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4415 (87020) DB(P) Ichqrs 377 "Hacker-Pschorr Muenchener Hell" / Ep.IV [Maerklin-Guterwagen]

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ここ数日曇りや雨模様の日が続き、暑さも緩んでエアコンをつけなくても良かったのだが、今日は再び晴れ間の覗く中で咽越しの良いビールが欲しくなる。
なんだかその日の天気と紹介するメルクリンモデルがリンクしているのだが....、今日もミュンヘンのビール貨車モデルを紹介したい。

今迄紹介して来た「Hofbreuhaus」や「Loewenbraeu」と並ぶ老舗のビール醸造所である、「Hacker-Pschorr Braeu」がそれである。日本では前の2つに比べて知名度がやや落ちるが、ドイツでは有名なビールの1つである。

私が、ミュンヘンで1990年の3月末から7月迄3ヶ月程過ごした間、その目的であった企業実習は、中央駅の北西にすぐ側にあるBZA Muenchen(連邦鉄道ミュンヘン中央局)内にあるDesign Centerであった。最寄りの駅は、S-Bahnの中央駅の一つ先のHacker Bruecke駅である。ここには中央駅から幾重にもなる路線を跨ぐ道路橋があり、それの名前がHackerbrueckeであった。そしてその橋を渡らずに道路を挟んで向かい側にあるのが、このHacker-Pschorr Braeuの醸造所で、画像の貨車に描かれているマークは、そこにも大きく掲げられ私の記憶にも鮮明に残っている。
(もっともこのHackerbruecke駅を利用して通勤していたのは最初のごく僅かな期間だけで、その後はほぼ毎日、中央駅で下車。中央駅構内のプラットホームを端から端迄歩いて、毎日そこに顔を出す数々の機関車や客車を眺めて歩くのが何よりも楽しかったのである。)

Hacker-Pschorr Braeuといえば、やはりその長い歴史を書かねばなるまい。公式サイトの記述によれば、その始まりは15世紀(1417年)に遡るという。そして1516年4月23日には、Herzog Wilhelm IVによって正式に醸造所として認められるなったそうである。それ以来現在迄バイエルンのビール醸造法を守り抜いて現在の地位を確立したと言えるのである。ドイツは、ソーセージにしてもビールにしても、まずその製法を遵守することが最低のルールとなっているところが特徴的である。これは国民性でもあると言えよう。時にこれは新しいことへの挑戦がしずらい環境とも言えなくはないが、いつまでもそのリファレンスを持ち続けることは、常に新しい方が良いという風潮にはならず、良いモノは良いという普遍的な考えに基づくものである。それはビールなどの食品に限らず、工業製品にも言えることで、メルセデスやメルクリンにも通じるものがあろう。日本の技術が進んでも越えられない歴史の壁がここにあるのかもしれない。

このビール貨車に赤い文字で描かれている「Muenchener hell」というのはミュンヘンのヘレスビアという意味。確か、最初にミュンヘンで醸造されたビールがチェコのピルゼンに渡った時、そこで改良されて、今日本でも標準的なPilsビールが生まれたが、それをミュンヘンの醸造会社が更に改良を重ねて作ったのが「Muenchener hell」と呼ばれたと聞いている。つまりドイツのミュンヘンとチェコのピルゼンは、相互にライバルとして研究と改良を積み重ねて今日のビールの基礎を完成させたのであろう。一般的にへレスビールは明るい色で飲み口も軽い。逆に暗い色をしているのが、dunkels Bierと呼ばれている。

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さて、このモデル(87020)であるが、さすがに有名なビール会社のモデルだけあって、カタログモデルや広告貨車モデルも含めて数多くのモデルがリリースされている。特に最近ではカタログモデルで大型の冷蔵貨車の同じ広告貨車モデル*もリリースされている。おそらくこれらは時代的にも実車の存在があると言えようが、このモデルに関して言えば、他のビール貨車同様甚だ怪しい。また、「m」マークも印刷されていないところをみると先日のブログで示した「4」に当たる海賊版の可能性も充分にあるが、印刷品質は優れている上に表記も他のビール貨車とは一線を画した「INTERFRIGO」の文字も見える。またベースは4415であるが、リリースされていたモデルの上から印刷を施したようには見えない。外箱も無表記である。そのあたりの区別が非常に難しく中々正しいジャッジが下せないのは残念な限り。

ただ、Hacker-Pschorr社のロゴマーク入りのビール貨車モデルは、いつ見てもミュンヘン滞在時のBZAへ通った充実していた時の記憶が蘇るのである。

*)「ビールの町、ミュンヘン」/ パルナソス・アソシエーションブログ 参照
http://blog.so-net.ne.jp/klaviermusik-eisenbahn-koba/2008-03-11

参考サイト:Hacker-Pschorr Braeu Muenchen
http://www.hacker-pschorr.de/

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N

こんな貨車を眺めていると、現地でしか飲めないビールの風味がよみがえってきますね。やっぱり、ビールって生ものですよね。そうすると、日本のビールを飲む気がしなくなって困るんですが。
by N (2008-08-21 07:39) 

Akira

昨日、行きつけのスーパーでふと普段立ち寄らないビールコーナーを覗いたところ、置いてあるのは日本銘柄ばかりでちょっとがっかりしました。もし、ドイツビールでもあれば、久しぶりに飲んでみようかな?という気持ちになっていたのに....。
やはり、東京の百貨店あたりでないとドイツビールは買えなそうですねぇ。残念..。

そう言えば、今回紹介したHacker-Pshorrの醸造所にも地下に直営のビアレストラン、そしてビアガーデンも夏期には営業していた記憶があります。そこで飲むビールは新鮮そのものでしょう。日本でも東京恵比寿にあるビアレストランなら同様に新鮮なビールが飲めるのかも知れませんね。
by Akira (2008-08-21 09:29) 

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