Hamburg (1) [Reise]
Hamburg Hbfへ到着して、まず宿へと急ぎ荷物を置いてHamburg-Altona駅へと急ぐ。地上ホームへの通路には、BR01 1080の実物動輪が鎮座している。これは、Hamburg機関区に居た代表的機関車であるからであろう。この機関車が居た機関庫は2重の転車台を持つドイツでも有数の大型機関区として知られている。
そんな動輪を尻目に地上ホームへと急ぐ。ハンブルグ発着の南方面行きIC/ICE列車のほとんどは、ここアルトナ駅が出発駅である。行き止まり駅である上、人もまばらなこの駅は、撮影にはうってつけである。画像は120.1形牽引のIC列車。
ちょっと雲行きが怪しくなって来たと思ったら雨が降り出して来た。待合室でホームの乗客や乗務員が雨宿りをする中、ホームの端で1人弱くない雨の中にオジさんらしき人が立っている。雨が小降りになったのを見計らって、そのオジさんのところへゆくとDBマークの上着を着ている。
実は、その人が私がここへ来た理由である列車の乗務員かと思い、声を掛けてみた。すると、次のICEの乗務員であるとのこと。少しヨタ話をしつつ到着したICE1が上の画像である。すると、その乗務員のオジさん..「次の駅迄乗って行くかい?」...と。さて困った。私の目的は別の列車である。そしてICE1にはデビューしたての頃ミュンヘンからアウグスブルグ迄運転台に添乗したこともあるので、丁重にお断りをした上で、ちょっとだけ乗せて欲しいと頼んだら、「3分間だけなら良いゼ」というご返事...。と言う訳で久しぶりのICE1運転台に乗車してしまった。それが以下の写真。
▲ コックピットの電子運転時刻表
▲ 運転台から電動機室を見る
予定の3分間が終わり、運転席に居る乗務員のオジさんに握手のお礼をしてICE1の運転台を後にした。むか〜し小学生の頃、父と一緒に外房線特急「わかしお」に乗る前に東京地下駅で183系の運転台に乗せてもらったことを思い出した。今、この歳では日本ではまず不可能だろ〜な〜..と思うのである。
次に撮影出来たのは、101形牽引の旧METの車両を使った(何故か)ICEである。この旧METの車両、DBのコンセプトが悪かった。いくら航空機がライバルとは言え、当初は1等車のみの列車で豪華さをウリにしていた列車であった。(詳しくはRiGのMetropolitan参照)ところが、当初の目論みは見事に外れ、乗客数は伸び悩み、一部2等車に改造。それでも上手く行かず、結局この列車自体が無くなってしまった。残った車両はDBの標準色に塗り替えられ、1/2等車の割合が一般の列車と異なるので、1等車の一部を設備はそのままで2等車扱いのまま運用に就いているのである。現在はハンブルグとベルリンを結ぶICEとして運用されているので、豪華な2等車に乗車したい向きは是非この列車の旧1等車に乗車されることをおススメする。1+2列の本革シートが迎えてくれる。
なお、このICEは両端に101形を連結し制御客車は使わずプッシュプル運転ではない。
そんなこんなで暫くするとV60が数両のDDm(車運車)をプッシュしてきた。その後も次々とDDm、簡易寝台車、食堂車、寝台車を組成し編成が出来上がった。実はこれ、Autoreisezugである。イタリアのTrieste行きの自動車と一緒に旅行出来る列車である。バカンスシーズンも始まったこの時は、小さな子供を連れた家族が自動車に沢山の荷物を積んでイタリアの海岸へと旅行する光景はいつものことであるが、それを間近に見たのは初めてである。
▲ 車運車では作業員が手早く準備をはじめる
▲ 準備が終わると、早速最初のクルマ(Audi A6)が車運車に乗ってくる。しかし、A6はやたらと車副が広いので左右の車体止めレールに乗ってしまい、上手く走れず作業員の笑い者に....。
▲ 車運車に乗せるのはもちろん所有者のドライバーである。大抵はお父さん。子供達は列車による自動車旅行で少々興奮気味。
▲ 下段の車載が終わると上段へ誘導される。上段最初のクルマはBMW。
▲ 連結した簡易寝台車の出入口のサボ
▲ 以前InterRegioに使われていた旧BistroCaféの車内。Autoreisezugでは、BordBistroとして機能。座席部分は、どうやら厨房になっているようである。
中々興味深い光景を見たのだが、ここに来た本来の目的は次回に...。
毎日のアップが楽しみです。
まるで自分が当地に赴いた気持ちになっています。
ありがとうございます!
そして無事のご帰国、お疲れ様でした!
by akhomma (2010-08-10 06:15)
おはようございます、akhommaさん。
毎日ご覧頂きありがとうございます。どこまで仕事なんだかわからないような出張でしたが、色々と新しい発見も出来て充実した旅行になりました。こうしてブログにも記してご報告できるので良かったです。
by Akira (2010-08-10 07:36)
私も幼い頃,札幌郊外の函館本線の駅で単機回送で到着した蒸気機関車の運転台に乗せてもらい,汽笛を鳴らしたことがあります.
外国の鉄道員,特に運転手はフレンドリーな人が多いですね.
私もアメリカと台湾で親切にしてもらった経験があります.
しかし,最も厳重な保安を必要とするであろう高速列車の運転席に添乗を勧めてくれるとは.
私なら即予定変更,ホイホイついて行ってしまったことでしょう.
どこの国でも男の子は鉄道に興味があるのですね.
まさに”夏休みの一コマ”と言った写真,とても気に入りました.
次回も楽しみにしております.
by 深山苧環 (2010-08-10 08:25)
おはようございます。
Autoreisezugは、写真を見る限り、普通にAltona駅のホームに据え付けたままクルマが乗り込んでいるようですね。かつての我がカートレインが短命に終わったのは、特定の貨物駅でしか乗降できず手続きも煩わしいのが嫌われたからだとか・・・。
それにしても、所詮は血税を投じた見せかけの「千円化や無料化」とやらで大渋滞を巻き起こし、非効率にエネルギーを浪費させるばかりか、ドライバーにも負担を強いている我が国の現状って、いったい・・・。
by seidoh (2010-08-10 09:54)
ICE1のコックピット&機械室にも萌えましたが
Autoreisezugの珍ドコぶりに蕩れました。
こういう変なのを見ると模型で組みたくなっちゃいます。
日本では道路に税金入れたせいか普通に道路使う方が便利で
列車でわざわざ輸送するなんて苦行でしかないんじゃないかと思います。
by S.やくも (2010-08-10 11:24)
長いコメント書き込める状況でなくてすみません。
とにかく羨ましい出張ですね。
ICE1のキャブライドを断る程の理由ということは・・・IC1817?
by BOAC VC10 (2010-08-10 12:13)
>ここに来た本来の目的は次回に...。
関西人は全員思ってるぜ。 「またかよー、すかんやっちゃ」 (爆笑)
by xyz (2010-08-10 12:44)
遅くなりましたが、お帰りなさい。
ドイツの貴重な映像、情報ありがとうございます。
ルール工業地帯でのレイアウト、銑鉄運搬貨車等もいいですね。
今回のアルトナ駅での映像も最高ですね。
ドイツ人は日本人と違い車運車に車を載せるのを気にしないのですね。
日本では車が汚れるということで屋根のある貨車に車をパレットに載せて
カートレインを運行していましたが。
そのため、日本ではカートレインが短命に終わったのでしょう。
お忙しいでしょうが、これからも旅行の貴重情報を公開して下さい。
by タブレット (2010-08-10 12:45)
ちょっとパソコンから離れた隙に...沢山のレスをありがとうございます。
> 深山苧環さん
やはり家族と旅行するバカンスは子供達にとって、新しい発見ばかりでしょう。それも自家用車ごと列車に乗って行くのですから興奮するのも頷けます。
> seidohさん
そうなんです。自動車はコンコースを走って車運車に自分で乗り込みます。日本の高速道路の事情は、最初から無料のアウトバーンを持つドイツとの比較は難しいですが、それゆえにドイツの鉄道には、まだゆとりがありますし、この季節のアウトバーンは渋滞が頻発しています。また、ハンブルグからイタリアまでクルマで行くのは、若干の勇気とエネルギーが必要です。
> S.やくもさん
Autoreisezugの自動車載せ状況を見て発見したのは、1両の下段に5台積載スペースがあるに、全て4台しか積載しなかったこと。きっとバランスを考えたのでしょう。
> BOAC VC10さん
さすがですね〜。察しがよろしいです。
> xyzさん
すかんことして申し訳ない。しばしお待ちを...。
> タブレットさん
44形萌えのタブレットさんとしては、ルールの工場群でのレイアウトを走る機関車や貨車は、気に入ると思います。
日本のカートレインは、確かにクルマの汚れに神経質だと、難しいでしょうねぇ。私はアルトナ駅からクルマを列車に載せて寝台車で行くバカンスの人たちをとってもウラヤマシイ思いで見ていましたが...。
by Akira (2010-08-10 15:45)
トレッドの広いA6はさすがに厳しいですねぇ(汗)
手持ちの車運車で試してみたくなりました。それにしても、誘導してくれるとはいえ駐車時の前車との距離の短いこと!車止めをしていたとしても、急停車したらゴツンって事はないのかな(笑)
運転席の中に入れてもらえるなんて羨ましいです!
お国柄というのもあるかもしれませんが、きっと同じ趣味を嗜む人達のマナーが絶対的に良いからだと思ったりもします。
by autounion (2010-08-10 20:21)
こんばんは、autounionさん。
そうそう。作業員は前のクルマにギリギリまで近づける誘導をします。平なら良いんだけど、アップダウンがあるDDmなんで、近くで見ていると中々スリリングです。運転している方もキンチョーしているだろうからゴツンということは滅多にないのでは...。
運転席に載せてもらえたのは、まぁ運が良かったのだろうと。乗務員も色々居るでしょうし...。ただ、怒号が飛び散るようなどこかの国とは違うのは確かでしょう。
by Akira (2010-08-10 20:33)
旧MET客車にAutozugとは、Hamburg Altonaでのウォッチングも楽しそうですね。それにしても、ICEの運転室添乗とは・・・・私なら間違いなく乗りこんでしまったでしょう。本当に羨ましいです。
by HUH (2010-08-11 10:55)
こんにちは、HUHさん。
やはりご一緒すれば良かったですね....。でも、ハンブルグから先が厄介なことになりました。旅は良いこと尽くめではありませぬ。
by Akira (2010-08-11 13:22)