SSブログ

48754 Insider-Jahreswagen 1999 | Baden (P)(Robert Metzger & Co.)/ Ep.I [Maerklin-Guterwagen]

b12633.jpg

再び、インサイダー貨車の続きを紹介したい。今回は、1999年のインサイダー貨車モデル(48754)で一見特に代わり映えのしない緩急室付有蓋貨車に見える。しかし、この貨車モデルは、ちょっと変わったモデルでもあるのだ。

b12635.jpg

車体中央は開閉式扉が付いていて、それを開けると...上画像にある2つのワイン樽が納まっているのである。ドイツなど欧州ではワインの輸送には古くから鉄道車両が使われているのだが、大抵は大きなワイン樽を2つ縦に並べて台枠に積載されているのを古くからメルクリンモデルでも見ることが出来た。このモデルは、ワイン樽を有蓋貨車の中に置くことで、保管が容易になったことが想像出来る。この有蓋貨車は、ベースが48750であるが、ワイン樽を納めたメルクリンモデルはこれが初めてである。

b12634.jpg

さて、このモデルは、「Robert Metzger & Co.」社の私有貨車であることが表記や車体に描かれた文字で理解出来る。社名の上には「Weinwagen」とあるのでワイン輸送貨車であることは、内部の樽と共にわかり易い。ただ、この会社自体は存続しているのか、ウエブで検索しても見つける事はできなかった。

b12636.jpg
b12637.jpg

表記を見ると、BADEN王国鉄道の私有貨車で、車体番号は「502 632(P)」。Spezialwagen(特殊車両)としてMannheimが常駐駅のようである。
また、車体右下に「Koenigl. Preuss. Hofspediteure」(プロイセン王国御用達輸送者)とも記されている。Badenワインの会社でありながら、プロイセン王国御用達の会社でもあったようである。つまり時代はEp.Iである。「Triest」はアドリア海に面したイタリアの港湾都市の名称である。

そう言えば、来年2011年は日独通商条約150周年とのことで、日独双方で様々にイベントがあると聞いているが、実は正確には日独ではなく、当時はプロイセンと日本が条約締結したとのこと。当時はまだドイツという国にはなっていなかったのであろう。そう考えれば、プロイセンは当時欧州列強の国々の中でも強大であったのであろう。ちなみに創業150年を過ぎたメルクリン社は、ヴュルテンベルグ王国にあった会社である。この貨車の所属するバーデンは、ヴュルテンベルクの西側で、マンハイム以南のライン河畔沿いの土地である。現在ヴュルテンベルクと合わせてバーデンヴュルテンベルク州になっている。

b12638.jpg

画像は、緩急室側の俯瞰である。

b12639.jpg

非緩急室側の俯瞰画像。
nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 5

masato-marklin

おはようございます
私もこのモデル持っています。
扉の間から見える樽がいい雰囲気ですよね・・
でもこの扉からどうやって樽を入れたんですかね・・
by masato-marklin (2010-05-12 04:46) 

深山苧環

おはようございます
私は大枠に樽を乗せたSBBの貨車を持っていますが,他に輸送手段がなかった時代とはいえ,ずいぶん乱暴なやり方だなと思っていました.

実車にしても,模型にしても樽をどうやって入れたのか・・・ 私も疑問に思いました.
貨車の中で樽を組み立てる?
樽を作ってから貨車を組み上げる?東大寺の大仏じゃあるまいし.
そもそも,ワインを充填してから貨車に積むのか,貨車に積んでからワインを詰めるのか・・・ 当然前者だとは思うのですが・・・

まずいな,こんなことを考えていたら今日は仕事にならないぞ.
by 深山苧環 (2010-05-12 08:15) 

Akira

masatoさん、深山苧環さん、おはようございます。

ワイン樽の設置方法なんですが...。おそらく出来上がった貨車の車体の中で製作したのでは..なんて考えています。
ワインはもちろん庫内にあるワイン樽に詰めるのでしょうね。樽はその都度交換すべきものかわかりませんが、ワイン樽の積載されている貨車はワインが変わる毎に樽も変わるとは..ちょっと考えにくいです。

ハイデルベルク城内の大樽など何回も使っていると思うんですが...。

この貨車の実車資料を「WAGEN」で見掛けた記憶があるので探しているのですが、資料が膨大になっているので見つける事が出来ず...。また見つけたらご報告いたします。
by Akira (2010-05-12 11:46) 

klaviermusik-koba

akiraさんこんにちわ、

通常ワイン運搬車は樽はむき出しのままですがKuehlwagen
の中に入っているのは珍しいですね。かなり高級なワインのためのものではないでしょうか。

どうやって樽を入れたか?ですが、最近の日本家屋の風呂桶の入れ方、つまり風呂場のドアをつけるまえにバスタブをいれて入れてしまう、という方法しかないでしょう。この場合だと側板をつける前に入れれば可能でしょうし、ワインの樽に使われる木材はかなり長い年月もちます。昔フランスある町でワイン貯蔵庫を見たことがあるのですが地下の貯蔵庫に巨大な樽をどうやっていれたか?いまだに不明のままです。有葢車であれば風雨から守れるので長持ちし、いよいよダメになれば中で解体するか、側板を外して新しいものと入れ替えることはできるでしょう。
by klaviermusik-koba (2010-05-12 13:18) 

Akira

klaviermusik-kobaさん、こんにちは。

手元の資料で1番近い車両は、1913年製のGmlと呼ばれるもので、何とEp.IV/VまでDB/DRで形式名称変更されながらも残っていたGbkl236形というものです。この貨車が冷蔵貨車だったのかはわかりませんが、氷を貯蔵させる事でワインの温度を上げずに、また冬期の場合ワインを凍らせる事なく輸送が可能なのでしょう。

ワイン樽の入れ方は、おそらくklaviermusik-kobaさんの方が説得力がありますね。
引き続き資料検索してみます。
by Akira (2010-05-12 16:39) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0