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43220 DB Büe 366 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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昨日、Kiyoshiさんから頂いたBundeswehr列車の画像を紹介したが、その中にあるSchürzenwagenの2等区分室車と同じ形式が、2002年に最初のSchürzenwagen客車シリーズの1つBüe 366(43220)としてリリースされている。この客車は、全長が短いためフルスケールで登場し、実車の均整の取れた美しいプロポーションが見事に再現されている。このモデルをPwMの「モデルと実車」に紹介した記憶もあるのだが、現在は、サーバーの問題で閲覧不能になっていることもあり、改めてEp.IV時代のSchürzenwagenモデル群について触れてみたいと思う。

Schürzenwagenの実車は、戦前に設計製造された客車であるが、当時の先進の技術を取り入れ、初めて採用された台枠カバーとも言える裾のスカートを付けた一体感のある美しい姿は、現代の最新車両にも取り入れられている普遍的な技術と造形がそれまでの客車と異なり、かたまり感のある独特の魅力を放っている。

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HBrE(ハンドブレーキ側車端部)の画像である。登場当時は、客車とシル・ヘッダはあるのが当たり前の時代である。しかし出入口扉は、それまでの一段凹んだ部分に置かれず、外開き扉ながら車体と面イチとなっており、パーティングラインとドアハンドル、手摺がドアであることを示している。これは、もちろん空力的な意味合いもあろうが、高速運転時の風切り音低減や汚れ防止、また洗浄時の負担軽減にも役立っていると考えられる。
モデルは、ソツのない作りと相まって実車のイメージを損なわず好印象である。私がこの客車シリーズを買い求めたのは、戦前形モデルではありながらも、その美しい造形によるところが大きい。台車は、Bauart Görlitz III Schwerである。

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車端部の画像である。バッファも丸形である。貫通幌は、連結時と非連結時の2種類の形状が用意されている。これは非連結時用のもので、手摺まで表現されている。

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Ep.IV仕様であるこのモデルは、DBマークとその下にUIC表記がある。今となっては古き良き雰囲気とも言えるが、私にとってはこの表記が西ドイツの鉄道というイメージが強い。塗装色はChromoxidgrünの車体に黒色の台枠である。登場時の車体色は、より暗いFlaschengrünでシル・ヘッダが黒色であった。戦後Ep.IIIになってからシル・ヘッダも含めChromoxidgrünに変更となった。
車体番号は、「50 80 29-43 723-5」。以前拙ブログで紹介したSchürzenwagen本によれば、DRG時代は19 285として登場、戦後は、17 499となり、1976年に廃車。その後イランに売却されている。もしかしたら今でもイランで現役で運用されているかもしれない。このモデルの仕様は、Schürzenwagen自体がDB路線上で運用の末期であることを示すものである。

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表記に関してもUIC規格に準じている。RICラスターには最高速度が140Km/hになっており、ドイツの他、スイス、ベルギー、フランス、オランダや東欧であるハンガリー、ユーゴスラビア、ブルガリアまで入線可能となっている。面白いのは、オーストリアの表記である「A」の文字がないので、どのようにしてドイツからハンガリーやユーゴスラビアに入線できたのだろうかということ。いずれにしても蒸気+電気暖房対応で4電源仕様ということである。

また、REV表記は、4.7.73とあるので、1973年7月4日が直近の検査日である。時代は徐々にTEEからICへと移りゆく時であり、このSchürzenwagenは、8人用個室で板張り座席ということも相まってD-Zugというよりローカル運用が多かったのではと考えられる。しかしながら、私も1度動態保存のSchürzenwagen1等車に乗って旅行をしたことがあるが、とても戦前の車両とは思えない静粛な室内であることを実感したことを憶えている。

モデルでは、118形や110形などの電気機関車牽引はもとより、原色の216形や218形などディーゼル機関車やEp.IV仕様の011形、012形、003形など、蒸気機関車にも似合うのではないかと思う。ローカル運用なら短編成が多く、小さなレイアウトで遊ぶには好都合な客車とも言えようか。4MFORだけでなく、今後も何らかの形でEp.IVのSchürzenwagenの登場を期待したいと思うのである。

参考文献:
Taschenbuch Deutsche Reisezugwagen / H. J. Obermeiyer
Schürzen-Schnellzugwagen Teil1 / C. Kirchner, A. Wagner
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