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48853 DRG Berlin 530 011(P) / Ep.II | Insider-Jahreswagen 1998 [Maerklin-Guterwagen]

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1998年のインサイダー貨車は、ライトグレー地に現在ジーメンス社の電球ブランドとなっている「OSRAM」の鮮やかなオレンジ色が良く目立つEp.IIのデッキ付き有蓋貨車モデル(48853)である。いつもインサイダー貨車を手にすると初めて見ると錯覚する程オリジナルティに溢れたモデルなのであるが、このモデルも1984年から88年の5年間リリースされたヴュルテンベルグ王国鉄道のNi形(4685)がベースである。4685は、濃緑色なので同じ車両であることがわからなかったのである。

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その10年後に登場したのがこのモデルで、形式が「Berlin」の私有貨車がオリジナルである。我が国ではOSRAMというブランドは、民生用に出回っていないせいかあまり知られた名前ではないが、ドイツでは日本の東芝やパナソニックのようなメジャーなブランドである。但し照明関連製品だけのブランドである。前述したが、現在OSRAMはシーメンス社のブランドであるが、歴史的には、1906年に単独で設立した会社であったが、1919年にAEG社とDeutsche Gasglühlicht社の3社により買収。ただ、モデルには、シーメンス社の名前が印刷されているので、シーメンスの影響力が強かったとみるべきであろうか。(OSRAM社の歴史詳細は下のPDFファイルを参照)
この貨車の実車があった当時は、シーメンス社の本社所在地が今のミュンヘンではなく、ベルリンであった。

シーメンス社は、ご存知の通りドイツを代表する総合電機メーカーで、歴史はもちろん古い。日本とは江戸時代から既に取り引きがあったようである。
車両についてもICEを始め、世界中にシーメンスの制御システムが取り入れられているのはご承知の通りである。世界で初めて人を乗せて走ったとされる電気による鉄道車両がBerlinで運転されたのは、シーメンス社の本拠地がベルリンにあったことと無関係ではないであろう。

モデルをみると車体左側と台枠に車両番号である「Berlin 530 011(P)」と記されている。これで私有貨車であることも理解出来るが、おそらくOSRAMの照明器具専用の貨車としてプロイセンのみならず隣国も含めて輸送されたに違いなかろう。当時は、今のポーランドやロシアの一部も含まれていたものと想像出来る。

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さて、画像であるが、有蓋貨車のボディ側面に2カ所の通風口がある。現在のGs形に通じる構造であるのかもしれない。中央に大きく描かれたOSRAMのロゴマークは、今でもリファインされてはいるもののCIとして一貫している。それは、オレンジ色であり、そのフォントイメージである。興味深いのは、そのマークに描かれている電球の絵が下向きであることである。ドイツ語で電球のことを「Birne」(洋梨)と呼ばれるのだが、下向きなのはまさに洋梨が木になっている姿のようである。(現在のマークは、2001年に制定された電球部分が上でソケットが下)
なお、モデルに描かれているロゴマークは、1919年から21年まで使用されたものであるので、モデルの実車もこの期間に現存していたものと推察出来る。

ボディの右側には、ライトグレー地に白文字のため見にくいかもしれないが、伝統的なシーメンス社のロゴマークが描かれている。OSRAMのマーク程目立ちはしないが、それをしっかり支えているシーメンス社の立ち位置がわかろうと言うものである。

いずれも印刷の表現は擦れなど無縁で申し分ない。

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モデルの両端部にはデッキが備えられており、両側に手ブレーキが表現されている。できることなら、このモデル数両を連結させて走らせたらと思うのだが、牽引機はと問われると...すぐさま思いつかないのは、この時代の車両に私が疎いからに他ならないのである。

参考サイト:OSRAM
http://www.osram.de/

OSRAM社の100年の歴史(PDF)
http://www.osram.de/osram_de/Ueber_uns/Das_Unternehmen/_pdf/902K004DE_100Jahre_OSRAM.pdf
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S.やくも

moverがドイツから帰ってきたときは
蛍光灯がOSRAMで統一されていて独特な雰囲気がありましたが
切れるたんびにNECなどの一般の蛍光灯に置き換えられて
普通のオフィスみたいになっていって残念に思ってます。
by S.やくも (2010-04-21 20:39) 

Akira

こんばんは、S.やくもさん。

グリーンムーバーは、航空便で直輸入でしたからね。蛍光灯がOSRAMなのは当たり前と言えば、当たり前ですね。

ここで気がついたのですが、車内蛍光灯の電圧(240V?)は日本メーカーにも対応する蛍光灯があるのでしょうか?それとも切れるごとに、安定器を変えたりするのでしょうか?

我が家には、ドイツから持ち帰って未だに点灯できないOSRAMの球が付いた照明があります...。
by Akira (2010-04-21 21:13) 

S.やくも

遅くなりました。
なかなかmoverに乗る機会がありませんでしたが,
昨日乗車してまじまじと見てるとOSRAM/NECとも普通の32Wの直管型が使われてました。
ちょっと調べると蛍光管自体には電圧による差が無く
安定器(電車ではグロー型は使わないけど)側で対応するようです。

もしかしたらAkiraさんの照明も安定器を日本のと交換すれば
点くのではないでしょうか。
by S.やくも (2010-04-29 11:09) 

Akira

S.やくもさん、こんにちは。

わざわざmoverの蛍光管を調べて頂き...恐縮です。ありがとうございます。

結局、国内もドイツも同じ電圧の蛍光管を使っているのですね。考えてみれば蛍光灯は安定器を通すのが普通なので当たり前と言えば当たり前だったかも...。

我が家のドイツ帰りの照明は少々ややこしく、細い棒の中にトランスが入っているようです。(蛍光管ではなく、ハロゲンランプです)
by Akira (2010-04-29 14:00) 

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