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鉄道デザインEX vol.2 [デザイン]

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創刊号が出たのが昨年の8月下旬だったか。おそらく世界でも初めての試みであろう「鉄道」と「デザイン」の雑誌であるが、第2号がようやく3月2日に書店に並ぶ。当誌面の片隅を汚している自身としては、反響や売れ行きはやはり気になるもので、関係者に聞いてみると、やはり..というか一般よりも業界の方々の関心が強いようである。

今回の特集は我が国の鉄道車両メーカーの一躍を担う近畿車両のデザインが特集である。昨年初めて行われた「鉄道技術展」でも出展した近畿車両はデザインがテーマであったほど、デザインに力を入れている車両メーカーの1つであるように思う。ページを捲ると初めて見るレンダリングやスケッチもあり、興味深い。それも近鉄特急からJRや輸出向け車両、果てはLRTにいたる迄余すところなく文章と画像で表現されているのは嬉しいところ。
また昨秋ドイツのベルリンで行われたInnoTransのレポートも画像が小さいながら沢山の興味深い車両を取り上げているのが嬉しい。
その他鉄道には欠かせない駅やサイン、フォントなどなど、鉄道のデザインはトータルであるということを感じさせる編集方針には大変納得の行く部分である。

一方で、少し気になったこと...。それはデザイン誌にあるページを初めて捲るときのワクワク感がこの誌面には少々足りないのかな...と。それは何かと考えてみると、鉄道以外のデザイン誌に見られる日本以外のデザインの紹介がないことに尽きるように感じたのである。つまりは、初めて目にする(優れた)デザイン紹介がないこと..そこが残念である。

さて、日本でプロダクトデザインの専門誌と言えば、CarStyling誌が有名で、私も1度だけ誌面に作品が掲載されたことがあるが、この雑誌は純粋に業界紙で世界中の(特にトランスポーテーション関係の)デザイナーが愛読していると言っても過言ではなかったのだが、今では同誌すら休刊中である。
同誌が主に扱う自動車に興味が薄れている現状が根底にあるとは思うが、毎号世界の名だたる自動車メーカーやデザイナーの作品が散りばめられたその紙面構成など、まだまだ鉄道デザインExは見習うべき点もあるかと思う。

今号も誌面の片隅とは言えないページ数になってしまったが、留学する学生が減っているという現状に少しでも貢献したく執筆させていただいているので、ご興味のある方は本書を手に取って頂ければ幸いである。それにしても毎回的確な表現のイラストは脱帽もの..である。

[イカロス出版]
https://secure.ikaros.jp/sales/mook-detail.asp?ID=2380

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タグ:Zeitschriften
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コメント 6

YAASINI(mixi)

こんな雑誌の存在を知りませんでした^^;
機会あったら見てみたいですね^^
by YAASINI(mixi) (2011-02-27 00:23) 

Akira

こんにちは、YAASINIさん。

3/2に全国書店に並びます。(多くは鉄道雑誌コーナーかと)
by Akira (2011-02-27 00:25) 

CISALPINO

Akiraさんこんにちは。

CarStyling誌は、若い頃はよく買って読んでました。私は見た目から入ることが多くてクルマなどもそうでした。デザインに関しては全く知識もないのですが、自分がカッコいいなと思う心は大切にしたいと思っています。
by CISALPINO (2011-02-27 10:54) 

Akira

おはようございます、CISALPINOさん。

大型書店には書架に同誌が並ぶこともありますよね。この雑誌は私が学生時代には刺激的でワクワクしながらページを開いたものです。たまにですが、鉄道車両のデザインも掲載されていて2ヶ月に1回の発刊が待ち遠しかったです。

カーデザインは、欧米からの影響が強い日本ですが、こと日本の画材とCarStylingは、欧米の名だたる自動車会社のデザイン部門に浸透していました。
by Akira (2011-02-27 11:10) 

yuko_hashimoto

研究・執筆・編集の立場でコメントすると、「メディアで読むインダストリアル・デザイン」は幾つかの制約と魔法があると思います。Akira さんが仰る「海外ネタ」「デザインとして優れた事例」の不足も否めませんが、この領域は、ジャーナリズムが決して成熟しておらず、書き手、出版社、取材される側、読者のどれをとっても、「何を報道・訴求・批評するのか」「何のために買う・読む・知るのか」について、セグメンテーション、独自性や求心性の追求が難しく、出版不況は、それに拍車を掛けています。その一方で、エディトリアルやプロモーションの力で、「ヴィジュアルあるいはニュースとしては」話題になるが… という媒体もなきにしもあらず。そうしたなかで本誌は、試行錯誤をしながら、今後の展開に期待するところが大きいといえるでしょう。平均値に「おもねない」印刷媒体として、どういう方向を目指すのか? なかなか楽しみですね。
by yuko_hashimoto (2011-02-27 19:56) 

Akira

yuko_hashimotoさん、Spielkisteへようこそです。

コメントをありがとうございます。雑誌の編集というのは確かに難しく市場の多様性を考えるとプロダクトデザイン同様、より多くの人に受け入れられるような要素は不可欠であります。その中でバランスを取りつつより良い誌面を目指して行くのがその王道でもありましょう。
最初から完璧ではない誌面であるからこそこれからが楽しみでもありましょう。
by Akira (2011-02-27 21:18) 

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