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43969 DB Pw4üm-60 / Ep.III [Maerklin-Reisezugwagen]

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先日リリースが始まった今年の03.10形インサイダーモデルに牽引されるD-Zug客車セット(これもインサイダーモデル)について少しばかり記したが、モデルがようやく手元に届いたので、まずは新金型で初登場の荷物車モデルを紹介してみたい。

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このモデルの実車は、Ep.III仕様のPw4üm-60形である。1960年に試作車Pw4ümg-59形1両と合わせて合計182両製造されたUIC-X客車に合わせたもので全長26.4mである。メルクリンからは、27cmの客車時代からあり、ファンにとっては馴染みのある形式と言えよう。今回、28.2cmになって初めて製品化されたもので、私自身は待ちわびたモデルの1つである。

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このモデルの実車となった「106 033 Wpt」は、1961年にミュンヘンのWaggonfabrik J.Rathgeber AGにより「106 033 Mü」として登場し、最後のChromoxidgrün色の同形式荷物車として1989年3月まで残り、1994年1月に廃車となった。

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さて、モデルの話になるが、27cmから28.2cmとなり、より実車のイメージに近づいたように見えるのか..と思いきや、意外にそうはならないものである。やはりその主な要因は車体幅とのバランスによるものなのかとも思うが、上画像の妻面にある尾灯1つとっても、赤いレンズが別パーツではめられディテールには一層の留意が図られたにも関わらず、どうも大きさのバランスが悪い。つまり尾灯そのものの大きさ、そしてそのゴム製枠についても何だか精細すぎて実車のイメージとは遠くなっている。その点、27cmモデルは、車体幅がたっぷり取ってあるせいか、尾灯についても寸法は異なるかもしれないものの、実車イメージを良く掴んでおり、納得の出来るものであった。

28,2cmモデルは、今後次々と新しいモデルが登場するはずであるが、どのみちショートスケールなのである。是非実車のイメージに留意する設計を心がけて欲しいと個人的には思うのである。
...とは言ったものの、妻面に印刷されている文字列は、既に私の肉眼把握の限界を遥かに凌いでおり、その精細さは最近のメルクリンの印刷技術の高さを示すもので素晴らしい。
なお、車体に2枚あるロール式扉は、27cmモデルのような可動式ではない。

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上画像は各種表記が見えるが、その印刷精度の高さを示すもの。少々引っかかるのは、Gruppe 53と記されている文字列で、これは確か53系列客車の車両に記されていてUIC-Xにはないものと思ったのだが確認出来ず、よって正しいのかも知れない。

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ボディを外すとグレーの車内装備をみる事が出来る。このあたりは27cmモデルと比較して良くなった部分なのかとも思えるところである。荷物車でも窓越しに車内の壁が見えたりするのは中々よろしい。

さて、全体的には塗装色も含めて落ち着いた印象のモデルであり、実際のChromoxidgrün色とは若干異なるような気もするが、よりくすんだ色あいのため、レイアウトに置いた際は自然な印象を受けるような気もする。
いずれにしても、28,2cmの荷物車の登場は歓迎である。このD-Zugセットに組成させるのはもちろん、Ep.IIIの長距離客車列車には欠かせない荷物車の登場で、今後様々なバリエーションの登場の期待が持てる。機関車の次位に組むのも良し、客車の中間に組成するのも良しである。

参考文献:Pw4üm-60 / "Wagen" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Zeitschriftverlag GmbH München

参考サイト:Schnellzugwagen-Set. / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=43969&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
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東西急行

Akira様、東西急行です。御無沙汰致しております。
御紹介のセットを拝見するに、1953年型(53式?)26.5m級客車群は矢張り五輛以上の編成でこそ見栄えがするものと実感します。一昔前発売された「リヴィエラ急行セット基本+増結」の多士済々振りとは対照的ですが、戦災復旧より経済成長へと始動した頃を象徴するものと存じます。
また一輛だけ加わる大戦争体験車(復員し、再就業した車輌)たる長車体ショルツェンヴァルゲン食堂車が全く違和感無いものである点も再認識出来ます(他の五輛が此の意匠を引き継いだとも取れます)。

附記:手持ち資料より数字を拾いました所、敗戦前製造された省鉄鋼製寝台車で、最多量産された等級が実は二等(昼間は疲れるばかりの長椅子)であったこと、また鋼製一等寝台車は其れ以前に製造された木製車(1926年山陽本線を走行中水害により大破)と丁度同数である21輛製造されたと分かり、驚きを禁じ得ませんでした。

by 東西急行 (2010-11-07 21:00) 

Akira

こんばんは、東西急行さん。

仰る通り1953年製造の26,4m客車は、53年式(Gruppe 53)ですが、ドアの形状や窓の横寸法、貫通扉の形状などUIC-Xとは異なる部分が多々あります。今回のセットの客車は、60年代製造のモデルのため、この荷物車もPw4ue-60となっています。まだ現在も一部はV.Rot色で運用されているようですが、流石に廃車も進んでいるようです。

ご指摘のSchuerzenwagen食堂車は、驚きを持って手にした次第です。詳細は後ほどブログで紹介いたしますが、エアコン装備でありながら、幌は蛇腹式、台車はGoerlitz Schwerと過渡期の仕様で、更にはこのモデル初の窓上文字が再現されています。CIWLに向こうを張った表記なのでしょうが、やはり塗料で記された文字列では真鍮磨き出し文字をビス止めしたCIWLの敵にはならずですね。

しかし、この仕様は大変気に入っています。
by Akira (2010-11-07 22:54) 

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