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42723, 42724 ÖBB Schnellzugwagen-Set. D263 "Orient-Express" / Ep.V [Maerklin-Reisezugwagen]

昨日のブログで触れた「Orient-Expressとの惜別」映像を何度も見返して、ヨーロッパの夜行列車の旅愁溢れる映像と音楽の素晴らしさに酔いしれていたのであるが、そんな中Kiyoshiさんから久しぶりのメールをメルクリンモデルの画像と共に頂いた。

その画像は、2000年から2003年にリリースされた客車セット(42723/42724)である。この二つのセットは、最後...ではないもののParis(Est) - Wien Westbf.(- Budapest K.p.)を結んでいた時のD263「Orient-Express」のセットである。ここで少なからずのこのセットをお持ちの方には「?」と思われるかもしれない。...と言うのは42724は、題名にWagen-Set "Paris-Budapest"と記されていたのだが、その後にリリースされた42723は、単に「Schnellzugwagen-Set」と記されているにすぎず、42724の増結セットとは気づかない可能性があるからである。そういう私も残念ながら、この魅力的なセットを両方とも持っていない。(ドイツのKehl - Salzburgという長い距離を走っていたにも関わらず、くだらない?ドイツ縛りにかまけて、今の後悔があるのである)

今回は、そのD263 "Orient-Express"の増結セットである3両のÖBB客車の紹介をしてみたい。このセットに同梱されている3両の客車の実車は全てEurofimaによる資金調達によって納入された西ヨーロッパ共通の規格であるEurofimaタイプと呼ばれる客車である。1等区分室車(A9)と2等区分室車(B11)があり、形式はそれぞれの呼称があるが、窓割り以外はほぼ同じ構造と言える。DBの他、SNCF、SNCB、SBB、FSでも同様の車両があり、当初は多くが国際運用に付く目的からユーロペンと呼ばれるオレンジ色に白帯の外板塗装色の統一も図られたが、客車という性格上全ての車両が国際運用につくことも考えられず、DBなどは自国鉄道色に拘る反発があり、長くは続かず今ではほとんどこの塗装色をみる事ができない。

さて、前置きが長くなったが、このセットの客車のサボには「D263 Paris (Est) - Wien Westbf.」の文字が記されていることから、パリからブタペストへ向かう「D263 Orient-Express」夜行列車の一部であることがわかる。残念ながらメルクリンからは、この時代のÖBB、MÁVのLiegewagenやSchlafwagenモデルがリリースされていないことから座席車のみであるが、昨日の映像でも理解できるように編成のほとんどは座席車両であることも確かである。

b142723_01.jpg

上画像のモデルは、1等区分室車「Amz 19-71 024-1」である。実車画像は以下に近似しているものと考えられる。(モデル画像と同じトイレ(区分室)側の写真では窓形状は異なるようである)

http://www.railfaneurope.net/pix/at/car/IC-EC/Amz/red-grey/Amz_61_81_19-71_012-6.jpg

モデルのベースは4272である。

b142723_02.jpg
b142723_03.jpg

上画像の2両は同じEurofima規格の2等区分室車(B11/Bmz)である。車体番号は、「Bmz 21-71 045-2」と「Bmz 21-71 047-8」である。実車画像は以下が近似していよう。。

http://www.railfaneurope.net/pix/at/car/IC-EC/Bmz/red-grey/OeBB_Bmz21-71_1Graz.jpg

ここで気づくのは、窓形状の他、乗降口扉の形状の違いである。これはどうやらドアをDrueckdicht(気密対応)のプラグドアが使われているようである。モデルと同じタイプのドアを使用したBmz客車は、客室窓が上下開閉式タイプの「21-70 XX」のため、近いドア形状には目をつぶってイメージの近い4273をベースに選んだことがわかる。(ただ、後にDB客車がモデルの妻部分とドアの形状が変更されてリリースしているので、このモデルも正しい印象にするのは不可能ではないはずなのだが..)

紹介したセットの3両のÖBB客車は、赤に近いオレンジにダークグレーの窓帯を施した全体に暗く重い色彩を使っているのだが、ベースのオレンジが彩度の高い目立つ色のため、独特の魅力を放っている。(個人的な見解であるが、この塗装色はオーストリアアルプスを走るため、冬期は雪や吹雪、また通年を通して霧の発生に対応して視認性の良さから来たのではないかと考えられる)
このカラーリングが施された1980年代当時は、DBでは新しいOrientrotを中心にしたカラフルなCIが策定され、同じドイツ語圏でもその表現の違いが国のイメージの違いとも重なりあって興味深いものとなった。メルクリンモデルのこの塗装は、そのイメージを忠実に再現していると言えよう。
レタリングも含めて、2000年代のモデルに相応しい美しい塗装である。

基本的にEurofima客車は同一規格で製造されたため、模型化する場合メーカーとしてもバリエーションを沢山作れマーケットの範囲も広くなるので都合の良いモデルと言えよう。ただ、このモデルのようにドア形状が異なったり、SNCB客車のように窓形状が異なったりすることも少なからずあるのである。
実車のインテリアについては、各鉄道会社で独自のデザイン(シート生地のテキスタイルや室内色など)を施しているため、同じ寸法でも国によってオリジナリティがあるのは興味深いところであるし、それが塗装色以外では唯一の主張できる部分でもある。(その違いをモデルで再現されるチャンスはほとんど不可能とは思うのだが..)

今後、28,2cmでこのモデルがリリースされる時は、そのあたりの違いもしっかり作り分けないとÖBBモデルに強い他社のモデルと比較され立場が弱くなることになるであろう。今の段階では、ÖBB客車などドイツ以外の客車は26,4cmモデルでリリースされているので良いとは思うが...。

Special Thanks: Kiyoshiさん

参考サイト:Schnellzugwagen-Set. / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=42723&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
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TK103

久しぶりにコメントさせて頂きます。
私も今日まで42723が42724の増結セットとは知りませんでした。
42724はÖBB、MÁV、SNCFの車両が効率よく揃えらるので2セット
購入し、ÖBBのEurofima 4両は42723から2等のみ2両を加えて
6輌編成で、MÁV、SNCFの車両は他の手持ちの車両と組み合わせ
て楽しんでいました。
今度の休日には改めて42723+42724のOrient-Express編成で
遊んでみます。( しかしサボ しっかり見とけば、、)
貴重な情報ありがとうございました。

by TK103 (2010-01-26 22:26) 

Akira

TK103さん、こんばんは。ごぶさたです。

このモデルセットが手元にない私はもちろん知る由もありませんが、考えてみれば製品番号は続き番号ですし、オーストリアモデルなので...。ただ、42724が1年限りのリリースだったのに対して42724が、比較的長くリリースされていたのは、増結セットという告知がなかったためなのかも知れません。
by Akira (2010-01-26 22:52) 

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