12.htm

[EDIT] 2012-01-18 14:16
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コメント 4

東西急行

Akira様、東西急行です。御無沙汰致しております。
私は手持ち車輌のほぼ全てを放出し、来るべきワゴンリ隊
とKSR(Koku Sai Ressya)団再編に備えております。
御紹介下さいました食堂車はMITROPAの鋼製食堂車で
は二代目(記憶違いでしたら御容赦願います)で、初代と
同様式乍ら、車体を当時流行りの流線型に揃えた点が、
対抗者乍ら天晴れな一形式です(とは言えワゴンリのWR
に比べ重量感が足りませんが)。
忌まわしきワシマーク……私も嬉しくありません。あれが付
いているばかりに、EpⅡのドイツ型は導入対象外です。
by 東西急行 (2008-07-09 22:05) 

Akira

Ep.II車両は、当時世界最高水準を誇ったドイツの鉄道技術の粋を形にしたモデルが多数あり、私も純粋に欲しいモデルは多々あるのですが、その中でも少なからずワシマークがあるため断念しているのもあります。(例えば赤E19など)

CIWLとMITROPA/DSGのWRはそれぞれに良さがあり一概には、どちらが良いとは言えないのですが、モダンデザインの流れを汲んでいるのがこのGruppe-39(Schuerzenwagen)です。バウハウスデザインの影響が見られるこの食堂車は、普遍的な美しさを感じています。
by Akira (2008-07-09 23:43) 

東西急行

Akira様、東西急行です。御返信有難う御座います。
仰る通り、本車の外観は当時としては出色のものと言え
ます。
仏蘭西OCEM型鋼製客車の流れを汲む鋼製CIWL客車
群より洗練された線形であることは否定出来ませんし、流
線型にしても仏蘭西型客車(Est、ETAT等)の様な奇抜
さは有りませんが、後年(独逸敗戦後)の54型長車体客
車群(UIC-Xの雛形)に通ずる機能美には私も強く惹かれ
ます。
其れ故にあのワシマーク(アレを旗印にした組にふらふらと
近付いたばっかりに我が方も半死半生に……以下略)が
疎ましいのです(大鎌と鉄槌背負った赤い星並に)。
by 東西急行 (2008-07-10 00:30) 

Akira

メルクリンでは、ドイツも東西統一後あたりから、一切のタブーであった鍵十字の車両を簡略化しながらも製品化され始めました。おそらく、ドイツの戦前から戦中に掛けての車両は世界で最も誇れるべき鉄道技術の進んだ国であったのでしょう。マーケットには、それらモデルを純粋に欲するユーザーが居てもおかしくありません。高性能で美しい車両が多かっただけに、あのマークがあるのは残念でならないのですが....。
by Akira (2008-07-11 14:01) 

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