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26512 DB Düm 902 (Pop-Farbe) / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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このブログでは、新しいメルクリンの客車スケールのUIC-Xばかり取り上げて来たので中々27センチモデルを取り上げていなかったのであるが、実はこの27cmのUIC-Xモデルは沢山のバリエーションが既にリリースされており、私は結構沢山持っていたりする。最近は282mmモデルばかり走らせているせいか中々27cmの客車を走らせる機会もないが、久々に1972年のミュンヘンオリンピック開催30周年を記念したリリースされたPopカラーの「D-Zug Olympia Express」セット(26512)の箱を開けて、それらの客車群の紹介をしてみたいと思う。今回はその1両目である荷物車のDüm 902である。このモデルは、4093をベースに窓帯が濃緑色のポップカラーに塗装された仕様である。このモデルは、282mmモデルでは半室荷物車がリリースされているためか、27cmのモデルしか存在していない。

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実車は、1960年からPw4üm-60として合計181両製造された。当初2種類の試作車(-59と-60)が製作され営業列車に試用された。結局同年には量産体制に入ったが-60(後のDüm902)が、量産先行車と同じ設計で量産化となった。当初は、UIC-X客車の2等車と同じ濃緑色1色の塗装であったが、Popカラーの試用に合わせて同車も塗り替えられた車両があったが、数量については未確認である。なお、濃緑色の代わりに、2等車と同じ窓帯がKobaltblauに塗装された車両が1両のみ存在した。その後は、タルキスカラーになり、一部はグレーのツートン、近郊形のライトグリーンツートン、またDBAGになってからはRegioカラーになった車両もある。

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このモデルの特徴は何と言ってもボディ両面2枚の可動式の側面扉であろう。樹脂製ながら非常にスムースに上下し開閉が行えるのが特徴で、その機能を生かして様々なレイアウトシーンに対応出来る。

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もう1つの特徴は、側面にある車掌室窓の上部が膨らんでいること。これはおそらく以前あった屋根上のせり上がった監視窓の名残であろうか。確かに図面にはそのような窓の存在を確認出来るが、実車や写真では見たことが無いので、もしかしたら量産化した時に無くなったのかも知れない。

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印刷は2000年代にリリースされたモデルだけのことはあり、以前の27cm客車に比較して緻密さが増している印象がある。DBマークは写真を見ると、どうもまたネガポジが反転しているようである。これは282mmモデルが正しいのかも知れない。
車両番号は、51 80 92-40 131-5である。手元の資料を紐解いてみると同形式最終番号である。また、実車もグリーンのPopカラーであるこが確認できた。この車両をもう少し詳しく説明すれば、1963年12月23日に106 182としてVereinigte Westdeutsche Waggonfabrik AG Köln / Mainzにて竣工し、HamburgやStuttgartに在籍していた。手元にある資料では1999年現在DBの荷物車として在籍されている。

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サボを見ると「Olympia Express」としてDortmundからMünchenに向かう列車として設定で印刷されている。非常に鮮明な印刷でメルクリンらしい。

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ドア部分にも精細な文字の印刷が施されているが、もはや肉眼では読むことができない。そこまで印刷をしてしまうあたりが新しい世代のモデルの印刷なのであろう。

いずれにしても、この荷物車は282mmモデルの世界でも当然必要なモデルである。ゆっくりでも良いから、簡易寝台車(Bcm234)、寝台車(WLABmh174/175)、車載車(DDm)、郵便車などと共にリリースを期待しているのである。

参考資料:Pw4üm-61;Dm(s)902 / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen
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コメント 2

深山苧環

このカラーリングは渋く落ち着きがあって大好きです.
私は鉄板24㎝の濃いグリーンの荷物車を持っていますが,やはり出っ張り窓が再現されています.
形状は27センチ車輌のとは異なり米粒のような出っ張りです.
以前,「ミニカーと鉄道模型の部屋」さんでも話題になったのですが,やはり視界を確保するためのものなのでしょうか.
実物の写真を見てみたいです.
by 深山苧環 (2009-08-31 10:05) 

Akira

深山苧環さん、おはようございます。

このPopカラーは、車種別のカラーリングの試みで様々な塗装色が試されました。この濃緑色はChromoxdgruenと呼ばれる色で、それまでの2等座席車に使われていた色彩ですが、車両全体に塗ると暗い色のため重苦しいイメージになりますが、ライトグレーと合わせ、かつ元々暗い色として認識される窓部分に帯として塗装されると一気に明るくモダンな配色になり、その目的は達成されていると思います。
あとこのグリーンはドイツ人の好む「もみの木の緑」に近い色で、好まれ易いのでしょう。自動車もドイツではグリーンが売れると聞いています。結局は試みだけで終わってしまったのは残念ではありますが...。

出っ張り窓に関しては戦前形荷物車にあるキューポラと同じ役割であるように思います。ただ、その機能自体が60年代には不要になってしまったとも考えられるので無くなったのではないでしょうか?いくつか見た同形車両画像では、出っ張り窓を確認出来ていません。
by Akira (2009-08-31 10:38) 

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