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Eisenbahn Journal 2/2011 [欧州鉄道]

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今回紹介するのはEisenbahn Journalの最新号である。上画像の表紙を飾るのは、今や話題のESUの215形である。既に拙ブログでも昨年のメッセでのデビューから幾度となくこのモデルを紹介しているので詳細を記す必要もないであろうが、通常実車の写真を表紙に据えるこの雑誌でもH0モデルの画像にするくらいインパクトの大きなモデルであると言えるのであろう。正直な話、私も手元に1台置きたいくらいである。

Eisenbahn Journal誌は、ドイツの代表的な鉄道趣味誌の1つであり、紙面構成も他のドイツの趣味誌同様実車と模型がほぼ半々である。
実車の特集は、Baselの駅である。Baselはご承知のように、スイス、ドイツ、フランスの3つの国の国境がある街である。スイスバーゼルは、スイス金融の中心とも言えるのかも知れないが、我々「鉄」にとっては、やはりBasel SBB駅であろう。ドイツ側のはBasel Bad駅である。フランスは、Basel に旅客駅はなく、Basel SBB駅を起点に路線が延びている。

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誌面では、1960年代初頭、つまりEp.IIIbにあたる時代にスポットを当て、当時のBaselを行き交う機関車や列車について写真とテキストで説明されている。上画像は、その当時の写真を配した見開きで、右上写真には、真新しい紺色とベージュのツートンカラーに塗装されたE10.12機関車を先頭にした"Rheingold"、その後ろにはフランス方面へ向かうのであろうか、仏形客車と連結したCIWL食堂車4144である。紺色の車体に黄色の帯と独特の丸屋根、そして何より象徴的な縦長楕円形の化粧室窓が格調の高さと存在感を示している。

時折このような写真を見ると、この時代のこの場所に居たいという衝動にかられるのだが、タイムマシンでもない限り、それは不可能である。せめて写真を見て当時の雰囲気を模型で表現できればと夢を膨らませる..というところであろうか。
その他、例えばE91形電気機関車や75形蒸気機関車、SBBのRAm、またRe4/4 I 非貫通濃緑色にTEEエンブレムを付けたTEE列車など見ていて飽きるはずもない光景が誌面に溢れているのである。

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もう一つの特集が215形である。ドイツの趣味紙である当誌の良い部分の1つは、注目の模型が製品化された時、実車と一緒に誌面での解説が出来ると言う点である。今回も最初に沢山の215形の画像、そして実車の技術解説、最後に注目の模型とそのインプレである。注目は業界初のH0ディーゼル機の発煙を可能にした点であり、その様子が画像にも掲載されている。

EJ誌の今号は実車もモデルも、215形好きはもちろん、Ep.IIIb最後の時代に興味ある方にも見応えのある一冊と言えると思う。



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かなりのメルファン

Akiraさん、こんばんは。215型のpurplerot、自分はメルクリン製の同型218を買えなかったので是非とも欲しいですが、サイズはメルクリン製とは違うのでしょうか?生産はドイツ製でしょうか?
by かなりのメルファン (2011-02-12 00:47) 

Akira

こんばんは、かなりのメルファンさん。

218形も215形も未確認ながらサイズ的には218形と同じではないかと。メルクリンもESUもフルスケール(1/87)のはずです。製造は確かMade in Chinaだったかと....。あとボディはメルクリンが金属製でESUは樹脂製です。ディテールやファンクション、ギミックはESU製に軍配があがるのは確かでしょう。
by Akira (2011-02-12 01:44) 

東西急行

Akira様、東西急行です。
EpⅢbは私の守備範囲とする時代の最末期です(UIC符丁を打たれた後の長距離国際夜行は無惨の一語故)。
>CIWL食堂車4144
御指摘の特徴より押して、種車は余剰となった厨房付き24席型Pullmann座席車と思われます。食卓と窓配置がずれている点が何処か居心地の悪さ?を醸す形式です。
by 東西急行 (2011-02-12 19:42) 

Akira

こんばんは、東西急行さん。

Ep.IIIbは、まだCIWLが特に旧型食堂車が多く活躍していた最後かも知れませんね。さて、ご指摘の4144は旧Pullmanとのこと。これは、元「Fleche d' Or」のWSPCだったのでしょうか?
Ep.IIIa時代には、この旧「Fleche d' Or」食堂車がドイツでもRheingold-ExpressやLorerey-Expressの食堂車として使われていたのですが、これは元Pullman「Fleche d' Or」でした。
by Akira (2011-02-12 22:08) 

かなりのメルファン

Akiraさん、こんばんは。ところで、Eisenbahn Journalの左ページの最下段に載っている優美な流線型の客車(電源車?)が気になりますがこれは何という列車ですか。メルクリンからはリリースの実績がありますか。
by かなりのメルファン (2011-02-13 00:24) 

Akira

おはようございます、かなりのメルファンさん。

これは、客車ではなく気動車のVT 06.1です。Ft-Zug "Rheinblitz"の Basel SBB駅ホームでのスナップですね。3両固定編成?なのでメルクリンから出ているSVT 04.5とは異なりますが、似ていますね。
http://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2008-11-15
by Akira (2011-02-13 09:26) 

かなりのメルファン

Akiraさん おはようございます。回答ありがとうございます。調べましたが他メーカーではLiliputから出ているようですね。塗色はモノクロ写真の感じでは紺色かと思ってましたが赤茶色なんですね。2007年メルクリン新製品のSVT04と見比べましたがVT06も丸みの程度はあまり変わらないようですね。写真では前頭部が模型よりも丸みを帯びた流線型のように感じられますが。再生産を願ってやみません。
by かなりのメルファン (2011-02-13 12:04) 

Akira

かなりのメルファンさん、こんにちは。

私が写真で知る限りでは、SVT04とVT06の前頭部造形の違いは、窓の縦の長さでしょうか?VT06は上部分が低くなっていますね。
このSVTモデルは、MHI製品なのでおそらく今後の再生産は期待できないでしょう...。
実はこの流線型気動車や電車は、私の心をくすぐるモデルばかりなので、今後もSVT04とは異なる色々なモデルがリリースされれば良いなぁ..と思っています。あのFliegender Hamburgerも実車画像では、メルクリンモデルではなく、前面窓の小さなタイプばかりですから、これもあれば良いなぁ...と。
by Akira (2011-02-13 15:09) 

Akira

おはようございます。

> 東西急行さん
CIWLの4144ですが、これ調べてみたら

4131-4147 1929 WPC "Cote d'Azur"

のグループに属していたのですね。つまり、ラリック美術館にあるPullman 4158とも同じグループで、あちらは厨房なしのWSPでプルマンのまま生き残り、4144は厨房付きのWSPCのため、食堂車に改造され使われたのでしょうね。
私はてっきり食堂車化されたのは、"Fleche d'Or"のWSPCだけだと思っていたので、個人的により"Cote d'Azur"好きな私は新しい発見です。
つまり、この4144は、食堂車化されてももしかしたら少しはルネラリックのガラスレリーフも残っていたかもしれませんね。中々興味は尽きません。
by Akira (2011-02-14 09:21) 

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