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4420 SBB(P) Ichqrs 377 (EICHHOF BIER) / Ep.IV [Maerklin-Guterwagen]

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先日反響の大きかった「Koenigs Pilsener」の記事で、Nさんからのレスにスイス・ルツェルンにある「EICHHOF BIER」のビール工場とその貨車についての記述があった。私も1986年に初めてヨーロッパを訪れた時スイスのルツェルンにも立ち寄ったのだが、その時バスの中から偶然見たEICHHOF BIERの工場に引き込み線があり、そこに1両のビール貨車が鎮座していたことを今でも鮮明に憶えている。それは「EICHHOF BIER」のエチケットと同じ山吹色地に赤色文字の大きなリスマークが目に飛び込んできたからである。
感激したのは、メルクリンのビール貨車は確かにカラフルで美しいグラフィックであるが、実車もこのようなグラフィックであるのか半信半疑であり、目を皿のようにして旅行中ヨーロッパの鉄道施設を観察していた私には、そのような貨車はそれまで確認出来ていなかったことによるのである。

さて、その「EICHHOF BIER」工場の敷地に居たビール貨車は、メルクリンで一般的な冷蔵貨車のIchqrs 377形ではなく、もう少し古いタイプの貨車だったように記憶している。よって、このモデルの形式のビール貨車の実在の有無は未確認である。もしかしたら実在しないのかも知れないが、当時メルクリンからリリースしているビール貨車自体がIchqrs 377形モデルのみであったから、例え形式が違えども見たときは心躍ったものである。

EICHHOF BIERの歴史も古い。同社のサイトによると、1834年に創業とあるので、今年は174年である。1883年には初めて瓶入りのビールを発売したとあるので、それまでどのような形で飲まれていたのか興味深い。(もしかしたら、ビールの手軽な持ち運びが瓶によって叶ったのかもしれない)
現在は、デンマークのCarlsberg-Feldschlösschenグループ、オランダのHeineken Switzerlandに次いでスイス第3のビール会社であるとのこと。道理でスイスではEICHHOF BIERは良く見かけるわけである。

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メルクリンからこのモデルがリリースされていることは知っていたので、帰国後だったか購入したように記憶している。製品番号4420のこのモデルは、1980年に少し暗めの山吹色と同様に暗めの赤い文字でリリース。同年の第2ロットから明るい色調に変更され、1984年迄の5年間リリースされたとある。画像のモデルは、工場で見た実車の印象に近い色調なので第2ロット以降のモデルであるが、初回ロットの暗めの色調のモデルも見てみたいものである。
この貨車のグラフィクは、まずその彩度の高い山吹色の地に描かれたかわいいリスの絵である。確か、ドイツ語でリスをEichhornchen言うので、その繋がりでリスの絵が描かれていることに違いなかろう。車体横に書かれている文字は、ドイツ語で「BRAUEREI EICHHOF LUZERN」(EICHHOFビール醸造 ルツェルン)、「SPEZIALWAGEN FUER BIERE」(ビール専用特別車両)と印刷されている。興味深いの反対側には同じ意味のフランス語が表記されていることである。細かい文字だけに見落としがちであるが、おそらく実車と同じであろう。いずれにしてもインパクトの強いビール貨車に違いない。

参考サイト:EICHHOF BIER
http://www.eichhof.ch/bier

タグ:SBB Ep.IV Bierwagen
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コメント 3

N

EICHHOF BIER 貨車を拝見させていただき、ありがとうございました。実は、昨年のドルトムントの水彩画以来の2度目のコメントでした。今日のお話を読んで気がついたのですが、メルクリンがただの縮尺模型ではなくて、一つの世界をなしていることを考えると、あのビール貨車は、普通と逆に、メルクリンの4420のとおりに古い貨車を塗り替えて、広告塔として置いてあったということは考えられませんか。縮尺模型ではなくて、拡大実物。
by N (2008-07-11 23:52) 

kumaことDaisaku

ビール貨車に限らず雑多な貨車は大好きなのですが、模型のようなグラフィックのビール貨車にちゃんと実車が(もちろん一部ではあるでしょうけれど)存在するとは、寡聞にして知りませんでした。手もとの MIBA REPORT の貨車の本を見かえしても、そういった車両は見当たりません。
Akiraさんのように、一度はドイツのどこかの駅でお気に入りのビール貨車の実車と出会えたらいいなぁなどと、今日は Warsteiner を飲みながら考えています。

by kumaことDaisaku (2008-07-12 01:40) 

Akira

> Nさん、こんにちは。
気がつかず、すみませんでした。今回で3度目のコメントをありがとうございます。
ご推察の可能性もあるかも知れませんが、むしろその古い貨車は実際に使われていて、使われなくなっても広告代わりに保存している..かも知れませんね。車体表記の独仏語を左右に書き分けているなどは、リアルさを感じますし...。

ところでEICHHOF BIERの公式サイトにあるブティックにROCO製のH0広告貨車モデル(Hbis ?)があるほどですから、本当に貨物輸送も続けているのかも知れませんね。

http://www.eichhof.ch/1/3/484/251/382.asp

> Kumaさん
実際にあることはあるのですが、私有貨車なので割合的に少ないでしょうね。
あと、私の感覚ではドイツよりスイスの方が圧倒的に多い印象があります。


by Akira (2008-07-12 08:45) 

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